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3巻
3-3
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その後、ガズンさんたちは行動を起こし、自警団の面々と共に魔の森へと向かった。
早速訓練を行うようだが、俺はそれを見送るだけに留めた。
だって、絶対に厳しい訓練が始まるのが目に見えているんだもの。助けを求められる気がしてならないんだもの。
……まあ、助けを求められても助けるつもりはないけど。
自警団の訓練は、明星に一任しているからね!
「あぁー、疲れたー」
というわけで、俺はナイルさんの屋敷で休ませてもらっていた。
椅子に腰掛け、ルミナさんが淹れてくれたお茶をすする。
膝の上にはレオとルナが丸まっており、その温もりでほんわかしてしまう。
「恥ずかしいところを見せてしまったね、リドル君」
するとそこへ、苦笑いしながらナイルさんが戻ってきた。
その近くにはティナとルミナさんもいる。
「そんなことはないですよ。でも……さっきのスピーチの反応には少し驚きましたが……」
俺も俺で苦笑しながらそう返したからか、俺たちはお互いに苦笑いを浮かべ、話題を無理やり変えることにする。
「そ、そういえば! 自警団もそうですけど、ガズンさんと話をして、冒険者ギルドを誘致することが決まったんです!」
「冒険者ギルドを? ……確かに、ギルドがなければ冒険者たちを管理するのは難しいか」
ナイルさんも気づいていなかったようだ。
本当にガズンさんの指摘はありがたいものだった。
「なので、冒険者関連は明星の皆さんのおかげでなんとかなりそうなんですが、もう一つの方がなかなか進まなくて」
「もう一つというと……宿のことだね?」
ナイルさんが確認のためにそう口にしたので、俺は大きく頷いた。
「宿を建てることもそうなんですが、誰に運営を任せるか、それも問題なんですよね」
自警団の時もそうだったが、宿の運営に関しても立候補を募るか、いなければ誰かにお願いする必要があるだろう。
「あら? それなら私がやってもいいわよ?」
「……ル、ルミナさんが?」
そんなことを考えていると、ルミナさんからまさかの言葉が飛び出した。
「ティナも手伝ってくれるわよね?」
「うん! 頑張るよ!」
「えっと……いいんですか、ナイルさん?」
家長であるナイルさんに確認を取ると、彼は苦笑しながら首を縦に振る。
「ルミナがやる気になっているなら、やってみてもいいんじゃないか?」
あ、いいんだ。
「そうとなれば、どこに宿を建てるのかが問題になってくるね」
するとナイルさんは、すぐに話を進めてくれる。
「冒険者が集まる場所になるから、ナイルさんの屋敷の近くはダメですね。何かあったら大変だ」
「それを言うなら、リドル君の屋敷の近くもダメだろう。領主だぞ?」
「中央近くもダメですね。子供たちが集まる公園がありますから」
「「……うーん」」
他の場所はリディアルの村人が暮らしている家が立ち並んでおり、そこに宿を建てるのも違う気がする。
ナイルさんも同じように悩んでいるので、考えは同じなのかもしれない。
「それなら、いっそのこと外壁を外に広げて、村を大きくしてしまったらどうかしら?」
そこへルミナさんから予想外の提案がなされた。
「いや、ルミナ。それはさすがに無理があるんじゃないかい?」
「そうかしら? リドル君が来てからずっと考えていたんだけど、リディアルはもっと大きくなると思うの。それこそ、冒険者だけではなく、多くの商人が足を運ぶような、そんな村にね」
ルミナさんが語りだすと、俺たちは口を閉じ、耳を傾ける。
「リディアルの特産品と言えるものも増えてきて、ドラゴンの素材が取れると広まったら、今のリディアルに収まり切らない人が押し寄せるかもしれないわよ?」
「それは、俺も考えていました」
「リドル君まで」
ナイルさんは疑問に思っているようだが、既に宿をどこに建てるかで悩んでしまっている。
ならば、リディアルを大きくすることは今後の発展にも大事なことであり、俺はこの時点でモグラの従魔であるグースのことを思い出していた。
「……グースが縄張りにしている場所が、きれいな花畑なんです」
「どうしたんだい、急に?」
「俺はその花畑を見て、グースのためならここまで村を広げてもいいと思っていたことを、思い出しました」
「お花畑! 私も見てみたい!」
俺がそう言葉にすると、ティナが手を上げながらそう口にした。
「本当にありかもしれませんよ、ナイルさん」
「できると思うかい、リドル君?」
「できます。俺だけじゃ無理だけど、従魔たちや、リディアルのみんなの力を借りれば!」
食糧改善の時にはグースとゴンコが、家屋改善や外壁を作る時にはミニゴレたちが、それぞれの強みを活かしてくれた。
それに今ならギーベやガルオン、従魔ではないがエルダーもいてくれる。
まあ、エルダーが力を貸してくれるかは分からないけど、それでも頼れる存在は以前と比べても多くなっているのだ。
ならば、できないはずがない。あの時にできたのだから。
「……分かった。ならば、私も腹をくくるとしよう」
「ナイルさん!」
「リディアルのためにも、村のみんなのためにも、外壁を広げて敷地を確保し、そこに宿を建てるとしようじゃないか!」
予想よりも早く、宿の方針は固まった。
あとは、グースやゴンコ、ミニゴレたちにも事情を説明して、協力と了承を得なければならない。
「そうと決まれば、すぐにグースたちのところへ行ってきます!」
「ちょっと待ちなさい!」
俺がナイルさんの屋敷を飛び出そうとしたところ、ルミナさんから待ったが掛かった。
「……どうしたんですか?」
「外を見てごらんなさい。もう夜よ?」
「え?」
俺は思わず驚きの声を漏らし、玄関から外を見る。
するとルミナさんが言ったように、既に夕日もなく、外は真っ暗になっていた。
「……いつの間に?」
「話に熱が入って、気がつかなかったようだね」
そういえば、自警団の集まりもお昼を回ったあとだったっけ。
時間が経つのは早いものだな。
「分かりました。それじゃあ、明日はガズンさんの見送りもあるし、そのあとにグースたちのところへ行きたいと思います」
「その方がいいわ。それと、せっかくだし今日はこっちで晩ご飯を食べていきませんか?」
「わーい! リドルとご飯だー!」
続けて提案された言葉に、ティナが嬉しそうに声を上げた。
「でも、それだとギーベとガルオンも呼ばなきゃいけなくなるんですが……?」
「構わないわ。ねえ、ティナ?」
「うん!」
「それじゃあ、お言葉に甘えさせていただきます」
こうして俺は、レオとルナにギーベとガルオンを呼びに行かせた。
ミニゴレとゴレミも今日はリディアルにいたが、彼らの主食は岩なので一緒には食べられない。
しばらくしてレオ、ルナ、ギーベ、ガルオンがやってくると、大勢での晩ご飯が始まった。
俺というよりも従魔たちがたくさん食べてしまうので、本当に申し訳なく思っていたのだが、ルミナさんもそれを予想していたようだ。
「さあ! ドンドン食べてちょうだいね!」
台所からは大量の料理が運ばれてきており、レオたちもお腹いっぱい食べられそうだ。
「……あの、大丈夫なんですか?」
「今日は収穫日で、いつも通り豊作だったの。だから、たくさん作りたい気分だったのよね」
ルミナさんがそう答えると、ナイルさんも頷いてくれている。
そういうことなら、ありがたくいただこう。
「いただきます」
俺もルミナさんの手料理に舌鼓を打ち、英気を養うことができた。
……明日からは、また忙しくなりそうだ。頑張るぞ!
◆◇◆◇
そして、翌早朝。
俺は早起きからすぐに身支度を済ませると、ガズンさんたちの屋敷へと向かう。
それはもちろん、ガズンさんを見送るためだ。
「ガズンさん!」
既に出発の準備を終えていたガズンさんは屋敷の外にいて、俺が声を掛けると振り返り、笑みを浮かべてくれる。
ミシャさんとオルフェンさんも一緒だ。
「なんだ、見送りに来てくれたのか?」
「もちろんです。リディアルのために実家へ帰ってくれるんですからね」
そう口にした俺は、ふと疑問に思ったことを聞いてみる。
「そういえば、ガズンさんってどこの家のご出身なんですか? 貴族家だってことは聞いていましたけど……」
領地持ちの貴族はそこまで多くはない。
俺の場合も俺自身が爵位を授かったわけではなく、父上の領地を分けてもらっただけなのだ。
とはいえ、分け与えられた時点でこの領地は俺のものであり、父上が返せと言ってきても、俺はそれに従う必要はない。
……もしも俺が死んでしまったら、領地は父上に還ってしまうみたいだけどな。
「俺はラグヴィード侯爵家の人間だよ」
「えぇっ⁉ ラ、ラグヴィード侯爵家ですか‼」
ラグヴィード侯爵家と言えば、三大侯爵家の一つであり、武のラグヴィードと呼ばれるほどに屈強な騎士が揃っている領地でもある。
ブリード家は伯爵家なので、ラグヴィード家の方がブリード家よりも格上ということでもある。
「……俺、めちゃくちゃ失礼な態度を取っていませんでしたか?」
改めて、ガズンさんに失礼をしたんじゃないかと心配になってしまう。
「そんなことはないさ。むしろ、冒険者のガズンに対して丁寧に対応しすぎだと思うほどだ」
何を心配しているのかが分かったのだろう、ガズンさんの笑みが柔和なものに変わり、その大きな手で俺の頭を撫でてくれた。
「こっちのことは俺たちに任せておきな!」
「そうだよ! 早く戻ってきてほしいけど、たまーの帰郷なんだから、少しくらいゆっくりしてきてもいいんだからね!」
「何も心配はしていないが、なるべく早く戻るよう心がけよう。リディアルに冒険者ギルドを誘致するためだからな」
オルフェンさんとミシャさんの言葉に返事をしながら、最後にガズンさんは俺の頭をポンと叩いて歩き出す。
「き、気をつけてくださいね、ガズンさん!」
こうしてガズンさんは、リディアルを発ってラグヴィード領へと向かった。
それから俺はオルフェンさんとミシャさんと一緒になって、朝食を食べることになった。
もちろん、レオとルナも一緒だ。
「それにしても、ガズンさんがまさかラグヴィード家の方だったとは思いませんでした。もしかして、お二人もどこかの貴族なんですか?」
ガズンさんと一緒に行動しているから聞いてみたが、二人はすぐに首を横に振る。
「んなわけねぇって! 俺もミシャも、普通の平民だよ」
「そうそう! 私たちもパーティを組んでからしばらくは、ガズンが貴族様だったなんて知らなかったんだからね!」
どうやらガズンさんは、自分のことをあまり語らない人なのかもしれない。
「それに、貴族様だって分かってからも、いつも通りに接してほしいとか無理難題を吹っかけてきたもんな!」
「最初の頃は困惑したもんよねー。でも、そうしないとガズンから離れていったかもしれないし、今となってはいい思い出かなー」
「……いいですね、そういうの」
三人が出会ってから今日までの思い出を聞いて、俺は少しだけ羨ましくなってしまう。
なんせレオをテイムした六歳の頃から、ブリード家を追放される一二歳まで、家で虐げられ続けた俺には思い出と呼べるものがほとんどないのだ。
「リドルの場合はレオとルナ、二匹との出会いが最高の思い出になるんじゃねぇか?」
「そうだよ、リドル君! 嫌なことはすっぱり忘れて、良いことだけを大切にしなきゃ!」
俺の呟きを聞いたオルフェンさんとミシャさんが、笑みを浮かべながらそう言ってくれた。
「……そうですね。確かに、その通りです」
「ガウ? ガウガウ!」
「ミーミー!」
納得しながらレオとルナの頭を撫でると、二匹が頬を俺の足に寄せてくれる。
その行動がとても嬉しく、俺も自然と笑みを浮かべていた。
「よーし! それじゃあ俺たちは自警団の訓練に勤しみますかね!」
「ビシバシ鍛えて、ガズンを驚かせてやるんだからね!」
「よろしくお願いします! オルフェンさん、ミシャさん!」
朝食を食べ終えた俺は、オルフェンさんとミシャさんを見送ったあと、レオとルナに声を掛ける。
「俺たちはグースたちのところに行って、みんなの縄張りのところまでリディアルを大きくしていいか、確認してこよう!」
「ガウ!」
「ミー!」
こうして俺は、嬉しそうに鳴くレオとルナと一緒に、魔の森へと向かった。
魔の森歩きも、従魔たちの縄張り内であれば慣れたもので、俺たちは苦も無くグースのもとにたどり着いた。
「グース、ちょっと相談があるんだけど」
「モギュ?」
俺はモグラに似た従魔のグースに、外壁を広げてリディアルの敷地を広げる計画を説明していく。
「だいぶ遅くなっちゃったんだけど、この花畑もリディアルの敷地内に入れようと思っているんだ。どうかな?」
「モグモグ! モググー!」
「本当か? よかった、ありがとう!」
グースは諸手を上げて喜んでくれた。
ただ、そうなると花畑が人間の手によって荒らされないよう、管理の面でも気を配らなければならない。
それがグースの花畑を敷地内に入れる、俺の責任だ。
「外壁の端ってことになると、どうしても冒険者が何度も行き来する場所になっちゃうんだよな」
そのあたりもナイルさんと要相談だ。
コーワンさんにも声を掛けておかなければならない。
妙案が浮かばなかったら、俺の屋敷をここに移すことも考えておかないといけないな。
「……いや、それが一番の妙案なんじゃないのか?」
俺の屋敷にここの花畑があれば、グースと一緒にリディアルで暮らすことが可能となる。
それだけじゃなく、ゴンコの縄張りとも近いので、なんならそこまで外壁を広げてもいいかもしれない。
何かあればレオやルナ、ガルオンがいるのも俺の強みだ。
正直、ガズンさんたちを凌駕する実力を持つ三匹がいれば、領主屋敷で何やら悪いことを考えるような輩がいても、問題なく倒せてしまえる気がする。
ポテンシャルを考えればギーベだって、それくらいの実力を持てる可能性を秘めているんだ。
それに何より、魔の森で何かが起きた場合の対処がやりやすくなる強みもある。
「何かあった時の第一陣は、俺たちになるんだもんな」
「……モギュ?」
おっと、そうだった。
花畑の心配から、妙なところに思考が飛んでしまった。
今はそこまでのことを考えている場合じゃないんだったな。
「それじゃあ、グースは問題ないってことで、今度は念のためにゴンコにも確認を取っておくか」
ここでグースと別れた俺たちは、その足でゴンコの縄張りまで向かう。
だが、俺の同行者はレオだけだ。
きれいなものが大好きなルナは、グースの花畑に留まり美しい花を眺めている。
ルナにとっても、やっぱり屋敷を花畑の横に移すのは検討する余地ありだな。
「いたいた! ゴンコー!」
「ギキ? ギッギギー!」
ここで俺はグースにしたのと同じ説明を行いながら、ここまで外壁を広げられるかどうかは要相談になると説明を追加する。
「ゴンコが問題なければ、そのことも次の相談で話に出そうと思うんだけど、どうかな?」
「ギギ!」
「いいのか? ありがとう、ゴンコ!」
ゴンコもグースと同じで、すぐに喜びながら許可をくれた。
魔獣の糞を使っての肥料作りだ、どうしても臭いが問題になってくるだろう。
だが、声を上げて喜んでくれているゴンコを見ると、この相談も絶対に許可を得たいと俺は心の中で強く誓う。
「グースやミニゴレたちはちょこちょこ来てくれているけど、ゴンコは気を遣ってリディアルに来る回数を減らしてくれているし、気兼ねなく一緒に暮らせるなら、それに越したことはないよな」
従魔契約をしたのだから、従魔と共に暮らすべきだと、俺は考えている。
もちろん、従魔の意思を尊重することが第一だが、お互いに納得して一緒に暮らせるなら、それが一番だと思うんだ。
この考え方を従魔を道具としか考えていない父上に話したら、間違いなく怒鳴られてしまうだろうけど、俺には関係のないことだ。
俺はもう、ブリード家の人間じゃないわけだし。
「絶対に交渉を成功させるから、ゴンコも待っていてくれよな!」
「ギキギキ!」
グースとゴンコから許可はもらえた。
次はナイルさんとの相談、もとい交渉だ。
絶対に成功させて、従魔たち全員と一緒に暮らせるようにしてみせるぞ!
早速訓練を行うようだが、俺はそれを見送るだけに留めた。
だって、絶対に厳しい訓練が始まるのが目に見えているんだもの。助けを求められる気がしてならないんだもの。
……まあ、助けを求められても助けるつもりはないけど。
自警団の訓練は、明星に一任しているからね!
「あぁー、疲れたー」
というわけで、俺はナイルさんの屋敷で休ませてもらっていた。
椅子に腰掛け、ルミナさんが淹れてくれたお茶をすする。
膝の上にはレオとルナが丸まっており、その温もりでほんわかしてしまう。
「恥ずかしいところを見せてしまったね、リドル君」
するとそこへ、苦笑いしながらナイルさんが戻ってきた。
その近くにはティナとルミナさんもいる。
「そんなことはないですよ。でも……さっきのスピーチの反応には少し驚きましたが……」
俺も俺で苦笑しながらそう返したからか、俺たちはお互いに苦笑いを浮かべ、話題を無理やり変えることにする。
「そ、そういえば! 自警団もそうですけど、ガズンさんと話をして、冒険者ギルドを誘致することが決まったんです!」
「冒険者ギルドを? ……確かに、ギルドがなければ冒険者たちを管理するのは難しいか」
ナイルさんも気づいていなかったようだ。
本当にガズンさんの指摘はありがたいものだった。
「なので、冒険者関連は明星の皆さんのおかげでなんとかなりそうなんですが、もう一つの方がなかなか進まなくて」
「もう一つというと……宿のことだね?」
ナイルさんが確認のためにそう口にしたので、俺は大きく頷いた。
「宿を建てることもそうなんですが、誰に運営を任せるか、それも問題なんですよね」
自警団の時もそうだったが、宿の運営に関しても立候補を募るか、いなければ誰かにお願いする必要があるだろう。
「あら? それなら私がやってもいいわよ?」
「……ル、ルミナさんが?」
そんなことを考えていると、ルミナさんからまさかの言葉が飛び出した。
「ティナも手伝ってくれるわよね?」
「うん! 頑張るよ!」
「えっと……いいんですか、ナイルさん?」
家長であるナイルさんに確認を取ると、彼は苦笑しながら首を縦に振る。
「ルミナがやる気になっているなら、やってみてもいいんじゃないか?」
あ、いいんだ。
「そうとなれば、どこに宿を建てるのかが問題になってくるね」
するとナイルさんは、すぐに話を進めてくれる。
「冒険者が集まる場所になるから、ナイルさんの屋敷の近くはダメですね。何かあったら大変だ」
「それを言うなら、リドル君の屋敷の近くもダメだろう。領主だぞ?」
「中央近くもダメですね。子供たちが集まる公園がありますから」
「「……うーん」」
他の場所はリディアルの村人が暮らしている家が立ち並んでおり、そこに宿を建てるのも違う気がする。
ナイルさんも同じように悩んでいるので、考えは同じなのかもしれない。
「それなら、いっそのこと外壁を外に広げて、村を大きくしてしまったらどうかしら?」
そこへルミナさんから予想外の提案がなされた。
「いや、ルミナ。それはさすがに無理があるんじゃないかい?」
「そうかしら? リドル君が来てからずっと考えていたんだけど、リディアルはもっと大きくなると思うの。それこそ、冒険者だけではなく、多くの商人が足を運ぶような、そんな村にね」
ルミナさんが語りだすと、俺たちは口を閉じ、耳を傾ける。
「リディアルの特産品と言えるものも増えてきて、ドラゴンの素材が取れると広まったら、今のリディアルに収まり切らない人が押し寄せるかもしれないわよ?」
「それは、俺も考えていました」
「リドル君まで」
ナイルさんは疑問に思っているようだが、既に宿をどこに建てるかで悩んでしまっている。
ならば、リディアルを大きくすることは今後の発展にも大事なことであり、俺はこの時点でモグラの従魔であるグースのことを思い出していた。
「……グースが縄張りにしている場所が、きれいな花畑なんです」
「どうしたんだい、急に?」
「俺はその花畑を見て、グースのためならここまで村を広げてもいいと思っていたことを、思い出しました」
「お花畑! 私も見てみたい!」
俺がそう言葉にすると、ティナが手を上げながらそう口にした。
「本当にありかもしれませんよ、ナイルさん」
「できると思うかい、リドル君?」
「できます。俺だけじゃ無理だけど、従魔たちや、リディアルのみんなの力を借りれば!」
食糧改善の時にはグースとゴンコが、家屋改善や外壁を作る時にはミニゴレたちが、それぞれの強みを活かしてくれた。
それに今ならギーベやガルオン、従魔ではないがエルダーもいてくれる。
まあ、エルダーが力を貸してくれるかは分からないけど、それでも頼れる存在は以前と比べても多くなっているのだ。
ならば、できないはずがない。あの時にできたのだから。
「……分かった。ならば、私も腹をくくるとしよう」
「ナイルさん!」
「リディアルのためにも、村のみんなのためにも、外壁を広げて敷地を確保し、そこに宿を建てるとしようじゃないか!」
予想よりも早く、宿の方針は固まった。
あとは、グースやゴンコ、ミニゴレたちにも事情を説明して、協力と了承を得なければならない。
「そうと決まれば、すぐにグースたちのところへ行ってきます!」
「ちょっと待ちなさい!」
俺がナイルさんの屋敷を飛び出そうとしたところ、ルミナさんから待ったが掛かった。
「……どうしたんですか?」
「外を見てごらんなさい。もう夜よ?」
「え?」
俺は思わず驚きの声を漏らし、玄関から外を見る。
するとルミナさんが言ったように、既に夕日もなく、外は真っ暗になっていた。
「……いつの間に?」
「話に熱が入って、気がつかなかったようだね」
そういえば、自警団の集まりもお昼を回ったあとだったっけ。
時間が経つのは早いものだな。
「分かりました。それじゃあ、明日はガズンさんの見送りもあるし、そのあとにグースたちのところへ行きたいと思います」
「その方がいいわ。それと、せっかくだし今日はこっちで晩ご飯を食べていきませんか?」
「わーい! リドルとご飯だー!」
続けて提案された言葉に、ティナが嬉しそうに声を上げた。
「でも、それだとギーベとガルオンも呼ばなきゃいけなくなるんですが……?」
「構わないわ。ねえ、ティナ?」
「うん!」
「それじゃあ、お言葉に甘えさせていただきます」
こうして俺は、レオとルナにギーベとガルオンを呼びに行かせた。
ミニゴレとゴレミも今日はリディアルにいたが、彼らの主食は岩なので一緒には食べられない。
しばらくしてレオ、ルナ、ギーベ、ガルオンがやってくると、大勢での晩ご飯が始まった。
俺というよりも従魔たちがたくさん食べてしまうので、本当に申し訳なく思っていたのだが、ルミナさんもそれを予想していたようだ。
「さあ! ドンドン食べてちょうだいね!」
台所からは大量の料理が運ばれてきており、レオたちもお腹いっぱい食べられそうだ。
「……あの、大丈夫なんですか?」
「今日は収穫日で、いつも通り豊作だったの。だから、たくさん作りたい気分だったのよね」
ルミナさんがそう答えると、ナイルさんも頷いてくれている。
そういうことなら、ありがたくいただこう。
「いただきます」
俺もルミナさんの手料理に舌鼓を打ち、英気を養うことができた。
……明日からは、また忙しくなりそうだ。頑張るぞ!
◆◇◆◇
そして、翌早朝。
俺は早起きからすぐに身支度を済ませると、ガズンさんたちの屋敷へと向かう。
それはもちろん、ガズンさんを見送るためだ。
「ガズンさん!」
既に出発の準備を終えていたガズンさんは屋敷の外にいて、俺が声を掛けると振り返り、笑みを浮かべてくれる。
ミシャさんとオルフェンさんも一緒だ。
「なんだ、見送りに来てくれたのか?」
「もちろんです。リディアルのために実家へ帰ってくれるんですからね」
そう口にした俺は、ふと疑問に思ったことを聞いてみる。
「そういえば、ガズンさんってどこの家のご出身なんですか? 貴族家だってことは聞いていましたけど……」
領地持ちの貴族はそこまで多くはない。
俺の場合も俺自身が爵位を授かったわけではなく、父上の領地を分けてもらっただけなのだ。
とはいえ、分け与えられた時点でこの領地は俺のものであり、父上が返せと言ってきても、俺はそれに従う必要はない。
……もしも俺が死んでしまったら、領地は父上に還ってしまうみたいだけどな。
「俺はラグヴィード侯爵家の人間だよ」
「えぇっ⁉ ラ、ラグヴィード侯爵家ですか‼」
ラグヴィード侯爵家と言えば、三大侯爵家の一つであり、武のラグヴィードと呼ばれるほどに屈強な騎士が揃っている領地でもある。
ブリード家は伯爵家なので、ラグヴィード家の方がブリード家よりも格上ということでもある。
「……俺、めちゃくちゃ失礼な態度を取っていませんでしたか?」
改めて、ガズンさんに失礼をしたんじゃないかと心配になってしまう。
「そんなことはないさ。むしろ、冒険者のガズンに対して丁寧に対応しすぎだと思うほどだ」
何を心配しているのかが分かったのだろう、ガズンさんの笑みが柔和なものに変わり、その大きな手で俺の頭を撫でてくれた。
「こっちのことは俺たちに任せておきな!」
「そうだよ! 早く戻ってきてほしいけど、たまーの帰郷なんだから、少しくらいゆっくりしてきてもいいんだからね!」
「何も心配はしていないが、なるべく早く戻るよう心がけよう。リディアルに冒険者ギルドを誘致するためだからな」
オルフェンさんとミシャさんの言葉に返事をしながら、最後にガズンさんは俺の頭をポンと叩いて歩き出す。
「き、気をつけてくださいね、ガズンさん!」
こうしてガズンさんは、リディアルを発ってラグヴィード領へと向かった。
それから俺はオルフェンさんとミシャさんと一緒になって、朝食を食べることになった。
もちろん、レオとルナも一緒だ。
「それにしても、ガズンさんがまさかラグヴィード家の方だったとは思いませんでした。もしかして、お二人もどこかの貴族なんですか?」
ガズンさんと一緒に行動しているから聞いてみたが、二人はすぐに首を横に振る。
「んなわけねぇって! 俺もミシャも、普通の平民だよ」
「そうそう! 私たちもパーティを組んでからしばらくは、ガズンが貴族様だったなんて知らなかったんだからね!」
どうやらガズンさんは、自分のことをあまり語らない人なのかもしれない。
「それに、貴族様だって分かってからも、いつも通りに接してほしいとか無理難題を吹っかけてきたもんな!」
「最初の頃は困惑したもんよねー。でも、そうしないとガズンから離れていったかもしれないし、今となってはいい思い出かなー」
「……いいですね、そういうの」
三人が出会ってから今日までの思い出を聞いて、俺は少しだけ羨ましくなってしまう。
なんせレオをテイムした六歳の頃から、ブリード家を追放される一二歳まで、家で虐げられ続けた俺には思い出と呼べるものがほとんどないのだ。
「リドルの場合はレオとルナ、二匹との出会いが最高の思い出になるんじゃねぇか?」
「そうだよ、リドル君! 嫌なことはすっぱり忘れて、良いことだけを大切にしなきゃ!」
俺の呟きを聞いたオルフェンさんとミシャさんが、笑みを浮かべながらそう言ってくれた。
「……そうですね。確かに、その通りです」
「ガウ? ガウガウ!」
「ミーミー!」
納得しながらレオとルナの頭を撫でると、二匹が頬を俺の足に寄せてくれる。
その行動がとても嬉しく、俺も自然と笑みを浮かべていた。
「よーし! それじゃあ俺たちは自警団の訓練に勤しみますかね!」
「ビシバシ鍛えて、ガズンを驚かせてやるんだからね!」
「よろしくお願いします! オルフェンさん、ミシャさん!」
朝食を食べ終えた俺は、オルフェンさんとミシャさんを見送ったあと、レオとルナに声を掛ける。
「俺たちはグースたちのところに行って、みんなの縄張りのところまでリディアルを大きくしていいか、確認してこよう!」
「ガウ!」
「ミー!」
こうして俺は、嬉しそうに鳴くレオとルナと一緒に、魔の森へと向かった。
魔の森歩きも、従魔たちの縄張り内であれば慣れたもので、俺たちは苦も無くグースのもとにたどり着いた。
「グース、ちょっと相談があるんだけど」
「モギュ?」
俺はモグラに似た従魔のグースに、外壁を広げてリディアルの敷地を広げる計画を説明していく。
「だいぶ遅くなっちゃったんだけど、この花畑もリディアルの敷地内に入れようと思っているんだ。どうかな?」
「モグモグ! モググー!」
「本当か? よかった、ありがとう!」
グースは諸手を上げて喜んでくれた。
ただ、そうなると花畑が人間の手によって荒らされないよう、管理の面でも気を配らなければならない。
それがグースの花畑を敷地内に入れる、俺の責任だ。
「外壁の端ってことになると、どうしても冒険者が何度も行き来する場所になっちゃうんだよな」
そのあたりもナイルさんと要相談だ。
コーワンさんにも声を掛けておかなければならない。
妙案が浮かばなかったら、俺の屋敷をここに移すことも考えておかないといけないな。
「……いや、それが一番の妙案なんじゃないのか?」
俺の屋敷にここの花畑があれば、グースと一緒にリディアルで暮らすことが可能となる。
それだけじゃなく、ゴンコの縄張りとも近いので、なんならそこまで外壁を広げてもいいかもしれない。
何かあればレオやルナ、ガルオンがいるのも俺の強みだ。
正直、ガズンさんたちを凌駕する実力を持つ三匹がいれば、領主屋敷で何やら悪いことを考えるような輩がいても、問題なく倒せてしまえる気がする。
ポテンシャルを考えればギーベだって、それくらいの実力を持てる可能性を秘めているんだ。
それに何より、魔の森で何かが起きた場合の対処がやりやすくなる強みもある。
「何かあった時の第一陣は、俺たちになるんだもんな」
「……モギュ?」
おっと、そうだった。
花畑の心配から、妙なところに思考が飛んでしまった。
今はそこまでのことを考えている場合じゃないんだったな。
「それじゃあ、グースは問題ないってことで、今度は念のためにゴンコにも確認を取っておくか」
ここでグースと別れた俺たちは、その足でゴンコの縄張りまで向かう。
だが、俺の同行者はレオだけだ。
きれいなものが大好きなルナは、グースの花畑に留まり美しい花を眺めている。
ルナにとっても、やっぱり屋敷を花畑の横に移すのは検討する余地ありだな。
「いたいた! ゴンコー!」
「ギキ? ギッギギー!」
ここで俺はグースにしたのと同じ説明を行いながら、ここまで外壁を広げられるかどうかは要相談になると説明を追加する。
「ゴンコが問題なければ、そのことも次の相談で話に出そうと思うんだけど、どうかな?」
「ギギ!」
「いいのか? ありがとう、ゴンコ!」
ゴンコもグースと同じで、すぐに喜びながら許可をくれた。
魔獣の糞を使っての肥料作りだ、どうしても臭いが問題になってくるだろう。
だが、声を上げて喜んでくれているゴンコを見ると、この相談も絶対に許可を得たいと俺は心の中で強く誓う。
「グースやミニゴレたちはちょこちょこ来てくれているけど、ゴンコは気を遣ってリディアルに来る回数を減らしてくれているし、気兼ねなく一緒に暮らせるなら、それに越したことはないよな」
従魔契約をしたのだから、従魔と共に暮らすべきだと、俺は考えている。
もちろん、従魔の意思を尊重することが第一だが、お互いに納得して一緒に暮らせるなら、それが一番だと思うんだ。
この考え方を従魔を道具としか考えていない父上に話したら、間違いなく怒鳴られてしまうだろうけど、俺には関係のないことだ。
俺はもう、ブリード家の人間じゃないわけだし。
「絶対に交渉を成功させるから、ゴンコも待っていてくれよな!」
「ギキギキ!」
グースとゴンコから許可はもらえた。
次はナイルさんとの相談、もとい交渉だ。
絶対に成功させて、従魔たち全員と一緒に暮らせるようにしてみせるぞ!
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書籍化決定しました!
(書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です)
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
平凡冒険者のスローライフ
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26歳独身、動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物や魔法、獣人等が当たり前に存在する異世界に転移させられる。
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ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。
ダンジョンを拾ったので、スキル〈ホームセンター〉で好き勝手リフォームします
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異世界に転移した佐々木悠人は、召喚でも勇者でもなかった。ただ迷い込んだ先で見つけたのは、王都を望む郊外にひっそりと口を開けるダンジョン。足を踏み入れた瞬間、発動したスキルは
――〈ホームセンター〉
壁を張り替え、部屋を増やし、畑や牧場、カフェまで作れる不可思議な力だった。
気ままに始めたリフォームは、もふもふなネコミミ獣人の少女との出会いをきっかけに、思わぬ変化を呼び始める。
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異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました
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手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。
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戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。
現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと!
「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」
ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。
絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。
伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進!
迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る!
これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー!
美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。
人生、逆転できないことなんて何もない!
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
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前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
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ふとした善意で枯れた井戸を直したことから、堅物の騎士団長やら、過保護な女神やらに目をつけられることになる。
早く穏やかに暮らしたい。
俺は今日も、規格外に育った野菜を手に、皆の姿を眺めている。
【毎日18:00更新】
※表紙画像はAIを使用しています
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しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
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リュカの活躍を乞うご期待!
HOTランキングで1位になりました!
更に【ファンタジー・SF】でも1位です!
皆様の応援のお陰です!
本当にありがとうございます!
HOTランキングに入った作品は幾つか有りましたが、いつも2桁で1桁は今回初です。
しかも…1位になれるなんて…夢じゃ無いかな?…と信じられない気持ちでいっぱいです。
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