1 / 8
【第一章・アニヲタ、異世界ライフ開幕】
【第1話】《夢落ち》
しおりを挟む
俺の名前は大西カナメ。異世界召喚を本気で夢見るアニメオタクだ。俺の歳でこのような妄想を抱くのは自分で言うのも何だが恥ずかしい事だろう。でも賃金は高くないがちゃんと仕事に就いているので、無職のクソニートと言われては間違いである。
今日もいつもと変わらない日々。いつも通り会社が終わり夕暮れの街を1人で歩く。今日も帰ったら徹夜でアニメ見よ。あーあ、マジで異世界ライフしてみてェなぁ…。例えば近所の自販機の受け取り口から魔界に召喚されるとか、突然風が吹いてきて王都まで飛ばされるとか。誰かに気絶させられて気付けば異世界とか…。こんな漫画みたいなこと起こるわけないよな。
はぁ…。一体俺はいい歳こいてなんてくだらない妄想をしてるんだろうか。なんかすげー虚しくなってきたんですけど。大人になれよ、俺。
「あの夕日の向こうに、もう一つ世界が広がっていたら…」
思わず口に出してしまった。どうせ誰も聞いていないだろう。てか今だいぶ痛いこと言った自覚あるから聞かれたらまずいぞ…。
―その通りだ。若き青年よ―
は?聞かれた?恥っずかし。
―貴様の言うようにあの先には、我らの国メルソフィティアが存在する―
振り返るとそこには白い布を着た老人がいた。布に隠れて顔は見えない。しかし、訳あり爺さんにメルソフィティアとかいう聞いたこともない国名、このシチュエーションはまさか…
「我が国には今、とんでもない脅威が迫っているのだ。」
いやいや、正気に戻れよ。そんなことあり得るか?あれだ。多分この爺さんは俺の恥ずかしすぎる台詞に便乗してくれてるだけだ。それか頭がおかしいかの二択だ!
「悪いな爺さん。言ってみただけさ。忘れてくれ」
「貴様何を言う。まさかとは思うが信用してないのか?」
おいおい嘘だろ、まさかこの爺さん二番目の方だったの!?
「おいおい爺さん、イカれちまったのか?言い出しっぺの俺が言えた口じゃねェけどさ、あんまり適当なことは言わんほうがい」
すると爺さんは、俺に近づいてきやがった。
「そうか、なら連れてってやるわい」
爺さんが手をかざした瞬間、辺が暗くなった。
「うわっ!?真っ暗!?どこに連れていかれるんだよ??」
暗闇を抜けて、気付けば俺はある噴水の広場にいた。中世ヨーロッパ風の建物に、見たこともない文字。街人の衣装だってどこが風変わりで、おまけに何人かは猫の耳をはやしている。
間違いない、ここは誰がどう見ても異世界だ!ここは異世界だ!アニメの見過ぎである俺は頭の中でケルト音楽が流れっぱなしだ。すっかり気分は高揚!アドレナリン爆発だぜ!
「よっしゃぁぁぁ来たぜぇ!待ってろ世界!あれ、爺さん消えた?」
すると、突然後頭部に重いものを感じた。
「店前でうるせぇ!買い物しないならとっとと失せろボケ!」
店前で堅気が怒鳴ってやがる。こいつはこの店の店主だろう。しっかし痛ェなこの野郎。いくらなんでも限度ってやつがあるだろうが。
俺は立ち上がった。ほとんど理不尽に殴られた俺はイライラしていた。
「てめぇ俺を殴るとはいい度胸してんなコラ」
俺は初めて親や友人以外に喧嘩を売った。
「おうボケナス、殴られ足りねェか」
堅気は俺の喧嘩を綺麗に買い取りやがった。
「おいボケナス、俺は今ただでさえイライラしてんだ。商売の邪魔すんな」
「奇遇だな。俺も今イライラしてるんだよどこぞの野郎にぶん殴られてよォ」
「いい加減にしやがれ」
堅気は俺を殴った。俺はそれを避け…たつもりが、しっかりと食らった。
―あれ。なんか暗いな。またさっきの感覚だ。
恐る恐る顔を上げてみると、見慣れたカレンダーや給湯ポット。ここは…間違いない。俺の勤める会社の休憩室だ。
っていう事はまさか、休憩室に俺はただ寝落ちしてしまったって事か?おいおいおいおい嘘だろ…オフィスで寝落ちとか有り得ねェ。昨日徹夜でアニメ見すぎたか…てかそんなことより!
「結局夢落ちかよ!!!!!!」
(続)
今日もいつもと変わらない日々。いつも通り会社が終わり夕暮れの街を1人で歩く。今日も帰ったら徹夜でアニメ見よ。あーあ、マジで異世界ライフしてみてェなぁ…。例えば近所の自販機の受け取り口から魔界に召喚されるとか、突然風が吹いてきて王都まで飛ばされるとか。誰かに気絶させられて気付けば異世界とか…。こんな漫画みたいなこと起こるわけないよな。
はぁ…。一体俺はいい歳こいてなんてくだらない妄想をしてるんだろうか。なんかすげー虚しくなってきたんですけど。大人になれよ、俺。
「あの夕日の向こうに、もう一つ世界が広がっていたら…」
思わず口に出してしまった。どうせ誰も聞いていないだろう。てか今だいぶ痛いこと言った自覚あるから聞かれたらまずいぞ…。
―その通りだ。若き青年よ―
は?聞かれた?恥っずかし。
―貴様の言うようにあの先には、我らの国メルソフィティアが存在する―
振り返るとそこには白い布を着た老人がいた。布に隠れて顔は見えない。しかし、訳あり爺さんにメルソフィティアとかいう聞いたこともない国名、このシチュエーションはまさか…
「我が国には今、とんでもない脅威が迫っているのだ。」
いやいや、正気に戻れよ。そんなことあり得るか?あれだ。多分この爺さんは俺の恥ずかしすぎる台詞に便乗してくれてるだけだ。それか頭がおかしいかの二択だ!
「悪いな爺さん。言ってみただけさ。忘れてくれ」
「貴様何を言う。まさかとは思うが信用してないのか?」
おいおい嘘だろ、まさかこの爺さん二番目の方だったの!?
「おいおい爺さん、イカれちまったのか?言い出しっぺの俺が言えた口じゃねェけどさ、あんまり適当なことは言わんほうがい」
すると爺さんは、俺に近づいてきやがった。
「そうか、なら連れてってやるわい」
爺さんが手をかざした瞬間、辺が暗くなった。
「うわっ!?真っ暗!?どこに連れていかれるんだよ??」
暗闇を抜けて、気付けば俺はある噴水の広場にいた。中世ヨーロッパ風の建物に、見たこともない文字。街人の衣装だってどこが風変わりで、おまけに何人かは猫の耳をはやしている。
間違いない、ここは誰がどう見ても異世界だ!ここは異世界だ!アニメの見過ぎである俺は頭の中でケルト音楽が流れっぱなしだ。すっかり気分は高揚!アドレナリン爆発だぜ!
「よっしゃぁぁぁ来たぜぇ!待ってろ世界!あれ、爺さん消えた?」
すると、突然後頭部に重いものを感じた。
「店前でうるせぇ!買い物しないならとっとと失せろボケ!」
店前で堅気が怒鳴ってやがる。こいつはこの店の店主だろう。しっかし痛ェなこの野郎。いくらなんでも限度ってやつがあるだろうが。
俺は立ち上がった。ほとんど理不尽に殴られた俺はイライラしていた。
「てめぇ俺を殴るとはいい度胸してんなコラ」
俺は初めて親や友人以外に喧嘩を売った。
「おうボケナス、殴られ足りねェか」
堅気は俺の喧嘩を綺麗に買い取りやがった。
「おいボケナス、俺は今ただでさえイライラしてんだ。商売の邪魔すんな」
「奇遇だな。俺も今イライラしてるんだよどこぞの野郎にぶん殴られてよォ」
「いい加減にしやがれ」
堅気は俺を殴った。俺はそれを避け…たつもりが、しっかりと食らった。
―あれ。なんか暗いな。またさっきの感覚だ。
恐る恐る顔を上げてみると、見慣れたカレンダーや給湯ポット。ここは…間違いない。俺の勤める会社の休憩室だ。
っていう事はまさか、休憩室に俺はただ寝落ちしてしまったって事か?おいおいおいおい嘘だろ…オフィスで寝落ちとか有り得ねェ。昨日徹夜でアニメ見すぎたか…てかそんなことより!
「結局夢落ちかよ!!!!!!」
(続)
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
おばさんは、ひっそり暮らしたい
波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
『異世界に転移した限界OL、なぜか周囲が勝手に盛り上がってます』
宵森みなと
ファンタジー
ブラック気味な職場で“お局扱い”に耐えながら働いていた29歳のOL、芹澤まどか。ある日、仕事帰りに道を歩いていると突然霧に包まれ、気がつけば鬱蒼とした森の中——。そこはまさかの異世界!?日本に戻るつもりは一切なし。心機一転、静かに生きていくはずだったのに、なぜか事件とトラブルが次々舞い込む!?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
チート魔力はお金のために使うもの~守銭奴転移を果たした俺にはチートな仲間が集まるらしい~
桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。
交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。
そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。
その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。
だが、それが不幸の始まりだった。
世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。
彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。
さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。
金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。
面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。
本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。
※小説家になろう・カクヨムでも更新中
※表紙:あニキさん
※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ
※月、水、金、更新予定!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる