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たぶん送る人を間違えてないかな?
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夢心地で微睡む中、意識が急に引っ張られるような感覚に不快感を覚えた。
「目覚めなさい。」
やけに明瞭に聞こえる声に、思わず目を見開く。
そして、「ああ、僕は死んだんだな」とはっきりと認識できた。
そこには、まるで妄想の世界の天国のような光景が広がっていたから。
雲の上のようなふわふわな白い地面に、ファンシーな建物。挙げ句の果てには飛び回る天使や老若男女問わず色んな人が好き勝手に日向ぼっこを楽しんでいた。
「貴方には今からとある世界に行ってもらいたいのです。」
またもや脳内に直接ぶち込まれたようにはっきりと認識できる声が聞こえた方に顔を向けると、見上げるほどに大きな女性が立っていた。
僕の予想が正しければ…女神だ。
「とある世界?」
「ええ、こちらの不手際で創造した世界なのですが…。どうも少々不味い事になりそうなのです。前世ではゲーマーとして生きていた貴方の力を借り、その世界の問題を取り除いていただけませんか。」
「そんな事を言われても…。」
もしも急に死んで異世界転生とかなったら、テンプレみたいになぜこんな状況に?なんて疑問が沸くのかな、なんて考えていたはずなのに、僕はあっさりと状況を飲み込めていた。
納得とかそんな次元にはもはやないのかもしれない。
でも。でもだ。
いくら生前にゲームが好きだったからと言って、プロゲーマーじゃない。
それにゲーマーはあくまでもゲーマーで、勇者ではないのだ。
そこだけは物申したい。
「不可能ですよ。僕は…ただの一般人です。」
「だからこそ、ですよ。創造した世界というのは、貴方の世界のとあるゲームが元になっています。」
「それは、僕の知っているゲームなんですか?それなら可能性もありますが。」
女神様はニコリと微笑んだ。
肯定も否定もしなかったけれど、その微笑みから確信を得る事ができた。
僕の知っていて…きっと僕がクリアした事があるゲームなのだろう。
僕が女神様に微笑み返すと、女神様の口がゆっくりと開く。
「世界の仕組みもゲームに準拠しています。貴方ならばきっと、きっと辿り着けるはずです。幸せな未来に!」
「真エンド…。」
マルチエンディングのゲームには大抵の場合、真エンドと呼ばれるエンディングが存在する。
登場人物の全てが幸せになれるハッピーエンド。
勿論、僕だって何作もプレイ経験がある。
異常に厳しい条件だったり、攻略を見ないと辿り着けないものだったり。そして、多くの場合、真エンドに辿り着けないとバットエンドになりそれこそ『世界が大変』な事になる。
「わかりました。やります。やってみせます!真エンドに絶対に辿り着いて見せます!」
「ふふっ、お願いしますね。」
僕のやる気に満ちた発言が可笑しかったのか、クスリと笑う女神様。
ちょっと恥ずかしくなって下を向いた時、僕の体が光に包まれているのがわかった。
何だか気分が高揚するけど、送り出される前にゲームのタイトルだけは聞いておきたい。
「最後に教えてください。僕は何のゲームを攻略すれば良いんですか?」
「『X・トラベル』です。」
「…え?」
「頑張ってくださいね!」
「…え!?」
ちょっと待ってください、女神様。
そのゲーム、僕は知らないんですけど!
キャンセルを申し出る前に僕の身体は光に飲まれ、旅立つ事になった。
これ…やばくない?
「目覚めなさい。」
やけに明瞭に聞こえる声に、思わず目を見開く。
そして、「ああ、僕は死んだんだな」とはっきりと認識できた。
そこには、まるで妄想の世界の天国のような光景が広がっていたから。
雲の上のようなふわふわな白い地面に、ファンシーな建物。挙げ句の果てには飛び回る天使や老若男女問わず色んな人が好き勝手に日向ぼっこを楽しんでいた。
「貴方には今からとある世界に行ってもらいたいのです。」
またもや脳内に直接ぶち込まれたようにはっきりと認識できる声が聞こえた方に顔を向けると、見上げるほどに大きな女性が立っていた。
僕の予想が正しければ…女神だ。
「とある世界?」
「ええ、こちらの不手際で創造した世界なのですが…。どうも少々不味い事になりそうなのです。前世ではゲーマーとして生きていた貴方の力を借り、その世界の問題を取り除いていただけませんか。」
「そんな事を言われても…。」
もしも急に死んで異世界転生とかなったら、テンプレみたいになぜこんな状況に?なんて疑問が沸くのかな、なんて考えていたはずなのに、僕はあっさりと状況を飲み込めていた。
納得とかそんな次元にはもはやないのかもしれない。
でも。でもだ。
いくら生前にゲームが好きだったからと言って、プロゲーマーじゃない。
それにゲーマーはあくまでもゲーマーで、勇者ではないのだ。
そこだけは物申したい。
「不可能ですよ。僕は…ただの一般人です。」
「だからこそ、ですよ。創造した世界というのは、貴方の世界のとあるゲームが元になっています。」
「それは、僕の知っているゲームなんですか?それなら可能性もありますが。」
女神様はニコリと微笑んだ。
肯定も否定もしなかったけれど、その微笑みから確信を得る事ができた。
僕の知っていて…きっと僕がクリアした事があるゲームなのだろう。
僕が女神様に微笑み返すと、女神様の口がゆっくりと開く。
「世界の仕組みもゲームに準拠しています。貴方ならばきっと、きっと辿り着けるはずです。幸せな未来に!」
「真エンド…。」
マルチエンディングのゲームには大抵の場合、真エンドと呼ばれるエンディングが存在する。
登場人物の全てが幸せになれるハッピーエンド。
勿論、僕だって何作もプレイ経験がある。
異常に厳しい条件だったり、攻略を見ないと辿り着けないものだったり。そして、多くの場合、真エンドに辿り着けないとバットエンドになりそれこそ『世界が大変』な事になる。
「わかりました。やります。やってみせます!真エンドに絶対に辿り着いて見せます!」
「ふふっ、お願いしますね。」
僕のやる気に満ちた発言が可笑しかったのか、クスリと笑う女神様。
ちょっと恥ずかしくなって下を向いた時、僕の体が光に包まれているのがわかった。
何だか気分が高揚するけど、送り出される前にゲームのタイトルだけは聞いておきたい。
「最後に教えてください。僕は何のゲームを攻略すれば良いんですか?」
「『X・トラベル』です。」
「…え?」
「頑張ってくださいね!」
「…え!?」
ちょっと待ってください、女神様。
そのゲーム、僕は知らないんですけど!
キャンセルを申し出る前に僕の身体は光に飲まれ、旅立つ事になった。
これ…やばくない?
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