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閑話:レギンとミリー
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アリウスがラグザリアに到着したその日、ガゼルヴィード領ではレギンとミリーがとある行動を起こそうとしていた。
「よし、魔獣狩りは終わったかな」
「お疲れ様です、レギンお兄様」
今日の魔獣狩り担当はレギンとミリーだ。
銀級騎士と金級騎士の二人は、ナリゴサ村の最高戦力であり、なくてはならない存在でもある。
しかし、そのことを良く思っていない人間も少なからず存在している。
「ねえ、レギンお兄様。どうして毎回、私とお兄様が一緒に魔獣狩りを行っているのですか? 私は一番下だから分かるのですが、お兄様は銀級騎士ですし、一人でも十分すぎるのでは?」
ガゼルヴィード家にとっての末娘でもあるミリーですら理解できることを、兄たちが気づいていないわけがない。
「そうなんだけどね。まあ、無駄に高いプライドのせいだよ、ミリー」
レギンは苦笑しながらそう答え、ミリーの頭を優しく撫でた。
銅級騎士であるラスティンとルーカスは、実力差があり過ぎるミリーの剣技をこの目で見たくなかった。
しかし、金級騎士とはいえ、末娘であるミリーだけで魔獣狩りに向かわせるのも外聞が悪いとなり、仕方なくレギンと組ませている。
金級騎士と銀級騎士の無駄遣いなのだが、自分たちが嫌な思いをするくらいなら、無駄遣いも構わないと兄二人は考えているのだ。
「お父様はどうなのですか?」
「あの人は……うん、あの人こそ、プライドの固まりかもしれないね」
そんなことを話しながら、二人はガゼルヴィード邸へと戻っていった。
その日の夕食の席で、ライアンがレギンへ声を掛けた。
「魔獣狩りはどうだった、レギン?」
「はい、父上。今日も問題はありませんでした」
「当然だ。昨日は私が担当だったのだからな」
ライアンの問いにレギンが答えると、やや食い気味にラスティンが自慢げに口を挟んできた。
「ちっ。だがまあ、銀級と金級の二人なら、多少魔獣が多くても問題にはならねぇだろうよ」
そこへ皮肉っぽくルーカスが口を挟むと、ラスティンが鋭い視線を彼に向ける。
「なんだと? 俺よりも、貴様の方がちゃんと魔獣狩りをやるんだな。こっちはお前の尻拭いで大変だったんだからな!」
「んだと、こら! 俺様がサボってたって言いたいのかよ!」
「よせ、お前たち。よくやってくれたな、レギン、ミリー」
「「……は、はい」」
ここ最近の夕食の席は、毎回のように言い争いが起きている。
それはアリウスが自主的に行っていた魔獣狩りがなくなったせいでもあった。
(……尻拭いか。それを言うなら、アリウスを勘当した時点で、全員にしわ寄せがきているだけなんだけどな)
内心で苛立ちながらも、レギンは平静を装いながら食事を口に運んでいった。
そして――その日の夜。
「よし、こんなものでいいかな」
レギンは黒装束に身を包んでおり、そのまま自室のベランダへと出る。
彼の視線は右奥の部屋にあるベランダへ向いており、軽快な動きで壁伝いに移動する。
目的の部屋のベランダに到着したレギンは、慎重に窓へ顔を寄せ、声を掛けた。
「……起きているかい、ミリー?」
目的の部屋は、ミリーの自室だった。
レギンの声が聞こえたのだろう、部屋の内側から窓が開かれると、中から同じ黒装束を身に纏ったミリーが現れた。
「お待ちしておりました、レギンお兄様」
まったく同じ姿をしている時点で、二人が事前に話をしていたのは明白だ。
それでもレギンは、改めてミリーへ確認を取る。
「本当にいいのかい、ミリー? ここから先へ踏み出せば、引き返すことはできないよ?」
「構いません、お兄様。私はもう、窮屈なガゼルヴィード領に縛り付けられるのは嫌なのです!」
「後悔はしないんだね?」
「いたしません!」
全ての問いに即答したミリーの意志を確認したレギンは、これ以上の説得は諦めた。
「分かった。それじゃあ慎重に移動するよ。まずはお爺様たちのところへ行こう」
「はい!」
レギンとミリーは、ガゼルヴィード領からの逃亡を企てていた。
それはアリウスを勘当した時から決めていたことでもあり、その相談役を買って出てくれていたのがユセフたちだった。
二人は足音一つ立てることなく移動を開始すると、ガゼルヴィード邸をあとにして、ユセフたちが暮らす別宅へと向かう。
途中、村人とすれ違いそうになることもあったが、二人は気配を消し、身を潜めてやり過ごしながら進んでいく。
普段であれば一〇分も掛からない距離を、二人は倍以上の時間を掛けて到着した。
「遅かったな、二人とも」
「ひとまずはお疲れ様ね」
別宅ではユセフとフラウが待っており、二人を快く迎え入れてくれた。
「遅くなってしまい、すみませんでした」
「気配を消して移動するというのは、難しいですね」
「修練すればいずれ身に着く。アリウスの気配遮断は見事なものだったぞ」
アリウスを指導していたユセフがそう口にすると、レギンとミリーは嬉しそうに笑った。
「さすがはアリウスだ!」
「私もアリウスお兄様に追いつけるよう、頑張らなきゃですね!」
そう口にしている二人を見つめながら、ユセフは選別を取り出した。
「これを二人にやろう」
「お爺様、こちらは?」
「アリウスのものよりは容量は落ちるが、魔法鞄だ」
「えぇっ!? お爺様、そんな貴重な物、僕たちは受け取れません!」
「いいや、受け取るんだ」
レギンが慌てて断ろうとしたのだが、ユセフは強い口調で言い放つ。
「これから長旅になるだろう。アリウスに追いつこうというのであれば、なおさらだ。であれば、可能な限り身軽でいるに越したことはない」
「で、ですが……」
「受け取りましょう、レギンお兄様」
ユセフの言葉にも受取りを渋っていたレギンだが、そこへミリーが口を開いた。
「私たちの目標はアリウスお兄様なのです。追いつこうとするならば、ありとあらゆるものを利用しなければなりません!」
「ミリー……そうだね、分かったよ。お爺様、こちらはありがたく頂戴いたします」
ミリーの言葉を受けて、レギンも意志を固め、ユセフから魔法鞄を受け取った。
「まあ、そこがレギンの良いところなのだがな」
「ありがとうございます」
「お爺様はアリウスお兄様がどちらに向かったのか、分かりますか?」
これから向かう先を決めようと、ミリーが問い掛けた。
「儂の勧めで、ラクスウェイン領にある要塞都市ラグザリアへ向かったはずだ」
ユセフが答えると、ミリーとレギンは顔を見合わせた。
「目的地は決まりましたね、レギンお兄様!」
「あぁ! 僕たちもラグザリアを目指そう!」
「二人は勘当されたわけではない。出発するなら、今しかないだろう」
「夜は魔獣も活発化するわ。気をつけていくのよ。魔法鞄に弁当をたくさん入れているから、道中で食べてちょうだいね」
最後にフラウが声を掛けると、優しく二人を抱きしめた。
「……ありがとうございます、お爺様、お婆様」
「……いってきます」
「えぇ、いってらっしゃい。いつでも戻ってきていいんだからね」
「「はい!」」
こうしてレギンとミリーは、別宅をあとにして、ナリゴサ村から去っていった。
「……本当に大丈夫でしょうか、ユセフ?」
「レギンとミリーなら問題ないだろう。それに、二人が向かう際の魔獣狩りはやっておいたしな」
「あら! ……まったく、あなたったら」
ユセフからの思わぬ選別は魔法鞄だけではなかった。
そのことにレギンとミリーが気づくかは分からないが、それでもいいとユセフは考えている。
「無事にアリウスと合流できることを願っているぞ。レギン、ミリー」
「こっちは私たちに任せてちょうだいね」
二人を見送ったユセフとミリーが別宅に戻ると、これからのことを話し合い始め、その日の夜は遅くまで明かりが灯っていた。
「よし、魔獣狩りは終わったかな」
「お疲れ様です、レギンお兄様」
今日の魔獣狩り担当はレギンとミリーだ。
銀級騎士と金級騎士の二人は、ナリゴサ村の最高戦力であり、なくてはならない存在でもある。
しかし、そのことを良く思っていない人間も少なからず存在している。
「ねえ、レギンお兄様。どうして毎回、私とお兄様が一緒に魔獣狩りを行っているのですか? 私は一番下だから分かるのですが、お兄様は銀級騎士ですし、一人でも十分すぎるのでは?」
ガゼルヴィード家にとっての末娘でもあるミリーですら理解できることを、兄たちが気づいていないわけがない。
「そうなんだけどね。まあ、無駄に高いプライドのせいだよ、ミリー」
レギンは苦笑しながらそう答え、ミリーの頭を優しく撫でた。
銅級騎士であるラスティンとルーカスは、実力差があり過ぎるミリーの剣技をこの目で見たくなかった。
しかし、金級騎士とはいえ、末娘であるミリーだけで魔獣狩りに向かわせるのも外聞が悪いとなり、仕方なくレギンと組ませている。
金級騎士と銀級騎士の無駄遣いなのだが、自分たちが嫌な思いをするくらいなら、無駄遣いも構わないと兄二人は考えているのだ。
「お父様はどうなのですか?」
「あの人は……うん、あの人こそ、プライドの固まりかもしれないね」
そんなことを話しながら、二人はガゼルヴィード邸へと戻っていった。
その日の夕食の席で、ライアンがレギンへ声を掛けた。
「魔獣狩りはどうだった、レギン?」
「はい、父上。今日も問題はありませんでした」
「当然だ。昨日は私が担当だったのだからな」
ライアンの問いにレギンが答えると、やや食い気味にラスティンが自慢げに口を挟んできた。
「ちっ。だがまあ、銀級と金級の二人なら、多少魔獣が多くても問題にはならねぇだろうよ」
そこへ皮肉っぽくルーカスが口を挟むと、ラスティンが鋭い視線を彼に向ける。
「なんだと? 俺よりも、貴様の方がちゃんと魔獣狩りをやるんだな。こっちはお前の尻拭いで大変だったんだからな!」
「んだと、こら! 俺様がサボってたって言いたいのかよ!」
「よせ、お前たち。よくやってくれたな、レギン、ミリー」
「「……は、はい」」
ここ最近の夕食の席は、毎回のように言い争いが起きている。
それはアリウスが自主的に行っていた魔獣狩りがなくなったせいでもあった。
(……尻拭いか。それを言うなら、アリウスを勘当した時点で、全員にしわ寄せがきているだけなんだけどな)
内心で苛立ちながらも、レギンは平静を装いながら食事を口に運んでいった。
そして――その日の夜。
「よし、こんなものでいいかな」
レギンは黒装束に身を包んでおり、そのまま自室のベランダへと出る。
彼の視線は右奥の部屋にあるベランダへ向いており、軽快な動きで壁伝いに移動する。
目的の部屋のベランダに到着したレギンは、慎重に窓へ顔を寄せ、声を掛けた。
「……起きているかい、ミリー?」
目的の部屋は、ミリーの自室だった。
レギンの声が聞こえたのだろう、部屋の内側から窓が開かれると、中から同じ黒装束を身に纏ったミリーが現れた。
「お待ちしておりました、レギンお兄様」
まったく同じ姿をしている時点で、二人が事前に話をしていたのは明白だ。
それでもレギンは、改めてミリーへ確認を取る。
「本当にいいのかい、ミリー? ここから先へ踏み出せば、引き返すことはできないよ?」
「構いません、お兄様。私はもう、窮屈なガゼルヴィード領に縛り付けられるのは嫌なのです!」
「後悔はしないんだね?」
「いたしません!」
全ての問いに即答したミリーの意志を確認したレギンは、これ以上の説得は諦めた。
「分かった。それじゃあ慎重に移動するよ。まずはお爺様たちのところへ行こう」
「はい!」
レギンとミリーは、ガゼルヴィード領からの逃亡を企てていた。
それはアリウスを勘当した時から決めていたことでもあり、その相談役を買って出てくれていたのがユセフたちだった。
二人は足音一つ立てることなく移動を開始すると、ガゼルヴィード邸をあとにして、ユセフたちが暮らす別宅へと向かう。
途中、村人とすれ違いそうになることもあったが、二人は気配を消し、身を潜めてやり過ごしながら進んでいく。
普段であれば一〇分も掛からない距離を、二人は倍以上の時間を掛けて到着した。
「遅かったな、二人とも」
「ひとまずはお疲れ様ね」
別宅ではユセフとフラウが待っており、二人を快く迎え入れてくれた。
「遅くなってしまい、すみませんでした」
「気配を消して移動するというのは、難しいですね」
「修練すればいずれ身に着く。アリウスの気配遮断は見事なものだったぞ」
アリウスを指導していたユセフがそう口にすると、レギンとミリーは嬉しそうに笑った。
「さすがはアリウスだ!」
「私もアリウスお兄様に追いつけるよう、頑張らなきゃですね!」
そう口にしている二人を見つめながら、ユセフは選別を取り出した。
「これを二人にやろう」
「お爺様、こちらは?」
「アリウスのものよりは容量は落ちるが、魔法鞄だ」
「えぇっ!? お爺様、そんな貴重な物、僕たちは受け取れません!」
「いいや、受け取るんだ」
レギンが慌てて断ろうとしたのだが、ユセフは強い口調で言い放つ。
「これから長旅になるだろう。アリウスに追いつこうというのであれば、なおさらだ。であれば、可能な限り身軽でいるに越したことはない」
「で、ですが……」
「受け取りましょう、レギンお兄様」
ユセフの言葉にも受取りを渋っていたレギンだが、そこへミリーが口を開いた。
「私たちの目標はアリウスお兄様なのです。追いつこうとするならば、ありとあらゆるものを利用しなければなりません!」
「ミリー……そうだね、分かったよ。お爺様、こちらはありがたく頂戴いたします」
ミリーの言葉を受けて、レギンも意志を固め、ユセフから魔法鞄を受け取った。
「まあ、そこがレギンの良いところなのだがな」
「ありがとうございます」
「お爺様はアリウスお兄様がどちらに向かったのか、分かりますか?」
これから向かう先を決めようと、ミリーが問い掛けた。
「儂の勧めで、ラクスウェイン領にある要塞都市ラグザリアへ向かったはずだ」
ユセフが答えると、ミリーとレギンは顔を見合わせた。
「目的地は決まりましたね、レギンお兄様!」
「あぁ! 僕たちもラグザリアを目指そう!」
「二人は勘当されたわけではない。出発するなら、今しかないだろう」
「夜は魔獣も活発化するわ。気をつけていくのよ。魔法鞄に弁当をたくさん入れているから、道中で食べてちょうだいね」
最後にフラウが声を掛けると、優しく二人を抱きしめた。
「……ありがとうございます、お爺様、お婆様」
「……いってきます」
「えぇ、いってらっしゃい。いつでも戻ってきていいんだからね」
「「はい!」」
こうしてレギンとミリーは、別宅をあとにして、ナリゴサ村から去っていった。
「……本当に大丈夫でしょうか、ユセフ?」
「レギンとミリーなら問題ないだろう。それに、二人が向かう際の魔獣狩りはやっておいたしな」
「あら! ……まったく、あなたったら」
ユセフからの思わぬ選別は魔法鞄だけではなかった。
そのことにレギンとミリーが気づくかは分からないが、それでもいいとユセフは考えている。
「無事にアリウスと合流できることを願っているぞ。レギン、ミリー」
「こっちは私たちに任せてちょうだいね」
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