チート無し男の異世界生活

Members

文字の大きさ
28 / 31
第1章

1-27 帝国(過去編)

しおりを挟む
あの約束から月日は流れ一先ずの戦争終結後ネイシアとテレシアは、極秘に会う約束をした。

「改まって俺を呼び出して何の用かな?ネイシア」

「聞いて欲しいことがあるんだ、私は…今から、100年後から来たんだ」

何を突然と言った表情のテレシア。

「ぷっ…くっくっそうかそうかっ…。それで?わざわざそんな冗談を言いに来たのか?」

「違う、真面目な話だ…実は…お前はあと2日後にほかの王たちの企みによって殺される。そして、それが起きる事によってこの国は王たちに乗っ取られることになる」

真面目な話、この話をする予定は無かった。もしも、今のこの世界でテレシアを救ってしまうとすれば、元々あったはずの歴史を改変してしまうことになり、そうなれば当然その後あったであろう未来の事柄が全く同じ結果で終わるはずも無く大きな改変を起こしてしまう可能性があるからだ。

「ふーん、そうか」

「ふーんってお前な!」

さっきまで笑っていたテレシアが真面目な表情になり、話し出す。

「いや、まぁ何だ…もしその話が本当だとしても俺に教えるべきことではなかったんじゃないのか?」

「…っ」

「図星か…、まぁなんとかなく分かってはいたがなお前が未来から来ていたということは」

「なっ、いつそんな素振りをとった!?」

「見ていればわかるさ、何年友人をしていると思ってるんだ?」

「ぐぬぬっ…」

唸るネイシア。

「それにな、あの2人は戦争が終わった瞬間に俺の部下からの報告によれば様子がおかしくなったそうだ…」

「様子が?」

「あぁ、ここからは俺の予想なんだが…恐らく第三者の精神的攻撃によって、あの二人は洗脳されているんじゃねぇのか?」

「根拠はあるのか?」

「あぁ、これを見てほしい…ここ数ヶ月の人族の加盟国の貿易の記録だ」

「これは!?ここ数ヶ月で急に他の種族からの密売が件数が増えている公認していたのかあの2国は!?これをどこで?」

驚きの表情を隠せないネイシア。

「まぁ、うちの国に紛れ込んでたグループの一味を捕まえて拷問したらこれの在り処を教えてくれてさ…、見事にシークレット案件だったけども」

元の時代には無かったものだと呟くネイシアに追加で内容を話すテレシア。

「それで、密かに騎士団長達に密かに調べてもらってアジト見つけて潰した後親玉の正体が分かった…敵の名前はだ」

「そうか」

目を瞑り思考を繰り返すネイシア。

「質問なんだが、俺が死ぬ…いや俺に残された時間は後どのくらい残っている?」

「非常に答えにくい質問だなそれは…5日だ」

「ふっ、そうか…意外と早いものだなぁ!だが5日もある!作戦を考えようか」

「作戦?何の?」

「決まっているだろう、俺が死んだ後のことだ」

「お前はホント呆れるほど正義感強いよな…」

あまりにあっさり死を受け入れているテレシアを見てネイシアは尊敬を通り越して呆れていた。

「まずこの5日でやる事だが…」

テレシアが5日間でやることを纏めるとこうだ。

1つ、金品財宝はテレシアに受け渡すこと。これは、テレシア亡き後、後の2国がネイシアの敵になる可能性があるため戦力の増強的な意味も込めて渡すことに決めた。

2つ、テレシアの側近及び暗部達をネイシアに付かせること。これは、テレシアの強い希望だ。自分では中々彼らの力を使ってやれなかったことやネイシアの方が帝国で無駄に反逆を起こし殺されるよりも良いと思ったからだそうだ。

3つ、騎士団長及び娘であるノア・ヴァーミリオンは、別口で逃がすということ。理由はテレシア亡き後、唯一の王族の血筋である彼女が殺されるようなことがあれば帝国という国がもう一度立ち上がることが出来なくなるからである。

4つ、王族のみが所持できる王族専用スキルをネイシアに託すということ。王ごとにスキルが違うのだが大抵は王の本質がそのままスキルに現れているらしい。

「本当にいいのか?それは本来お前の娘に託すはずだったのであろう?」

「あぁ、だからこれをもし娘が欲しがったら全てが終わったらでいいアイツに託してほしいんだ」

「親バカめ!リア充死ね!」

「今それ関係ないよね!?」

冗談混じりの談笑ではあったが、密かにネイシアは理解していた。テレシア・ヴァーミリオン…彼の意思を託されていることに…。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

転生後はゆっくりと

衣更月
ファンタジー
貧しい集落で生まれたリリは、生まれた瞬間から前世の記憶があった。 日本人特有の”配慮”に徹した赤ん坊を演じていたことで、両親から距離を置かれた挙句、村人からも「不気味な子」として敬遠されることに…。 そして、5才の誕生日に遠くの町に捨てられた。 でも、リリは悲観しない。 前世の知識チートは出来ないけど、大人メンタルで堅実に。 目指すは憧れのスローライフが出来るほど、ほどほどの守銭奴としてリリは異世界人として順応していく。 全25話(予定)

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

私と母のサバイバル

だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。 しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。 希望を諦めず森を進もう。 そう決意するシェリーに異変が起きた。 「私、別世界の前世があるみたい」 前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

俺、何しに異世界に来たんだっけ?

右足の指
ファンタジー
「目的?チートスキル?…なんだっけ。」 主人公は、転生の儀に見事に失敗し、爆散した。 気づいた時には見知らぬ部屋、見知らぬ空間。その中で佇む、美しい自称女神の女の子…。 「あなたに、お願いがあります。どうか…」 そして体は宙に浮き、見知らぬ方陣へと消え去っていく…かに思えたその瞬間、空間内をとてつもない警報音が鳴り響く。周りにいた羽の生えた天使さんが騒ぎたて、なんだかポカーンとしている自称女神、その中で突然と身体がグチャグチャになりながらゆっくり方陣に吸い込まれていく主人公…そして女神は確信し、呟いた。 「やべ…失敗した。」 女神から託された壮大な目的、授けられたチートスキルの数々…その全てを忘れた主人公の壮大な冒険(?)が今始まる…!

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

ナイスミドルな国王に生まれ変わったことを利用してヒロインを成敗する

ぴぴみ
恋愛
少し前まで普通のアラサーOLだった莉乃。ある時目を覚ますとなんだか身体が重いことに気がついて…。声は低いバリトン。鏡に写るはナイスミドルなおじ様。 皆畏れるような眼差しで私を陛下と呼ぶ。 ヒロインが悪役令嬢からの被害を訴える。元女として前世の記憶持ちとしてこの状況違和感しかないのですが…。 なんとか成敗してみたい。

処理中です...