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漫談「見てくる子供」
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僕がお笑い研究会に入ったのは、漫才がしたかったから。二人の掛け合いによるお笑いに、強い憧れがあった。
ただ、漫才は一人ではできない。相方が欲しかった。
そもそも相方は相方で良いものだ。お笑いにおけるより深い仲間で、お互いのお笑いを尊敬しあえる、そんな存在に憧れてた。
だからこのサークルに入って、すぐに相方探しをした。まずは一緒にサークル入った同級生に、
僕「コンビ組んで漫才しませんか」
って言ったんだ。そしたら、
同級生「あー……、いや、うん」
って。
だから、ちょっと待った。サークルなんて夏休み頃になったらボロボロ抜けていく人達が出てくる。片方だけ残っちゃう人がいる。その人にアタックした。
僕「今フリー? 一緒に漫才しない?」
フリーの人「あー……、いや、うん」
って。
先輩で行こう。ピン芸人の先輩がいる。彼も相方探してるようだし、今フリーらしいし。
僕「先輩! コンビ組みましょう!」
先輩「あー、いや、うん」
あいう構文で断れ続けた。“あ”―、“い”や、“う”ん。“えお”どこ行ったんだろう。
そんなに僕いやか?
さっき言ってたフリーの奴と先輩コンビ組んでいた。
先輩が言うには。
先輩「君はピンでの方が面白いから、そのままでいて」
めんどくせえ男をフる時ぐらい遠回しに言ってきやがる。余計傷つく。ハッキリお前こだわり強すぎてやりにくいって言えよ。
僕は、しょうがないので、一人漫談をしている。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
僕はセルフレジのアルバイト先でバイトをしている。セルフレジで立っていると、お会計している最中のお客さんのお連れの小さいお子さんがじっと見てくる、なんてことがよくある。
その、じっと見てくる小さい子たち
に
囲まれたのだ。
怖い。
めちゃくちゃ怖い。
7,8人の男の子女の子が、僕を中心として半径75cmの円形に並んでいた。ローソクに囲まれる板チョコの気持ち。
祝日でめちゃくちゃ忙しくて全然気が付かなかった。「ありがとうございました、またお越しくださいませ」で頭下げた時に気付いた。
小さい子供にじっと見られた時、だいたい顔を ニッ として済ませるのが社会の常識である。常識であるが、状況が状況。さすがに声をかけた。
僕「お客様——」
一応お客様だから丁寧に。
僕「お客様、いかがいたしましたか」
子供たち「……」
僕「あの どうされたんですか」
子供たち「……」
僕「何かあったんですか」
子供「……」
大人をおちょくるのもいい加減にしろ。クソガキども。
まあ保護者の人が会計終わらしたらどっか行くだろう、そう思って放置することにした。
「すみませーん」
会計をしようとしていたおばあちゃん、セルフレジはスタート画面のままだった。ご高齢の方はセルフレジの使い方が分からず店員に使い方を聞くことがよくある。今回もそれだろう。
僕「はーい、ただいま」
と言ってそのおばあちゃんのレジに向かう。
すると、その進路にちょうど立っていた女の子が。
女の子「まあまあまあ」
は?
いやいや。
おばあちゃん「すみませーん!」
僕「すぐ行きます」
そのおばあちゃんのレジに向かう。
すると。
女の子「まあまあまあ」
目的はなんだ。
僕をどうしたいんだ。僕に何を求めてるんだ。
突然、一人 男の子が
男の子「そろそろいっか」
と言った。
やっとどっか行ってくれる、と思ったが違った。
子供たちは両隣の子と手を繋ぎ、円に沿って回り始め
子供たち「かーごめかごめ かーごのなーかのとーりーは——」
と歌い始めた。
あ。
そっか。
僕は、召されるんだ、と思った。
召されるんか。そっかそっか、やばいな。召される以外だったら何でも良いんだけど、召されるのだけは困るな。
もう一つ気になったのは、子供たちの回り方が一歩方向に進むものではなく、洗濯機みたいに定期的に回る方向を反対にしていること。謎に難易度を下げている。そもそも僕はまったく目を閉じていない。ゲームが成り立ってない。
子供たち「よーあーけーのーばーんーにー つーるとかーめがすーべったー」
もうだめだ。親御さんに言って、注意してもらおう。
子供たち「うしろのしょうめんだーぁれ」
僕「すみませーん。このお子さんたちの親御さんおられますか」
シーン。
おい、無視かよ。
子供たち「うしろのしょうめんだーぁれ!」
僕「おられませんか。お子さんからは目を離さないでください!」
無責任な親だな。
子供たち「うしろのしょうめんだーぁれ!!」
僕「俺お前らの名前一人も知らねえよ!!」
言っちゃった。
まずいな。お客さんに暴言吐いちゃった。絶対クレーム来る。召されるのとクレーム以外なら何でもいいのに。
そう思った瞬間。
パンッ パンッ パンッ パンッ
さっきセルフレジで困ってたおばあちゃんが手たたきながら近づいてきた。
おばあちゃん「あんちゃん、いい筋してんね」
は?
おばあちゃん「私と、漫才やろうや」
って言われた。
11月27日、うちのサークルでやる定期公演。
そのおばあちゃんと僕で漫才をする。
ただ、漫才は一人ではできない。相方が欲しかった。
そもそも相方は相方で良いものだ。お笑いにおけるより深い仲間で、お互いのお笑いを尊敬しあえる、そんな存在に憧れてた。
だからこのサークルに入って、すぐに相方探しをした。まずは一緒にサークル入った同級生に、
僕「コンビ組んで漫才しませんか」
って言ったんだ。そしたら、
同級生「あー……、いや、うん」
って。
だから、ちょっと待った。サークルなんて夏休み頃になったらボロボロ抜けていく人達が出てくる。片方だけ残っちゃう人がいる。その人にアタックした。
僕「今フリー? 一緒に漫才しない?」
フリーの人「あー……、いや、うん」
って。
先輩で行こう。ピン芸人の先輩がいる。彼も相方探してるようだし、今フリーらしいし。
僕「先輩! コンビ組みましょう!」
先輩「あー、いや、うん」
あいう構文で断れ続けた。“あ”―、“い”や、“う”ん。“えお”どこ行ったんだろう。
そんなに僕いやか?
さっき言ってたフリーの奴と先輩コンビ組んでいた。
先輩が言うには。
先輩「君はピンでの方が面白いから、そのままでいて」
めんどくせえ男をフる時ぐらい遠回しに言ってきやがる。余計傷つく。ハッキリお前こだわり強すぎてやりにくいって言えよ。
僕は、しょうがないので、一人漫談をしている。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
僕はセルフレジのアルバイト先でバイトをしている。セルフレジで立っていると、お会計している最中のお客さんのお連れの小さいお子さんがじっと見てくる、なんてことがよくある。
その、じっと見てくる小さい子たち
に
囲まれたのだ。
怖い。
めちゃくちゃ怖い。
7,8人の男の子女の子が、僕を中心として半径75cmの円形に並んでいた。ローソクに囲まれる板チョコの気持ち。
祝日でめちゃくちゃ忙しくて全然気が付かなかった。「ありがとうございました、またお越しくださいませ」で頭下げた時に気付いた。
小さい子供にじっと見られた時、だいたい顔を ニッ として済ませるのが社会の常識である。常識であるが、状況が状況。さすがに声をかけた。
僕「お客様——」
一応お客様だから丁寧に。
僕「お客様、いかがいたしましたか」
子供たち「……」
僕「あの どうされたんですか」
子供たち「……」
僕「何かあったんですか」
子供「……」
大人をおちょくるのもいい加減にしろ。クソガキども。
まあ保護者の人が会計終わらしたらどっか行くだろう、そう思って放置することにした。
「すみませーん」
会計をしようとしていたおばあちゃん、セルフレジはスタート画面のままだった。ご高齢の方はセルフレジの使い方が分からず店員に使い方を聞くことがよくある。今回もそれだろう。
僕「はーい、ただいま」
と言ってそのおばあちゃんのレジに向かう。
すると、その進路にちょうど立っていた女の子が。
女の子「まあまあまあ」
は?
いやいや。
おばあちゃん「すみませーん!」
僕「すぐ行きます」
そのおばあちゃんのレジに向かう。
すると。
女の子「まあまあまあ」
目的はなんだ。
僕をどうしたいんだ。僕に何を求めてるんだ。
突然、一人 男の子が
男の子「そろそろいっか」
と言った。
やっとどっか行ってくれる、と思ったが違った。
子供たちは両隣の子と手を繋ぎ、円に沿って回り始め
子供たち「かーごめかごめ かーごのなーかのとーりーは——」
と歌い始めた。
あ。
そっか。
僕は、召されるんだ、と思った。
召されるんか。そっかそっか、やばいな。召される以外だったら何でも良いんだけど、召されるのだけは困るな。
もう一つ気になったのは、子供たちの回り方が一歩方向に進むものではなく、洗濯機みたいに定期的に回る方向を反対にしていること。謎に難易度を下げている。そもそも僕はまったく目を閉じていない。ゲームが成り立ってない。
子供たち「よーあーけーのーばーんーにー つーるとかーめがすーべったー」
もうだめだ。親御さんに言って、注意してもらおう。
子供たち「うしろのしょうめんだーぁれ」
僕「すみませーん。このお子さんたちの親御さんおられますか」
シーン。
おい、無視かよ。
子供たち「うしろのしょうめんだーぁれ!」
僕「おられませんか。お子さんからは目を離さないでください!」
無責任な親だな。
子供たち「うしろのしょうめんだーぁれ!!」
僕「俺お前らの名前一人も知らねえよ!!」
言っちゃった。
まずいな。お客さんに暴言吐いちゃった。絶対クレーム来る。召されるのとクレーム以外なら何でもいいのに。
そう思った瞬間。
パンッ パンッ パンッ パンッ
さっきセルフレジで困ってたおばあちゃんが手たたきながら近づいてきた。
おばあちゃん「あんちゃん、いい筋してんね」
は?
おばあちゃん「私と、漫才やろうや」
って言われた。
11月27日、うちのサークルでやる定期公演。
そのおばあちゃんと僕で漫才をする。
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