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王国 処刑編

逃亡者、少女に会いにいく

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僕はメイドの少女に会いに行く。

なぜ行かないといけないのかはこのまま少女が生きているとおかしいからだ。
国王は少女が遅効性の猛毒を飲んだと思っている。
そんな少女が次の日になっても元気に歩いていたらおかしいと思うだろう。
それに毒によって死んだことが露見すると僕の言った通りワインに毒が入っていたことになってしまう。そうならない為に他の方法で少女を始末するかもしれない。

そう。僕はメイドの少女を助けに行くのだ。


僕は少女を探す為に適当に目についたドアをノックする。

コンコン、

「はい、どうぞ」

無用心だな。誰か確認もせずに中に入れたぞ。僕の知らない魔法から何かで確認したのかもしれないけど……

僕はドアを開けて部屋の中に入る
部屋の中にはあの時の少女がいた。服はメイドじゃ無くなってパジャマみたいな私服になってる。
さすが宝くじを2連続で当てるほどのLUKの高さだ。たまたま部屋を当てるくらいのことは動作もないな。

「っ!えっ、えっ?だだだ誰ですか?」

少女は僕を見てめっちゃ動揺している。
やっぱり確認せずに中に入れたんだな

「僕は影宮灰人。食堂で僕のせいであなたに毒見させてしまったから謝罪に来たんです、驚かせてしまってすいませんでした。お名前を聞いてもいいですか?」

「い、いえ大丈夫です。私はミアです。それよりもどうして私の部屋を知ってるんですか?」

無用心に部屋に入れたわりに鋭いな。

「たまたまあなたが部屋に入って行くのが見えただけですよ」

僕は苦しいかなと思いながら言い訳をする。

「あ、そうでしたか」

うん。この子チョロいな。これが噂のチョロインか…。どうでもいい事を考えていると

「謝罪は受け取りました。要件はそれだけですか?」

これで帰ったらきた意味がない。

「聞きたい事があるんだけどいいかな?」

「構いませんよ」

ミアは首を傾げながら了承する

「例え話なんだけど、Aさんの食べ物に毒を入れて人にを殺そうとしたBさんがいて、AさんはBさんが毒を入れた食べ物を毒見するようにいいました。当然毒が入っているのを知っているBさんは代わりに部下のCさんに毒見させました。この光景を沢山の人が目撃しています。毒が遅効性の猛毒だった場合Bさんはどうするでしょうか?」

ミアは最初顎に手を当てて「クイズですか?私得意ですよ」と楽しんでいたが、次第に顔から表情が抜ける。

「えっ、これ私のこと…」

少女は気づいてくれたようだ。

「えぇ、正解です。実際は少し違いますが。話を戻しますね。国お…いやここではBさんとしますか。Bさんはこの後どうすると思いますか?」

「……私、殺されちゃう」

「僕もそう思います。これで毒で死んだ場合Bさんが毒を盛ったのが周全の事実になってしまいますからね。僕がBさんの立場だったら何か事故か事件に巻き込まれたことにして始末します」

「私どうしたらいいの?」

「僕を信じて下さい。そしたらあなたは助かります。ちなみにさっきの例え話と少し違うところはあなたは毒を飲んでいません。」

「え?私まだ助かるの?信じればいいの?毒を飲んでないってどう言う事?」

ミアは混乱している。

「落ち着いて下さい。毒は僕が消しました。方法は今は言えませんがあなたが僕を信じて身を任せてくれれば命は助けると約束します。その後どうするかはあなた次第ですが出来れば僕達の仲間になって欲しい。」

「そうね。私を殺そうとする事が実際に起きて、そこから私を本当に助けてくれたならあなたの仲間になるわ。殺されそうになった時点でどっちにしろ私に帰るところはないし…」

よし!協力が得られたな。

「それじゃあミアには死んでもらう事にしよう」

「えっ…?」




部屋のドアが音もなく開けられる。
中に深くフードを被った男が入ってくる。そしてベッドに近づきミアの顔を確認すると胸にナイフを突き立てる。
胸が赤く染まる。フードの男はミアが息をしていない事を確認して部屋から出て行く。


「もう出てきていいよ」
僕はカーテンの裏から出ると声を掛ける。

「本当に私が殺されてしまいました…」

ミアは呆然として微かに震えている

「君の言う通りなら明日これは土葬される。そしたら君が生きているとは誰も思わない。」

僕は赤く染まったミアを鑑定する

ミアの遺体
胸にナイフが刺さっている。

うん、問題ないな。

当然だがミアが2人に増えたわけではない。
[偽装]スキルでミアの死を偽装した。

偽装前の鑑定結果はこうだった

木の人形
デッサン用の人型模型。各種ポーズを取るために関節が曲がる。等身大サイズ

偽装スキルはかなり使えるな。ただの人形が本物の人間にしか見えない。

「大丈夫?これで死なずに済むね。本当によかったよ…」

僕はミアに声を掛ける

「はい…。本当に自分が殺されるのを目の前で見ることになるとは思いませんでした。人形とわかってても二度と見たくないです。」

「そうだね。僕も見たくないや。ミアはこれからどうする?僕達の仲間になってくれると嬉しいけど王国とは敵対する事になる。強要はしないし断っても君が城から逃げるまでの手伝いはする。」

ミアに尋ねる

「ありがとう。先に約束してた通り仲間になるわ。よろしくね」

ミアが仲間に加わった。
僕の頭の中に某有名RPGのBGMが流れる。

「ミアは委員長に匿ってもらおうと思うんだけどいいよね?」

「知らない人は怖いから、一緒がいい」

……チョロインが過ぎる
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