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第3話
深夜の都内、とある高級ホテルのゲストルーム。
闇に溶け込む黒髪をした、着物姿の古風な青年がそこに入室した。
室内にはすでに3人の男と1人の少女が円卓で待機しており、青年は一気に視線の的となる。
すると突然、座っていた金髪の男が目の前のテーブルを蹴り上げた。
「遅せーぞルシファー! 2時間も遅れやがって、舐めてんのかゴルァ!!」
スパンコールのスーツを身に纏ったド派手なその男は、ドスの効いた口調で責めたてた。
「ちょっレヴィアタン、頼むから物に当たるんやめてくれへん? 片付ける身ぃになって欲しいわ」
レヴィアタンの横に座っていたマモンが呆れ顔で、逆さになったテーブルを元に戻す。
しかしレヴィアタンの怒りは収まらない。
「お前らはなぁ、日本人だからここに集まるのも楽だったかもしれねぇが、こちとらニューヨークでマフィアやってんだぞっ! この日にスケジュール合わせんのと、日本語の勉強すんのに俺様がどんっだけ苦労したか分かってんのか、ええ!?」
『高慢』のルシファーは、今にも襲いかかってきそうな勢いのレヴィアタンに涼しげな表情で答えた。
「それはすまなかったのう、嫉妬の。おぬしがこの日をどれだけ待ち望んでいたのか、よおく分かった」
「挑発してんのか、てめぇ――」
睨み合い、一歩も退かない両者に、マモンは慌てて仲裁に入る。
「ちょいお二人さんストップ! せっかく感動の再会なんやから、喧嘩はやめにしよーや」
「マモちゃんの言う通りだよ! これで最後のルーちゃんも集まったことだし記念に写メしようよ~☆ あとLINE教えてね」
ふわふわのロングヘアをしたツインテールの少女が、手にしたスマホをかざしてマモンに便乗する。
彼女の笑顔が場の雰囲気を少し和らげた。
ルシファーはやや驚いてそのあどけなさの残る少女に問う。
「おぬし……『暴食』か?」
「あったりぃ☆ ベルゼブブだよ!」
「ルシファー、元気そうでよかったわ。ウチのことも覚えてるん?」
「『強欲』のマモン。忘れるはずがあるまいて。姿形は違えど前世では同じ主君に仕え、百戦錬磨を駆け抜けた同胞。――して、嫉妬と暴食、強欲がおることはあらかじめ分かっておったが、後の2人は?」
ルシファーの問いに、マモンは首を左右に振る。
「あらゆるメディア媒体を総動員させたが、お手上げやった。皆目見当もつかへん」
「マモちゃんの能力でもダメなんじゃしょうがないよねぇ~。七つの大罪が全員集合出来なかったのはほんと残念」
「でも『怠惰』ならまだしも、『憤怒』と『色欲』が顔合わせんのはむしろ好都合や。アスモデウスの奴、まだ前世の怨みがあるみたいやからな」
ああ、とルシファーは思い出したままに口にする。
「たしか憤怒に顔焼かれてたな、色欲の」
「それねん! せやからアイツの前では憤怒の話はNGで頼んますわ」
「んなこたぁどーだっていい!!!」と、黙って貧乏ゆすりをしていたレヴィアタンが再び怒声を放つ。
「俺様は思い出話をしに来たわけじゃねーんだ。早く魔王を連れてこい、マモン。てめぇとアスモデウスがグルになって魔王を独占してたってだけで、こっちは嫉妬で気が狂いそうなんだ」
殺気のこもった目つきで、マモンを睨む。
マモンは思わず「ひっ」と叫び、とっさにルシファーの後ろに隠れる。
「呼んだかい?」
タイミングよく現れたのは、眞央をお姫様抱っこで抱えたアスモデウスだった。
「待たせたね。全員は揃っていないが、今ここに転生という波乱を乗り越え、七つの大罪が運命的に集まった。そして、ここに我らが王もいる。さぁ、今こそ僕達の願いを成就させようではないか」
闇に溶け込む黒髪をした、着物姿の古風な青年がそこに入室した。
室内にはすでに3人の男と1人の少女が円卓で待機しており、青年は一気に視線の的となる。
すると突然、座っていた金髪の男が目の前のテーブルを蹴り上げた。
「遅せーぞルシファー! 2時間も遅れやがって、舐めてんのかゴルァ!!」
スパンコールのスーツを身に纏ったド派手なその男は、ドスの効いた口調で責めたてた。
「ちょっレヴィアタン、頼むから物に当たるんやめてくれへん? 片付ける身ぃになって欲しいわ」
レヴィアタンの横に座っていたマモンが呆れ顔で、逆さになったテーブルを元に戻す。
しかしレヴィアタンの怒りは収まらない。
「お前らはなぁ、日本人だからここに集まるのも楽だったかもしれねぇが、こちとらニューヨークでマフィアやってんだぞっ! この日にスケジュール合わせんのと、日本語の勉強すんのに俺様がどんっだけ苦労したか分かってんのか、ええ!?」
『高慢』のルシファーは、今にも襲いかかってきそうな勢いのレヴィアタンに涼しげな表情で答えた。
「それはすまなかったのう、嫉妬の。おぬしがこの日をどれだけ待ち望んでいたのか、よおく分かった」
「挑発してんのか、てめぇ――」
睨み合い、一歩も退かない両者に、マモンは慌てて仲裁に入る。
「ちょいお二人さんストップ! せっかく感動の再会なんやから、喧嘩はやめにしよーや」
「マモちゃんの言う通りだよ! これで最後のルーちゃんも集まったことだし記念に写メしようよ~☆ あとLINE教えてね」
ふわふわのロングヘアをしたツインテールの少女が、手にしたスマホをかざしてマモンに便乗する。
彼女の笑顔が場の雰囲気を少し和らげた。
ルシファーはやや驚いてそのあどけなさの残る少女に問う。
「おぬし……『暴食』か?」
「あったりぃ☆ ベルゼブブだよ!」
「ルシファー、元気そうでよかったわ。ウチのことも覚えてるん?」
「『強欲』のマモン。忘れるはずがあるまいて。姿形は違えど前世では同じ主君に仕え、百戦錬磨を駆け抜けた同胞。――して、嫉妬と暴食、強欲がおることはあらかじめ分かっておったが、後の2人は?」
ルシファーの問いに、マモンは首を左右に振る。
「あらゆるメディア媒体を総動員させたが、お手上げやった。皆目見当もつかへん」
「マモちゃんの能力でもダメなんじゃしょうがないよねぇ~。七つの大罪が全員集合出来なかったのはほんと残念」
「でも『怠惰』ならまだしも、『憤怒』と『色欲』が顔合わせんのはむしろ好都合や。アスモデウスの奴、まだ前世の怨みがあるみたいやからな」
ああ、とルシファーは思い出したままに口にする。
「たしか憤怒に顔焼かれてたな、色欲の」
「それねん! せやからアイツの前では憤怒の話はNGで頼んますわ」
「んなこたぁどーだっていい!!!」と、黙って貧乏ゆすりをしていたレヴィアタンが再び怒声を放つ。
「俺様は思い出話をしに来たわけじゃねーんだ。早く魔王を連れてこい、マモン。てめぇとアスモデウスがグルになって魔王を独占してたってだけで、こっちは嫉妬で気が狂いそうなんだ」
殺気のこもった目つきで、マモンを睨む。
マモンは思わず「ひっ」と叫び、とっさにルシファーの後ろに隠れる。
「呼んだかい?」
タイミングよく現れたのは、眞央をお姫様抱っこで抱えたアスモデウスだった。
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