カノン・レディ〜砲兵令嬢戦記〜

村井 啓

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第三章:退却戦

第二十五話:北部二大辺境伯の奔走(後編)

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「面会の承認、誠にありがとうございます。コロンフィラ伯、フィリップ・デュポン卿」

「貴卿が畏まって謝辞を述べる時は、どうせ碌でもない相談だと相場が決まっている。前置きは良い、結論から述べてくれ」

 パルマ女伯の嫌がらせに屈したコロンフィラ伯が、肘掛けに頬杖をつきながら気だるそうに応対する。パルマ女伯ほどではないが、それなりに若い顔持ちである。

「加えて、あの途轍もなく邪魔な馬車は即刻正門前から退避させる様に」

 自分の襟周りに巻かれた純白のクラバットを忌々しそうに緩めながら、窓の外を指差すコロンフィラ伯。後ろの裾が長い深緑のコートと白シャツ、白ブリーチに黒の革靴を履いた彼は、どこか窮屈そうな表情をしている。

「既に退避させました。この度は非礼をお詫び申し上げます」

 ペコリと軽く頭を下げるパルマ女伯。
 
「第一、貴卿は連邦議会の輪を乱した罪で自宅謹慎処分中の筈だろう?なぜ外に出歩いているのだ?」

 結論から述べよと言った割にはアレコレと余談に首を突っ込むコロンフィラ伯。

「自宅は灰になりましたので、そのまま焼け出されました」

「……ひょっとしてそれはジョークか?」

 事実です、とピシャリと言い放つパルマ女伯。
 想定していたよりも事態が深刻な事を知り、頭に手を当てるコロンフィラ伯。

「ノールは今どこまで攻め込んでいる?」
「ヨルク川まで進出してきています」
「ということは、リヴァン市はまだ無事か?」
「今の所は防衛に成功しています。ただ、長くは持たないでしょう」

 絡めた両手を何度も額に打ち付けるコロンフィラ伯。リヴァンが堕ちれば、次はここが標的となる事など言わずもがなである。
 
「……話が逸れたな、用件はなんだ?」

「用件は二点あります。まず一点目、この戦には貴卿が擁する重騎兵の援軍が必要です。出陣の命令を」

「なるほど、結局話は逸れていないか……」

 大きく息を吐くと、首を横に振った。

「無理だな」

「ここで決断せねば、次は貴卿の街が灰になるやもしれませんよ?」

「いや、援軍を出さないという意味では無い。出しても無駄だと言っているのだ」

 自分のグラスにボトルワインを注ぎながら答えるコロンフィラ伯。

「コロンフィラ騎士団の末裔ともあろう貴卿が、戦う前から勝負を諦めるのですか?」

「まぁ待て、理由については今から説明する」

 グラスに並々と注がれたワインを一気に飲み干すと、パルマ女伯へとボトルを突き出す。

「飲むか?南部の友人が送ってきたヤツだ」

「結構です。援軍を出しても無駄と考える理由をお聞かせ頂けますか?」

 手を僅かに上げてボトルを制止するパルマ女伯。では私が全部飲むと言わんばかりに彼はワインボトルを自身の手前に寄せた。

「一言で言ってしまえば、俺の騎兵は時代遅れだ。今の戦場とは相性が悪すぎる」

「……もう少し分かり易く説明して頂けますか?」

 大分に端折った回答を受け、女伯の眉間に皺が寄せられる。

「どう説明するかな……。俺の持つ重騎兵は、五百年前に結成されたコロンフィラ騎士団がルーツになっている事は知ってるな?」

「はい、存じ上げております。その昔は北方大陸中に名を馳せる程の精鋭揃いだったと」
 
 僅かに頷きながら答えるパルマ女伯。
 
「自分で言うのも何だが、その通りだ。そしてここが一番重要なんだが、俺の持つ重騎兵は。この意味が分かるか?」

「積み重ねてきた伝統を重んじる良い部隊、という意味に聞こえましたが」

「違う、そうじゃない。いや、まぁ、それも理由の一つではあるか……とにかく、シンプルに時代遅れなんだ」

 兜を被り、長槍を脇に構える仕草を見せるコロンフィラ伯。

「銃器が発達する前、戦場の花形といえば騎兵、特に重騎兵は無類の強さを誇った。それは騎兵に対抗できる兵科がごく僅かだったからでもある」

 クロスボウ部隊や重装槍歩兵ファランクスなんかの精鋭部隊がそれだな、とグラスにワインを再度注ぎながら話すコロンフィラ伯。

「だが、フリントロック式マスケットの普及や銃剣の開発で歩兵の火力が上がり始めると、徐々に騎兵一強の立場が揺らぎ始めた。少なくとも、戦場の花形としての役割は戦列歩兵に奪われちまったと、俺は思ってる」
 
「余のパルマ騎兵などは、現代の戦場にしっかりと追従しているように見えますが」

 フレデリカの部隊を悪く言われたと思ったのか、少しムッとした表情になるパルマ女伯。

「あぁ、勘違いしないでくれ。騎兵そのものが時代遅れって言ってる訳じゃない。そっちのフレデリカ嬢ちゃんの部隊は軽騎兵だろ?速力のある騎兵は今の戦場でも十分に活躍できる。突撃以外にも、迂回や後方襲撃みたいな機動戦術が使えるからな」

「要するに、重騎兵は遅いから活躍できない、と言う事ですか?」

「より正確に言えば、ウチみたいな全身鎧フルプレートメイルに身を包んだ旧態依然の重騎兵は活躍出来ない、って所だな」

 コロンフィラ伯はグラスワインをまた一気飲みすると、足を組んでパルマ女伯から目線を逸らす。

「重騎兵は敵に突撃した時のインパクト……衝力ってヤツを与えるのが一番の仕事なんだが、現代じゃ真正面から突撃したところで簡単に射撃で頓挫させられちまう。かといって側撃が出来るほど足が速いわけでもない。なんとも扱いが難しい兵になっちまった」

「そうでしょうか。敵の有翼騎兵フッサリアなどは、正面から味方戦列に突撃して戦果を上げておりましたが……」

有翼騎兵フッサリアぁ?なんで旧ヴラジド大公国の超重騎兵がノール側に付いてんだよ?」

「余も存じ上げておりません。謎です」

 二人の間に少しばかりの沈黙が流れた後、気を取り直すように咳払いをするコロンフィラ伯。

「コホン……有翼騎兵フッサリアは別格だ。足も速いし衝力もある重騎兵なんて、反則も良い所だ。全ての重騎兵があんな立ち回りを出来る訳じゃない。部隊としての練度も高いしな」

「では、重騎兵から軽騎兵への兵種転換は?」

「理論上は可能だな。ただ現実的じゃない」

 いちいちグラスに注ぐのが面倒になったのか、とうとうボトルから直接ワインを飲み始めるコロンフィラ伯。

「貴卿も言った通り、古くから存在する部隊ってのは、伝統という名のプライドで雁字搦めの状態だ。特に重騎兵なんかは、自分達の纏う鎧以上に強固な矜持を持っている。つまり――」

「鎧を脱ぐのはプライドを捨て去るのと同義という事ですね?」

 その通り、とボトルを前に突き出しながら相槌を打つ。

「ただでさえ、重騎兵と軽騎兵の仲はお世辞にも良いとは言えんのだ。今から貴君らは軽騎兵だ、などと言おう物なら、最悪暴動に発展しても可笑しくは無い」

「なるほど」

 全く納得していない表情で頷くパルマ女伯。

「な?ウチの騎兵を出した所で無駄だって分かったろ?分かったら大人しく――」

「無駄かどうかはこちらで判断しますので、取り急ぎ出陣をお願い致します」

 椅子から立ち上がり、パルマ女伯に帰るよう促そうとしたコロンフィラ伯が思いっきりズッコケる。

「話、聞いてた?」

「はい、聞いておりました。結論から言えば、出陣自体は可能であると認識しました」

「だからな!?出陣した所で碌な戦果も上げられないと言っているだろう!」

 勘弁してくれ、といった様子で頭を抱える彼に対して、引き続き毅然とした態度で物申すパルマ女伯。

「余は戦術知識については素人同然です。しかしそれでも今のリヴァン市防衛線には、一兵でも多くの戦力が必要である事くらいは理解出来ます」

 初めに会った時よりも更に深く頭を下げながら、言葉を繋げる。

「今、万難を廃してリヴァンを防衛している兵士達の前に、漆黒の全身鎧フルプレートメイルを纏った味方重騎兵が現れたら、どれほど心強いか……貴卿なら理解出来る筈です」

 俯き、腕を組んだままコロンフィラ伯は何も答えない。

「たとえ時代遅れと揶揄されようとも、その勇姿が自軍へもたらす心理効果は、五百年前のそれと全く相違ありません。今ヨルク川防衛線に必要とされているのは、コロンフィラ騎士団が来てくれた、という事実そのものなのです」

 お願い致します、と頭を下げたまま微動だにしないパルマ女伯。
 寸刻の間、壁際に掛けられた時計の運針音のみが、部屋と二人の空気を支配する。
 窓から滑り込んだ冷たい隙間風が、二人の足元を何度か撫でた後、コロンフィラ伯が口を開いた。

「……俺の部下を、死地に送れと?」

 秒針の音が、より一層重く聞こえる。

「送らなければ、いずれ此処が死地となるやもしれませんよ」

 指を真下に向けながら、ゆっくり、雪の上を踏みしめるように答えるパルマ女伯。
 コロンフィラ伯は、一段と長い鼻息を漏らした後、瞼を開けた。
 
「俺が自ら指揮をする、それが条件だ。部下を無駄死にさせるのだけは御免だ」

「お力添え、誠に感謝申し上げます」
 
 コロンフィラ伯が最後の言葉を言い終わるのを待たずに、深々と一礼するパルマ女伯。

「出陣の準備が出来次第、また連絡する。さぁ、もう帰った帰った」

「恐縮ですが、今のが一点目の要件です。二点目についてお伺いしたいのですが」

 腰を折られ、よろける様にして椅子に持たれ座るコロンフィラ伯。

「……わーったよ!とことん聞いてやるよ!その代わりだな!」

 パルマ女伯の目の前に、残り三分の一程度になったワインボトルを突き出す。

「飲めって!俺は自分だけが飲んでる状況が嫌いなんだ!」

 一瞬目を逸らした後、両手でボトルを掴み取ると、一気にワインをラッパ飲みするパルマ女伯。
 
「……粗暴な性格は、十年前から変わっていませんね」

 口元を拭いながら不敵な笑みを浮かべる女伯。

「そっちこそ、十年前から相変わらず石頭だな」

 面会が始まって以来初めて、両者の顔に笑みが浮かんだ。

「で、次は何だ?住む所を用意してくれとか、そんな所か?」

「違いますね。前回否決された連邦軍編制の議題についてです」

 テーブルに、リヴァン伯が持っていた物と同じく、投票結果を纏めた紙を置くパルマ女伯。

「賛成が三十七、否決が二です。否決票のうち、一票は既に目星がついておりますが、もう一票、否決に票を投じた者についての情報を探しております」

 言い終わると、ジッと相手を見つめるパルマ女伯と、サッと目を逸らすコロンフィラ伯。

「心当たりがあるんですね?」

「いや、まあ……俺とも言えるし、俺じゃないとも言える」

「別に今更どうこうする気も無いので、さっさと白状しなさい」

「話すからその顔やめてくれ……」

 発言とは裏腹に、女伯の三白眼が更に鋭くなる。

「……退廷処分を受けたお前んとこの小娘、エリザベスだったか?あいつの御高説の後、俺を含めた貴族諸侯の間で色々と口裏合わせがあってな。その結果、一票だけ否決に入れておこうって話になったんだ」

「その理由は?」

「今は夏季だろ?丁度、小麦の収穫時期と被ってるんだ。刈り入れ時に兵役で人手を失うのはキツいって意見が多数あってな……次回の連邦会議では全会一致で賛成に入れる想定だったんだが、ここまでノール帝国の動きが速いとは思わなかった」

 ここに来て初めて頭を下げるコロンフィラ伯。

「すまない。俺としたことが、時流を見誤った。エリザベスの言う通り、なんとしてでも全員賛成票に入れさせるべきだった」

「構いませんよ、次回の臨時会議で賛成票を入れてくれるのであれば問題ありません。どちらにせよ、否決されていたでしょうから……」

 ふぅ、と嘆息を漏らしながら、運ばれてきた水を飲む女伯。
 
「どちらにせよって、残りの一票のことか?目星は付いてるって言ってたよな、誰なんだ?」

「今、アスター卿が裏を取りにタルウィタの首長官邸に向かっている所です。そろそろ白黒決着が付く頃でしょうね」

 水のお代わりを所望しながら、腰に下げた懐中時計に目を落とすパルマ女伯。

「タルウィタの首長官邸って……オスカー・サリバンか!?あの妖怪ジジイ、まだランドルフ家を恨んでんのかよ!」

「人の恨みはそう簡単に潰えませんよ。特に野望を打ち砕かれた者の怨嗟は、何年経とうとも治る事は無いでしょうね」

 運ばれてきた水をまた一気に飲み干す。

「サリバン家の中央銀行構想か……。詳しくは知らんが、士庶ししょであるサリバン家の増長を危惧したランドルフ家が、その構想を潰したんだっけか」

「まぁ、突っ込みたい所は沢山ありますが、それで概ね合っていますよ……お水のお代わりを頂けますか?」

 壁際の侍者に向かって手を挙げるパルマ女伯。

「お前がそんなに水が好きだとは知らなかったぞ」

「貴卿が無理矢理飲ませた葡萄酒の所為です」

 よくよく見てみると、パルマ女伯の顔が徐々に赤くなってきている。

「あれ、お前って酒弱かったんだっけか?」

「……十年前の初対面時から、余は酒を嗜まないと何度も伝えてきた筈ですが」

「そうだったけか、いやーすまん。どう見ても酒強そうな見た目なもんでな。おい、水を大量に持ってこい。なんなら樽ごとでも良いぞ」

 水のお代わりを持ってきた侍者にそう言いつけると、彼は革製の水筒を手渡した。

「これに水を入れて持っていけ。ホームレス領主様へのささやかなプレゼントだ」

「有難うございます。未来のホームレス領主様からの餞別、痛み入ります」

 皮肉を打ち返され、ふんと鼻を鳴らすコロンフィラ伯。

「六十年前のオーランド連邦構想といい、三十年前の中央銀行構想といい、つくづくサリバン家と縁があるな、お前ん所は」

「いい加減切りたい縁ではあるんですがね。向こうがそうしてくれない様でして」

 両手を上げて肩をすくめる女伯。

「……んで?そのサリバン家の妖怪ジジイに賛成票を入れさせる名案はあるのかよ?」

「はい、あります。あの御仁の性格を利用しようかと考えています」

 性格ぅ?とワインをもう一本、セラーから取り出しながら尋ねるコロンフィラ伯。

「旧弊家、守銭奴、拝金主義……そういった人物は、己が築いてきた社会的な地位や信頼を失う事を何よりも恐れます。具体的な方法としては――」

 また長話になると踏んだコロンフィラ伯だったが、次回の臨時議会に向けた作戦会議は驚くほど早く終わった。
 
 それほどまでにパルマ女伯が提示した作戦は、単純かつ明瞭であったのだ。
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