10 / 98
過去に出会う歌姫
しおりを挟む
「お化粧品は全部持って行って……あとパジャマと下着と~あっ……スコアも持って行かなくちゃ」
メゾネットタイプのアパートの部屋で、バッグに必要な物を詰め込んで行く。
(――冷蔵庫の中にある物も消費期限が切れる前に持って行って今夜お料理に使っちゃおう。
あとは大家さんに暫く留守する連絡をして……)
美名は、外で車の前で待つ綾波をちらりと見た。
目が合ってしまい、慌てて顔を逸らして冷蔵庫の中から野菜やら肉やらを出す。
昨日までは
『バイト時々路上ライブ、しばしば彼氏に振り回されてます』的な毎日だったのに……
人気バンドのマネージャーに見出だされて、しかも身体まで奪われて。
綾波は、アパートを引き払ってマンションに住め、と言ったが、美名は断った。
さっきまでの会話やアレコレを思い出すと、恥ずかしくて嬉しくてまた顔が熱くなってしまう。
――――――
『お断りします!』
きっぱり言うと、綾波は眉をしかめた。
『何故だ』
『な、何故って……そんな、結婚前の男女がそんなズルズルと同棲みたいな……っ……じゃなくて!貴方は、私のマネージャーでしょう?
公私をキチンと分けた方が良くありません?』
綾波のしかめっ面はだんだん崩れ、しまいには大笑いを始めた。
思わぬ屈託無い表情を見せられて心臓が大きく鳴った。
『……公私も何も……何回抱き合ったと思ってる?』
『うっ……』
『一緒に生活する方が何かと便利だろうが。いちいち迎えに行くのも面倒だしな』
『面倒、て』
綾波は、一瞬真剣な目で見詰めると、深く溜め息を漏らし、低く呟いた。
『……目の届く所に置いておきたい、と思う男心がお前にはわからんのか』
「キャア――!もうっ!綾波さんったら――!」
一連の会話と綾波の熱が籠った瞳を思い出し、冷蔵庫の中へ向かって叫んだ。
熱くなった頬を冷気で鎮めようと暫くそのままで居たら、呆れた声が後ろでした。
「そんなに冷蔵庫の中が面白いのか?」
ギョッとして美名は起き上がり、弾みで頭をぶつけて呻く。
「痛い……」
「何してんだ……」
綾波の手が頭を撫でてくると、痛みが消えてしまったようにゾクゾクした。
「家の中で慌てるのが実は一番危険なんだぞ……怪我をするなよ」
「はい……」
素直に頷きながら、心中では「貴方のせいなんだからね!」と叫ぶ。
「さて、次にここに来るのはちょっと先だから忘れ物をしないように……」
美名は恥ずかしい気持ちを隠す様に呟いて綾波から離れ、荷造りの続きを始めた。
結局、「完全にマンションに住め」
と言い張る綾波と、
「そんなのダメ」
と主張する美名の意向の間を取って、基本的にはマンションで寝泊まりして、時にはアパートに戻る、という生活形態にしようという事になった。
「……まあ、離さんけどな」
綾波が小さく呟き、美名は
「えっ?」と聞き返すが、ニヤリと笑われて終わる。
「何だか、フリフリした服が多いな」
「妹が作って送ってくるんです」
「ほう、妹」
「静岡に居るんですけど……デザイナーの学校に行ってて」
「器用だな……ん?何だこの下着は」
荷物の上にあった総レースの赤いランジェリーを綾波が手に取り眺めた。
「キャアっ!ダメ!」
下着をひったくり背中に隠すが、綾波は口を歪ませて近づいてくる。
「ダメはないだろう……どうせ、それを着たお前を見る事になるだろうからな」
「ちょ――っ!勘違いしないでよ!これは、妹が作って勝手に送ってきて……」
「それは結構な事だ。バンバン送って貰え」
壁際まで追い詰められ、綾波の両腕が壁を突いた。
間近で見下ろされ、恥ずかしさにますます顔が熱くなる。
綾波の眼鏡の中の瞳がキラリと妖しい光を放ち、顔が近付いてきた。
そして唇が触れ合う寸前、チャイムが鳴った。
「は、はいっ!」
腕の中をすり抜け、火照った頬を押さえてドアを開けると、若い宅配便の業者が段ボールを抱えて立っていた。
「灰吹……美名さんに、お荷物です……ここにサインを」
帽子を被った男は小さく呟いた。
「は、はい」
受領のサインを書いた時に長い節くれだった指が目に入った。
(……?)
記憶の中で何かが呼び覚まされる。
「ありがとうございました……」
宅配便の男の呟く様な声が鼓膜の奥まで届くと、鮮やかにある人の思い出が甦る。
それを確信した時、男の腕を掴んでいた。
男は去るつもりで身体の向きを外へ向けていたが、ビクリと震えた。
帽子で隠れて目元は見えないが、この輪郭、耳のピアスに手の形、それに声……
「しょう……君?」
呼び掛けてから何秒かして、男は諦めた様に溜め息を付いて帽子を取り振り返った。
男性にしては細面の優しいラインの輪郭に長い睫毛の優美な印象の瞳に通った鼻筋、強い意思を感じる結ばれた唇。
髪の色は変わっているけれど間違いない。
「やっぱり、バレるよな俺だって」
庵原 翔大(いはらしょうた)は少し決まり悪そうに微笑んだ。
「やっぱり……その指の形で分かったんだ……
今、バンドは?」
翔大は、一瞬唇を歪め首を振る。
「あれから六年だもんな……メンバーが俺以外総入れ換えさ。なんとか三人で時々路上とか、小さなライブハウスでやらせて貰ってる」
「そうなんだ……良かった。しょう君の歌とギター、私好きだったもの……」
翔大の目が暗く輝いて、美名の手を振り払う。
「何が良かった、だ……」
「しょう君……?」
「演奏がそこそこ上手くて歌える奴なんてゴロゴロいるさ……」
「そんな事……」
翔大は、負の感情を出してしまった事を悪いと思ったのか、咳払いをすると口調を変えた。
「お前、まだ歌ってるのか?」
「う、うん」
「そうか……」
箱を持ったままぎこちなく見つめあっていたら、不意に後ろから綾波の手が伸びて、箱を美名から取り上げた。
「もう済んだのか?」
綾波の登場に、翔大は一瞬瞳を大きく見開いた。
美名は、玄関先で長く翔大を引き留めてしまった事に気づき、あっと口を押さえる。
「ごめんなさい、忙しいのに」
翔大は帽子を被り直すとニッコリ笑った。
「構わないよ。美名も元気でな」
――ああ……笑うと出来る笑窪(えくぼ)。
変わってない……
翔大が出ていった後、暫し美名は思い出に浸ってしまったが、不意に腕を掴まれ身体を引き寄せられ、また壁に押し付けられた。
さっきみたいな優しい感じではなく、強く両腕を握られている。
「綾波さ……痛い」
見上げると、彼の瞳が静かに燃えていた。
「またその呼び方か」
「だ、だって……」
「あいつは“しょう君”で俺は“綾波さん”か……」
フーッと苦々しく溜め息を付いて、おでこを壁に付ける。
身体が密着しそうでしない距離にドキドキする。
「……えっと……偶然なんだけど……昔の知り合いなの」
「ほう?」
長いしなやかな指が美名の髪をくるくると弄び始める。
「私が……十八の頃……しょう君のバンドが好きで……ライヴに行ったりしてて」
(綾波さん、まさか妬いてる……?
僅かに唇が歪んでる……)
何だか嬉しくて、美名は続けた。
「時々一緒に打ち上げに行ったりとか……したり」
「それで、奴と出来たって訳か?」
「きゃっ」
突然、お姫様抱っこをされてベッドへ運ばれる。
静かにベッドへ倒されたが、その後の綾波の動作は静かな物ではなかった。
唇を激しく奪いながら、美名のシャツを捲り上げて膨らみを乱暴に揉む。
触れてくる指も唇もとても熱くて、私の身体の柔い処が全部化学反応を起こしている。
――どうしよう……
また、火がついて……
「あ……綾波さっ」
「またそれか……今日何度目だ」
「……怒って、るの?」
シャツを脱がされながら、綾波を見つめた。
「いや……面白くないだけだ」
「それが怒ってるっていう事じゃないの……?」
綾波はスカートを脱がせながら自分も器用に一枚ずつ脱いでいく。
鋭く美名を睨む様に見つめると、太股を掴み広げた。
「やっぱり……俺の所に居ないと何があるかわからん」
「えっ……」
「お前は危なっかしい」
ムッとして睨んだが、開いた足の間に顔を埋められ美名は甘く叫んだ。
「んっ……ダメ」
「さっきの厭らしい下着を付けてヤるか……?」
「ば、バカっ」
「……俺をこんな気持ちにさせる罰だ……」
「えっ」
綾波の舌が太股を這い、指がショーツの上を悩ましくなぞり、もう正気では居られない。
「やっ……また……ダメっ」
「美名……俺の物だ」
荒く熱い息が蕾をこれでもかも刺激して、秘蜜が溢れ出る。
「やっ……つ……よしさっ……ん」
「やっと呼んだか」
綾波はくつくつ笑うと、身を起こして自分の猛りを押し当てた。
お互いに身体を震わせて強く抱き合い、猛る綾波に全てを美名は委ねた。
「……好きっ……」
と何度も呟きながら。
その時、配送のバンに乗り込んだ翔大は美名の居る部屋の窓をぼんやりと見つめていた。
「美名……」
無意識に、唇から想いが零れた。
メゾネットタイプのアパートの部屋で、バッグに必要な物を詰め込んで行く。
(――冷蔵庫の中にある物も消費期限が切れる前に持って行って今夜お料理に使っちゃおう。
あとは大家さんに暫く留守する連絡をして……)
美名は、外で車の前で待つ綾波をちらりと見た。
目が合ってしまい、慌てて顔を逸らして冷蔵庫の中から野菜やら肉やらを出す。
昨日までは
『バイト時々路上ライブ、しばしば彼氏に振り回されてます』的な毎日だったのに……
人気バンドのマネージャーに見出だされて、しかも身体まで奪われて。
綾波は、アパートを引き払ってマンションに住め、と言ったが、美名は断った。
さっきまでの会話やアレコレを思い出すと、恥ずかしくて嬉しくてまた顔が熱くなってしまう。
――――――
『お断りします!』
きっぱり言うと、綾波は眉をしかめた。
『何故だ』
『な、何故って……そんな、結婚前の男女がそんなズルズルと同棲みたいな……っ……じゃなくて!貴方は、私のマネージャーでしょう?
公私をキチンと分けた方が良くありません?』
綾波のしかめっ面はだんだん崩れ、しまいには大笑いを始めた。
思わぬ屈託無い表情を見せられて心臓が大きく鳴った。
『……公私も何も……何回抱き合ったと思ってる?』
『うっ……』
『一緒に生活する方が何かと便利だろうが。いちいち迎えに行くのも面倒だしな』
『面倒、て』
綾波は、一瞬真剣な目で見詰めると、深く溜め息を漏らし、低く呟いた。
『……目の届く所に置いておきたい、と思う男心がお前にはわからんのか』
「キャア――!もうっ!綾波さんったら――!」
一連の会話と綾波の熱が籠った瞳を思い出し、冷蔵庫の中へ向かって叫んだ。
熱くなった頬を冷気で鎮めようと暫くそのままで居たら、呆れた声が後ろでした。
「そんなに冷蔵庫の中が面白いのか?」
ギョッとして美名は起き上がり、弾みで頭をぶつけて呻く。
「痛い……」
「何してんだ……」
綾波の手が頭を撫でてくると、痛みが消えてしまったようにゾクゾクした。
「家の中で慌てるのが実は一番危険なんだぞ……怪我をするなよ」
「はい……」
素直に頷きながら、心中では「貴方のせいなんだからね!」と叫ぶ。
「さて、次にここに来るのはちょっと先だから忘れ物をしないように……」
美名は恥ずかしい気持ちを隠す様に呟いて綾波から離れ、荷造りの続きを始めた。
結局、「完全にマンションに住め」
と言い張る綾波と、
「そんなのダメ」
と主張する美名の意向の間を取って、基本的にはマンションで寝泊まりして、時にはアパートに戻る、という生活形態にしようという事になった。
「……まあ、離さんけどな」
綾波が小さく呟き、美名は
「えっ?」と聞き返すが、ニヤリと笑われて終わる。
「何だか、フリフリした服が多いな」
「妹が作って送ってくるんです」
「ほう、妹」
「静岡に居るんですけど……デザイナーの学校に行ってて」
「器用だな……ん?何だこの下着は」
荷物の上にあった総レースの赤いランジェリーを綾波が手に取り眺めた。
「キャアっ!ダメ!」
下着をひったくり背中に隠すが、綾波は口を歪ませて近づいてくる。
「ダメはないだろう……どうせ、それを着たお前を見る事になるだろうからな」
「ちょ――っ!勘違いしないでよ!これは、妹が作って勝手に送ってきて……」
「それは結構な事だ。バンバン送って貰え」
壁際まで追い詰められ、綾波の両腕が壁を突いた。
間近で見下ろされ、恥ずかしさにますます顔が熱くなる。
綾波の眼鏡の中の瞳がキラリと妖しい光を放ち、顔が近付いてきた。
そして唇が触れ合う寸前、チャイムが鳴った。
「は、はいっ!」
腕の中をすり抜け、火照った頬を押さえてドアを開けると、若い宅配便の業者が段ボールを抱えて立っていた。
「灰吹……美名さんに、お荷物です……ここにサインを」
帽子を被った男は小さく呟いた。
「は、はい」
受領のサインを書いた時に長い節くれだった指が目に入った。
(……?)
記憶の中で何かが呼び覚まされる。
「ありがとうございました……」
宅配便の男の呟く様な声が鼓膜の奥まで届くと、鮮やかにある人の思い出が甦る。
それを確信した時、男の腕を掴んでいた。
男は去るつもりで身体の向きを外へ向けていたが、ビクリと震えた。
帽子で隠れて目元は見えないが、この輪郭、耳のピアスに手の形、それに声……
「しょう……君?」
呼び掛けてから何秒かして、男は諦めた様に溜め息を付いて帽子を取り振り返った。
男性にしては細面の優しいラインの輪郭に長い睫毛の優美な印象の瞳に通った鼻筋、強い意思を感じる結ばれた唇。
髪の色は変わっているけれど間違いない。
「やっぱり、バレるよな俺だって」
庵原 翔大(いはらしょうた)は少し決まり悪そうに微笑んだ。
「やっぱり……その指の形で分かったんだ……
今、バンドは?」
翔大は、一瞬唇を歪め首を振る。
「あれから六年だもんな……メンバーが俺以外総入れ換えさ。なんとか三人で時々路上とか、小さなライブハウスでやらせて貰ってる」
「そうなんだ……良かった。しょう君の歌とギター、私好きだったもの……」
翔大の目が暗く輝いて、美名の手を振り払う。
「何が良かった、だ……」
「しょう君……?」
「演奏がそこそこ上手くて歌える奴なんてゴロゴロいるさ……」
「そんな事……」
翔大は、負の感情を出してしまった事を悪いと思ったのか、咳払いをすると口調を変えた。
「お前、まだ歌ってるのか?」
「う、うん」
「そうか……」
箱を持ったままぎこちなく見つめあっていたら、不意に後ろから綾波の手が伸びて、箱を美名から取り上げた。
「もう済んだのか?」
綾波の登場に、翔大は一瞬瞳を大きく見開いた。
美名は、玄関先で長く翔大を引き留めてしまった事に気づき、あっと口を押さえる。
「ごめんなさい、忙しいのに」
翔大は帽子を被り直すとニッコリ笑った。
「構わないよ。美名も元気でな」
――ああ……笑うと出来る笑窪(えくぼ)。
変わってない……
翔大が出ていった後、暫し美名は思い出に浸ってしまったが、不意に腕を掴まれ身体を引き寄せられ、また壁に押し付けられた。
さっきみたいな優しい感じではなく、強く両腕を握られている。
「綾波さ……痛い」
見上げると、彼の瞳が静かに燃えていた。
「またその呼び方か」
「だ、だって……」
「あいつは“しょう君”で俺は“綾波さん”か……」
フーッと苦々しく溜め息を付いて、おでこを壁に付ける。
身体が密着しそうでしない距離にドキドキする。
「……えっと……偶然なんだけど……昔の知り合いなの」
「ほう?」
長いしなやかな指が美名の髪をくるくると弄び始める。
「私が……十八の頃……しょう君のバンドが好きで……ライヴに行ったりしてて」
(綾波さん、まさか妬いてる……?
僅かに唇が歪んでる……)
何だか嬉しくて、美名は続けた。
「時々一緒に打ち上げに行ったりとか……したり」
「それで、奴と出来たって訳か?」
「きゃっ」
突然、お姫様抱っこをされてベッドへ運ばれる。
静かにベッドへ倒されたが、その後の綾波の動作は静かな物ではなかった。
唇を激しく奪いながら、美名のシャツを捲り上げて膨らみを乱暴に揉む。
触れてくる指も唇もとても熱くて、私の身体の柔い処が全部化学反応を起こしている。
――どうしよう……
また、火がついて……
「あ……綾波さっ」
「またそれか……今日何度目だ」
「……怒って、るの?」
シャツを脱がされながら、綾波を見つめた。
「いや……面白くないだけだ」
「それが怒ってるっていう事じゃないの……?」
綾波はスカートを脱がせながら自分も器用に一枚ずつ脱いでいく。
鋭く美名を睨む様に見つめると、太股を掴み広げた。
「やっぱり……俺の所に居ないと何があるかわからん」
「えっ……」
「お前は危なっかしい」
ムッとして睨んだが、開いた足の間に顔を埋められ美名は甘く叫んだ。
「んっ……ダメ」
「さっきの厭らしい下着を付けてヤるか……?」
「ば、バカっ」
「……俺をこんな気持ちにさせる罰だ……」
「えっ」
綾波の舌が太股を這い、指がショーツの上を悩ましくなぞり、もう正気では居られない。
「やっ……また……ダメっ」
「美名……俺の物だ」
荒く熱い息が蕾をこれでもかも刺激して、秘蜜が溢れ出る。
「やっ……つ……よしさっ……ん」
「やっと呼んだか」
綾波はくつくつ笑うと、身を起こして自分の猛りを押し当てた。
お互いに身体を震わせて強く抱き合い、猛る綾波に全てを美名は委ねた。
「……好きっ……」
と何度も呟きながら。
その時、配送のバンに乗り込んだ翔大は美名の居る部屋の窓をぼんやりと見つめていた。
「美名……」
無意識に、唇から想いが零れた。
0
あなたにおすすめの小説
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
侯爵家の婚約者
やまだごんた
恋愛
侯爵家の嫡男カインは、自分を見向きもしない母に、なんとか認められようと努力を続ける。
7歳の誕生日を王宮で祝ってもらっていたが、自分以外の子供を可愛がる母の姿をみて、魔力を暴走させる。
その場の全員が死を覚悟したその時、1人の少女ジルダがカインの魔力を吸収して救ってくれた。
カインが魔力を暴走させないよう、王はカインとジルダを婚約させ、定期的な魔力吸収を命じる。
家族から冷たくされていたジルダに、カインは母から愛されない自分の寂しさを重ね、よき婚約者になろうと努力する。
だが、母が死に際に枕元にジルダを呼んだのを知り、ジルダもまた自分を裏切ったのだと絶望する。
17歳になった2人は、翌年の結婚を控えていたが、関係は歪なままだった。
そんな中、カインは仕事中に魔獣に攻撃され、死にかけていたところを救ってくれたイレリアという美しい少女と出会い、心を通わせていく。
全86話+番外編の予定
辺境伯夫人は領地を紡ぐ
やまだごんた
恋愛
王命によりヴァルデン辺境伯に嫁ぐことになった、前ベルンシュタイン公爵令嬢のマルグリット。
しかし、彼女を待っていたのは60年にも及ぶ戦争で荒廃し、冬を越す薪すら足りない現実だった。
物資も人手も足りない中、マルグリットは領地の立て直しに乗り出す。
戦しか知らなかったと自省する夫と向き合いながら、少しずつ築かれていく夫婦の距離。
これは、1人の女性が領地を紡ぎ、夫と共に未来を作る「内政×溺愛」の物語です。
全50話の予定です
※表紙はイメージです
※アルファポリス先行公開(なろうにも転載予定です)
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる