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第一章:逆行聖女
第43話:自警団員アリシア 21
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その後、アリシアが目覚めたということが村に伝わっていくと、多くの人たちがお見舞いに来てくれた。
中には無茶をするなとくぎを刺してくる者もいたが、最終的には無事でよかったと口にしてくれていた。
しかし、ふくれっ面で現れた者が一人だけいた。
「もう! アリシアちゃんなんて知らないんだからね!」
「ご、ごめんね、ジーナちゃん」
「ふんだ!」
「ごめんな、アリシア。こいつ、お前が助かったって聞いてからずっとこうなんだ。その前までは泣きながら大丈夫かなって心配していたんだけど」
「ちょっと、お兄ちゃん! それは言わないでよね!」
ずっとふくれっ面だったジーナだが、誰よりもアリシアのことを心配していたのだとヴァイスに暴露されると、顔を真っ赤にして怒りだしてしまった。
「でもでも! 私は本当に怒ってるんだからね、アリシアちゃん! 置いていくなんて、酷いよ!」
「そうだよね、本当にごめんね」
「ほら、ジーナ。アリシアも反省してるじゃないか」
「そういうお兄ちゃんもだからね! そもそも、お兄ちゃんが勝手に抜け出さなかったら、アリシアちゃんも追い掛けなかったんだからね!」
「うっ!? ……はい、すみませんでした」
いつもはヴァイスの方が立場として上なのだが、今だけはジーナの方が強い立場にあるらしい。
その様子を見てアリシアは恐る恐る口を開いた。
「……ねえ、ヴァイス兄。もしかして、お父さんやおばさんからものすごく怒られちゃった?」
「……」
「……ヴァイス兄?」
「……思い出したくもない」
「ものすごく怒られてたよ!」
「おい、ジーナ!」
「べーっだ! 私のことをばらしたんだから、私もばらしちゃうもんねー!」
最初こそ重い雰囲気だった二人だが、気づけばいつものテンションに戻っており、アリシアも自然な笑みを受けベることができるようになっていた。
「そっか。ごめんね、ヴァイス兄」
「アリシアが謝ることじゃないだろう。あれは俺が勝手に飛び出した結果なんだからな」
「そうだよ、アリシアちゃん! なんなら文句の一つでも言ってやったら?」
「……そうかな?」
「おい、アリシアまで!」
「あはは! 冗談だよ、ヴァイス兄!」
それからは何気ない会話や、いつから訓練に参加できるのかなど、色々な話に花を咲かせていった。
しかし、最後にジーナが返事に困る話題を口にしてきた。
「それにしてもさあ、おじさんもすごいポーションを持っていたんだねー!」
「あー……うん、そうだね。本当は私のために買っていてくれたものなんだけど、私が持ち出したんだ」
「ま、まあ、あれがなかったらおじさんも危なかったかもしれないし、アリシアもそれで助かったんだから、役割を果たしたってことじゃないか?」
アーノルドの大怪我が治ったことや、アリシアが気を失っていたことについて、アーノルドは自分が保管していたポーションのおかげだと周りには説明していた。
ゴッツやシエナ、ヴァイスも口裏を合わせており、その事実を知らないジーナは嘘をそのまま信じていたのだ。
「うーん、それもそっか! アリシアちゃん、おじさんにいっぱいお礼を言うんだよ? それで、いっぱい甘えてあげたらきっと喜ぶよ!」
「う、うん。そうするよ」
「それじゃあ、俺たちはそろそろ帰るよ」
「えぇー! もうちょっといいでしょー!」
「アリシアはまだ体力も回復していないんだ、休ませてやれよ」
まだ話足りない様子のジーナだったが、ヴァイスの言葉の方が正しいことを理解しており、すぐに頬を膨らませながらもアリシアへ向き直った。
「また来るからね、アリシアちゃん!」
「うん。ありがとう、ジーナちゃん!」
「それじゃあまたな」
「ヴァイス兄も本当にありがとう!」
二人が部屋をあとにすると、アリシアはジーナにだけは申し訳ない気持ちでいっぱいになっていたのだった。
中には無茶をするなとくぎを刺してくる者もいたが、最終的には無事でよかったと口にしてくれていた。
しかし、ふくれっ面で現れた者が一人だけいた。
「もう! アリシアちゃんなんて知らないんだからね!」
「ご、ごめんね、ジーナちゃん」
「ふんだ!」
「ごめんな、アリシア。こいつ、お前が助かったって聞いてからずっとこうなんだ。その前までは泣きながら大丈夫かなって心配していたんだけど」
「ちょっと、お兄ちゃん! それは言わないでよね!」
ずっとふくれっ面だったジーナだが、誰よりもアリシアのことを心配していたのだとヴァイスに暴露されると、顔を真っ赤にして怒りだしてしまった。
「でもでも! 私は本当に怒ってるんだからね、アリシアちゃん! 置いていくなんて、酷いよ!」
「そうだよね、本当にごめんね」
「ほら、ジーナ。アリシアも反省してるじゃないか」
「そういうお兄ちゃんもだからね! そもそも、お兄ちゃんが勝手に抜け出さなかったら、アリシアちゃんも追い掛けなかったんだからね!」
「うっ!? ……はい、すみませんでした」
いつもはヴァイスの方が立場として上なのだが、今だけはジーナの方が強い立場にあるらしい。
その様子を見てアリシアは恐る恐る口を開いた。
「……ねえ、ヴァイス兄。もしかして、お父さんやおばさんからものすごく怒られちゃった?」
「……」
「……ヴァイス兄?」
「……思い出したくもない」
「ものすごく怒られてたよ!」
「おい、ジーナ!」
「べーっだ! 私のことをばらしたんだから、私もばらしちゃうもんねー!」
最初こそ重い雰囲気だった二人だが、気づけばいつものテンションに戻っており、アリシアも自然な笑みを受けベることができるようになっていた。
「そっか。ごめんね、ヴァイス兄」
「アリシアが謝ることじゃないだろう。あれは俺が勝手に飛び出した結果なんだからな」
「そうだよ、アリシアちゃん! なんなら文句の一つでも言ってやったら?」
「……そうかな?」
「おい、アリシアまで!」
「あはは! 冗談だよ、ヴァイス兄!」
それからは何気ない会話や、いつから訓練に参加できるのかなど、色々な話に花を咲かせていった。
しかし、最後にジーナが返事に困る話題を口にしてきた。
「それにしてもさあ、おじさんもすごいポーションを持っていたんだねー!」
「あー……うん、そうだね。本当は私のために買っていてくれたものなんだけど、私が持ち出したんだ」
「ま、まあ、あれがなかったらおじさんも危なかったかもしれないし、アリシアもそれで助かったんだから、役割を果たしたってことじゃないか?」
アーノルドの大怪我が治ったことや、アリシアが気を失っていたことについて、アーノルドは自分が保管していたポーションのおかげだと周りには説明していた。
ゴッツやシエナ、ヴァイスも口裏を合わせており、その事実を知らないジーナは嘘をそのまま信じていたのだ。
「うーん、それもそっか! アリシアちゃん、おじさんにいっぱいお礼を言うんだよ? それで、いっぱい甘えてあげたらきっと喜ぶよ!」
「う、うん。そうするよ」
「それじゃあ、俺たちはそろそろ帰るよ」
「えぇー! もうちょっといいでしょー!」
「アリシアはまだ体力も回復していないんだ、休ませてやれよ」
まだ話足りない様子のジーナだったが、ヴァイスの言葉の方が正しいことを理解しており、すぐに頬を膨らませながらもアリシアへ向き直った。
「また来るからね、アリシアちゃん!」
「うん。ありがとう、ジーナちゃん!」
「それじゃあまたな」
「ヴァイス兄も本当にありがとう!」
二人が部屋をあとにすると、アリシアはジーナにだけは申し訳ない気持ちでいっぱいになっていたのだった。
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