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第二章:護衛依頼
第91話:魔法袋の成果
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バルスタッド商会に到着した俺たちはすぐに中へと案内された。
今回は俺だけではなくエリカとギース、そしてレミーも一緒だ。
「レミーは冒険者ギルドに残らなくてよかったのか?」
「構わないよ。それに、こっちにいた方が儲けはありそうだからね」
こいつ、抜け目ないな。
レミーが言っている儲けというのは魔獣素材の事だろう。
森の中でもそうだが、掃討戦に入ってからも大量の魔獣を討伐しては魔法袋の中に放り投げてきた。
ラコスタ討伐の報酬も結構な額になるはずで、加えての追加報酬となれば人によっては働かなくてもよくなるかもしれない。……もちろん門番として働くけどな。
「戻りました。ヒロさん、ルシウスさん」
「おぉっ! 無事でよかったです、レインズ君!」
「外の歓声で討伐のは知っていましたが、無事かどうかは分かりませんからね」
確かにその通りだ。そういう事ならもう少し早く戻ってきてもよかったかもしれないな。
「ご心配をおかけしました」
「レインズに助けられたね!」
「俺はずっとギルドにいたから大丈夫です」
「ギースは俺に二人の場所を教えてくれたじゃないか。助かったよ、ありがとう」
慰めるわけじゃないがそう口にすると、ギースは少しだけ誇らしそうな顔になる。彼も頑張っているが、まだまだ子供という事だよな。実際に子供だし。
「ラコスタ討伐にみんな無事! ……そして魔法袋には魔獣素材が沢山入っている、ですか?」
「……その通りです、ヒロさん」
「あたいもそれ目当てでこっちに来たんだ、早く見せてくれよ!」
いやいや、早く見せてと言われてもこの場で出すわけにはいかんだろう。部屋の中が魔獣臭くなるっての。
「ルシウスさん、魔獣素材を出せる場所ってありますか?」
「えぇ。商会の裏に専用の場所をご用意しております」
「では、そちらに向かいましょうか」
「あ、俺が肩を貸します」
「ありがとう、ギース君」
俺たちが疲れている事を察したギースが真っ先にヒロさんのところへ向かう。
そんなギースを笑顔でヒロさんが迎えると、再び誇らしそうな顔を浮かべた。
俺は師匠ではあるが、ギースとの付き合いはウラナワ村に来てからだ。
それを考えると俺はまだまだギースの事を知らないんだなと思ってしまった。
「それでは行きましょうか」
ルシウスさんに促されて歩き出した俺たちは、そのまま商会の裏へ向かう。そこには解体も想定しているだろう巨大な建物が現れた。
バルスタッド商会の建物も大きかったが、解体場も結構な大きさを誇っている。
それを考えるとバルスタッド商会の大きさを改めて実感してしまうな。
「では、こちらにお願いします。……念のために確認しますが、この広さで足りますか?」
「だ、大丈夫です。全然足ります」
これで足りなかったらウラナワ村の森で倒したオーガの集団に迫ってしまう。
そして俺は魔獣を魔法袋から取り出した。
もちろん埋まる事はない。埋まる事はなかったが、全てを出し尽くしたところで振り返るとルシウスさんが口を開けて固まっている姿が目に飛び込んできた。
「……な……ななな……なんですかこの量は!?」
「オーガ素材はもっと多かったですよ?」
「そうなのですか!?」
「あれは凄かったですねぇ」
「うん、凄かった」
「え? そんなに凄かったの?」
「これより多いって、ヤバくないかい?」
凄いと口にしたのはオーガの数を見ていたヒロさんとギース。
これ以上なのかとやや驚いているのがエリカとレミー。
そして困惑気味に驚いているのは当然というか、ルシウスさんだ。
まあ、これだけの数の魔獣を死体とはいえ見せられたら驚くのも無理はないか。
「……わ、我が商会では、全ては買い取れないかもしれませんね」
「それじゃあ買い取れる分だけお願いできますか? 無理がない範囲で構いませんので」
「ありがとうございます! では担当者と共に作業に入りますので、少しお待ちください!」
ものすごい勢いで頭を下げてきたルシウスさんは、顔を上げるとすぐに動き出した。
そこからは非常に速く、魔獣の山の中から比較的損傷の少ない個体を選び抜いていき、最終的な買取額も結構なものになっていた。
これ、ラコスタの報酬を受け取らなくてもしばらく働かなくてもいいかもしれない。……いや、もちろん働くけどさ、門番として。
今回は俺だけではなくエリカとギース、そしてレミーも一緒だ。
「レミーは冒険者ギルドに残らなくてよかったのか?」
「構わないよ。それに、こっちにいた方が儲けはありそうだからね」
こいつ、抜け目ないな。
レミーが言っている儲けというのは魔獣素材の事だろう。
森の中でもそうだが、掃討戦に入ってからも大量の魔獣を討伐しては魔法袋の中に放り投げてきた。
ラコスタ討伐の報酬も結構な額になるはずで、加えての追加報酬となれば人によっては働かなくてもよくなるかもしれない。……もちろん門番として働くけどな。
「戻りました。ヒロさん、ルシウスさん」
「おぉっ! 無事でよかったです、レインズ君!」
「外の歓声で討伐のは知っていましたが、無事かどうかは分かりませんからね」
確かにその通りだ。そういう事ならもう少し早く戻ってきてもよかったかもしれないな。
「ご心配をおかけしました」
「レインズに助けられたね!」
「俺はずっとギルドにいたから大丈夫です」
「ギースは俺に二人の場所を教えてくれたじゃないか。助かったよ、ありがとう」
慰めるわけじゃないがそう口にすると、ギースは少しだけ誇らしそうな顔になる。彼も頑張っているが、まだまだ子供という事だよな。実際に子供だし。
「ラコスタ討伐にみんな無事! ……そして魔法袋には魔獣素材が沢山入っている、ですか?」
「……その通りです、ヒロさん」
「あたいもそれ目当てでこっちに来たんだ、早く見せてくれよ!」
いやいや、早く見せてと言われてもこの場で出すわけにはいかんだろう。部屋の中が魔獣臭くなるっての。
「ルシウスさん、魔獣素材を出せる場所ってありますか?」
「えぇ。商会の裏に専用の場所をご用意しております」
「では、そちらに向かいましょうか」
「あ、俺が肩を貸します」
「ありがとう、ギース君」
俺たちが疲れている事を察したギースが真っ先にヒロさんのところへ向かう。
そんなギースを笑顔でヒロさんが迎えると、再び誇らしそうな顔を浮かべた。
俺は師匠ではあるが、ギースとの付き合いはウラナワ村に来てからだ。
それを考えると俺はまだまだギースの事を知らないんだなと思ってしまった。
「それでは行きましょうか」
ルシウスさんに促されて歩き出した俺たちは、そのまま商会の裏へ向かう。そこには解体も想定しているだろう巨大な建物が現れた。
バルスタッド商会の建物も大きかったが、解体場も結構な大きさを誇っている。
それを考えるとバルスタッド商会の大きさを改めて実感してしまうな。
「では、こちらにお願いします。……念のために確認しますが、この広さで足りますか?」
「だ、大丈夫です。全然足ります」
これで足りなかったらウラナワ村の森で倒したオーガの集団に迫ってしまう。
そして俺は魔獣を魔法袋から取り出した。
もちろん埋まる事はない。埋まる事はなかったが、全てを出し尽くしたところで振り返るとルシウスさんが口を開けて固まっている姿が目に飛び込んできた。
「……な……ななな……なんですかこの量は!?」
「オーガ素材はもっと多かったですよ?」
「そうなのですか!?」
「あれは凄かったですねぇ」
「うん、凄かった」
「え? そんなに凄かったの?」
「これより多いって、ヤバくないかい?」
凄いと口にしたのはオーガの数を見ていたヒロさんとギース。
これ以上なのかとやや驚いているのがエリカとレミー。
そして困惑気味に驚いているのは当然というか、ルシウスさんだ。
まあ、これだけの数の魔獣を死体とはいえ見せられたら驚くのも無理はないか。
「……わ、我が商会では、全ては買い取れないかもしれませんね」
「それじゃあ買い取れる分だけお願いできますか? 無理がない範囲で構いませんので」
「ありがとうございます! では担当者と共に作業に入りますので、少しお待ちください!」
ものすごい勢いで頭を下げてきたルシウスさんは、顔を上げるとすぐに動き出した。
そこからは非常に速く、魔獣の山の中から比較的損傷の少ない個体を選び抜いていき、最終的な買取額も結構なものになっていた。
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