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No.7

本当の幸せ

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「ねぇねぇ凜音ちゃん!」

「ん?どうしたの?深音ちゃん」

「今日の朝ご飯なぁに?」

「ふふっ、今日はご飯と卵焼きとお味噌汁だよ」

「やったぁ~!」

私の幸せな日常。愛する人との日常。

私の生きている意味。幸せ。 

うん……、幸せ…。しあわせ……

……だよね…?

「う~ん!美味しい!やっぱり凜音ちゃんの作るご飯は美味しいね!」

「え?そ、そう?よかった…」

「どうしたの?凜音ちゃん?」

「ううん、何でもないよ!ただボーッとしてただけだから」

「そっかぁ!」  

突然声を掛けられたからちょっとびっくりしちゃった…。

うん、大丈夫。幸せ。私は今、とっても幸せ。

深音ちゃんがいるんだもの。愛を見つけたんだから。

本当の幸せを私は手に入れたんだ。

だから何も考えることはない。

私はこの変わらない、この日常を壊さないように生活をおくればいい。

このままでいい。だって私幸せなんだから…。

とは違う。

「じゃあ行ってくるね。深音ちゃん」

「うん!凜音ちゃん行ってらっしゃい!」

パタン。


「今日の凜音ちゃんちょっと変だったな」

いつもはボーッとする事なんて無いのに。

どうしたんだろう?昨日何かあったのかなぁ。

心配だけど…、私はただ凜音ちゃんの帰りを待つことしか出来ない。

だからせめて、帰ってきた時はとびっきりの笑顔で出迎えよう。

だって私は大好きな凜音ちゃんに笑ってほしいから。
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