リンネちゃんは死にたいの。でも今日は楽しく生きている

廃墟のアリス

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No.18

雨の降る日に①

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「ねーねー!見ろよコレ!」

クラスメイトのスマホにはこんなものが書かれてた。

『現在台風が接近しており、大変強い雨が降っています。小さな子供やご高齢の方は外に出ないで下さい』

「うわぁ…やっば…。もしかして学校帰れるんじゃね?」

「そしたらみんな喜びそうだね」

今日は台風が接近してる影響で、朝からすごく強い雨が降ってるのに相変わらず学校はある。

雨…ね……。昔は雨が好きだったけど、今じゃ好きとか嫌いとかそんなの感じなくなったな。

でも、よく分からないけど嫌いではないと思う。

雨を見てると、自分の嫌な事も一緒に流してくれるんじゃないかって思うから。

期待しても何も変わらないって分かってるけど、無意識に期待してるんだと思う。

そんな事を考えていると、クラスの女子が声を掛けてきた。

「朝比奈くん…!私…、怖い…」「私も!」

「もし雷が落ちてきたらどうしよう…!」

正直知らんよ。僕に怖いって言って何になるの?別にできることなんて無いんだけど。

雷落ちてきたらどうしようって、そんな事僕に言わないでよ…。

でも、こんな事本人達には言えるわけもないから、いつも通り僕は王子の仮面をつける。

「皆、そんなに心配しなくても大丈夫だよ。でも、そんなに心配なら帰り一緒に帰ろうか…?」

「え!ホント!?嬉しい!」

あぁ…、面倒くさい。一緒に帰ったところで別に雷が落ちてこない訳でもないし、雨が弱まる訳でもない。まぁ…、女子達は喜ぶだろうけど。

同時におそらく目の前の女子達の誰かを好きな男子から、冷たく鋭い視線を向けられた。その視線には恨みが募っている。

何も行動してないくせに僕を恨むのは筋違いなのにね。

だけど、例えがどれだけ面倒でも朝比奈悠莉はこんなに怖がっている(フリ)女子に声をかけないわけない。

だって皆にとって彼は王子様だから。

だから突然、そんな王子様が消えたら皆はどう思うだろう。

悲しむ…?喜ぶ…?哀れむ…?怒る…?恨む…?

どうなんだろう……わからない。僕には人の気持ちがわからない。

どんな時に嬉しくて、悲しくて、楽しいのか…。

僕にとってそんなの遠い過去で、もう思い出す事なんてできない。

それに、人を知りたいなんて思えない。だって傷つきたくないから。 

人の感情を知れば知るほどきっと感じられない自分を更に惨めに感じると思うから。

でも…、もういっそ、そうしてしまえばよかったのかな。そしたらもっと早くこの決断ができたのかな。

こんなにも苦しまずにすんだのかな。

本当に…僕は後悔してばかりだ。

自分の憐れさがよくわかる。

そしてその度苦しくなる。

たくさんの後悔が、積もって僕に重く伸し掛かって痛い。

苦しくて、痛くて、叫びたい。でも変わらない。叫んだって何も変わらない。

でもなんで何も変わらないんだって、何度も自問自答する。

でも結局答えは見つからない。それは僕が壊れてるからだろうか。

うん。きっとそう…。

だけど…、ねぇ神様。壊れてるのは僕だけですか?

じゃあ、世界はどうなんですか…?

僕はこれから死のうと思います。生きたほうがいいんですか?

「……………ははっ…」

もちろん答えなんて帰ってこない。最初から分かってる。

けど、確認しておきたかった。僕は本当に死んでもいいのか。

誰かに肯定して欲しかった。まぁ…、人じゃないし、いるかもわからない。そんな存在だけど。

ただ、口実が欲しかった。
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