悪役令嬢?に転生した元勇者〜聖女様と精霊ともふもふとのぶらり旅〜

汐田 蓮

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本編

5話

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「うーん。よく眠れたわ。」

俺はとても気持ちのいいベットで爽やかな朝を迎えた。

昨日はいきなり婚約破棄されたり、ユイ達が現れたりいろいろあったし、いつもなら読まない本を読んで疲れが溜まっていたためすぐに寝れた。

まぁ疲れてなくても俺はすぐ寝れるが。

外は真っ青な空に、温かい日差しが降り注いでいて、絶好の旅日和だ。

と言ってもすぐ出ていくわけでもない。

せっかくの旅出だ。普通のの格好だったらもったいないだろ?

それにドレスで行くわけにも行かないし。

洗面所で顔を洗ってさっぱりしたら、(ちなみにこれは魔道具と言って、とても高価なもの。さすが公爵家。)勇者の頃来ていたの服に着替える。

かなり昔の服だが、ストレージのおかげで綺麗なままだ。

そして次は腰まである茶色の髪の毛を手に掛け、バッサリとハサミで切った。

こいつはどちらかというとイケメンな方の顔立ちをしてるので、やっぱショートカットのほうが似合う。

あ、これユリアに許可取ってない......

うん、考えないようにしようそうしよう。もし責められたら土下座しよう。

「さーご飯食べるかー(棒)」

事実から逃げるようにストレージで食事を済ます。え、公爵家とは食べないのかって?

当たり前じゃないか。

あの公爵家だぞ?どんな仕打ちが受けてるか分かったもんじゃない。それにこの格好はあんま見せたくねぇし。

そして最後に剣を腰に差したらあっという間に冒険者に。

多分この格好を見て元公爵令嬢だって気づく人はいないと思うわ。

余談だがこの剣は低ランクの冒険者風の剣を差ししてるが、レベル648だった魔物、不死王ノーライフキングを討伐して手に入れたものだ。

ノーライフキングは魔法が得意な魔物であるため、このナイフにエフェクトは掛かってないが、一撃入れれば十秒にHPが1ずつ減っていくという能力がついてる。

そのためこの剣はとても気に入っていた。

(賢い読者様ならすでにおわかりでしょうが、この剣は国宝級のアイテムです。)

おっと、こんなことしてる場合じゃない。早くしないと遅れるな。

俺は時間を思い出して慌てて部屋から出た。

俺のたびに同行してくれるラナとナナジンたちは教会に泊まってるらしく(というか居候)教会の前にある噴水で待ち合わせをしていた。

いくら大精霊達が守ってるからって、流石に女性、しかもラナを待たせるわけにはいかない。

そんな気持ちで駆け足で向かった。

-尚後日街ではとても足の早い魔物が現れたと噂されるようになる

ラ、じゃなくてサリアー

思わずラナと言いそうになって、慌てて口を閉じる。

真名を知られることは相手に命を委ねること。簡単に口にしていい名前ではない。

あ、ユート!!ここだよ~

はい、今日も安定に可愛いラナ。

もう天使通り越して女神だな。

「遅れてごめん。待った?」

「ううん、いま来たとこだから大丈夫だよ。」

このラナとの会話、これってどこかで......

「おい、お主ら。お主達はデート前のカップルか。少しこの甘い雰囲気を抑えろ。」

「「「「「「「「そーだそーだ。」」」」」」」」

そっかー

デート前のカップル......って、え!? 

「カ、カップルって急に何言ってるの!?」

ラナも慌てているのか顔を耳まで赤くさせ、手を横に降っていた。

「ふーん、なるほどね~」

「そういうことですか~」

「そっか~」

「いいわね~」

「「「?」」」」

そんな俺達のことを見てなにか感じ取ったらしい女性陣と、なにも分かってなさそうな男性陣。

「おいお主ら、こんなとこで時間食ってたら進まないぞ。」

ユイの言葉に急かされて、俺達は馬車へと向かった。大精霊達とユイが見送ってくれている。

「また今度ね~」

「ようがあればいつでも呼べよ!!」

「ありがとな!!」 

「みんなまたね!」

こうして俺たちの旅は始まった。

──────────────────

「ねぇねぇユート、私達今からどこいくの?」

「たしかに。それは僕も気になってたよ。」

ガタゴトと揺れる馬車の中で、俺達は向かい合って座っていた。

「あぁ、これから俺らは隣国の街に向かう。そこで俺らは冒険者になろうと思う。」

「冒険者ってあの魔物を倒したりする人のことよね?」

「そうだ。俺とジンとナナがいれば大抵のことは大丈夫だろ。」

2人のステータスを見たが、あのステータスだったら低ランクの魔物だったら余裕で倒せる。(低ランクなんてもんじゃない。)

「ふぁぁー」

急に眠気が襲ってきた。

「ユート、眠いの?」

「ああ、昨日遅くまで調べ物してたからな。」

昨日は俺の睡眠時間を犠牲にして本を読みまくっていたが、そのおかげで色々のことが分かった。というかあんな思いしてなにも手に入らなとかつらすぎる。

そこで分かったのはこの世界はレベルが低いということだ。

文明も、魔法も、武術も、技術も、全てにおいて前の時代に劣っている。

そう考えると俺達って結構やばくね?

ともかく俺達の力がバレれば...厄介なことに......

俺の意識はそこで途切れた。

──────────────────

「主人、ご主人、起きてください。」

ん、あぁ、ジンか。どした?

「どうしたもこうしたもないですよ。もう目的地に付きましたよ。」

どうやら俺が寝てる間に馬車は隣国の街についたらしい。

「あ、ユート起きたんだ!」

『遅かったわね。』

「あぁ悪いな寝ちまって。それでナナ、それはなんだ?」

『これは念話ですよ。人語を話せる魔物は目立ちますからね。』

なるほど。たしかにジンの言う通りだ。

『じゃあ早速行きましょう。あの街へ。』

そうして俺達は街に入れ......

「おい、お前ら止まれ!!」

なかった。

門番の話を聞くと、街に入るには身分証が必要らしい。

しかし俺らは身分証を持っていなく、それが問題になった。

「身分証が持ってないならこっちにこい。」

30代ぐらいのおっさんに案内され、水晶のようなものの前に案内された。

「これは犯罪歴があるか内科を調べる装置だ。犯罪歴があるやつを街に入れるわけにはいかないからな。」

なるほど、これが異世界でよく出てくる装置か。

水晶みたいな形してたんだな。

『ご主人。人間は面白いものを作りますわね。』

ナナが話しかけてきたが無視だ。

流石に人の前で話すわけにはいかない。

「よし、これなら大丈夫だ。それから銅貨10枚もらうな。」

街に入るには一人、銅貨3枚、従魔は2枚必要らしい。

「身分証を作るには冒険者ギルドが一番いいだろう。案内する。」

「ありがとうございます。」

「1つアドバイスだ。冒険者は舐められたら終わりだ。だから敬語は外せ。」

「分かった。ありがとな。」

そういえば全然ラナが喋らないと思ったら、緊張でガッチガチに固まってた。

そういえば人見知りだったな。

ま、そんなとこも可愛いけど!!(バカ)

「ついたぞ、ここが冒険者ギルドだ。受付に言って冒険者登録してもらえ。」

「ありがとな、おっさん。」

「おっさん言うな。それから俺はジードだ。」

おっさんもといジードと軽口を言いながら冒険者ギルドに入る。

中は酒場も兼業してるらしく、とても賑わっていた。

「あのー冒険者登録をしたいんだが。」

「かしこまりました。そちらのお嬢さんもですか?」

「あぁ、サリア、出てきな。」

「う、はーい。」

旗から見たら俺らは親子に見えるのだろうか。なにか生暖かい目が受付嬢から注がれる。

「それではこの紙に名前と職業を書いてください。文字は書けますか?」

「大丈夫だ。」

この世界は識字率が低く、50%にも満たないらしい。

「出来たぞ。」

「それでは冒険者登録の完成です。」

それから受付嬢からこのギルドの説明を受けた。

まず冒険者にはランクがあり、下からF,E,D,C,B,A,Sと続くらしい。

また魔物やクエストもランクに分けられており、それと同じランクの冒険者が相手するそうだ。

また冒険者同時の喧嘩はご法度だが、ここには決闘という制度があるらしい。

そしてFランク、つまり俺達は一ヶ月に一度依頼を受けなければ冒険者資格を剥奪されるらしい。気をつけないと。

「それで皆さんはパーティーを組みますか?」

「パーティーとは?」

「冒険者同士のグループのようなものです。色々と便利なので、皆さん大抵はパーティーに入られますよ。」

「そうか、ではそうしてくれ。」

「かしこまりました。それではパーティー名は?」

「『女神の守護者ガーディアン』で。」

この名前にラナは首を傾げているが、ナナとジンは首と尻尾をものすごい速度で振っている。

「では『女神の守護者』様、改めまして、ようこそ冒険者ギルドへ。」

今ここで俺達の新たな物語が始まろうとしていた。
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