235 / 462
第五話 クリスマス・ボンバイエ
37※微
しおりを挟む根負けしたニューイが壁を這うランプやシャンデリアに灯りを淡くするよう命じると、室内は温かいオレンジに染まった。
ベッドへ膝立ちに下ろされる。
背後から忍び寄るニューイは背中にあるエプロンドレスのチャックをジジ、と下げ、あらわになった九蔵のうなじにチュ、とキスをした。
ピクン、と肌が跳ねる。
ニューイの口付けはくすぐったい。
唇は肩甲骨の谷間までをなぞり、手はドレスをたくしあげて簡単に取り払う。
残されたのは黒の薄いインナーと、色気の欠片もない下着。ボーダーソックス。
ニューイは九蔵を仰向けにベッドへ押し倒すと、贈り物のネックレスのバラごと、九蔵の胸をベロ、と舐めた。
「ンッ……」
「うぅむ……クリスマスパーティーはあと一時間は終わらないが、問題は私が一時間で止められる悪魔になれるか否かである。なんせ既にまずいからね」
「は、……ん、……っ」
インナーを胸元まで押し上げて胸の突起をまさぐりつつ、ニューイは大真面目に自分の理性に自信がないらしい。
言っている今でさえ首筋を責めながら乳首の先っぽを指の腹で弾いているのだから、確かに手遅れだろう。
「むぅ……手遅れにしたのは誰だい?」
「あ、っ」
拗ねたニューイの唇が下腹部へと下がり、ヘソを舐め、下着のゴムすれすれにぢゅくっとキスマークを刻んだ。
ニューイの好きな行為だ。
九蔵も、所有されることは嫌いじゃない。腰が無意識に浮き上がり、下着の布地を膨らませる。
「はっ……俺のせい、って? それはちと言いがかりだろ。っん、そもそもニューイがいろいろ俺にするから、だよ」
「いーや、九蔵がやらしいせいである」
「やら、っいやそれは冤罪……!」
九蔵の両足を持ち上げてソックスの縁に歯をひっかけたニューイは、そのままスルスルとソックスを脱がせた。
顕になった生足を甘噛みし、足の甲、指先にチュプ、と舌を絡めて九蔵を見下ろす。
「うっ……そこ汚ぇ、って」
「たった一時間でも〝好きなことをしてもいい〟だなんて、悪魔に言うと酷いぞ? 人間相手じゃ満足できないことをされてしまったって文句は言えない……!」
「ン、っく……それと足舐め、どう関係あるんですかねっ……」
「? 足舐めは私の趣味だよ」
チュ、と唾液まみれの足先にキスをしながら視線を流して笑うニューイに、真っ赤な九蔵は「そうですか」と納得した。
チョロいと言うことなかれ。
こちとらメロメロである。
クソチョロメロメロ丸だからこそ、遠くで音楽と笑い声が聞こえる悪魔城で股を開いているのだ。
舐めるなよ、推しと交際中のオタクを。
もう片方のソックスもサクッと脱がされ下着も奪われた九蔵は、胸中で自分の理性に言い訳をする。
「まぁ好きにしていいと言われても、私は酷いことをしないのだ。九蔵がいろいろ解禁してくれたので、一時間でしっかり気持ちいいプランを考えたぞ」
「ぅくっ……」
ニューイはむふふ、と笑った。
不思議なポケットからツボに入ったジェル状の潤滑油を取り出し、指に絡めて九蔵の秘部に塗り込める。
滑りを得た指は二本、ヌルン、と難なく侵入を果たした。
挿れられることに慣れたここは、開き方も覚えている。器用で覚えがいいのは体も同じらしい。
「ん、プランってどういう、ことだよ……っ、あっ……」
腰を持ち上げられ、むき出しの窄まりをチュコチュコと探られる光景から、フイと目をそらす。
ニューイはフフフと笑みを深めた。
紳士ぶっていたくせにやっぱりウキウキなんじゃないか。
「はっ……どんな変態プレイがお望みなんですかね、っん」
「変態プレイなんてとんでもない。まず、九蔵の苦手な焦らしプレイは勘弁する!」
「お、おう」
それは嬉しいがやたらいい笑顔だ。
嫌な予感しかしない。
クルクルと入口を解す二本の指を咥え込みつつ、九蔵は頭の下のクッションに、腕を伸ばしてしがみついておく。
やたらいい笑顔のニューイは九蔵の両足を肩に引っ掛けて、両手の親指を左右から突っ込みグパ、と拡げた。
「ぐ、っ……」
「次に、九蔵のここをいつものお遊びはなしにしっかり拡げるだろう?」
「ぐ、っ……こ、この体勢は恥ずかしいんですけども……っ、はっ……」
(中、スースーする……っ)
ニューイはグニグニと余った手のひらで尻肉をマッサージしながら、抱えている足の内ももにキスマークを散らせる。
ジェルを塗り込められながら縁を拡げられると、柔らかさの残る陰茎がひとりでにピクン、と頭をもたげた。
ニューイに見られることはもう気持ちがいいと、体が覚えているのだ。
物覚えがいいのも考えものである。
「それが終わると、左手を外す」
「ほらもうなんか違う!」
きっちりと解しきったあとにカポッ、と自分の左手を手首からもいだニューイを見て、九蔵は頭が痛くなった。
30
あなたにおすすめの小説
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
すべてを奪われた英雄は、
さいはて旅行社
BL
アスア王国の英雄ザット・ノーレンは仲間たちにすべてを奪われた。
隣国の神聖国グルシアの魔物大量発生でダンジョンに潜りラスボスの魔物も討伐できたが、そこで仲間に裏切られ黒い短剣で刺されてしまう。
それでも生き延びてダンジョンから生還したザット・ノーレンは神聖国グルシアで、王子と呼ばれる少年とその世話役のヴィンセントに出会う。
すべてを奪われた英雄が、自分や仲間だった者、これから出会う人々に向き合っていく物語。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
男装の麗人と呼ばれる俺は正真正銘の男なのだが~双子の姉のせいでややこしい事態になっている~
さいはて旅行社
BL
双子の姉が失踪した。
そのせいで、弟である俺が騎士学校を休学して、姉の通っている貴族学校に姉として通うことになってしまった。
姉は男子の制服を着ていたため、服装に違和感はない。
だが、姉は男装の麗人として女子生徒に恐ろしいほど大人気だった。
その女子生徒たちは今、何も知らずに俺を囲んでいる。
女性に囲まれて嬉しい、わけもなく、彼女たちの理想の王子様像を演技しなければならない上に、男性が女子寮の部屋に一歩入っただけでも騒ぎになる貴族学校。
もしこの事実がバレたら退学ぐらいで済むわけがない。。。
周辺国家の情勢がキナ臭くなっていくなかで、俺は双子の姉が戻って来るまで、協力してくれる仲間たちに笑われながらでも、無事にバレずに女子生徒たちの理想の王子様像を演じ切れるのか?
侯爵家の命令でそんなことまでやらないといけない自分を救ってくれるヒロインでもヒーローでも現れるのか?
【完結 一気読み推奨】片想いの相手が「そろそろ恋愛したい」と言ったので、用済みの俺はニートになることにしました。
はぴねこ
BL
高校生の頃、片想いの親友に告白した。
彼はノンケだったから玉砕して友人関係も終わるものだと思っていた。
もしかすると気持ち悪いと軽蔑される覚悟までしていたのに、彼は「今は恋愛をしている時間がないんだ」と自分の夢を語ってくれた。
彼は会社を興した祖父のことをとても尊敬していて、自分も起業したいと熱く語ってくれた。
そして、俺の手を握って「できれば親友のお前には俺の右腕になってほしい」と言われた。
同性愛者の俺のことを気持ち悪いと遠ざけることもせずに、親友のままでいてくれた彼に俺は感謝して、同じ大学に進学して、大学の頃に彼と一緒にゲームを作成する会社を起業した。
あれから二十年間、本当に二人三脚で駆け抜けてきた。
そして、昨年売り出したVRMMOが世界的に大ヒットし、ゲーム大賞を取ったことを祝うパーティーで親友が語った言葉に俺の覚悟も決まった。
「俺もそろそろ恋愛したい」
親友のその言葉に、俺は、長年の片想いを終わらせる覚悟をした。
不憫な拗らせアラフォーが”愛”へと踏み出すお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる