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No.14
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あ………、もうすぐ家だ。
そろそろ私は凜音と入れ替わらきゃ。
今日の私はこれで終しまい。また明日。
凜音には彼女がいるもの。私とは違う。
『リンネ…、そろそろ…』
私は満面の笑みでこう言う。
「うん!わかった」
でもね、凜音。これも全部偽りなんだよ。
ガチャッ
「おかえり!凜音ちゃん!」
目の前の天使は私にそう言った。
「ただいま深音ちゃん」
烏賀陽深音。それは私の世界で1番大切な彼女の名前。
「凜音ちゃん!何かお土産ある~?」
深音ちゃんは私をこの世界へ繋ぐ命綱。
「うん!今日はケーキだよ」
「わ~!!ありがとう凜音ちゃん!今日もバイト先で貰ったの?」
うん。リンネが貰ってきてくれたの。
「そうだよ。深音ちゃんに喜んでほしくて」
「ありがとう!凜音ちゃん!!」
そう言って目の前の天使は笑う。
彼女の笑顔を見るたび、私の中にあった深い深い穴が少しずつ満たされていく。
温かい気持ちになれるの。毎日が愛おしいって思える。
でもそれと一緒に感じるのは、罪悪感。
私だけ……、私だけこんなに幸せでいいの……?って。
毎日毎日聞こえるの。リンネの悲痛の叫びが…、苦しみが。
聞くたび、感じるたび、涙が出そうになる。
申し訳ないとか、謝りたいとか、そんなんじゃない。
そんな単純じゃない。まず、私にそんな資格なんかない。そんな事許されない。これは私の罪だから。
深いの。とっても深い。
痛いんだよ。すごく痛い。胸が痛い。張り裂けそうになるんだ。苦しくて、苦しくて苦しくて…、でもこれが私にできる唯一の償いだから。
叫びたくても、死にたくても私は生きる。
それにね、どんなに辛くても、毎日楽しいって思えるの。
だって私には大切な人が…、深音ちゃんがいるから。
彼女がいるから、私の心臓は動いている。私は呼吸をし続ける。
昔の私だったら絶対理解出来ない考えだよね。誰かの為に生きるだなんて。
父親にも母親にも愛されなくて、裏切らて、引き取ってくれた祖母と祖父から向けられるのは同情や哀れみの眼。
人間不信になった。誰も信じられなくて、自分を偽り続けた。そうして出来たのはリンネ。
彼女は私の偽りから出来ている。
そう、リンネは私。私が変われば、あなたをこの苦しみから解放してあげられる。
でもね…、無理なの。きっと私は変われない。あなたを解放してはあげれない。
私はもう、誰も信じられないの。本当に信じられるのはあなたと深音ちゃんだけなの。
きっと私はずっと偽り続ける。
私は小心者だから。もう、信じられない。信じたくない。
それにもっとあなたと一緒にいたいの。リンネ。
私のわがままであなたを苦しめてごめんなさい。
赦してほしいわけじゃない。こんな事許されないのに、私はあなたに謝りたいと思ってしまったの。
簡単な事なのに、私には出来ない。変われない。
信じてしまえば楽なのに、あなたを解放してあげられるのに、自分が傷つくのが怖いの。
自分がクズだって分かってる。あなたを利用してるって。
どんなに自覚したって、罪悪感に苛まれたって、無力さを実感したって、結局人間は自分の事を優先してしまう。
自分を無意識に守ってしまう。これはどんなに藻掻いても、抗っても変わらない事実なのだ。
私は明日が来て欲しいと思う。
でも来ないで欲しいと願う。
そんな私達は曖昧だ。不完全で壊れやすい。
だからこそ人は、自分の身を守るために人を傷つける。
そしてそんな人々から自分の見を守れるのは自分自身だけなんだ。
そろそろ私は凜音と入れ替わらきゃ。
今日の私はこれで終しまい。また明日。
凜音には彼女がいるもの。私とは違う。
『リンネ…、そろそろ…』
私は満面の笑みでこう言う。
「うん!わかった」
でもね、凜音。これも全部偽りなんだよ。
ガチャッ
「おかえり!凜音ちゃん!」
目の前の天使は私にそう言った。
「ただいま深音ちゃん」
烏賀陽深音。それは私の世界で1番大切な彼女の名前。
「凜音ちゃん!何かお土産ある~?」
深音ちゃんは私をこの世界へ繋ぐ命綱。
「うん!今日はケーキだよ」
「わ~!!ありがとう凜音ちゃん!今日もバイト先で貰ったの?」
うん。リンネが貰ってきてくれたの。
「そうだよ。深音ちゃんに喜んでほしくて」
「ありがとう!凜音ちゃん!!」
そう言って目の前の天使は笑う。
彼女の笑顔を見るたび、私の中にあった深い深い穴が少しずつ満たされていく。
温かい気持ちになれるの。毎日が愛おしいって思える。
でもそれと一緒に感じるのは、罪悪感。
私だけ……、私だけこんなに幸せでいいの……?って。
毎日毎日聞こえるの。リンネの悲痛の叫びが…、苦しみが。
聞くたび、感じるたび、涙が出そうになる。
申し訳ないとか、謝りたいとか、そんなんじゃない。
そんな単純じゃない。まず、私にそんな資格なんかない。そんな事許されない。これは私の罪だから。
深いの。とっても深い。
痛いんだよ。すごく痛い。胸が痛い。張り裂けそうになるんだ。苦しくて、苦しくて苦しくて…、でもこれが私にできる唯一の償いだから。
叫びたくても、死にたくても私は生きる。
それにね、どんなに辛くても、毎日楽しいって思えるの。
だって私には大切な人が…、深音ちゃんがいるから。
彼女がいるから、私の心臓は動いている。私は呼吸をし続ける。
昔の私だったら絶対理解出来ない考えだよね。誰かの為に生きるだなんて。
父親にも母親にも愛されなくて、裏切らて、引き取ってくれた祖母と祖父から向けられるのは同情や哀れみの眼。
人間不信になった。誰も信じられなくて、自分を偽り続けた。そうして出来たのはリンネ。
彼女は私の偽りから出来ている。
そう、リンネは私。私が変われば、あなたをこの苦しみから解放してあげられる。
でもね…、無理なの。きっと私は変われない。あなたを解放してはあげれない。
私はもう、誰も信じられないの。本当に信じられるのはあなたと深音ちゃんだけなの。
きっと私はずっと偽り続ける。
私は小心者だから。もう、信じられない。信じたくない。
それにもっとあなたと一緒にいたいの。リンネ。
私のわがままであなたを苦しめてごめんなさい。
赦してほしいわけじゃない。こんな事許されないのに、私はあなたに謝りたいと思ってしまったの。
簡単な事なのに、私には出来ない。変われない。
信じてしまえば楽なのに、あなたを解放してあげられるのに、自分が傷つくのが怖いの。
自分がクズだって分かってる。あなたを利用してるって。
どんなに自覚したって、罪悪感に苛まれたって、無力さを実感したって、結局人間は自分の事を優先してしまう。
自分を無意識に守ってしまう。これはどんなに藻掻いても、抗っても変わらない事実なのだ。
私は明日が来て欲しいと思う。
でも来ないで欲しいと願う。
そんな私達は曖昧だ。不完全で壊れやすい。
だからこそ人は、自分の身を守るために人を傷つける。
そしてそんな人々から自分の見を守れるのは自分自身だけなんだ。
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