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第七章
「死神の追憶」
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気づくと、私はこの森にいた。
ずっと前から私はここにいる。
もう何年…?何十年…?何百年…?…分からない。でもね、気が遠くなるくらい長い間、私はここにいる。
もう、最後にここへ誰かが来たのはいつだろう。
正直、長くここに居過ぎて時間の感覚が分からない。もしかしたら、一ヶ月前かもしれないし何十年も前かもしれない。
でも、最後に来たのは、長い白髪に蝶のヘアピンをつけている少女。確か名前は……白羽だったかな…?
他にも何十人か、この森に来た。
だけど…、どの子もすぐに私の所に来なくなるの。
最初の方は、ただわたしの事なんて忘れて来なくなったと思ってた。
でも、今まで会ってきた子達を思い返すと、どの子も性格はバラバラ。なのに、一つだけ全員が当てはまる共通点がある。
それは…、死にたがっている。もしくは、死ぬことが決まっていること。
それからも、この森には人が来た。でも…やっぱりいつも皆来なくなるの。
その時、私は気づいた。
私が今まで、会ってきた子達は死んだ可能性が高い。
正直信じたくなかった。もしかしたら、私のせいで人が死んでるんじゃないかって。
だから、長い間人が来ないのは都合がよかった。それに、もうこれ以上私のせいで死ぬかもしれない人を見たくなかった。
でも、やっぱり一人は寂しくて孤独だった…。
………そんなとき、彼に出会った。
森に誰かが入ってくる気配がしたの。
気づくと、森に入って来た子を見に来てた。
気配のする方へ近付いていく。
そして…、そこにいたのは凄く綺麗な男の子だった。
綺麗な白金の髪にブルーグレーの瞳。その瞳はどこか寂しそうだった。
その子は、私を見て眩しそうに笑った。
彼は、リヒトいうらしい。
やはり彼も、死にたがっていた。でも、ここでいつものように私が何もせず、ただ仲良く話すだけならきっと彼は死ぬだろう。
だから私は彼とこんな約束をした。
『お互いのために生きて、お互いのために死ぬこと』
片方が死んだら、片方も死ぬ。
これが今、彼…リヒトを死なせない確実な方法だった。
・・・・
私は絶対に死なない。死なないというか、死ねないの。
私は、この森から出れない。何度も出ようとしたけど、直前で私の体は動かなくなる。
そう、出れない。なのにこの森は、全く成長しない。でもそれは私も同じ。本当に嫌になった。何十年経っても、全く変わらない景色と全く変わらない自分に。
だから私は死のうとした。でも死ねなかった。木から飛び降りても、何度も地面に頭を打ち付けて、大量の血を流しても、死ななかった。
だって私は人間じゃないから…。でも、死なないからといって死なないわけではない。
私の心臓は何度も止まったし、体が全く動かなくなったりもした。
でも、目覚めると私は生きている。もちろんどんな怪我も完治してる。
そんな永遠に終わらない、地獄のような鳥籠で私は毎日明日を待つ。
この変わらない青空を眺めながら…。
ずっと前から私はここにいる。
もう何年…?何十年…?何百年…?…分からない。でもね、気が遠くなるくらい長い間、私はここにいる。
もう、最後にここへ誰かが来たのはいつだろう。
正直、長くここに居過ぎて時間の感覚が分からない。もしかしたら、一ヶ月前かもしれないし何十年も前かもしれない。
でも、最後に来たのは、長い白髪に蝶のヘアピンをつけている少女。確か名前は……白羽だったかな…?
他にも何十人か、この森に来た。
だけど…、どの子もすぐに私の所に来なくなるの。
最初の方は、ただわたしの事なんて忘れて来なくなったと思ってた。
でも、今まで会ってきた子達を思い返すと、どの子も性格はバラバラ。なのに、一つだけ全員が当てはまる共通点がある。
それは…、死にたがっている。もしくは、死ぬことが決まっていること。
それからも、この森には人が来た。でも…やっぱりいつも皆来なくなるの。
その時、私は気づいた。
私が今まで、会ってきた子達は死んだ可能性が高い。
正直信じたくなかった。もしかしたら、私のせいで人が死んでるんじゃないかって。
だから、長い間人が来ないのは都合がよかった。それに、もうこれ以上私のせいで死ぬかもしれない人を見たくなかった。
でも、やっぱり一人は寂しくて孤独だった…。
………そんなとき、彼に出会った。
森に誰かが入ってくる気配がしたの。
気づくと、森に入って来た子を見に来てた。
気配のする方へ近付いていく。
そして…、そこにいたのは凄く綺麗な男の子だった。
綺麗な白金の髪にブルーグレーの瞳。その瞳はどこか寂しそうだった。
その子は、私を見て眩しそうに笑った。
彼は、リヒトいうらしい。
やはり彼も、死にたがっていた。でも、ここでいつものように私が何もせず、ただ仲良く話すだけならきっと彼は死ぬだろう。
だから私は彼とこんな約束をした。
『お互いのために生きて、お互いのために死ぬこと』
片方が死んだら、片方も死ぬ。
これが今、彼…リヒトを死なせない確実な方法だった。
・・・・
私は絶対に死なない。死なないというか、死ねないの。
私は、この森から出れない。何度も出ようとしたけど、直前で私の体は動かなくなる。
そう、出れない。なのにこの森は、全く成長しない。でもそれは私も同じ。本当に嫌になった。何十年経っても、全く変わらない景色と全く変わらない自分に。
だから私は死のうとした。でも死ねなかった。木から飛び降りても、何度も地面に頭を打ち付けて、大量の血を流しても、死ななかった。
だって私は人間じゃないから…。でも、死なないからといって死なないわけではない。
私の心臓は何度も止まったし、体が全く動かなくなったりもした。
でも、目覚めると私は生きている。もちろんどんな怪我も完治してる。
そんな永遠に終わらない、地獄のような鳥籠で私は毎日明日を待つ。
この変わらない青空を眺めながら…。
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