タイムパラドックス

kinmokusei

文字の大きさ
41 / 43

美鈴は5歳?

しおりを挟む
太陽に向かっている最中。


「秋時!!」


あたしはなんだか嫌な感覚がした。


「なんだよ?もう少しで着くぞ?」


「どうしたんですか?アース様?」


秋時とムーンは言うが、あたしは震えが止まらない。


「どうした?」

「う、うん。ちょっと嫌な感覚がして、、、」

「もう少しなんだ。しっかりろ!」


それがプルートが死んだことと気づくのは後のことになる。


そしてサターンの脅威が太陽系銀河に迫っていることも、あたしたちは知らないでいた。



「見えた!!」


目の前に燃えたぎる星が見えてきた。


「あれが太陽?」


「そうだ。美鈴があそこにいる。」


(本当に美鈴さんのことになると、、、)


あたしは少し寂しい気持ちになる。


そうこうするうちに太陽に着いた。



着くと1人の5歳くらいの女の子が出迎えてくれた。


(ムーンと同じくらいかな?)


あたしがそう思っていると、秋時が驚くべきことを言った。



「美鈴、、、?」




呼ばれた女の子は不思議そうな顔をする。


「どうしてあたしの名前知ってるの?」


呆然と立ち尽くす秋時。


そこへ、1人の女の人が現れた。



「来ましたか、、、。」



ギリシャ神話のような服なのですぐ太陽神サンだと確信した。


「あなたは太陽神サンですか?」


あたしは聞く。


それを遮るかのように美鈴が言った。


「ね?隠れてないで遊ぼうよー」


どうやらムーンに言ったようだ。


「やだよ!僕は子供じゃないからな!」


「変なのー。子供じゃない?」


美鈴はクスクス笑った。


そこに邪悪さのかけらもない。


「話が進まないわ。ムーン?美鈴と遠くで遊んで来て。」


「アース様まで~」


ムーンは情けない声をあげたが、頼みを聞いてくれた。




「では改めて。わたくしは太陽神サンです。あなたたちの目的は美鈴ですね?」


「そうだ!何でこんなことをした?美鈴がかわいそうじゃないか!」


秋時は怒鳴った。






「確かにわたくしはサターンから善の心だけを集め美鈴という少女を作り出しました。でも所詮不完全な存在。短命で命を落としました。しかし、秋時、あなたがサターンを目覚めさせた時、再び美鈴も生まれました。宇宙閻魔に聞いたとは思いますが、サターンは美鈴に吸収され、平和になる。よかったです。」


「何が良かっただよ!お前が、変なことするから、、、!」


秋時は言い返そうとして阻まれた。


「わたくしのおかげで美鈴と会えたのでしょう?サターンを目覚めさせたのも、秋時、あなたじゃないですか?」


「それは、、、」


秋時は口ごもってしまった。


「わたくしは学びました。善だけの存在なんてあり得ないと。今の美鈴も善と悪の心を持っています。サターンは美鈴から剥ぎ取った悪のかたまり。でも善の心もあるはずなのです。悪の心はしないように気をつけるものだと学びました。」


「宇宙閻魔はサンがサターンと美鈴を会わせる気はないようなことを言っていたけど?」


あたしは言った。




「始めはそうでした。でも今、、、プルートたちが居なくなった今、サターンを止められるのは美鈴だけなのです。」


え、、、?


今なんて?


「プルートたちに何かあったのか?!」


秋時が太陽神サンに言った。


「何があったのか、太陽系銀河の戦士を全滅させました。残っているのはわたくしとアース、あなたとムーンだけ。不思議ですね?こちらには来そうにありません。」


「シーズン銀河は?!」


「あー。今向かっていますね。」


「サン!こうしては居られない!美鈴を連れて行きましょう!!」




(あの感じはみんながやられたからだったんだ。)



あたしたちはシーズン銀河に急いだ。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく

タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。 最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます

天田れおぽん
ファンタジー
 ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。  ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。  サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める―――― ※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...