異世界食レポ!~現地の料理店を冒険しながら紹介~

めしめし

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24店目「土の精霊の料理 中編」

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カシムが部屋から去った後、僕は使えそうなアプリをいくつかダウンロードした。

今回ダウンロードしたアプリは、ミラーアプリ【身だしなみ君】。
本来鏡のように自分の身だしなみをチェックするアプリだが、その姿を加工することもできるらしい。
実際にこのアプリで操作をすれば、自分の見た目を思うように帰られてしまう、言い換えれば簡単に変装することも出来てしまうアプリだ。
人間だけでなく、動物や魔獣にも変身ができるレアアプリなのだ。
ただ、変わるのは見た目だけで、能力自体は変化しないらしい。
アプリが進化すれば、能力も変化させることができるとのことだ。

その他既存のアプリのレベルアップにも成功。
これで戦闘時にかなりプラスとなるだろう。

次に必要なのは武器だ。
今までスマホに頼ってきたが、今度の相手はスマホだけでは心もとないだろう。
幸いカシムが鍛えてくれた剣技については多少自信がある。
カシムからもらった片刃剣は、何度かの戦いですでに使い物にならないくらいにボロボロになっていた。
カシムに聞くと、修理するより新しいものを購入した方が良いとのことだった。

僕は街へ行くために、【着せ替えアプリ】を起動。
今回はブラック×ブラウンのチェック柄テーラードジャケットに、黒のタートルネックセーター、黒のスラックス、黒のストレートチップシューズというシンプルな組み合わせとした。



ギルドの隣の武器屋は僕以外には客はいないようだ。
前回ミトラと来た時は所狭しと武器が展示されていたが、今は数えるほどの武器しか置かれていない。

「ノーマット、あれほどあった武器はどうしたんだ?」

ノーマットはこの店の店主で、ギルド長からもお墨付きの凄腕ドワーフの鍛冶師だ。
以前ミトラの弓を購入するときに世話になっている。

「ああ、お前さんか。あの嬢ちゃんの弓はどうだい?悪くなってきたら修理に持ってきてくれよ「
「あの時は世話になった。あの武器のおかげでミトラの隠れたスキルがいくつも開花されたんだ」
「そうかい、そりゃよかった。で、武器の在庫のことだったな?」

ノーマットは、白く長い髭を整えながら僕を見た。

「ああ、そうだ。ここにあった武器は売れてしまったのか?」
「そうだ、スタンピードが噂されてから冒険者や兵士たちがこぞって訪れたんだ。今残っているのは低級冒険者が使うような質の低いものばかりだ」
「ノーマットはもう武器を作ってないのか?」
「素材が手に入らなくてね。いつも素材を売りに来るやつらも、怖がってウメーディに来ねぇんだ」

確かにスタンピードが確実な街に来ようと言う商人はいないだろう。

「お前さん、あのトラ顔紳士なんだろ?今はあんたにふさわしい獲物は扱ってねぇな。いや、あれがあったか」

ノーマットはそう言うと、店の奥へと向かった。

「こいつならあんたに合いそうだ。ほらよ」

ノーマットは、カウンターに一本の剣を置いた。
日本刀と同じように刀身が湾曲しているだけでなく、柄頭の小指側に向かってカーブを描いている。
鞘から取り出すと、どうやらこの剣も片刃のようだ。日本刀と同じように刃は薄く切るということに特化しているように見える。

「ノーマットこれは?」
「ギルド長のコレクションの一つだ。随分前に俺に整備を頼んだっきり取りにも来ねぇ。俺から渡しに行くのが癪だから、ここで保管しているのさ」
「ギルド長の…」
「こいつはあんたが使えばいい。お前さんならギルド長も文句は言わないはずだ」

ノーマットはそう言って、僕にその件を押し付ける。

「でも、いいのか?」
「ああ、気にすんな。あいつはいつもそうなのさ。ギルドの受付嬢が定期的に来るからその時にでも言っといてやるさ」

ノーマットは高らかに笑う。
どうやら楽天的なのはノーマットも同じようだ。

「分かった、この戦いが終わるまでは借りておくとしよう。この剣には銘があるのか?」
「いや、特に銘はねぇ。ギルド長は『シャムシール』と言っていたがな」

「シャムシールは、かつてエジプトやアラビア諸国で使われていた剣の種類です。モンゴル帝国の影響を受けたと言われています」

チャットGOTさんが即座に反応する。
さすができるチャットアプリだ。

「ただ、この剣は一般のシャムシールよりも強い魔力を帯びています。ミツルが力を込めても簡単には壊れないでしょう」

流石ギルド長のコレクションだ。すぐに壊れないのは今の僕にとってはありがたい。

「ノーマットありがとう。ありがたく使わせてもらうよ。それで、いくら払えばいい?」
「元はギルド長の武器を貸すんだ。金なんか取れねぇよ。あ、じゃ一杯おごってくれ」

ノーマットはそう言うと、そそくさと店を閉める準備を始めた。

「おい、まだ昼前なんだがいいのか?」
「ああ、今日は店じまいだ」

ノーマットはニヤリと笑みを浮かべ、テキパキと閉店準備を進めていた。
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