聖女は唄い願う

零嬢 椿

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契約1

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「さっきから騒がしいけどなにがあったの?」
「奥様!アリア様が怪我をしたモフモフ?を湖から連れてきたと仰るのですが、アリア様以外誰にも見えなくて……」
「はぁい???モフモフ??」

おてんば娘、今度は何をしでかしたのかしら?

「アリアなにがあったの?」
「お母様!!この子を診てください!」
「アリア、お母様にもその子はみえないわ」
「どうしてっ!」
「ねぇアリア?その子の見た目転写できないかしら?」
「多分できる!!!お母様天才!!!」
「アベリアなにか紙をもってきて頂戴」
「かしこまりました」




《魔眼発動》
転写を開始します。

キィーーン


ぱぁーーっ



「これは・・・・アリア?本当に転写できてるのね?」
「まちがいないこの子だよ!」
「怪我はアリアが治したのね、お風呂に入れてあげなさい。湖は寒かったでしょうから」
「はいっ!」



まさか、いえ、間違いないわ。
あれは………………
はやくロイゼを呼ばなきゃ。




「モフモフ!おふろはいるよ!」
「クゥン」
「寒かったでしょう?はやく温まろ!」

わしゃわしゃ   わしゃわしゃ

「綺麗になったぁ!」
(ありがとう!)
「ん?アベリア何か言った?」
「いえ、私はなにも?」
(ここだよ!ここ!)
「どこ?」
(君の腕の中だよ!)
「え!!???モフモフが喋ったァ!」
(助けてくれてありがとう。僕はフェンリルっていうんだ)
「フェンリル?ふぁ!?しってるよ!よくゲームででてきた!」
(ゲーム?しらないなぁ?)
「アリア様ー?そろそろ終わりましたかぁ?」
はっ、やばい。
動揺してつい声に出してしまった。
気をつけないと。
「大丈夫ー!もうおわったよぉ!」
「モフモフ、その話は私の部屋でしよ」
(わかったよ!)




ガチャン



「それで?フェンリルなのは分かったけどどうしてあんなに怪我してたの?」
(それが……僕は、僕達はここよりも遠い森で暮らしてたんだ)
「うん?」
(フェンリルは聖獣だってのは知ってるね?)
「えぇ、」
(聖獣は裏オークションに出すととても高く売れるんだって。
その日は大きいフェンリルはみんな狩りにでてて……)
「まさか、その日に?」
(正解……盗賊たちはその日を見計らって襲いにきたんだ。でも、本当なら人間には僕達の姿はみえない。もちろん小さいフェンリルでも十分強いからもし見えたとしても負けたりしない!
でも盗賊の人達、変な煙をたき出したんだ。
小さな箱をあけたら、どす黒い煙がでだして
あれを吸った仲間はみんな倒れていって、僕は子供のフェンリルのなかで1番大きかったからなのか、動けたんだ)
「ならどうしてあんなに傷が?」
(その後さ、皆をみすてて僕だけが逃げる訳にもいかない、僕は1人でたたかったんだ。だけど流石にきつくてね、ボロボロになったよ。盗賊は僕にかなわないと悟ってか逃げ出した)
「モフモフは強いんだね。でもどーしてうちの領土に?」
(ボロボロになって死にそうで。でも朝方になればお母さんたちも帰ってくるんだと、必死に耐えた。そしたら僕を死んでると勘違いした鳥が僕を捕まえてどこかへ飛んで行ったんだ)
「えぇ!???」
(抵抗する力が出なくて、抵抗しても落ちたら死ぬし。でもコイツに捕まったままでも死ぬなって、そしたら大きな湖が見えてきて一か八かおりようって、最後の力を振り絞って落ちたんだ)
「なるほどね……」
「だったら、貴方には帰る場所があるのね。分かったわ。私が連れてってあげる!」
(え!?いいのか!?ここからどれくらい離れてるかも分からないのに?)
「大丈夫よ!だって私は聖女よ?聖獣を助けない聖女なんているわけないじゃない!」
(君は聖女なのか……だから君だけに僕が見えてるんだね)



「ねぇ気になったんだけど、人間にはみえないっていったよね?」
(うん)
「じゃあなんでオークションにでてるの?」
(それが問題なんだ、)
「え?」
(本来ならみえない存在。それが人間にとってはとても興味がそそられるんだろうね、お母さん達が話してるのが聞こえたんだ)


『フェンリルが見えるようになる物があるらしいぞ』
『そんなっ。欲深い人間め……』
『間違いないだろな、隣の山のフェンリルがすでに二頭消えたってんだ』
『だけどそれ隣のやつは金貨100枚っていってたぞ?』

「それじゃあ!」
(君はあたまがいいんだね、その通りだよ。開発者は分からないけど、買ってるのは貴族だよ。)
「そんな大金……かなりの上位貴族よ。まさかこの国にそんな人がいたなんてね」
(あつがましいとは承知だけど、こまってるんだ。)
「ふふっいいわよ!どうせ首を突っ込むんだもん!最後までやらないと気が済まないわ!」
(ありがとう!!)
「うーんでも、いつまで一緒に過ごすかも分からないのにずっと名前がモフモフじゃあね?」
(付けてくれるのか?)
「うんっ!!」
銀の毛に、金の瞳かぁ……
フェンリルって狼でいいかな?

「じゃあ……《白狼》ってのはどう?」

(《ハクロウ》すごくいい響きだ……)

ピコンッ

《神獣契約成功》
お互いの承認が確認されました。


うん……忘れてた。

はい……忘れてた。




そぉーーーゆう展開あったわぁ!!!!





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