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王様ゲーム
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蝉の鳴き声が嫌という程聞こえる真夏、暑さの中ランニングをする毎日。挙げ句の果て合宿に来てからの猛練習、猛暑。
誰でも自分の部屋で休みたいと思うだろう。そんな中暑さで頭がやられたのか三山先輩が遊ぶといい部屋から連れ出された。
「ちょっ、先輩!わかりましたから引っ張らないでください!何やるんですか?」
「そりゃもちろん、合宿と言えば王様ゲームでしょ!」
聞いた俺が馬鹿だったのか。いかれたのかではなく、この人はもう随分前からいかれてたのを忘れていた。王様ゲームをやるんだったら寝ていたい!なんていう望みをこの人に伝えても聞き入れてはもらえないだろう。
(男同士の王様ゲームなんて何が楽しいんだ!)
と、叫んでみたところで何も変わらない。
まぁでもやってみると案外楽しいもんで俺も随分楽しんでいた。
まさか、あんな悪夢が襲ってくるなんて思いもせずに
「2番が5番に告白して、5番がフル!」
三山先輩が言った言葉を聞いて肩が震えた。
密かな望みをかけてカードを確認するがもちろん番号が変わることなんてなく、「5」の数字を恨めしく見つめるだけだった
「あ、2俺だ。」
不幸とはこう立て続けに起こるものなのか。いち早く自己申告したのは当間先輩。まさかこの人なんて…。昨日先生をからかったことの神様からの罰なのかなんて、バカみたいなこと考えてると
「5番誰だ~?」
この状況になったら“逃げたい”と思うのはきっと俺だけじゃないだろう。
でも、さっきまでさんざんほかの人のを笑いながら見てた手前今更逃げ出すことなんて許されない。
「俺です。」
「せめてフルっての変えてもらえないっすか?いくら王様ゲームつったって先輩をフルってのはちょっと…特に当間先輩ですし…」
「んじゃあ別にOKしてもいいぞ?
まぁたしかに当間をフルってのは厳しいよな~、好きにしろー」
自分で言っといて間違えた、と思った。当間先輩をフルなんて出来るわけないがそれと同等に受諾するなんて無理だ。自ら選ばさる得ない状況を作ってしまった。
俺はずっと前から当間先輩のことが好きだから。
これはもしかしたらチャンスかも知れない。
「好きだ、付き合ってくれ」
あー、あんなにも言われたかった言葉が、絶対に言われるはずのなかった言葉が聞こえる。
ほぼ衝動的に答えていた。
おそらく最初で最後の俺からのあんたへの愛の告白。精一杯の愛を載せて…
「俺もずっと前から好きでした。」
あぁなんて虚しい言葉なんだろう。
さようなら、俺の愛した人。
大丈夫、いつもみたいにヘラって笑っていればいいんだ。
「うわっ、これ照れますね。ちょっと自
分の部屋で飲み物飲んで来ます。」
堪えろ、堪えろ、誰にも見られないところまで、一人になれるところまで
憧れは恋心に代わり、恋心は涙へと変わった。
甘さと苦さ、期待と絶望を知った16の夏。
空を見上げ、呟いた
「星が綺麗ですね。」
先輩が俺の想いを知ることはない。
誰でも自分の部屋で休みたいと思うだろう。そんな中暑さで頭がやられたのか三山先輩が遊ぶといい部屋から連れ出された。
「ちょっ、先輩!わかりましたから引っ張らないでください!何やるんですか?」
「そりゃもちろん、合宿と言えば王様ゲームでしょ!」
聞いた俺が馬鹿だったのか。いかれたのかではなく、この人はもう随分前からいかれてたのを忘れていた。王様ゲームをやるんだったら寝ていたい!なんていう望みをこの人に伝えても聞き入れてはもらえないだろう。
(男同士の王様ゲームなんて何が楽しいんだ!)
と、叫んでみたところで何も変わらない。
まぁでもやってみると案外楽しいもんで俺も随分楽しんでいた。
まさか、あんな悪夢が襲ってくるなんて思いもせずに
「2番が5番に告白して、5番がフル!」
三山先輩が言った言葉を聞いて肩が震えた。
密かな望みをかけてカードを確認するがもちろん番号が変わることなんてなく、「5」の数字を恨めしく見つめるだけだった
「あ、2俺だ。」
不幸とはこう立て続けに起こるものなのか。いち早く自己申告したのは当間先輩。まさかこの人なんて…。昨日先生をからかったことの神様からの罰なのかなんて、バカみたいなこと考えてると
「5番誰だ~?」
この状況になったら“逃げたい”と思うのはきっと俺だけじゃないだろう。
でも、さっきまでさんざんほかの人のを笑いながら見てた手前今更逃げ出すことなんて許されない。
「俺です。」
「せめてフルっての変えてもらえないっすか?いくら王様ゲームつったって先輩をフルってのはちょっと…特に当間先輩ですし…」
「んじゃあ別にOKしてもいいぞ?
まぁたしかに当間をフルってのは厳しいよな~、好きにしろー」
自分で言っといて間違えた、と思った。当間先輩をフルなんて出来るわけないがそれと同等に受諾するなんて無理だ。自ら選ばさる得ない状況を作ってしまった。
俺はずっと前から当間先輩のことが好きだから。
これはもしかしたらチャンスかも知れない。
「好きだ、付き合ってくれ」
あー、あんなにも言われたかった言葉が、絶対に言われるはずのなかった言葉が聞こえる。
ほぼ衝動的に答えていた。
おそらく最初で最後の俺からのあんたへの愛の告白。精一杯の愛を載せて…
「俺もずっと前から好きでした。」
あぁなんて虚しい言葉なんだろう。
さようなら、俺の愛した人。
大丈夫、いつもみたいにヘラって笑っていればいいんだ。
「うわっ、これ照れますね。ちょっと自
分の部屋で飲み物飲んで来ます。」
堪えろ、堪えろ、誰にも見られないところまで、一人になれるところまで
憧れは恋心に代わり、恋心は涙へと変わった。
甘さと苦さ、期待と絶望を知った16の夏。
空を見上げ、呟いた
「星が綺麗ですね。」
先輩が俺の想いを知ることはない。
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