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可愛いやつ
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「はぁ"~~~疲れた~~~」
風呂場と向こうを隔てるものは布一枚という何とも原始的な風呂場で、四角い石作りのバスタブに薪をくべ燃やすタイプの風呂に浸かりながら、俺は全身から一番に感じた感情を口から吐き出す。
異世界転生後直ぐにいちもつを折り致命的ダメージを負い、回復し歩けるようになると同時に、直ぐ見せ物のように町中を巡り周り、最後には宿屋の人からも煙たがられるような存在に1日でなってしまった訳なので、なんというか体力面での疲れというよりもメンタル面で非常に疲れた気がする。
「今からタオル置いておくので、絶対開けないでくださいねー!。あと、風呂入り終わったら、下にある火も消しといてくださーい!」
と外からテレスの声が聞こえてくる。
見ると、タオルを置くようなシルエットがこちらからも見ることが出来た。
(....まぁ、テレスも口の悪いところがある少女とは言え、なんだかんだ、家に泊めて、風呂の用意からなにまで施してくれている。出会ったばかりの男にここまで親切にしてくれてるんだ...何か恩返ししないとな...)
そんな事を思ったので、とりあえず今はテレスに感謝の気持ちを伝えた。
「テレスー」
「....?何ですかー?」
と疑問に思うような声でテレスが答えてきた。
「ありがとな...何から何までしてもらっちゃって...」
すると、テレスがタオルをかける素振りを止めるのがシルエット越しに分かった。
「...あぁ....そういうことなら、私たちもこの世界に降り立ってくれた勇者様方には感謝してるのでお互い様ですよ。私たちの世界を支配する魔物達はステラにいる人類の力ではとても太刀打ち出来ない強大なものなので、対等に戦える勇者様を私たちは応援することしか出来ませんし...」
とテレスは言ってくれた。
「ま、まぁ!とにかく哲朗さんは初見のイメージが強すぎて今は町の人々が勇者かどうか懐疑的に思ってるんだと思いますけど、実力を示していければ認められると思うので頑張りましょうね!では、失礼します!」
そう言って、テレスはそさくと出ていった。
(意外と恥ずかしがりなのかもしれない...可愛いやつだな全く...)
――――――――――――――――――――――
その日は、疲れがあったからか横になってからの記憶がほとんどないが目覚めると、日は昇り、朝になっていた。疲れや股間の痛みもすっかり引き、脳味噌もスッキリと冴え渡っていた。
テレスは既に起きていて、どうやら朝食を作ってくれているようだった。
「おはようテレス!朝食作ってるのか?」
と元気に声をかける。
「あぁ....騒がしい声が聞こえてきたかと思えば哲朗さんですか...おはようございます。昨日は寝るの早かったんですね。夜這いでもかけてくるんじゃないかと警戒していましたが....」
「いやかけねぇよ!何でそんな信頼ないんだよ!」
なんていうツッコミをかましながら、テレスが作ってくれた朝食を運ぶ。パッと見は現世で良く見た目玉焼きのようだったが、黄身の部分が黄色というより赤く艶やかなのが特徴的である。
「これは...?」
「これ?あぁ目玉焼きです。そちらの世界では馴染みありませんか?」
と、さも当たり前かのようにテレスが答えた。
「いや...目玉焼きは良く知られているんだけど、こっちの卵焼きは黄身が黄色くてね...これはずいぶん赤いなぁと...」
「あぁ、そちらでは何の卵を使うのか知りませんが、ステラではホルス鳥の卵を使います。黄身が赤いほど濃厚で美味しいんですよ。」
とテレスは答えてくれたが、食べなれない赤い目玉焼き、少し躊躇してしまう。
横を見るとテレスが口を開けて目玉焼きを頬張っていた。
「ん"~~~おいひい~!」
と満足そうな顔をしていたが、こちらの目線に気付くと、卵焼きを庇うようにしてあげませんよ!と言ってきた。
テレスを見る限りは、味は問題無さげだし、作ってくれたものを食べないのもテレスに悪い...不味かったら一気に飲み込もう...
そう思い、おそるおそる卵焼きのはしっこをかじってみる。
「.......いや....めちゃくちゃ上手いなこれ!」
そのまま黄身の部分まで切り取って食べてみると濃厚な卵の味わいが口いっぱいに広がった。
濃厚でありながら、後味はさっぱりとしていて食べやすい。あぁ....幸せ.....
「テレス!これ最高に上手いな!」
「えへへ...私の料理スキルの高さがバレちゃいましたかぁ...」
「まぁ、テレスの料理スキルが影響してるかどうかは分からないけど、とにかく上手いよ!ありがとうテレス!」
と、彼女を褒め称えた。
テレスも誉められて悪い気はしないのか
「えぇ、えぇ、どんどん褒めてください。私ってば魔法も料理も何でも出来ちゃう系の女子なので!」
と、調子に乗り始める。
これを利用しない手はない。
「いや~流石だよ、俺も出会った時から救われてばかりでテレス様治療もしてくれるし何でも出来ちゃうもう天才!テレス様様ですわあぁあ!ありがたや~ありがたや~」
「良く分かってますね!私の実力って町ではそれなりに評価されてるんですけどまだ全国レベルで認知されてないんですよ!絶対通用すると思うのにどう思います!?」
「いやー、テレス様の実力には及ぶ者もおりませんよ!世界レベルで評価されてもまだ足りないぐらいです!俺が勇者としてもっとテレス様の偉大さを知らせていきたいと考えているので、もう少しテレス様の家にお邪魔してテレス様のことを学ばさせて頂けませんか?」
と分かりやすくおだてた上で仕掛けてみた。
「うむ、くるしゅうないくるしゅうないですよ!哲朗さん!しばらく私の家で私の実力を学び、世界レベルに知らしめてやってください!」
と、良い気になったテレスは了承してくれた。
(なんとまぁチョロいけど、可愛いやつだなこいつは...)
風呂場と向こうを隔てるものは布一枚という何とも原始的な風呂場で、四角い石作りのバスタブに薪をくべ燃やすタイプの風呂に浸かりながら、俺は全身から一番に感じた感情を口から吐き出す。
異世界転生後直ぐにいちもつを折り致命的ダメージを負い、回復し歩けるようになると同時に、直ぐ見せ物のように町中を巡り周り、最後には宿屋の人からも煙たがられるような存在に1日でなってしまった訳なので、なんというか体力面での疲れというよりもメンタル面で非常に疲れた気がする。
「今からタオル置いておくので、絶対開けないでくださいねー!。あと、風呂入り終わったら、下にある火も消しといてくださーい!」
と外からテレスの声が聞こえてくる。
見ると、タオルを置くようなシルエットがこちらからも見ることが出来た。
(....まぁ、テレスも口の悪いところがある少女とは言え、なんだかんだ、家に泊めて、風呂の用意からなにまで施してくれている。出会ったばかりの男にここまで親切にしてくれてるんだ...何か恩返ししないとな...)
そんな事を思ったので、とりあえず今はテレスに感謝の気持ちを伝えた。
「テレスー」
「....?何ですかー?」
と疑問に思うような声でテレスが答えてきた。
「ありがとな...何から何までしてもらっちゃって...」
すると、テレスがタオルをかける素振りを止めるのがシルエット越しに分かった。
「...あぁ....そういうことなら、私たちもこの世界に降り立ってくれた勇者様方には感謝してるのでお互い様ですよ。私たちの世界を支配する魔物達はステラにいる人類の力ではとても太刀打ち出来ない強大なものなので、対等に戦える勇者様を私たちは応援することしか出来ませんし...」
とテレスは言ってくれた。
「ま、まぁ!とにかく哲朗さんは初見のイメージが強すぎて今は町の人々が勇者かどうか懐疑的に思ってるんだと思いますけど、実力を示していければ認められると思うので頑張りましょうね!では、失礼します!」
そう言って、テレスはそさくと出ていった。
(意外と恥ずかしがりなのかもしれない...可愛いやつだな全く...)
――――――――――――――――――――――
その日は、疲れがあったからか横になってからの記憶がほとんどないが目覚めると、日は昇り、朝になっていた。疲れや股間の痛みもすっかり引き、脳味噌もスッキリと冴え渡っていた。
テレスは既に起きていて、どうやら朝食を作ってくれているようだった。
「おはようテレス!朝食作ってるのか?」
と元気に声をかける。
「あぁ....騒がしい声が聞こえてきたかと思えば哲朗さんですか...おはようございます。昨日は寝るの早かったんですね。夜這いでもかけてくるんじゃないかと警戒していましたが....」
「いやかけねぇよ!何でそんな信頼ないんだよ!」
なんていうツッコミをかましながら、テレスが作ってくれた朝食を運ぶ。パッと見は現世で良く見た目玉焼きのようだったが、黄身の部分が黄色というより赤く艶やかなのが特徴的である。
「これは...?」
「これ?あぁ目玉焼きです。そちらの世界では馴染みありませんか?」
と、さも当たり前かのようにテレスが答えた。
「いや...目玉焼きは良く知られているんだけど、こっちの卵焼きは黄身が黄色くてね...これはずいぶん赤いなぁと...」
「あぁ、そちらでは何の卵を使うのか知りませんが、ステラではホルス鳥の卵を使います。黄身が赤いほど濃厚で美味しいんですよ。」
とテレスは答えてくれたが、食べなれない赤い目玉焼き、少し躊躇してしまう。
横を見るとテレスが口を開けて目玉焼きを頬張っていた。
「ん"~~~おいひい~!」
と満足そうな顔をしていたが、こちらの目線に気付くと、卵焼きを庇うようにしてあげませんよ!と言ってきた。
テレスを見る限りは、味は問題無さげだし、作ってくれたものを食べないのもテレスに悪い...不味かったら一気に飲み込もう...
そう思い、おそるおそる卵焼きのはしっこをかじってみる。
「.......いや....めちゃくちゃ上手いなこれ!」
そのまま黄身の部分まで切り取って食べてみると濃厚な卵の味わいが口いっぱいに広がった。
濃厚でありながら、後味はさっぱりとしていて食べやすい。あぁ....幸せ.....
「テレス!これ最高に上手いな!」
「えへへ...私の料理スキルの高さがバレちゃいましたかぁ...」
「まぁ、テレスの料理スキルが影響してるかどうかは分からないけど、とにかく上手いよ!ありがとうテレス!」
と、彼女を褒め称えた。
テレスも誉められて悪い気はしないのか
「えぇ、えぇ、どんどん褒めてください。私ってば魔法も料理も何でも出来ちゃう系の女子なので!」
と、調子に乗り始める。
これを利用しない手はない。
「いや~流石だよ、俺も出会った時から救われてばかりでテレス様治療もしてくれるし何でも出来ちゃうもう天才!テレス様様ですわあぁあ!ありがたや~ありがたや~」
「良く分かってますね!私の実力って町ではそれなりに評価されてるんですけどまだ全国レベルで認知されてないんですよ!絶対通用すると思うのにどう思います!?」
「いやー、テレス様の実力には及ぶ者もおりませんよ!世界レベルで評価されてもまだ足りないぐらいです!俺が勇者としてもっとテレス様の偉大さを知らせていきたいと考えているので、もう少しテレス様の家にお邪魔してテレス様のことを学ばさせて頂けませんか?」
と分かりやすくおだてた上で仕掛けてみた。
「うむ、くるしゅうないくるしゅうないですよ!哲朗さん!しばらく私の家で私の実力を学び、世界レベルに知らしめてやってください!」
と、良い気になったテレスは了承してくれた。
(なんとまぁチョロいけど、可愛いやつだなこいつは...)
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