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第一章:逆行聖女
第40話:自警団員アリシア 18
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アリシアの体から真っ白で強烈な光が放たれたのだ。
「ア、アリシア!?」
「どうしたの、アリシアちゃん!」
ヴァイスとシエナが驚きの声をあげる中、アリシアは体から放たれている光に見覚えがある。
それは前世で何度も行使した力であり、今のアリシアでは使うことのできないはずの力でもあった。
「ど、どうして? ……でも、これなら!」
ギュッと拳を握りしめ、アリシアは回復魔法を発動させるために体内の魔力を片っ端から手のひらに集め始める。
その身はまだ小さく、内包する魔力もまた少ない。
アーノルドの傷の具合から、初級の回復魔法であるヒールでは足りないと判断した。
「……まさか、回復魔法?」
「「か、回復魔法だって!?」」
「いや、俺も聞いたことがあるだけで、実際に見たことは……」
ゴッツが戸惑いながらそう答えると、再び意識をアリシアへ向ける。
(……集中するのよ、アリシア! 自分の力で運命を変えると決めたんだから、ここで失敗は許されないわ!)
両手に集約していく魔力は徐々に輝きを強くしていく。
ヴァイスたちにもアリシアの緊張感が伝わっており、誰も口を開くことなく見守っている。
(まだ……まだよ……もう少し……あと少し…………今だわ!)
目を大きく見開いたアリシアは、聖女として生きてきた前世を思い出し、聖女にしか使うことのできない魔法を発動させた。
「パーフェクトヒール!」
集約させた魔力を全て使い果たす覚悟で発動されたパーフェクトヒールの光がアーノルドを包み込んでいく。
光量を落とすことなく、むしろさらに輝きを増していく光に、ヴァイスたちは目を閉じてしまう。
唯一アリシアだけは慣れ親しんだ光を見てさらに目を見開き、苦しかったことが脳裏をよぎる。
(……ダメよ、アリシア! 今はお父さんの治療に集中するんだから!)
体内から魔力が急激に失われていくせいで眩暈を覚えたが、それでもアリシアは歯を食いしばりパーフェクトヒールを維持していく。
アーノルドの右肩にあった傷が徐々に塞がっていき、青白くなっていた顔色に血の気が戻ってくる。
浅かった呼吸も僅かにではあるが落ち着きを取り戻すと、アリシアは山を越えたと小さく息を吐き出した。
「……あ」
しかし、それで緊張の糸が切れたのか、アリシアの体がぐらりと揺れた。
「アリシア!」
体が地面に倒れる寸前、ヴァイスが彼女の体を支えて難を逃れた。
「……ありがとう、ヴァイス兄」
「お前、大丈夫なのか?」
「えへへ……ちょっと寝たら、大丈夫、だよ」
「……そうか」
冷や汗を流しながらも笑みを浮かべたアリシアを見て、ヴァイスも同じように微笑んだ。
「……ヴァイス兄。お父さんは?」
アリシアの言葉を受けてヴァイスがアーノルドへ視線を向ける。
すでにシエナとゴッツが状態を確かめており、問題ないと判断したのか二人は安堵した表情で大きく頷いた。
「……大丈夫だ、アリシア」
「そっか、よかった」
「お前、顔色が酷いぞ。少し休め。俺が担いでいくから」
「……うん。ありがとう……ヴァイス、兄」
最後にお礼を口にしたアリシアは、そのまま意識を失った。
「……お礼を言うのは俺だよ、アリシア」
アリシアにはもう聞こえていなかったが、ヴァイスは涙を堪えながらそう力強く口にしたのだった。
「ア、アリシア!?」
「どうしたの、アリシアちゃん!」
ヴァイスとシエナが驚きの声をあげる中、アリシアは体から放たれている光に見覚えがある。
それは前世で何度も行使した力であり、今のアリシアでは使うことのできないはずの力でもあった。
「ど、どうして? ……でも、これなら!」
ギュッと拳を握りしめ、アリシアは回復魔法を発動させるために体内の魔力を片っ端から手のひらに集め始める。
その身はまだ小さく、内包する魔力もまた少ない。
アーノルドの傷の具合から、初級の回復魔法であるヒールでは足りないと判断した。
「……まさか、回復魔法?」
「「か、回復魔法だって!?」」
「いや、俺も聞いたことがあるだけで、実際に見たことは……」
ゴッツが戸惑いながらそう答えると、再び意識をアリシアへ向ける。
(……集中するのよ、アリシア! 自分の力で運命を変えると決めたんだから、ここで失敗は許されないわ!)
両手に集約していく魔力は徐々に輝きを強くしていく。
ヴァイスたちにもアリシアの緊張感が伝わっており、誰も口を開くことなく見守っている。
(まだ……まだよ……もう少し……あと少し…………今だわ!)
目を大きく見開いたアリシアは、聖女として生きてきた前世を思い出し、聖女にしか使うことのできない魔法を発動させた。
「パーフェクトヒール!」
集約させた魔力を全て使い果たす覚悟で発動されたパーフェクトヒールの光がアーノルドを包み込んでいく。
光量を落とすことなく、むしろさらに輝きを増していく光に、ヴァイスたちは目を閉じてしまう。
唯一アリシアだけは慣れ親しんだ光を見てさらに目を見開き、苦しかったことが脳裏をよぎる。
(……ダメよ、アリシア! 今はお父さんの治療に集中するんだから!)
体内から魔力が急激に失われていくせいで眩暈を覚えたが、それでもアリシアは歯を食いしばりパーフェクトヒールを維持していく。
アーノルドの右肩にあった傷が徐々に塞がっていき、青白くなっていた顔色に血の気が戻ってくる。
浅かった呼吸も僅かにではあるが落ち着きを取り戻すと、アリシアは山を越えたと小さく息を吐き出した。
「……あ」
しかし、それで緊張の糸が切れたのか、アリシアの体がぐらりと揺れた。
「アリシア!」
体が地面に倒れる寸前、ヴァイスが彼女の体を支えて難を逃れた。
「……ありがとう、ヴァイス兄」
「お前、大丈夫なのか?」
「えへへ……ちょっと寝たら、大丈夫、だよ」
「……そうか」
冷や汗を流しながらも笑みを浮かべたアリシアを見て、ヴァイスも同じように微笑んだ。
「……ヴァイス兄。お父さんは?」
アリシアの言葉を受けてヴァイスがアーノルドへ視線を向ける。
すでにシエナとゴッツが状態を確かめており、問題ないと判断したのか二人は安堵した表情で大きく頷いた。
「……大丈夫だ、アリシア」
「そっか、よかった」
「お前、顔色が酷いぞ。少し休め。俺が担いでいくから」
「……うん。ありがとう……ヴァイス、兄」
最後にお礼を口にしたアリシアは、そのまま意識を失った。
「……お礼を言うのは俺だよ、アリシア」
アリシアにはもう聞こえていなかったが、ヴァイスは涙を堪えながらそう力強く口にしたのだった。
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