お風呂の妖怪

るいのいろ

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お風呂ってめんどくさい!

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「るんちゃん、お風呂入るわよ~」

「やだやだ!お風呂めんどくさい!」

るんちゃんはお風呂に入るのが嫌いです。
なぜなら、お風呂ってめんどくさいから。
まだまだゲームもしたいし、おもちゃで遊びたい。
それなのに、お風呂の時間はやってくる。


お母さんは嫌がるるんちゃんを無理やりお風呂に連れていき、一緒に浸かりました。


「ふぅ~。」

「ほら、お風呂って気持ちいいでしょ?」

「まあ、そうなんだけどね~」

「どうしてお風呂が嫌いなの?」

「だってさ、めんどくさいんだもん。体洗ったり、髪も洗ったり、終わったと思ったら体拭いてさ。やることが多すぎるんだもん」

「でもお風呂で汗を流すと気持ちいいでしょ?」

「それはそうなんだけど。」

るんちゃんはお湯の中でぶくぶくと泡立てます。

「るんちゃんがお風呂を面倒くさがるのは、きっとそれは、お風呂の妖怪の仕業ね。」

「お風呂の妖怪?」

「ええ。お風呂の妖怪は、お風呂に入らない子供が大好きなの。だから子供たちにお風呂を面倒くさく思わせて、お風呂に入らないようにするのよ。」

「お風呂に入らない子供はどうなるの?」

「…連れ去られちゃうのよ。お風呂の妖怪に」

「えー!怖いー!」

「だから、るんちゃんもちゃんとお風呂に入ってね?」

「わかった!ちゃんと面倒くさがらずに入ることにする!」

「うん!えらいわね!」

るんちゃんとお母さんは、お湯の中でしっかり10数えてからお風呂を出た。

お風呂の妖怪だなんて、お母さんの作り話。
でも、よく見てご覧。
るんちゃんとお母さんが使っていた湯船の中から、真っ黒い何かが浮かんできて、二人を見ているよ…。
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