呼んで無いのに現れて――嵐を呼ぶ変態魔法使い~夢を叶えて?ペコリーヌ。△。)⊃ー☆

ペコリーヌ☆パフェ

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目指せ体育会系ヒーロー!③

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―――――――――――


「おい勇人!メシ!」



岳人が部屋のドアをバァンと開けるが、僕はベッドの中から動けずにいた。



学校から帰って部屋へ入った途端身体がズーンと鉛の様に重くなり、ベッドへ倒れ込み眠ってしまったのだが、眠りから醒めてもとてつもなく怠い。



「おい勇人!母さんが今にぶちギレるぞ」



岳人が布団を剥ぐが、僕が全く動こうとしないのを見て眉をひそめた。



「腹でも痛むのか?」



「い、いや……そうじゃ……ないけど」



手足に力が入らないし、喋るのも億劫な位だった。


「岳ちゃーん?勇ちゃんは?」


母さんの声がする。


岳人が下に向かって言った。



「腹痛だってさ――
俺が二人分食うから」



「あらそう?」



「じゃーな!今夜は静かに寝てくれよな」



虫の息の弟を見捨て、岳人は下へ降りてしまった。



「なんて……薄情……な」


僕は弱々しく呟く。







横向きの身体をゴロンと仰向けにするのも一苦労だった。


「い……いて……」


針に刺された様な痛みが全身に走り、まさかインフルやノロウィルスでは?と疑った。



寒気はしないが、体の痛みと怠さが半端ない。



朝礼で壇上に上がりテンパっている処にペコリーヌとジャムが現れて、ジャムが喉から体に無理矢理入ったまでは記憶にあるが、後は全く覚えていないのだ。



いつの間にか家に帰ってきていて、部屋のドアを開ける瞬間に素に戻ったのだ。



「酔っぱらいじゃ……あるまいに……何故に……記憶が……無くなる……」



身の置き所がないままベッドの上をゴロゴロしていると、いつの間にか時間は午前零時だった。







嫌な汗が背中を伝う。


「うわあ……
また今夜も始まるのかよ」


ぬっらぬらぬらぬら
ぬっらぬっらぬらぬらっ


頭の中に恒例のぬらぬらが聞こえて身構える。



また上から逆さまで来るのか?



心の準備をしようとした時、ゴゴゴゴという低い音と共にベッドの下から茶色の腕が何本も伸びてきて身体をぐるぐる巻きにされた。




「ひ、ヒイイイイイ」




ぐるぐる巻かれて又離されて、また腕が伸びてきて巻かれるという悪夢の様なリピートがされて、僕は目が回り吐き気を催した。



「ぐえっおっ」



すると突然僕は解放されて、床に投げ出された。



「ひいっ……へっ……ほっふうう」



恐怖で息が上がり、それを納めようと深呼吸した時。



床から弦が急速に伸びるみたいにペコリーヌがニョキリと現れた。



∥∥∥∥∥∥∥∥∥∥∥∥∪。△。)⊃―☆∥∥∥∥∥∥∥∥∥∥∥∥
ぬらぬらぬーら
勇人ぉ――!
お今晩は――!




「ぎゃっアアアアアア」







ペコリーヌの肩の上にはジャムが乗っているのだが、ジャムが何故か三体も居て僕は絶句した。



「ハヤト!キョウハ何本頭ノ毛ヌケタ?キャハハ」
「ハヤト!キョウハ楽シカッタナ―!」

「オマエノ母乳ガ良クデルヨウニマッサージシテヤル!」

「サア乳ヲ出セ!」

「脱ゲ――!」



三体の小さなジャムがピョコピョコと飛び付いてきてシャツを捲ろうとする。



「ひ……ひいいっ!止めなさい君達っ」



ペコリーヌがニヤニヤして見ている。



「∪。△。)⊃さあさあ~今夜もパーティーを始めるぬら!
さあ騒げ!踊れ――!」



「騒ぐな――!ヒイイイイイッヒヒヒ」



三体のジャムがシャツの中へと入り込み、脇やら腹やらビーチクをつつき始めて僕は悶絶した。






「ヒイッ――止めてくれ――ギャハヒハハフヒ」



シャツの中で三体のジャムが蠢き、僕の乳腺マッサージを始めてしまった。


時には強く、時には優しく押したり揉んだり擦ったり、緩急の絶妙な指使い(腕使いか?)
に僕は悶えてベッドの上を転がる。



ペコリーヌはスティッキを振り上げて何やら不気味な呪文を唱えている。


☆―⊂(。△。)⊃―☆ぬらぬらぱ
ぬらぬらぱ
ぱらりらぱ
ぱりらりる
☆―⊂(。△。⊂
夜の闇よ 輝く星よ
地中にぬらぬらと蠢く虫達よ
ペコリーヌに力を貸してくれたまへ
。△)。△。)。△。)願いたまえ叶えたまへ
にらぬらなら
シャー!!!



ペコリーヌの目が緑に光った時、僕のヒステリックな笑いもピークを迎えた。



「ヒイーッヒイーッ
ヒヒヒヒャヒヨヒャヒャウヒャ―――――!」







ブワッと豪風が部屋の中を吹きすさび、その力ででカーテンが全開になり、窓に見覚えのある光景が映る。



僕はシャツが首まで捲られてお臍もビーチクも丸出しの情けない状態で、ジャムに身体を弄ばれて笑い疲れて息も絶え絶えだ。




「。△。)⊃―☆さあ~!勇人!
只今からサミットを始めるぬら!」




「しゃみ……っと?」



何が何だかそんな物どうでもいい、と思ったが、口に出したらジャムにビーチクを噛み千切られてしまうかも知れない。


僕は素直に頷いておいた。








三体のジャムはピーチクパーチク好き勝手な事をまくしたてる。



「ボク達ノビーチクマッサージは母乳ヲ大量ニダスノニモッテコイナノダ!良カッタナ勇人――!」

「有り難クオモエー!」

「今時ノ男ハ授乳モデキナイトナー!
ヒーヒヒヒ」





ペコリーヌはバサリと長い髪を翻し、スティッキで窓を指した。



「。△。)⊃―☆
ほーら勇人よ。此処がどこか分かるか?」



僕は細い目を更に細くして窓を見る。



パステルカラーのクッションに、壁に貼られている爽やかなイケメンのポスター……


ああ、クレッシェンドの"西くん"か。



ハンガーに架かるセーラー服……



「…………
茜の部屋!?」




「。△。)⊃―☆そうじゃ!大正解――!」



何故か、ペコリーヌのスティッキでバシイ!と尻を殴られた。



「いて――っ!
な、何さ――!?」







「。△。)流石は密かにムッツリな中二勇人!
茜の部屋だとすぐにわかったようだな!」



「密かにムッツリ、て言葉はおかしいぞ――!
"後から悔やんで後悔する"とか
"新しいニューシングル"
て言い方と同じくらい変だ!
大体がムッツリってのは密やかなスケベって事なんだからムッツリに密かもオープンもないんだ――!
それに僕は本当に中二なんだから仕方ないじゃないかふぐっ」


喚く勇人の口を二体のジャムが抉じ開けて、一体のジャムがニヤニヤしながら侵入してきた。



今朝の悪夢の様な苦しみを思い出して僕は手でジャムをひっぺがそうとするが、その前に口の中のジャムは飴玉みたいに丸く小さくなり、ツルンと喉から入ってしまった。


「げっ……げふうっ」







「ぐえっお……ぐふあっ」


戻しそうになると、ペコリーヌが鼻を摘まみ口を押さえ付けて来た。



「。△。)リバースしたらダメぬら!
飲み込むのら――!」



「ぐぬっ……ぬゆう……っ」



(鬼か悪魔かこいつは――!)



手足をバタバタさせながら涙目でペコリーヌと小さなジャム達を睨みつけるが、この細い目では睨んでも大した迫力は無いのだろう……



僕がジャムを飲み込んでしまうと、ペコリーヌの手がようやく離れた。



「。△。)⊃よしよし!頑張ったのう勇人!
さあ、サミットの始まりにゃ!」



「ハジマリハジマリ――!」


「ハヤトサミットのハジマリ――!キャキャキャ」



ペコリーヌと二体のジャムは力なくベッドに横たわる僕の周りを物凄い速度で飛び回る。








∥∥∥∪。△。)⊃―☆∥∥∥∥∥∥
っシャ――――――!



ペコリーヌが腕を振り上げスティッキを窓へ向かって突き出すと、窓の中の部屋のドアが開いて、茜が入って来た。



茜は眠いのか、目をこすり小さな欠伸をする。


ストライプのパジャマ姿でベッドに乗り、クッションを抱えて天井を見つめている。




「ちょ……
サミットとこれが何の関係が……
いや……サミットってのも……何の事かよくわからん……ふぎっ!」



ジャムが今度は巨大化して、茶色い腕がぬっと伸びてくると僕をギュウと抱き締めた。



「ハヤト――!
コウスレバ寒ク無イダロウ!?」


「少シモ寒ク無イワ~!
ダロウ!?
ウケケケ」




「。△。)⊃そうそう!体育祭の前に寝冷えでもして風邪を引く訳にはいかないからのう!
毎晩こうしてジャムが勇人を暖めてやるぞ!
何て優しいわたくし達なのかしら~!
ホーッホッホ」



「ゲホッ……ゲホッ……要らんわ――!」







「。△。)⊃
今夜のサミットは――!」

ペコリーヌが叫ぶと、巨大化した筈のジャムは今度はまたシュルシュルと手のひらサイズまで小さくなり、何処から出したのか太鼓をスティッキで叩きドラムロールを鳴らす。



ドゥルルルル



もう一体のジャムがこれまた何処から出してきたのかわからないがシンバルをバーンと鳴らした。


耳元でやられて僕は顔をしかめた。



「。△。)⊃
"勇人がツルツルになる前に"」

「"体育祭でヒーローになって"」

「"茜ちんのハートをげっちゅーするZO☆サミット"――!」


「。△。)。△。)。△。)キャハハハハハ――」
「イーヒヒヒヒヒ」
 「フウーッフフヒハ」



三体の化け物達は、呆然とする僕を胴上げした。


「ひい……っ……
やめ……止めてくれ――!降ろせよ――!」






「。△。)⊃ほいっ!
降ろすぞ☆」


ジャムとペコリーヌは唐突に僕を離し、僕はベッドに投げ出される。



「お前ら――!
全体的に僕の扱いが雑過ぎないか――!?」



抗議の叫びを上げた時、窓に映し出された茜の口から呟きが漏れた。



『――勇人君……』



思わず僕はガバリと身体を起こした。



「えっ!?
僕の名前を……呼んだ?
ベッドに横になって、まさかの僕の名前を呼んだ?
……ギャアアアアアアア来るなあっ」


僕は赤くなったり青くなったりキョドっていたが、小さなジャム達が口を塞ごうとワラワラと寄って来る。







「。△。)⊃ジャムに感謝するのだ勇人!
お前の変身っぷりに茜が感激しているようだぞ!」


「ソーダソーダ感謝シロ!感謝ノ証二脛毛ヲ食ワセロー!」



ジャム達がズボンの裾からモゾモゾと入ってきて、こそばゆさに鳥肌が立つ。



「ひゃっ……
擽った……いイタイイタイイタイ――!
イテェ――よ!ギャアアアア」



心地よさは一瞬で、地獄の苦しみが僕の脛を襲った。



ブチブチと嫌な音がして居るが、本当に脛毛をジャム達が食らっているらしい。



「。△。)⊃
いっその事つるんつるんになるまで食べてもらえ!
人間は体毛を剃ったり生えて来ないように病院で手術したりするのだろう?
ペコリーヌは人間文化をちょっち勉強してきたのら!」



ペコリーヌは悶絶する僕の身体を、その長い髪でぐるぐるに縛り付けながら得意気に言った。



「ギャアアアア―――
そ、そうかい――っ
てかそんな事はどうでも良いから助けて――っ」



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