黒犬と山猫!

あとみく

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僕と黒井の、本気の「本番」

第73話:南京錠との死闘

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 ホームセンターの特大ビニールを提げて、駅に引き返す。脈拍はずっと寝坊の時みたいなそれで、おさまる気配がなかった。焦りばかりで思考が頭の上から湯気になって蒸発していく。こんなことでは、こんなことでは・・・。
 結局、全てを南京錠に絞ることにした。服装も、装備も、諸々の準備もそれからだ。まずは南京錠を開けに行き、開いたらその後のことはその時考える。開かなければ、時間を決めて諦めるしかない。そして、万が一誰かに見つかったら・・・今日のところは廃墟の写真を撮りたかったで済ませよう。あまりにみじめで愚かしいけど、何かの作業服を着てみたって、元社員に成りすましてみたって、まだあの建物について何も知らないのだし、言い訳一つ出てこないのだから仕方ない。きちんと検証すればより最適な選択肢があるのかもしれないが、もう、思いつきでも何でも出てきたものをその場その場で採用しながら、最悪を回避していくしかない。
 現場に近づくにつれて緊張は高まり、腹が痛くなってきた。ああ、トイレの問題もあったのか。通りまで戻らなければコンビニもないし、ああ、もう、今は我慢するしかない。風は強いままで、冷え込みが強まっていた。
 暗がりの中軍手をして、門扉を越える。手のひらの滑り止めのせいで少しだけ埃が剥げた気がして、早くも何がしかの痕跡を残したかと奥歯を噛んだ。今後はどこか裏手の出入り口が見つからないものか。
 立ち尽くして辺りを伺うのも省略して、さっさと先ほどの階段部分まで進む。なんだ、もう杜撰になっている!いや、でもとにかく、南京錠を開けてからだ。その後完全なマニュアルを作って、ルールを決めて、忍耐と自制心でそれを守ればいい。今はまだ、本番だけど、本番じゃないんだ。
 暗くなったせいで、階段をのぼって通用口前にしゃがみこめば、わざわざここまで来ない限り見つかる心配はなかった。警備員が懐中電灯を持って夜回りするならともかく、そうでなければ誰がここまで覗きに来るだろう。派手な音や光を出さなければ、とりあえず一晩ここでじっとしていても、何も起こるまい。
 少しだけ、落ち着いた。風でビニール袋がガサガサと鳴るので、中をコンクリートの上に出し、袋はポケットにしまった。
 ・・・。
 全然、見えないな。
 買ったペンライトを開ける。ああ、プラスチックの包装カバーを外すのがこんなに手間だとは。店の前で全部開けて、ゴミも捨てて、電池とかもセットしてくるんだった。力任せに破ってパッケージのホッチキスの芯ひとつ飛んでいったら、この暗闇で探すのは無理だ。ふむ、素人に完全犯罪は難しいな、それなりに準備をしなければ、その場しのぎの証拠隠滅など更なる証拠を増やすだけのような気がする。
 風で、コンクリートに出した軽いものが飛んでいきそうになった。慌てて足で踏みつける。もういい。僕は完全犯罪の侵入者なんかじゃない。このかわいそうな不細工猫を中に入れてやるために雇われた、臨時の鍵屋だ。日曜のこんな時間に出張させられて、明かり一つない、折りたたみ椅子一つない、まともな工具箱すらない環境で、タダ働きさせられているんだ。
 ああ、脈拍が、下がっていく。
 そうだ、それがお似合いだ。深呼吸を一つして、目を凝らして金属の棒の小さなビニールを探した。

 三十分くらい、経っただろうか。
 手が、腕が。
 疲れた。
 手元で錠を好きに傾けながら出来るわけじゃないんだよね。中腰で、鎖をガチャガチャいわせないように注意しながら、もうペンライトも意味をなさず、もどかしくて右手は軍手を外してしまった。あとで丁寧に指紋を拭き取らなくては。
 とにかく、姿勢がきつい。体勢が、定まらない。何度も裏の窓を石で割って入ろうかと思ったが、どうもそのやり方は気に食わなかった。いらいらして再び痛くなる腹を拳で殴りつけながら、屈伸をして作業を続ける。
 とにかく、冷えた。
 カイロを持ってきたのは正解だが、しかし、ポケットカイロ一つで何がどうなるものでもなかった。腹や背中に突っ込んでも部分的に熱くなるばかりでいけないし、ジャンバーのポケットはもうビニールや包装紙や小さなゴミで一杯で、どうにも出来なかった。本当は何より手を温めたいが、五分に一度握りしめても付け焼刃だった。
 もはや感覚のない指で、棒をつかむ。落とすと小さくキン、と跳ね、探すのが、大変なんだ。左手で南京錠と、鍵穴のすぐのところの出っ張りを押さえ込んで固定している棒をを握り、右手のもう一本の棒の先でつつき回す。何かそれらしい出っ張りに触れてはいるのだが、力を込めても押しきれない。棒がすべって、人差し指の、ちょうど以前切ったあたりがくっきり凹んでいた。
 段ボールの上にタオルを敷いて座り込む。床の冷たさは否応なく浸食してくるが、気休め。かゆいところに手が届かないようなもどかしい苛立ちが募り、何度か苦いため息をついた。何もないならともかく、もう少しで、出来そうなのだ。任務を遂行して、こんなところおさらばして、温かいものでも食いたい。また腹が減ってきた。肉まんが、ラーメンが、牛丼が、食いたい!
「・・・っ!」
 勢い余って棒がすべり、軍手を突き破って左の手のひらに刺さった。一ミリか二ミリほど、ずる、と引き抜く。痛みというよりは、何が起きたかを想像して、胃が持ち上がる感覚。しかし慌てて手を離して鎖をじゃらじゃらいわせることもなかったし、棒を取り落とすこともなかった。二、三秒沈黙し、そのまま作業を続けた。
 この間の、ホッチキスの芯が刺さった藤井の手を思い出した。うん、バンドエイドを、用意すべきだ。手洗いなんかの前に貼ってしまった方がいい。藤井の言うとおりだ。
 こんなことで垂れるほど血は出ていないだろうが、たった一滴からでもルミノール反応は出るし、拭いても、水で流しても、消えないのだ。もちろんそんな捜査が行われることはないだろうが、数々の現代ミステリに慣らされた頭では、指紋や血液を現場に残すなど考えられないタブーだった。そういえばこんなに風が強いのに帽子ひとつかぶらず、髪が吹きさらされている。ええい、だから、南京錠を開けるまでだ!
 ・・・あ。
 あ、あ、だめだ、ここだ。
 力を込める。取り逃したら、やり直しだ。ここで慎重になりつつ大胆に、踏み外さず、押す・・・。
 焦るな、たぶんこれで合っている。
 このまま、ぐっと、えい!
 ・・・ずるり。
 力任せに押してすべった指が南京錠の底にぶち当たる。金属の鋭い角に切られ、皮膚が裂けたようだった。棒の分だけ凹んだところが災難を免れ、不自然に途切れている。血まみれ、ってこともないから、それ以上目を凝らすのをやめて、落ちた棒を探した。冷たくて感覚がないのが幸いし、鈍く疼くだけだった。
 棒が、見つからない。
 一度座り込んでしまうと、放心した。
 もうだめだろ、こんなの。
 鼻から冷たい空気を吸い込む。タバコが吸いたい。思い出すと舌の上に苦みがよみがえった。もう、一服して眠りたい。こんなところで、何をやってるんだろう。
 ちょっとやったことがあるからってひけらかして、かっこ悪いったらない。浮かれてただけだ。黒井が持ち上げるから、いい気になったりして。あいつが彼女を作りにいってしまわず、僕なんかにつきあうから、このざまだ。何も言わず、一緒に窓を割って入って警報かなんか鳴って、笑いながら逃げ出せばよかったんだ。したり顔でそれらしい計画持ち出したりして、なりきってこんなに買い物したりして、馬鹿みたい。
 ・・・はあ。
 言い訳しても、仕方ないか。
 とにかく会社は休めないから、リミットは夜明けまで。腕時計を見ても何時なのかよく分からなかったが携帯を出すのにも腕が疲れて、動かせなかった。
 ・・・何時でもいい、夜明けまで頑張るだけだ。今、自分の人生で出来ることはそれだけであり、言い訳している暇もないはずだ。
 ・・・本気。
 本気になると、人生の縮図が襲ってくるんだな。それらしい言い訳と自嘲で先延ばしにするいつもの自分。理屈がつくまで言い訳をやめず、しかしやめてもまだ始めない。・・・今、か。こうやって考えてる今、手を動かすのか。ああ、分かったよ、もう一度手を伸ばすよ。
 重すぎる腰を上げて尻の下のタオルを取り、扉の前にたたんで敷いた。そこに膝をついて、さっきと姿勢を変えて臨む。宝くじと同じだ。買わなきゃ当たらないし、棒を突っ込まなきゃ鍵も開かない。
 ・・・あ、棒か。
 夜明けまでやるかと思ったら、なくした棒を探すのはあとにして、新しい棒を出すことにした。十五本も入ってるから、大丈夫なんだ。
 痛めた右手に軍手をはめて、軍手の滑り止めのつぶつぶにしっかり棒を乗せて、再度穴を探り始める。何だか、自分のへそをほじくっているようなキリキリしたざわつき。息を吐ききって止め、思考とイメージを追いやった。しばらくは深い呼吸に合わせて出し入れを繰り返した。

 たぶん、もう、二時間くらい、やってるだろうか・・・。
 もう頭ももうろうとして、意志の力でやめなくても思考は紡がれることもなかった。こんなところでこんなことをする必要もないのに、しかしやりかけたことを途中で投げたくないという、それは執念とか信念というより、ただ生理的なものだけが自分をここにとどめていた。根本は、皿一枚残して洗い物をやめるくらいなら、どのくらいまでのことを我慢するか、という、その自分の神経だった。ふらついたり、頭痛がしたり、足がつるくらいでは諦めるはずもない。心臓発作で倒れてしまえばやりようもないが、立っていられるのなら、包丁がすっ飛んできて腕を切っても、まずは洗い終える方に目がいくだろう。
 だから、いつも臨機応変に、柔軟に対応できないんだけど。
 今やっていたことをやめられなくて、誰かに任せることも出来なくて、全部背負ったまま置いていかれる。それは偉いとか責任感があるとかではなくて、知識でも能力でもない、ただ神経の問題だった。
 極限に近づくほど、付け焼き刃の知識などは剥がれて、結局は芯の部分だけで戦うことになる。
 ・・・。
 なら、もう少し、出来るんだろうな。
 出来ないことは、焦れば焦るほど更に出来なくなる。でも、出来ることだったら、焦ろうが死にかけようが、たぶん最低エネルギー量で出来るんだ。
 何かが、確信に変わって。
 目を閉じて、こじ開けようという気持ちも、どこの構造がどうなっていたかという記憶も忘れて、ただ、押せそうなものを、押した。
 それまで頑なにU字であったものが、J字になりつつあるというイメージが浮かんだ。
 手の痛みも腰や背中の痛みも何もかもが消えていった。右手の棒を、今まで行ったことがない方向へ、押した。
 ・・・上がった。
 錠を握った左手をゆっくり、下に引いて、押し下げていく。鎖がぴんと張って、そこから更にぐいと下げて、ひねると、金属のこすれるキキキ、という感触とともに、Jを、ひねれた。
 ・・・あ、あ、開いた!!!
 僕は声には出さず、金魚のように口をぱくぱくと開いた。あいた、あいた、自分で、開けた・・・!たぶん僕は人生で一番というくらい喜んだ。これに比べれば、受験がなんだ、契約がなんだ。自分の手で鍵一つ開けないで、何の人生だ!右の拳を握りしめ、歓喜した。ああ!もう!これで!
 ・・・これで何だか、先は分からなかったが、僕は目頭を押さえて笑いをかみ殺し、ゆっくり、音をさせないよう細心の注意を払いながら、扉を閉ざしている鎖を解いていった。


・・・・・・・・・・・・・


 携帯を見ると、22:54だった。ここに来たのはいったい何時なんだろう。そんなことすら見ていなかったとは、杜撰すぎる。あはは、今後は絶対、一部の隙もなく動いてやる。だって、開いたんだもん。ねえ、クロ、お前が力任せに石を投げる前に、俺が開けたんだよ!
 さて。
 とにかく最大の目的は遂げたのだから、あとはスマートに帰らなくては。まだ調べることも、用意するものもたくさんある。今日、何時に寝れるかな。
 まずは鎖と南京錠を、用意した小さめの段ボールに入れた。じゃらっと一気に入れたりせず、鎖を蛇のように慎重に持ち上げて、とぐろを巻いて箱に移す。錠を開けるのに比べれば、踊りだしたくなるほど楽しい作業だ。
 あ、・・・右手の軍手を、してなかった。
 南京錠だけ拭き取ればいいと思っていたら、鎖を全部は、ちょっと大変だ。・・・もう、いいか。これは、もらっていくか。不法侵入に窃盗も加わるけど、同等かそれ以上の品を設置しておけば、敷金だって返ってくる・・・うん、民法じゃないからだめかな。
 とにかく鎖はまたホームセンターで、手袋をしたまま買ってこよう。とりあえずこれからの一週間、毎日つけたり外したりは面倒だし、音がでるリスクもあるし、なくても気づかれることもあるまい。むしろ新しく施錠されてたらまずいってことだ。
 僕は立ち上がって背伸びをし、腰に手を当てて後ろに反り返った。バキバキと骨が鳴る。疲れたけど、もう、いいんだ。ああ、ちょっと、もう負けてもいいって思ってしまった。気が緩むと勝利は遠ざかるな・・・。
 勝ったら、どうするのか、じっくり考えたい気持ちを押しやって、ナップザックから不細工な猫を出した。駒と、宝を隠せば、今日のところは終了だ。
 ひとまず猫をつかみ、ライトは尻ポケットに入れ、僕はきちんと軍手をした右手で扉の取っ手をゆっくりと回した。
 一番下まで回し、ひと呼吸置いて手前に引く。
 ・・・無音で、開いた。
 しかし喜びもつかの間、途中からキイィーと音が響き、思わず足がすくんだ。大丈夫、近所の人が何事かと思うほどの音など、出ていない。大したことじゃない。
 内側に。すべりこんだ。
 今度は素早くパタンと閉じる。
 ・・・建物に、侵入、した。
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