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3話 モモ
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俺は目を覚ます。
すももが、彼女が生きていた頃の俺の方だ。
リスナーのミサウサにDMを返信したあのあと、どうやら俺は眠ってしまっていたらしい。
画面を見るとDMに1件の通知とリンクが貼ってあった。
丁寧なことにミサウサさんは俺の名前を出したという配信者のアカウントをリンクにしてすぐ見られるようにしてくれたのだった。
(モモ…登録者は2500人。4桁の活動者か…どんな演奏をしてこんなに数がのびるんだ。)
俺は顔目的の男リスナーが囲んでいるんだろうなど、歪んだ思考を巡らせたが、憶測に過ぎない自分の考えで自己解決をしたくなかった。
時刻が20時になった頃、彼女の定期配信の時間と重なっていたようで、『LIVE』とかかれた投稿が突如現れた。
ぐぐっと力加減をコントロールしてスマホの画面を押す。閲覧がバレないようにみるためだ。
再生数ならいくらでもくれてやるが、俺が入ったことを向こうにバレたくはなかった。
アコースティックギターを持った彼女は肩まで髪があるかないかでウェーブのかかったヘアスタイルのいかにも女子高生のような見た目で、
ガラスのコップに入った烏龍茶を飲むと演奏なんてする素振りもなくリスナーとトークをしていた。
人の配信に否定をするつもりは無いが、演奏で勝負するこのアプリで喋ってばかりのそいつが、俺はどうも気に食わなかった。
『あっ!また喋っちゃった!』
気がついたら彼女の話すトークに引き込まれていた。
彼女は演奏を急かすコメントをみるなり、慌ててギターのピックを握る。
彼女のトークは万人受けするものでなく、学校で早弁をして見つかったことやホラー映画を見た際、映画館で叫んび視線が向いたことなど、共感性羞恥ともとれるような内容もあった。
しかしたまに方言混じりになるところや、やかましいくらい声が大きく声量で笑いをとるスタイルに実際俺が引き込まれていたことからなど、俺は、彼女はトークに才能のある人間だと気づいた。
『それじゃぁ次の曲やっていこうか~!聴いてください、~』
ギターを持ち替えるとその場の空気が変わった。
次の瞬間、俺は才能を目の前にした。
弾き語りスタイルの彼女の歌声には透き通るものがあり、トークの時の声量が歌声に生かされていた。
それに演奏に余裕を感じる。
こんな人間が俺の配信を?なんでだ?
人と比べて優越感に浸りたい?いや、そんな人間には見えなかった。
なんで俺よりすごいやつが俺を見ているんだよ。
一瞬にして俺は彼女のリスナーになっていた。
『わぁ!einsさん?!ギフトありがとうございます!』
しまった、
俺は一瞬にして彼女の演奏の余韻から目が覚めた。
活動しているアカウントで視聴がバレた上に、ギフトまで渡してしまった。
ギフトは『Resonance』に存在する言わば投げ銭のような機能だ。無課金でもできることからやっている人が多く、俺も流されるようにギフトを送ってしまった。
こうして einsとモモ。卯月肇と東雲朱桃は画面の向こうで出会うこととなった。
すももが、彼女が生きていた頃の俺の方だ。
リスナーのミサウサにDMを返信したあのあと、どうやら俺は眠ってしまっていたらしい。
画面を見るとDMに1件の通知とリンクが貼ってあった。
丁寧なことにミサウサさんは俺の名前を出したという配信者のアカウントをリンクにしてすぐ見られるようにしてくれたのだった。
(モモ…登録者は2500人。4桁の活動者か…どんな演奏をしてこんなに数がのびるんだ。)
俺は顔目的の男リスナーが囲んでいるんだろうなど、歪んだ思考を巡らせたが、憶測に過ぎない自分の考えで自己解決をしたくなかった。
時刻が20時になった頃、彼女の定期配信の時間と重なっていたようで、『LIVE』とかかれた投稿が突如現れた。
ぐぐっと力加減をコントロールしてスマホの画面を押す。閲覧がバレないようにみるためだ。
再生数ならいくらでもくれてやるが、俺が入ったことを向こうにバレたくはなかった。
アコースティックギターを持った彼女は肩まで髪があるかないかでウェーブのかかったヘアスタイルのいかにも女子高生のような見た目で、
ガラスのコップに入った烏龍茶を飲むと演奏なんてする素振りもなくリスナーとトークをしていた。
人の配信に否定をするつもりは無いが、演奏で勝負するこのアプリで喋ってばかりのそいつが、俺はどうも気に食わなかった。
『あっ!また喋っちゃった!』
気がついたら彼女の話すトークに引き込まれていた。
彼女は演奏を急かすコメントをみるなり、慌ててギターのピックを握る。
彼女のトークは万人受けするものでなく、学校で早弁をして見つかったことやホラー映画を見た際、映画館で叫んび視線が向いたことなど、共感性羞恥ともとれるような内容もあった。
しかしたまに方言混じりになるところや、やかましいくらい声が大きく声量で笑いをとるスタイルに実際俺が引き込まれていたことからなど、俺は、彼女はトークに才能のある人間だと気づいた。
『それじゃぁ次の曲やっていこうか~!聴いてください、~』
ギターを持ち替えるとその場の空気が変わった。
次の瞬間、俺は才能を目の前にした。
弾き語りスタイルの彼女の歌声には透き通るものがあり、トークの時の声量が歌声に生かされていた。
それに演奏に余裕を感じる。
こんな人間が俺の配信を?なんでだ?
人と比べて優越感に浸りたい?いや、そんな人間には見えなかった。
なんで俺よりすごいやつが俺を見ているんだよ。
一瞬にして俺は彼女のリスナーになっていた。
『わぁ!einsさん?!ギフトありがとうございます!』
しまった、
俺は一瞬にして彼女の演奏の余韻から目が覚めた。
活動しているアカウントで視聴がバレた上に、ギフトまで渡してしまった。
ギフトは『Resonance』に存在する言わば投げ銭のような機能だ。無課金でもできることからやっている人が多く、俺も流されるようにギフトを送ってしまった。
こうして einsとモモ。卯月肇と東雲朱桃は画面の向こうで出会うこととなった。
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