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【第二章・アニヲタ、少女ベルリアと出会う】
【第7話】《連行》
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という訳で、俺は今ベルリアの家に連行されている。先程ベルリアが召喚魔法で出した動物によって。
「こいつさ、なんか俺合わないかも。この世界にもアレルギーとかあんの?」
さっきからこのユニコーンみたいなのに乗っているんだけど、どうも乗り心地が悪い。
「おかしいわね、それを嫌がるのなんて魔族くらいよ」
「おい、どういうことだよ?」
「そのままの意味よ」
ねぇ、これいじめかな?人のこと魔族とか言うとか。心のセンターに電話するぞこの野郎!
「俺は人間だよ。だいたい俺が魔族なわけないでしょ」
「どうだか…」
ベルリアは淡々と語りだした。
「ユニコーンを嫌がる様子。ピストルを避けるなんていう普通じゃない戦闘技術。ネグロメトロといたこと。そして何よりさっきのイカれた魔力放出…」
「だからさ、それきっと俺じゃないって。あれだよ、君の潜在能力ってやつが覚醒したんだよ。だから自覚がないのさ。そうだ!そうだよきっと」
「あなたさっきから見苦しいわ…」
だって、信じられるかよ?こんなクソみたいなアニヲタ陰キャだぞ!底辺だぞ!人生の三軍、いいやそれ以下だぞ俺は!墜ちるところまで堕ちきったアニメオタクにそんな能力あってたまるかよ!
「でももしそれが俺だったらさ、俺最強じゃね?」
「馬鹿なこと言わないの。調子乗るんじゃないわよ」
「俺強かったらさ、そのうち魔族とか魔物とか、倒せるんじゃないの?ねね!この世界で強い魔物って何?」
「うるさいわよ全く。怒るわよ!」
なんかヒロインって言うのは怒った顔もいいもんだ。
「そうだ!思い出した!この世界って大魔王とかいんの?」
「大魔王!?何ですって!?」
ベルリアが突然ユニコーンを止めた。そしてものすごく怒った表情でこちらを見た。
「その名前だけは本気で慎みなさいよ!死ぬわよあなた!!」
え、大魔王ってそんなにやばいやつなの?名前呼ぶだけでやばいってそいつ強すぎだろ。
「まだあなた、大魔王の名前を呼ばなかっただけマシだわ。もし大魔王の名を迂闊にも口に出してしまったら、酷い目に会うわ」
「なぁ、悪いけど俺マジでなんにも知らなくてさ。さっきもただ言ってみただけなんだよ」
俺の言葉を聞いてベルリアは心の底からのため息をついた。
「あなたね、無知なら無知なりに思ったことすぐ口に出すのやめなさい」
「はい。すみませんでした…」
とりあえず悪いことしてしまったから謝らないとな。やっぱり異世界となると禁句の1つ2つってあるもんなんだな。
「でもあなた、ほんとに大魔王のこと何も知らないらしいわね。あんまり話したくないけれどここで生きていくなら常識よ。てか世界共通のはずなのに。あなた一体どこから来たのよ」
ぼやきながらも、ベルリアは説明してくれた。しかし俺は気付けば眠ってしまっていた。
ー大魔王っていう存在は遥か昔、遠く今より2500年は前になる。その時代にいた史上最恐の魔族のことよ。でも今はもういないわ。昔のこと過ぎで色々な仮説が飛び交っているけれど一番有力な説は《転生説》。大魔王は万物の何かに転生、つまり生まれ変わって今も世界の秩序を保ち続けている。という考え方。他にも《殺害説》とか《逃亡説》とか、そもそも、《不存説》とか。そもそも大魔王が存在しなかったって言う人もいる。でもこの説は大魔王にとっての侮辱と言われているわ。そんなことはどうでもいいんだけどね。ってあなた!嘘でしょ!?ー
「…グー。。。スカー。ムニャムニャ」
「人にこんな長い説明させといて寝るとかありえないわ本当に!」
ベルリアは「ぷいっ!」とそっぽを向いた。
「まぁでも仕方ないわね…。あれだけの魔力を放出しといてくたばらないほうがおかしいもの。そこまで行ったらそれこそ本物の魔族よ。でも、いかに大魔王が恐ろしい存在かは分かったはず」
森が開け、大きな屋敷が見えてくる。屋敷というか城だろう。
「さて、王宮に着いたわ」
(続)
「こいつさ、なんか俺合わないかも。この世界にもアレルギーとかあんの?」
さっきからこのユニコーンみたいなのに乗っているんだけど、どうも乗り心地が悪い。
「おかしいわね、それを嫌がるのなんて魔族くらいよ」
「おい、どういうことだよ?」
「そのままの意味よ」
ねぇ、これいじめかな?人のこと魔族とか言うとか。心のセンターに電話するぞこの野郎!
「俺は人間だよ。だいたい俺が魔族なわけないでしょ」
「どうだか…」
ベルリアは淡々と語りだした。
「ユニコーンを嫌がる様子。ピストルを避けるなんていう普通じゃない戦闘技術。ネグロメトロといたこと。そして何よりさっきのイカれた魔力放出…」
「だからさ、それきっと俺じゃないって。あれだよ、君の潜在能力ってやつが覚醒したんだよ。だから自覚がないのさ。そうだ!そうだよきっと」
「あなたさっきから見苦しいわ…」
だって、信じられるかよ?こんなクソみたいなアニヲタ陰キャだぞ!底辺だぞ!人生の三軍、いいやそれ以下だぞ俺は!墜ちるところまで堕ちきったアニメオタクにそんな能力あってたまるかよ!
「でももしそれが俺だったらさ、俺最強じゃね?」
「馬鹿なこと言わないの。調子乗るんじゃないわよ」
「俺強かったらさ、そのうち魔族とか魔物とか、倒せるんじゃないの?ねね!この世界で強い魔物って何?」
「うるさいわよ全く。怒るわよ!」
なんかヒロインって言うのは怒った顔もいいもんだ。
「そうだ!思い出した!この世界って大魔王とかいんの?」
「大魔王!?何ですって!?」
ベルリアが突然ユニコーンを止めた。そしてものすごく怒った表情でこちらを見た。
「その名前だけは本気で慎みなさいよ!死ぬわよあなた!!」
え、大魔王ってそんなにやばいやつなの?名前呼ぶだけでやばいってそいつ強すぎだろ。
「まだあなた、大魔王の名前を呼ばなかっただけマシだわ。もし大魔王の名を迂闊にも口に出してしまったら、酷い目に会うわ」
「なぁ、悪いけど俺マジでなんにも知らなくてさ。さっきもただ言ってみただけなんだよ」
俺の言葉を聞いてベルリアは心の底からのため息をついた。
「あなたね、無知なら無知なりに思ったことすぐ口に出すのやめなさい」
「はい。すみませんでした…」
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「でもあなた、ほんとに大魔王のこと何も知らないらしいわね。あんまり話したくないけれどここで生きていくなら常識よ。てか世界共通のはずなのに。あなた一体どこから来たのよ」
ぼやきながらも、ベルリアは説明してくれた。しかし俺は気付けば眠ってしまっていた。
ー大魔王っていう存在は遥か昔、遠く今より2500年は前になる。その時代にいた史上最恐の魔族のことよ。でも今はもういないわ。昔のこと過ぎで色々な仮説が飛び交っているけれど一番有力な説は《転生説》。大魔王は万物の何かに転生、つまり生まれ変わって今も世界の秩序を保ち続けている。という考え方。他にも《殺害説》とか《逃亡説》とか、そもそも、《不存説》とか。そもそも大魔王が存在しなかったって言う人もいる。でもこの説は大魔王にとっての侮辱と言われているわ。そんなことはどうでもいいんだけどね。ってあなた!嘘でしょ!?ー
「…グー。。。スカー。ムニャムニャ」
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ベルリアは「ぷいっ!」とそっぽを向いた。
「まぁでも仕方ないわね…。あれだけの魔力を放出しといてくたばらないほうがおかしいもの。そこまで行ったらそれこそ本物の魔族よ。でも、いかに大魔王が恐ろしい存在かは分かったはず」
森が開け、大きな屋敷が見えてくる。屋敷というか城だろう。
「さて、王宮に着いたわ」
(続)
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