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第一章:逆行聖女
第15話:剣士アリシア 9
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その後、アリシアの柔軟性を確かめたのだが、彼女の柔軟性が予想以上に高いことがわかった。
「うわー! すっごく柔らかいわね!」
「普段から柔軟をしていたのかい?」
「うーん、特にこれと言ったことをした覚えはないんだけどなぁ」
足は大きく開脚し、そのまま体を倒して地面におでこをピタリと付ける。
アリシアの姿にアーノルドとシエナは驚きのあまり口を開けたまま固まってしまう。
肩の可動域も広く、左右とも腕をそれぞれ上下から背中に回して手をつなぐことができた。
「いやー、子供の頃は体が柔らかいとか聞いたことがあるけど、本当だったのね」
「これならばシエナ以上に体を大きく動かして剣を振れる柔の剣を考えなければならないな」
「お父さん、それってすごいことなの?」
「あぁ、とてもすごいことだよ。さすがは私の娘だな」
柔和な笑みを浮かべながら、アーノルドはここでもアリシアの頭を優しく撫でた。
シエナの前だと少しだけ恥ずかしかったが、この手の温もりをずっと感じたいと思っていた。
だからかもしれないが、恥ずかしさよりも温もりを得たいという感情の方が上回った。
「……えへへ」
「本当に、仲良し親子ですよね」
「当たり前だ。……たった二人の親子だからな」
しばらく頭を撫でていたアーノルドだったが、アリシアではなく彼の方が恥ずかしくなってしまい、僅かに頬を赤く染めながら手をどかした。
「それじゃあ、アリシア用の柔の剣を考えていくとするか」
「ちなみに、アリシアちゃんはどうして剣を習おうと思ったの?」
「そ、それは……」
当然の疑問を口にしたシエナに対して、アリシアは口ごもってしまう。
未来に起こるだろう悲劇に対して、アーノルドにも怖い夢を見たからとしか伝えていない。
「……その、怖い夢を見たから、自分でも少しは戦えるようになっておかないとって思ったんです」
誰にも信じてもらえないという思いから、アリシアはここでも同じ答えを口にした。
「夢? うーん……まあ、子供だったらそんなこともあるか」
「やっぱり変ですか?」
「えっ? いいえ、そんなことないわよ! ただ、夢で見たからって本当に剣を習うために行動できるアリシアちゃんがすごいなって思ったのよ」
ニコリと笑いながらそう口にしたシエナを見て、アリシアはホッと胸を撫で下ろす。
とはいえ、これがシエナの本音かどうかはわからない。
アリシアは笑みを返しながらも、なるべく疑われないような理由を考えなければと心の中で思っていた。
「少し戦えるようにってことだから、自衛できるくらいの剣術でいいのかな?」
「そうなんですけど、習える分はしっかりと習いたいです」
「言っておくが、アリシアの筋はいいぞ? 昨日、剣を受けてみたが素晴らしい一撃を放っていたからな!」
「うわー、親バカだー」
「本当のことだからな!」
「はいはい、団長がそういうならそうなんでしょうねー」
全く信じていないシエナはアーノルドの言葉を聞き流し、真剣にアリシア用の柔の件について考え始めた。
その姿を見たアーノルドも不満な気持ちを振り払い、アリシアのために思考を巡らせる。
なるべく軽い剣、その中でも切れ味を重視した剣を用意するべきだろう。
そこから柔軟性を活かした鋭い一撃が放てるようなスタイルを構築しつつ、剣を振る技術を身に付けてもらう。
そこから確認すべき要素として、今度はアリシアの動体視力を見てみようということになった。
「それじゃあ詰め所の中で確認をしましょうか」
「中、ですか?」
すぐにでも剣を振ると思っていたアリシアは首をコテンと倒したものの、剣については無知に等しいので素直に従うことにした。
「ここでも素晴らしい結果を出したのなら……本当にアリシアは素晴らしい剣士になるだろうなぁ」
「全く、この父親は」
「何か言ったか、シエナ?」
「何も言っていませーん!」
二人の掛け合いを聞きながら、アリシアはクスクスと笑いながら詰め所の中へ足を踏み入れた。
「うわー! すっごく柔らかいわね!」
「普段から柔軟をしていたのかい?」
「うーん、特にこれと言ったことをした覚えはないんだけどなぁ」
足は大きく開脚し、そのまま体を倒して地面におでこをピタリと付ける。
アリシアの姿にアーノルドとシエナは驚きのあまり口を開けたまま固まってしまう。
肩の可動域も広く、左右とも腕をそれぞれ上下から背中に回して手をつなぐことができた。
「いやー、子供の頃は体が柔らかいとか聞いたことがあるけど、本当だったのね」
「これならばシエナ以上に体を大きく動かして剣を振れる柔の剣を考えなければならないな」
「お父さん、それってすごいことなの?」
「あぁ、とてもすごいことだよ。さすがは私の娘だな」
柔和な笑みを浮かべながら、アーノルドはここでもアリシアの頭を優しく撫でた。
シエナの前だと少しだけ恥ずかしかったが、この手の温もりをずっと感じたいと思っていた。
だからかもしれないが、恥ずかしさよりも温もりを得たいという感情の方が上回った。
「……えへへ」
「本当に、仲良し親子ですよね」
「当たり前だ。……たった二人の親子だからな」
しばらく頭を撫でていたアーノルドだったが、アリシアではなく彼の方が恥ずかしくなってしまい、僅かに頬を赤く染めながら手をどかした。
「それじゃあ、アリシア用の柔の剣を考えていくとするか」
「ちなみに、アリシアちゃんはどうして剣を習おうと思ったの?」
「そ、それは……」
当然の疑問を口にしたシエナに対して、アリシアは口ごもってしまう。
未来に起こるだろう悲劇に対して、アーノルドにも怖い夢を見たからとしか伝えていない。
「……その、怖い夢を見たから、自分でも少しは戦えるようになっておかないとって思ったんです」
誰にも信じてもらえないという思いから、アリシアはここでも同じ答えを口にした。
「夢? うーん……まあ、子供だったらそんなこともあるか」
「やっぱり変ですか?」
「えっ? いいえ、そんなことないわよ! ただ、夢で見たからって本当に剣を習うために行動できるアリシアちゃんがすごいなって思ったのよ」
ニコリと笑いながらそう口にしたシエナを見て、アリシアはホッと胸を撫で下ろす。
とはいえ、これがシエナの本音かどうかはわからない。
アリシアは笑みを返しながらも、なるべく疑われないような理由を考えなければと心の中で思っていた。
「少し戦えるようにってことだから、自衛できるくらいの剣術でいいのかな?」
「そうなんですけど、習える分はしっかりと習いたいです」
「言っておくが、アリシアの筋はいいぞ? 昨日、剣を受けてみたが素晴らしい一撃を放っていたからな!」
「うわー、親バカだー」
「本当のことだからな!」
「はいはい、団長がそういうならそうなんでしょうねー」
全く信じていないシエナはアーノルドの言葉を聞き流し、真剣にアリシア用の柔の件について考え始めた。
その姿を見たアーノルドも不満な気持ちを振り払い、アリシアのために思考を巡らせる。
なるべく軽い剣、その中でも切れ味を重視した剣を用意するべきだろう。
そこから柔軟性を活かした鋭い一撃が放てるようなスタイルを構築しつつ、剣を振る技術を身に付けてもらう。
そこから確認すべき要素として、今度はアリシアの動体視力を見てみようということになった。
「それじゃあ詰め所の中で確認をしましょうか」
「中、ですか?」
すぐにでも剣を振ると思っていたアリシアは首をコテンと倒したものの、剣については無知に等しいので素直に従うことにした。
「ここでも素晴らしい結果を出したのなら……本当にアリシアは素晴らしい剣士になるだろうなぁ」
「全く、この父親は」
「何か言ったか、シエナ?」
「何も言っていませーん!」
二人の掛け合いを聞きながら、アリシアはクスクスと笑いながら詰め所の中へ足を踏み入れた。
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