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勇太からの提案。
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ハルカは集団レイプされたことを勇太に話した。
1年前の都会での花火大会の帰りに、男たちにむりやり車の中に担ぎ込まれたこと、そのあとは地獄のような時間が流れたこと。殴られたら蹴られたりした傷はもう治ったが、精神的なダメージが大きくうつ病と診断されていること、たまに死にたくなること、そして今日、地元の打ち上げ花火の音を聞いて、無性に辛くなり死を選んでしまったこと。
全部を聞いてくれた勇太はどんな気持ちできいてるんだろう。ハルカには分からない。ただ勇太はハルカの目をまっすぐに見つめて「話してくれてありがとう。そして死にたいほど辛い経験をしてきたのにハルカはずっと今まで頑張ってきたんだな。今日は本当に辛かったんだな。でも間に合ってよかった。ハルカには辛いことかもしれないけど、生きてて欲しいって俺は思ってるよ。」
「うん…。勇太も聞いてくれてありがとう。でも助けてくれてよかったかどうかは、まだ自分ではよく分からないの。毎日、楽しいなとか幸せだなとか思うこともきちんとあるの。
でもフッとした時にあの時の記憶が蘇ってきて、私を死にたい気持ちにするの。勇太、ごめんね。だから私。そのうち死んじゃうかもしれない。今の自分が酷く汚いものに見えて、そんな自分でいることが辛くなるの、もうどうしようもないの」
とポタポタと涙を流しながらハルカは勇太に胸の内を打ち明けた。死にたい気持ち。自分が汚れてると思ってしまう気持ち、それらがどうしても古傷のように忘れたころに疼いてハルカを悩ませていた。
「ハルカは綺麗なままだ。
何も変わってないよ」
「ふふふ。ありがとう。そう言ってくれて」
「なぁ?俺のことどう思ってる?」
「幼なじみ。
たまにランチに付き合ってくれる
気が楽な幼なじみ。」
「幼なじみって2回も言うなよ。分かってるつーの。そんなことは……ってもしかして俺のことも少しは怖かったりするの?」
「うん。少しじゃなくて男性はみんな怖い。特に勇太はガタイもいいから普通の男の人よりも怖い」
「俺はハルカが好きだ」
「???!!!急にどうしたの?!
それは幼なじみとして、女性として?」
「もちろん女として。ハルカは綺麗だし性格も悪くないし、俺が嫁さんに逃げられて田舎に帰ってきても、一度も俺のことを馬鹿にしなかった。俺のこと笑わないでくれたのはハルカだけだったよ。俺がどれだけ嬉しかったか知らないだろう?おまえとのランチの時間をどれだけ楽しみにしてるか、おまえは知らないだろう。俺はハルカとずっと一緒にいたい。ハルカは俺のこと嫌いか?」
「嫌いじゃない。でも私じゃ勇太を幸せに出来ないよ。セックスが怖くてできない女なんて……それに今は怖くてそういうことは何一つできないかもしれない。勇太を男性として好きになるのは怖いの。このまま幼なじみの関係でいさせて」
「断る!!」
「?!」
「俺はハルカが好きだ。女性として、うんで、やっぱり俺は男だからハルカとやりたくなる。でもそれはハルカを襲った男たちとは違う。ハルカにも気持ち良くなってもらうし、絶対に合意の上でセックスするし、ってか一緒にすんな!
ハルカ……付き合ってほしいとは言わない。言わないから、異性の幼なじみとして協力できないか?ハルカが少しでも男性への恐怖心が減るように俺が練習台になるってどうよ?」
「練習って具体的にどうやるの?」
とハルカが言うとブランケットを握りしめてしゃがみこんでるところに勇太はゆっくりと近づき、ハルカに顔を近づけて、
ハルカのおでこに軽くキスをした。
「怖い?」と勇太に聞かれて「怖くない」と答えるハルカ。勇太の唇が少し震えていたのが分かる。思い返してみるとレイプされた時、キスは誰からもされなかったと思い出した。
「あのね。」
とハルカが切り出して「うん?」と勇太が答えると
「キスもしてくれる?」
「今?」
「今」
ハルカと勇太は2人で恐る恐る顔を近づけて、唇と唇を優しく重ねる。中学生や高校生がするみたいな幼い優しいキスだった。
気づくと打ちつけ花火の音は
もうどこからも聞こえなくなっていた。
1年前の都会での花火大会の帰りに、男たちにむりやり車の中に担ぎ込まれたこと、そのあとは地獄のような時間が流れたこと。殴られたら蹴られたりした傷はもう治ったが、精神的なダメージが大きくうつ病と診断されていること、たまに死にたくなること、そして今日、地元の打ち上げ花火の音を聞いて、無性に辛くなり死を選んでしまったこと。
全部を聞いてくれた勇太はどんな気持ちできいてるんだろう。ハルカには分からない。ただ勇太はハルカの目をまっすぐに見つめて「話してくれてありがとう。そして死にたいほど辛い経験をしてきたのにハルカはずっと今まで頑張ってきたんだな。今日は本当に辛かったんだな。でも間に合ってよかった。ハルカには辛いことかもしれないけど、生きてて欲しいって俺は思ってるよ。」
「うん…。勇太も聞いてくれてありがとう。でも助けてくれてよかったかどうかは、まだ自分ではよく分からないの。毎日、楽しいなとか幸せだなとか思うこともきちんとあるの。
でもフッとした時にあの時の記憶が蘇ってきて、私を死にたい気持ちにするの。勇太、ごめんね。だから私。そのうち死んじゃうかもしれない。今の自分が酷く汚いものに見えて、そんな自分でいることが辛くなるの、もうどうしようもないの」
とポタポタと涙を流しながらハルカは勇太に胸の内を打ち明けた。死にたい気持ち。自分が汚れてると思ってしまう気持ち、それらがどうしても古傷のように忘れたころに疼いてハルカを悩ませていた。
「ハルカは綺麗なままだ。
何も変わってないよ」
「ふふふ。ありがとう。そう言ってくれて」
「なぁ?俺のことどう思ってる?」
「幼なじみ。
たまにランチに付き合ってくれる
気が楽な幼なじみ。」
「幼なじみって2回も言うなよ。分かってるつーの。そんなことは……ってもしかして俺のことも少しは怖かったりするの?」
「うん。少しじゃなくて男性はみんな怖い。特に勇太はガタイもいいから普通の男の人よりも怖い」
「俺はハルカが好きだ」
「???!!!急にどうしたの?!
それは幼なじみとして、女性として?」
「もちろん女として。ハルカは綺麗だし性格も悪くないし、俺が嫁さんに逃げられて田舎に帰ってきても、一度も俺のことを馬鹿にしなかった。俺のこと笑わないでくれたのはハルカだけだったよ。俺がどれだけ嬉しかったか知らないだろう?おまえとのランチの時間をどれだけ楽しみにしてるか、おまえは知らないだろう。俺はハルカとずっと一緒にいたい。ハルカは俺のこと嫌いか?」
「嫌いじゃない。でも私じゃ勇太を幸せに出来ないよ。セックスが怖くてできない女なんて……それに今は怖くてそういうことは何一つできないかもしれない。勇太を男性として好きになるのは怖いの。このまま幼なじみの関係でいさせて」
「断る!!」
「?!」
「俺はハルカが好きだ。女性として、うんで、やっぱり俺は男だからハルカとやりたくなる。でもそれはハルカを襲った男たちとは違う。ハルカにも気持ち良くなってもらうし、絶対に合意の上でセックスするし、ってか一緒にすんな!
ハルカ……付き合ってほしいとは言わない。言わないから、異性の幼なじみとして協力できないか?ハルカが少しでも男性への恐怖心が減るように俺が練習台になるってどうよ?」
「練習って具体的にどうやるの?」
とハルカが言うとブランケットを握りしめてしゃがみこんでるところに勇太はゆっくりと近づき、ハルカに顔を近づけて、
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「怖い?」と勇太に聞かれて「怖くない」と答えるハルカ。勇太の唇が少し震えていたのが分かる。思い返してみるとレイプされた時、キスは誰からもされなかったと思い出した。
「あのね。」
とハルカが切り出して「うん?」と勇太が答えると
「キスもしてくれる?」
「今?」
「今」
ハルカと勇太は2人で恐る恐る顔を近づけて、唇と唇を優しく重ねる。中学生や高校生がするみたいな幼い優しいキスだった。
気づくと打ちつけ花火の音は
もうどこからも聞こえなくなっていた。
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