トラップって強いよねぇ?

TURE 8

文字の大きさ
14 / 51
1章

14話 子鬼の森

しおりを挟む
 剣からスライムの核を引き抜く。核を見ると真ん中がぱっくりと割れてしまっている。

 これは売ることはできないかも。

 スライムから他にアイテムが取れるかもと思ったが、核を突き刺した時にスライムの体は液体状となり、もう地面に吸収されている。スライムに使った弓矢は真ん中で折れていて使えそうになかった。

 スライムで少し汚れたところをあらかた落とし、探索を再開する。

 探索をしていると色々使えそうな薬草を採取することができた。

『ヒール草
ランク1 品質D
ポーションの材料に使われる薬草。スライムの粘液を肥料にして生育していると言われている』

『ホットの実
ランク2 品質D
食べると舌が焼けるほどの辛さを感じる赤い実。中に粉状の辛味成分が凝縮した物が詰まってる。料理のアクセントに使われることがある』

『丸まり草
ランク2 品質E
葉がくるくると丸まっている草。だが、ある程度の衝撃を加えるとくるくると丸まっている葉が開く性質を持つ』

 ヒール草を2本、ホットの実、丸まり草を1本ずつでかなり運がいいかも。特に、ホットの実と丸まり草は組み合わせて何か作れそうだ。

 そうこうしているうちに子鬼の森に着いた。俺の目の前では木が空を覆い尽くすほど生えている。なので中は薄暗く、言いようのない不安感を出している。

 森を進んでいく。草木を掻き分け、しばらく進んでいると何か音が聞こえた。

「グキャャャ」

 ひどくうるさく汚く感じる声が森に響く。その声は喜んでいるように俺は感じた。

「何だ?」

 俺は声の方に向かう。音をよく聞き、少しすると音の正体が分かった。

「あれは…」

「クキャャ」

 俺が目にしたのは緑色の体表を持つ人型の化け物だった。化け物の身長は俺の頭1つ分小さいが、頭には自己主張するように2本の鋭いツノが生えている。

「これはゴブリンだな」

 ファンタジー小説でよく出るお馴染みのだ。

 俺の前にいるのは3体。それぞれボロい剣、槍、斧を持っている。ゴブリンたちの少し後ろには人がぼろぼろで横たわっていた。

「あれは…NPCか。仇を討っとくか」

 一応鑑定をしとく。


『ゴブリン
種族 ゴブリン
レベル 2

能力値
HP 5 
MP 2
力 3
防御 4
器用さ 2
速さ 2
魔力 1

アーツ
なし

スキル
剣術 0』

『ゴブリン
種族 ゴブリン
レベル 1

能力値
HP 4
MP 2
力 2
防御 3
器用さ 3
速さ 1
魔力 2

アーツ
なし

スキル
斧術 1』

『ゴブリン
種族 ゴブリン
レベル 3

能力値
HP 6
MP 2
力 4
防御 4
器用さ 4
速さ 5
魔力 2

アーツ
なし

スキル
槍術 1』

 強いのから弱いのまでいるな。特に強いのが槍を持ったやつか。

 今、俺はゴブリンたちに気づかれてはいない。なら一番強いのを弓で奇襲するのが得策だ。

 俺は背中の弓を槍のゴブリンに向けて構える。槍のゴブリンは周囲をキョロキョロと忙しく動いている。だが、上を向いて止まった瞬間、手を離す。弓矢は槍のゴブリンに向かうが、

「グギャ!?」

 槍のゴブリンには当たらず、木に突き刺さる。

 槍のゴブリンは弓矢が木に突き刺さった瞬間は動揺していたが、すぐさま他の2体のゴブリンに注意を促す。

「グキャ!」

「ギャ?」

「ギャグギャ!」

 まずい。警戒されてしまうと俺の存在がバレるかもしれない。ここはもうゴブリンたちに突っ込み、少しでも戦局を握るべきか?

 俺はすぐに弓を戻し、剣を構えてゴブリンに突撃する。

「ギャ!?」

 一番近くにいた斧のゴブリンが動揺している隙に剣で脳天を叩き切る。鮮血が飛び散り、かかるが剣を振る力は緩めない。剣は頭の半ばで止まり、俺は剣を引き抜く。抜いた剣からは血が滴り、真っ赤に染まっている。

 うわぁ、グロい。魚をさばく動画を見たぐらいしかない俺のグロ耐性にはいささかきつい。

 だが、俺はあまりそのことを考えず、次に近くにいる剣のゴブリンに向かって剣で切りかかるが、相手の剣に阻まれる。

「グキャャア!」

 俺と剣のゴブリンは鍔迫り合いとなる。俺の方が力は上なので一気に押し込もうとするが、

「ぐっ!」

 ゴブリンは俺の腹に蹴りを決める。俺は予想だにしなかった行動と蹴りの衝撃で動きが鈍る。

 こいつ……蹴りを使いやがった!いや、これはルールなんてないんだ。当たり前なのか。

 怯んでいる俺にゴブリンは好機と判断したのか剣に力を込めて俺に押し付けようとする。

「くっ、くそ!」

 俺はその力をなんとか横に逸らす。そして、隙ができた剣のゴブリンの腹にお返しとばかりにヒザ蹴りを食らわす。

「グッ…」

 ゴブリンはヒザ蹴りをもろにもらい、力なく倒れ込んでしまう。

 俺は息をつこうとしたが、背中側から音が聞こえ、とっさに体を横に動かす。すると、俺の横から槍の矛が伸びていた。後ろを振り向くと槍のゴブリンが見えた。槍のゴブリンは伸ばした槍を懐に戻し、再度俺に向かって突く。

 どこかの漫画で『槍の突きは早いが点の攻撃なので範囲が狭い』と言っていた。なので俺は最小限の動きで体を逸らしてすかさず槍のゴブリンの脇腹を剣で切り裂く。だが、俺の攻撃は槍のゴブリンが回避したことにより、皮膚を裂くほどに留まる。

「……へぇ、強いな」

 俺は感心したようにつぶやく。

「これがImagine worldか」

 俺は顔についた血をぬぐいながらも呟く。

「そしてこれが命のやり取りか。少しだけ、少しだけど……興奮するな!」

 この戦いがただのデータのやりとりだとしても。

 俺は槍のゴブリンに一気に近づく。槍を懐に戻し終えていたゴブリンを俺の接近に対応し、横薙ぎに槍を振るう。目の前に迫る槍を見ながら俺は槍の柄を剣で切り落とす。

「ガッ!?」

 槍のゴブリンが持つ槍はひどくボロく、柄を切断することは成功し、槍の矛は俺の後ろに飛んでいってしまう。槍の先がないことに槍のゴブリンが驚き、逃げの体制に入ろうとするのを俺は見逃さなかった。後ろに振り向こうとしたゴブリンに剣を構える。

「これで、終わりだ」

 横なぎに振るう。剣はゴブリンの首を捉え分断され、首が落ちて次に体がだらりと崩れ落ちた。 



 


しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

親がうるさいのでVRMMOでソロ成長します

miigumi
ファンタジー
VRが当たり前になった時代。大学生の瑞希は、親の干渉に息苦しさを感じながらも、特にやりたいことも見つからずにいた。 そんなある日、友人に誘われた話題のVRMMO《ルーンスフィア・オンライン》で目にしたのは――「あなたが求める自由を」という言葉。 軽い気持ちでログインしたはずが、気づけば彼女は“ソロ”で世界を駆けることになる。 誰にも縛られない場所で、瑞希は自分の力で強くなることを選んだ。これは、自由を求める彼女のソロ成長物語。 毎日22時投稿します。

現代社会とダンジョンの共生~華の無いダンジョン生活

シン
ファンタジー
 世界中に色々な歪みを引き起こした第二次世界大戦。  大日本帝国は敗戦国となり、国際的な制約を受けながらも復興に勤しんだ。  GHQの占領統治が終了した直後、高度経済成長に呼応するかのように全国にダンジョンが誕生した。  ダンジョンにはモンスターと呼ばれる魔物が生息しており危険な場所だが、貴重な鉱物やモンスター由来の素材や食材が入手出来る、夢の様な場所でもあった。  そのダンジョンからモンスターと戦い、資源を持ち帰る者を探索者と呼ばれ、当時は一攫千金を目論む卑しい職業と呼ばれていたが、現代では国と国民のお腹とサイフを支える立派な職業に昇華した。  探索者は極稀にダンジョン内で発見されるスキルオーブから特殊な能力を得る者が居たが、基本的には身一つの状態でダンジョン探索をするのが普通だ。  そんなダンジョンの探索や、たまにご飯、たまに揉め事などの、華の無いダンジョン探索者のお話しです。  たまに有り得ない方向に話が飛びます。    一話短めです。

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

おっさん冒険者のおいしいダンジョン攻略

神崎あら
ファンタジー
冒険者歴20年以上のおっさんは、若い冒険者達のように地位や権威を得るためにダンジョンには行かない。 そう、おっさんは生活のためにダンジョンに行く。 これはそんなおっさんの冒険者ライフを描いた生活記である。

スキル【幸運】無双~そのシーフ、ユニークスキルを信じて微妙ステータス幸運に一点張りする~

榊与一
ファンタジー
幼い頃の鑑定によって、覚醒とユニークスキルが約束された少年——王道光(おうどうひかる)。 彼はその日から探索者――シーカーを目指した。 そして遂に訪れた覚醒の日。 「ユニークスキル【幸運】?聞いた事のないスキルだな?どんな効果だ?」 スキル効果を確認すると、それは幸運ステータスの効果を強化する物だと判明する。 「幸運の強化って……」 幸運ステータスは、シーカーにとって最も微妙と呼ばれているステータスである。 そのため、進んで幸運にステータスポイントを割く者はいなかった。 そんな効果を強化したからと、王道光はあからさまにがっかりする。 だが彼は知らない。 ユニークスキル【幸運】の効果が想像以上である事を。 しかもスキルレベルを上げる事で、更に効果が追加されることを。 これはハズレと思われたユニークスキル【幸運】で、王道光がシーカー界の頂点へと駆け上がる物語。

転移特典としてゲットしたチートな箱庭で現代技術アリのスローライフをしていたら訳アリの女性たちが迷い込んできました。

山椒
ファンタジー
そのコンビニにいた人たち全員が異世界転移された。 異世界転移する前に神に世界を救うために呼んだと言われ特典のようなものを決めるように言われた。 その中の一人であるフリーターの優斗は異世界に行くのは納得しても世界を救う気などなくまったりと過ごすつもりだった。 攻撃、防御、速度、魔法、特殊の五項目に割り振るためのポイントは一億ポイントあったが、特殊に八割割り振り、魔法に二割割り振ったことでチートな箱庭をゲットする。 そのチートな箱庭は優斗が思った通りにできるチートな箱庭だった。 前の世界でやっている番組が見れるテレビが出せたり、両親に電話できるスマホを出せたりなど異世界にいることを嘲笑っているようであった。 そんなチートな箱庭でまったりと過ごしていれば迷い込んでくる女性たちがいた。 偽物の聖女が現れたせいで追放された本物の聖女やら国を乗っ取られて追放されたサキュバスの王女など。 チートな箱庭で作った現代技術たちを前に、女性たちは現代技術にどっぷりとはまっていく。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

処理中です...