28 / 75
降伏
しおりを挟む
ルマンダ侯爵視点
愚王と争うべく、戰の準備を進めていた私の元に、大慌てで兵士が入ってきた。
こいつは見張りをやらせていた者だな。
「至急お伝えしなければならないことがあります」
「王国に何か動きでもあったのか?」
私は王国に何か動きあり、慌てて報告に来たのだと思った。
「違います。フェレス・ファウスト様が攻めてきました。フェレス様は侯爵様と国王が争うことが気に入らないそうです」
フェレス・ファウストだと……、この忙しい時にあの異常者が……!
帝国も何故あのような男を寄越すんだ。
「相手は何人だ?千か……二千か?」
「いえ、見える限りだと2人です。それと狐が一匹。それからフェレス様は帝国は関係ないと言っておられました」
「ふざけるな!私が忙しいことくらいお前にもわかるだろう。追い返せ!」
フェレス・ファウストが頭のいかれた魔導士だったとしても、あそこに配備していた兵士でなんとかなっただろう。
「私にはどうしようもありません。あれは化け物です。侯爵様にはあの火球が見えませんでしたか?あそこに配備されていた兵は私を残して皆、闇に飲み込まれていきました。近くに住んでいた領民もです。何が起きたのかさえわかりません。フェレス様は2日だけ待つと言っていました。降伏するなら侯爵様自らが来るようにとのことです。……来られないなら侵略を開始するそうです」
まさか、あの火球がフェレス・ファウストの仕業だと言うのか……。
深淵の樹海に住むドラゴンか何かが放ったものとばかり思っていたが……。
あんなものが放たれたら街が一瞬で蒸発する。
しかし、脅されたからと降伏するわけにはいかない。
「報告ご苦労。下がってよい」
私は王国と戦う為に集めていた兵をぶつけることにする。
何がしたいのか分からないが、先程の話が本当で、あの火球を放てるほどの力があるなら、こちらの最大の戦力を当てるしかない。
「最後にもう一つだけ失礼します。フェレス様は逃げる事は許さないと言っておりました。現在領地を闇が囲っているようです。闇に触ると飲み込まれる可能性が高いと思われます。お気をつけ下さい」
意味不明だが、厄介そうな事だけ言って下がっていった。
私の最大戦力である兵達をすぐに向かわせたが、いつまで経っても戻ってこない。
私のところに来るのは、領地の外に出ようとした者たちが黒い地面に飲み込まれたという報告だけだ。
本当に逃げ道を塞がれているようだ。
しばらくして、街が壊滅したとの報告を受ける。
フェレス・ファウストは私の元へ近づいて来ているらしい。
街を滅ぼしながら……。
私は伝令を出すことにする。
何を考えているのか、こちらには貴殿と争う気がないことを記して持たせる。
3人で向かわせたはずなのに、戻って来たのは1人だけだった。
「侯爵様の書状は読まれることなく燃やされました。侯爵様以外の者が来たから戦いに来たのだと判断したと言われ、私は伝言役だと生かされました。領民が全員死ぬか、侯爵様自らが出向き降伏するか選べとのことです」
「報告ご苦労。下がってよい」
私はフェレス・ファウストの元へと向かう決断をした。
――――――――――――――――――――――
マオ視点
誰もいなくなった街で時間を潰していると、豪華な馬車がやってきた。
「あれがルマンダ侯爵だ」
降りてきた初老の男性がルマンダ侯爵だとフェレスさんに教えてもらう。
「ルマンダ侯爵、やっと降伏する気になりましたか?」
フェレスさんが侯爵に問いかける。
「フェレス殿にお尋ねしたい。何故このようなことをするのだ?」
「主であるマオ様が王国の内乱を望まないからだ。侯爵は降伏しにきたのか、それとも自ら戦いに来たのかどちらだ?」
「……降伏する。これ以上の犠牲は出させないでくれ」
「賢明な判断だな。マオ様の配下となることを許す」
ん……?
何故かルマンダ侯爵を僕の配下にさせようとしてないかな?
「ルマンダ侯爵を配下に加えるなんて聞いてませんよ」
僕はフェレスさんに小声で言う。
「なら始末するか?そうするとこの地を治めるものがいなくなるがいいのか?」
「僕としては内乱が無くなればそれでいいんですけど……」
「せっかく侵略したんだ。今後、王国と対峙することになった時に、この地を得ておくのは悪くないはずだから、もらっておくべきだ」
「でもここって王国の領地ですよね?」
国王と侯爵が対立しているとしても、ここが王国の領土であることには変わりない。
「先日も言ったが、現在王国は財政難のはずだ。この地は広さこそあれど、場所としての重要度は低い。魔族と戦を構えようとしているなら、この地が奪われても無視される可能性は高いだろう。侯爵家とのいざこざが無くなって喜ぶくらいだと思うがな」
フェレスさんがそう言うなら、それでいいか。
「わかりました。そうしましょう」
「待たせたな。配下になるか、死ぬか選べ」
「マオ様というのはそこの少年のことか?」
「そうだ」
「フェレス殿は何故その少年に仕えるのだ?」
「私の目的の為だ。マオ様に仕えることは私の夢を叶えることに繋がる」
フェレスさんは深淵を覗く為に僕の元で働いてくれているからなぁ。
侯爵にはちゃんと伝わらないだろうなぁ。
「……わかった。フェレス殿がそこまで言うのだ。私も配下に加わろう。私は何をすればいい?」
絶対に勘違いしている。
でも都合はいいので、勘違いしたままでいてもらおう。
「この地はマオ様が治める最初の地となる。その地をマオ様の代わりに治めることを許す。まずは城を建てよ。マオ様の力をこの世界に知らしめるのだ」
「はっ!」
なんだか、規模が大きくなってきた。
城を建てるとか、そんなの聞いてないんだけど……。
「マオ様は寛大なお方だ。争いを好まぬ。故に今回の事に及んだ」
フェレスさんが言った事に対して、侯爵は信じられないという顔をしている。
これだけの人を殺しておいて、よくそんな事が言えるな!と言いたげである。
「今回の侵略で、こちらはもちろん、そちらにも犠牲は出していない」
フェレスさんが合図をすると、飲み込まれていた人が地上に浮き上がってくる。
皆、意識を失っているが、命は落としていないはずだ。
「見ての通りだ。もちろん命を奪う事も出来た。しかしマオ様がそれを望まなかった。この者達が生きているのはマオ様の温情によるものだ。その意味をよく考えて、マオ様の為に残りの人生を捧げよ」
「はっ!この命、マオ様に捧げます」
なんだか重い。
どんどんと話が大きくなっていく。
確かに配下にしないと、またいつ侯爵が内乱を起こすかわからないから、必要なのはわかるけど、やり過ぎな気がしてならない。
でも、結果としては侯爵が僕の下に付いただけで、何も変わらない。
侯爵が王国の貴族でなくなり、ただのルマンダさんになったわけだけど、それは僕達に関係なく爵位を返上していたみたいだし、ルマンダさんは引き続きこの地を治める。
この地に住む人達に恐怖を植え付けただけだ。
実際には誰一人として犠牲にしていないのだから、許して欲しい。
愚王と争うべく、戰の準備を進めていた私の元に、大慌てで兵士が入ってきた。
こいつは見張りをやらせていた者だな。
「至急お伝えしなければならないことがあります」
「王国に何か動きでもあったのか?」
私は王国に何か動きあり、慌てて報告に来たのだと思った。
「違います。フェレス・ファウスト様が攻めてきました。フェレス様は侯爵様と国王が争うことが気に入らないそうです」
フェレス・ファウストだと……、この忙しい時にあの異常者が……!
帝国も何故あのような男を寄越すんだ。
「相手は何人だ?千か……二千か?」
「いえ、見える限りだと2人です。それと狐が一匹。それからフェレス様は帝国は関係ないと言っておられました」
「ふざけるな!私が忙しいことくらいお前にもわかるだろう。追い返せ!」
フェレス・ファウストが頭のいかれた魔導士だったとしても、あそこに配備していた兵士でなんとかなっただろう。
「私にはどうしようもありません。あれは化け物です。侯爵様にはあの火球が見えませんでしたか?あそこに配備されていた兵は私を残して皆、闇に飲み込まれていきました。近くに住んでいた領民もです。何が起きたのかさえわかりません。フェレス様は2日だけ待つと言っていました。降伏するなら侯爵様自らが来るようにとのことです。……来られないなら侵略を開始するそうです」
まさか、あの火球がフェレス・ファウストの仕業だと言うのか……。
深淵の樹海に住むドラゴンか何かが放ったものとばかり思っていたが……。
あんなものが放たれたら街が一瞬で蒸発する。
しかし、脅されたからと降伏するわけにはいかない。
「報告ご苦労。下がってよい」
私は王国と戦う為に集めていた兵をぶつけることにする。
何がしたいのか分からないが、先程の話が本当で、あの火球を放てるほどの力があるなら、こちらの最大の戦力を当てるしかない。
「最後にもう一つだけ失礼します。フェレス様は逃げる事は許さないと言っておりました。現在領地を闇が囲っているようです。闇に触ると飲み込まれる可能性が高いと思われます。お気をつけ下さい」
意味不明だが、厄介そうな事だけ言って下がっていった。
私の最大戦力である兵達をすぐに向かわせたが、いつまで経っても戻ってこない。
私のところに来るのは、領地の外に出ようとした者たちが黒い地面に飲み込まれたという報告だけだ。
本当に逃げ道を塞がれているようだ。
しばらくして、街が壊滅したとの報告を受ける。
フェレス・ファウストは私の元へ近づいて来ているらしい。
街を滅ぼしながら……。
私は伝令を出すことにする。
何を考えているのか、こちらには貴殿と争う気がないことを記して持たせる。
3人で向かわせたはずなのに、戻って来たのは1人だけだった。
「侯爵様の書状は読まれることなく燃やされました。侯爵様以外の者が来たから戦いに来たのだと判断したと言われ、私は伝言役だと生かされました。領民が全員死ぬか、侯爵様自らが出向き降伏するか選べとのことです」
「報告ご苦労。下がってよい」
私はフェレス・ファウストの元へと向かう決断をした。
――――――――――――――――――――――
マオ視点
誰もいなくなった街で時間を潰していると、豪華な馬車がやってきた。
「あれがルマンダ侯爵だ」
降りてきた初老の男性がルマンダ侯爵だとフェレスさんに教えてもらう。
「ルマンダ侯爵、やっと降伏する気になりましたか?」
フェレスさんが侯爵に問いかける。
「フェレス殿にお尋ねしたい。何故このようなことをするのだ?」
「主であるマオ様が王国の内乱を望まないからだ。侯爵は降伏しにきたのか、それとも自ら戦いに来たのかどちらだ?」
「……降伏する。これ以上の犠牲は出させないでくれ」
「賢明な判断だな。マオ様の配下となることを許す」
ん……?
何故かルマンダ侯爵を僕の配下にさせようとしてないかな?
「ルマンダ侯爵を配下に加えるなんて聞いてませんよ」
僕はフェレスさんに小声で言う。
「なら始末するか?そうするとこの地を治めるものがいなくなるがいいのか?」
「僕としては内乱が無くなればそれでいいんですけど……」
「せっかく侵略したんだ。今後、王国と対峙することになった時に、この地を得ておくのは悪くないはずだから、もらっておくべきだ」
「でもここって王国の領地ですよね?」
国王と侯爵が対立しているとしても、ここが王国の領土であることには変わりない。
「先日も言ったが、現在王国は財政難のはずだ。この地は広さこそあれど、場所としての重要度は低い。魔族と戦を構えようとしているなら、この地が奪われても無視される可能性は高いだろう。侯爵家とのいざこざが無くなって喜ぶくらいだと思うがな」
フェレスさんがそう言うなら、それでいいか。
「わかりました。そうしましょう」
「待たせたな。配下になるか、死ぬか選べ」
「マオ様というのはそこの少年のことか?」
「そうだ」
「フェレス殿は何故その少年に仕えるのだ?」
「私の目的の為だ。マオ様に仕えることは私の夢を叶えることに繋がる」
フェレスさんは深淵を覗く為に僕の元で働いてくれているからなぁ。
侯爵にはちゃんと伝わらないだろうなぁ。
「……わかった。フェレス殿がそこまで言うのだ。私も配下に加わろう。私は何をすればいい?」
絶対に勘違いしている。
でも都合はいいので、勘違いしたままでいてもらおう。
「この地はマオ様が治める最初の地となる。その地をマオ様の代わりに治めることを許す。まずは城を建てよ。マオ様の力をこの世界に知らしめるのだ」
「はっ!」
なんだか、規模が大きくなってきた。
城を建てるとか、そんなの聞いてないんだけど……。
「マオ様は寛大なお方だ。争いを好まぬ。故に今回の事に及んだ」
フェレスさんが言った事に対して、侯爵は信じられないという顔をしている。
これだけの人を殺しておいて、よくそんな事が言えるな!と言いたげである。
「今回の侵略で、こちらはもちろん、そちらにも犠牲は出していない」
フェレスさんが合図をすると、飲み込まれていた人が地上に浮き上がってくる。
皆、意識を失っているが、命は落としていないはずだ。
「見ての通りだ。もちろん命を奪う事も出来た。しかしマオ様がそれを望まなかった。この者達が生きているのはマオ様の温情によるものだ。その意味をよく考えて、マオ様の為に残りの人生を捧げよ」
「はっ!この命、マオ様に捧げます」
なんだか重い。
どんどんと話が大きくなっていく。
確かに配下にしないと、またいつ侯爵が内乱を起こすかわからないから、必要なのはわかるけど、やり過ぎな気がしてならない。
でも、結果としては侯爵が僕の下に付いただけで、何も変わらない。
侯爵が王国の貴族でなくなり、ただのルマンダさんになったわけだけど、それは僕達に関係なく爵位を返上していたみたいだし、ルマンダさんは引き続きこの地を治める。
この地に住む人達に恐怖を植え付けただけだ。
実際には誰一人として犠牲にしていないのだから、許して欲しい。
1
あなたにおすすめの小説
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
文字変換の勇者 ~ステータス改竄して生き残ります~
カタナヅキ
ファンタジー
高校の受験を間近に迫った少年「霧崎レア」彼は学校の帰宅の最中、車の衝突事故に巻き込まれそうになる。そんな彼を救い出そうと通りがかった4人の高校生が駆けつけるが、唐突に彼等の足元に「魔法陣」が誕生し、謎の光に飲み込まれてしまう。
気付いたときには5人は見知らぬ中世風の城の中に存在し、彼等の目の前には老人の集団が居た。老人達の話によると現在の彼等が存在する場所は「異世界」であり、元の世界に戻るためには自分達に協力し、世界征服を狙う「魔人族」と呼ばれる存在を倒すように協力を願われる。
だが、世界を救う勇者として召喚されたはずの人間には特別な能力が授かっているはずなのだが、伝承では勇者の人数は「4人」のはずであり、1人だけ他の人間と比べると能力が低かったレアは召喚に巻き込まれた一般人だと判断されて城から追放されてしまう――
――しかし、追い出されたレアの持っていた能力こそが彼等を上回る性能を誇り、彼は自分の力を利用してステータスを改竄し、名前を変化させる事で物体を変化させ、空想上の武器や物語のキャラクターを作り出せる事に気付く。
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
俺たちYOEEEEEEE?のに異世界転移したっぽい?
くまの香
ファンタジー
いつもの朝、だったはずが突然地球を襲う謎の現象。27歳引きニートと27歳サラリーマンが貰ったスキル。これ、チートじゃないよね?頑張りたくないニートとどうでもいいサラリーマンが流されながら生きていく話。現実って厳しいね。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
氷弾の魔術師
カタナヅキ
ファンタジー
――上級魔法なんか必要ない、下級魔法一つだけで魔導士を目指す少年の物語――
平民でありながら魔法が扱う才能がある事が判明した少年「コオリ」は魔法学園に入学する事が決まった。彼の国では魔法の適性がある人間は魔法学園に入学する決まりがあり、急遽コオリは魔法学園が存在する王都へ向かう事になった。しかし、王都に辿り着く前に彼は自分と同世代の魔術師と比べて圧倒的に魔力量が少ない事が発覚した。
しかし、魔力が少ないからこそ利点がある事を知ったコオリは決意した。他の者は一日でも早く上級魔法の習得に励む中、コオリは自分が扱える下級魔法だけを極め、一流の魔術師の証である「魔導士」の称号を得る事を誓う。そして他の魔術師は少年が強くなる事で気づかされていく。魔力が少ないというのは欠点とは限らず、むしろ優れた才能になり得る事を――
※旧作「下級魔導士と呼ばれた少年」のリメイクとなりますが、設定と物語の内容が大きく変わります。
親友と婚約者に裏切られ仕事も家も失い自暴自棄になって放置されたダンジョンで暮らしてみたら可愛らしいモンスターと快適な暮らしが待ってました
空地大乃
ファンタジー
ダンジョンが日常に溶け込んだ世界――。
平凡な会社員の風間は、身に覚えのない情報流出の責任を押しつけられ、会社をクビにされてしまう。さらに、親友だと思っていた男に婚約者を奪われ、婚約も破棄。すべてが嫌になった風間は自暴自棄のまま山へ向かい、そこで人々に見捨てられた“放置ダンジョン”を見つける。
どこか自分と重なるものを感じた風間は、そのダンジョンに住み着くことを決意。ところが奥には、愛らしいモンスターたちがひっそり暮らしていた――。思いがけず彼らに懐かれた風間は、さまざまなモンスターと共にダンジョンでのスローライフを満喫していくことになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる