魔導学園の嫌われ者

汐田 蓮

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夕方になり、自分とセレスは寮の入り口で立っていた。

この学園の寮は6つあるのだが、それぞれ学園のはじに建てられていて、その真ん中に学校があるという構図になっている。

寮はそれぞれ4階建てが女子寮、共同スペース、男子寮に分かれているが、寮の形等はそれぞれ結構変わっており、それぞれ個性が出ている。

「あら二人とも、こんな早くからいるなんて偉いじゃない。」

「先生。」

寮から出てきたのは変身術と禁断魔術の先生で、黒の寮の女子寮監督であるファル・ファルシア先生だった。

先生はサキュバスらしく黒いかみに赤い目と唇、豊満な体で、かなりの男子生徒に好意を寄せられているらしい。

ちなみに行っておくが年齢を聞くと行方不明になるそうなので聞くなということを教えとく。

「あれ、ゼノス先生はまだ来てないんですか?」

ゼノス先生は錬金術の先生であり黒の寮の男子寮監督のヴァンパイアだ。

錬金術の分野においては結構有名な研究者だそうだが、生憎集中したら他のことに全く目がいかない性分なようで、まともに会話したことが片手で数えるくらいだ。

「あいつなら連れてきたわよ。」

「!!」

ファルシア先生の左手を見てみるとそこには気絶したゼノス先生がいた。

少し引くがまぁ仕方がない。

杖を持って魔法で先生を叩き起こす。

セレスが少し引いていたが気にしない事にした。

そうしてると10分後に教先生に連れられた新入生たちが馬車でやってきた。

ゾロゾロと新入生たちが降りてくると、馬車は空に走り出して消えていった。

「ここが黒の寮になります。寮の案内や生活の仕方等々は寮長や監督の先生たちが説明してくださいます。明日は休みですが明後日からは学校ですのであまりハメを外しすぎないように。」

そう言い残し先生はいなくなった。

「じゃあ新入生の皆さん、談話室へ。」

扉を開ければそこは談話室になっている。

普段は誰かしらは談話室にいるのだが、今日は新入生の説明の為全員自室にいる。

新入生たちはぎこちなくそれぞれの席に腰を下ろした。

「はい皆さん入学おめでとうございます。今日から寮生活が始まりますが、おそらく殆どの人が初めてだと思うので緊張してると思いますが、安心して先輩や私たちに相談してくださいね。」

早速何人かの男子生徒たちが釣れたようだ。

「この寮は玄関から見て左から女子寮、共同スペース、男子寮になってます。共同スペースは一階がこの談話室、2階が色々おいてある場所、3階と4階が図書館になってます。共同スペースのところは全て自由に使ってください。それぞれの寮の紹介は後でしますね。ここでは基本的に4:00~9:00起床6:00~12:00就寝になってます。その間に部屋から出たら罰則があるので気をつけてください。1年生は一階の6人部屋を使うことになります。水回りなどのものも基本的に共同です。それから罰則を与える行為としては~」

説明は全てファルシア先生がやってくれるので楽なもんだ。

「特待生はさまざま分野で優秀な成績を残した生徒が与えられる称号です。特待生は学費の免除やさらに深い学習などを受けられます。また寮長、副寮長は特待生から選ばれます。ちょうど良いですので、遅くなりましたが自己紹介の方をやっていきましょう。」

油断してたら自己紹介という最悪のイベントが始まった。

「改めまして私はファル・ファルシア、黒の寮の女子寮監督と変化術の授業をやっています。よろしくお願いしますね。」

さすがファルシア先生、人に良い印象を与えるのがうまい。

「では次ゼノス先生。」

「錬金術の教鞭を取ってるゼノスだ。」

「寮長のマーナ・エレジーナ。よろしく。」

「副寮長のマーガ・セレブスです。みなさんよろしくお願いします。」

そこから私は女子新入生たちを部屋に案内しただけで役目は終わった。

明日は休みだが5人で勉強する予定があるので、いつもより早くベッドの中に潜り込む。

今日は入学式など大変な1日だったが、2人と仲良くなれたこともあって、久しぶりに穏やかな気持ちで自分は眠りについた。
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