16 / 43
15.複雑な感情
着替えていると、スマホに店長から着信がきた。
「はい」
「あ、悠希?バイトまで暇ならメシ付き合ってよ」
「良いですよ。どこ行けば良いですか?」
「マンションの下」
「えっ?!」
電話を切った俺は、カバンを掴むと急いでマンションの下に向かった。そこには、車の横に立っている諒さんがいた。
「すみません、お待たせしました」
「そんなに急がなくても良かったのに」
「でも…」
「走ってきてくれてありがとな。悠希、食べたいものあるか?」
「あ~…諒さんのおすすめで」
「んじゃぁ、めっちゃうまいハンバーガーの店あるんだけど、そこでいい?」
「はい!」
「決まり。じゃ、乗って」
助手席のドアの開けて乗ろうとしたら、千尋がこっちに向かってくるのが見えた。しかも、両腕に女の子を連れて。
「へ~やっぱりモテモテだね彼」
「そうですね…。さ、諒さん行きましょ!」
「あ、ああ」
何故だか、あんな千尋を見たくなくて諒さんの車に乗り込んだ。
―――――side千尋
――「…悠希は、俺が女だったら恋人にした?」
――「は?それが普通だろ?」
さっきのハル君の言葉が頭から離れない。それが普通なんだって、そんなのとっくに分かってる。分かってるけど、幼いころ芽生えた恋心は、消したくても消えてくれなくて、思いは募るばかりで、おかしくなりそうだった。自分は普通じゃない―――。
恋愛の対象が男なのかと思った時もあった。けど、同級生を見ても何も感じなかった。ハル君を想像すると俺の身体は熱くなり欲望が昂ってくる。中学生・高校生になったハル君を想像しては、何度も犯して精を吐き出した。
「ハル君…」
悲しいのに、辛いのに、身体がさっきのハル君の体温とキスの熱に反応して昂っている。今日で最後にしようと決意して、ハル君のすべてを思いだして、何度も何度も熱を放った。
――明日から普通の幼馴染になろう。この思いは蓋をしよう―――
翌朝、重い身体を起こしてハル君に会わないように家を出た。行く当てもなくウロウロしていると、二人組のお姉さんに声を掛けられた。
「ねぇねぇ、今から一緒に遊ばない?」
「ご飯おごるから、お昼一緒に食べようよ~」
猫なで声の、甘ったるい声で俺を呼び止めた。明らかなメスの声。気持ち悪い。吐き気がする。勝手に俺の腕にしがみつき付いてくる。うんざりしていると、道の先にハル君がいた。こっちを見てさっと車に乗り込んだ。一緒にいたのは店長だ。
―――ナンデ――
「はい」
「あ、悠希?バイトまで暇ならメシ付き合ってよ」
「良いですよ。どこ行けば良いですか?」
「マンションの下」
「えっ?!」
電話を切った俺は、カバンを掴むと急いでマンションの下に向かった。そこには、車の横に立っている諒さんがいた。
「すみません、お待たせしました」
「そんなに急がなくても良かったのに」
「でも…」
「走ってきてくれてありがとな。悠希、食べたいものあるか?」
「あ~…諒さんのおすすめで」
「んじゃぁ、めっちゃうまいハンバーガーの店あるんだけど、そこでいい?」
「はい!」
「決まり。じゃ、乗って」
助手席のドアの開けて乗ろうとしたら、千尋がこっちに向かってくるのが見えた。しかも、両腕に女の子を連れて。
「へ~やっぱりモテモテだね彼」
「そうですね…。さ、諒さん行きましょ!」
「あ、ああ」
何故だか、あんな千尋を見たくなくて諒さんの車に乗り込んだ。
―――――side千尋
――「…悠希は、俺が女だったら恋人にした?」
――「は?それが普通だろ?」
さっきのハル君の言葉が頭から離れない。それが普通なんだって、そんなのとっくに分かってる。分かってるけど、幼いころ芽生えた恋心は、消したくても消えてくれなくて、思いは募るばかりで、おかしくなりそうだった。自分は普通じゃない―――。
恋愛の対象が男なのかと思った時もあった。けど、同級生を見ても何も感じなかった。ハル君を想像すると俺の身体は熱くなり欲望が昂ってくる。中学生・高校生になったハル君を想像しては、何度も犯して精を吐き出した。
「ハル君…」
悲しいのに、辛いのに、身体がさっきのハル君の体温とキスの熱に反応して昂っている。今日で最後にしようと決意して、ハル君のすべてを思いだして、何度も何度も熱を放った。
――明日から普通の幼馴染になろう。この思いは蓋をしよう―――
翌朝、重い身体を起こしてハル君に会わないように家を出た。行く当てもなくウロウロしていると、二人組のお姉さんに声を掛けられた。
「ねぇねぇ、今から一緒に遊ばない?」
「ご飯おごるから、お昼一緒に食べようよ~」
猫なで声の、甘ったるい声で俺を呼び止めた。明らかなメスの声。気持ち悪い。吐き気がする。勝手に俺の腕にしがみつき付いてくる。うんざりしていると、道の先にハル君がいた。こっちを見てさっと車に乗り込んだ。一緒にいたのは店長だ。
―――ナンデ――
あなたにおすすめの小説
処刑される悪役令息に転生したらなぜか推しの騎士団長がグイグイ近づいてくる
猫に小判
BL
交通事故で死んだはずの会社員・田中悠人は、気がつくとBL小説『恋と陰謀~はじまりは夜に~』の世界に転生していた。
しかも転生先は、原作で処刑される悪役令息エリオット。
当然そんな未来は回避したい。
原作知識を頼りに慎重に立ち回るつもりだったのに、気づけば王宮を揺るがす事件に巻き込まれていき――。
さらに困ったことに、原作で一番の推しだった騎士団長ガイウスがやたらと距離を詰めてきて……?
平穏に生きたい元悪役令息と、過保護な騎士団長がじれじれ距離を縮める話。
ガイウス(騎士団長)×エリオット(元悪役令息)
ただのハイスペックなモブだと思ってた
はぴねこ
BL
神乃遥翔(じんの はると)は自分のことをモブだと思っていた。
少年漫画ではいつだって、平凡に見えて何か一つに秀でている人物が主人公だったから。
その点、遥翔は眉目秀麗文武両道、家も財閥の超お金持ち。
一通りのことがなんでも簡単にできる自分は夢中になれるものもなくて、きっと漫画のモブみたいに輝く主人公を引き立てるモブのように生きるのだと、そう遥翔は思っていた。
けれど、そんな遥翔に勉強を教わりに来ている葛城星 (かつらぎ ほし)は言った。
「BL漫画の中では、神乃くんみたいな人がいつだって主人公なんだよ?」
そう言って、星が貸してくれた一冊のBL漫画が遥翔の人生を一変させた。
自分にも輝ける人生を歩むことができるのかもしれないと希望を持った遥翔は、そのことを教えてくれた星に恋をする。
だけど、恋をした途端、星には思い人がいることに気づいてしまって……
眉目秀麗文武両道で完璧だけど漫画脳な遥翔が、お人好しで気弱な星の心に少しずつ少しずつ近づこうと頑張るお話です。
執着騎士団長と、筋肉中毒の治癒師
マンスーン
BL
現代日本から異世界へ転生した治癒師のレオには、誰にも言えない秘密がある。
それは「定期的に極上の筋肉に触れて生命力を摂取しないと、魔力欠乏で死んでしまう」という特異体質であること!
命をつなぐため、そして何より己のフェティシズムを満たすため、レオがターゲットに選んだのは「氷の騎士団長」と恐れられる英雄ガドリエル。
「あぁっ、すごい……硬いですガドリエル様ッ!(大胸筋が)」
「……っ、治療中にそんな熱っぽい声を出すなッ」
生きるために必死で揉みしだくレオを、ガドリエルは「これほど俺の身を案じてくれるとは」と都合よく勘違い
触られたいムッツリ攻め×触りたい変態受け
愛を感じないのに絶対に別れたくないイケメン俳優VS釣り合わないので絶対に別れたい平凡な俺
スノウマン(ユッキー)
BL
平凡顔・ヒモ・家事能力無しの黒は、恋人であるイケメン俳優の九条迅と別れたがっている。それは周りから釣り合ってないと言われたり、お前の事を愛してない人間なんて止めておけと忠告されたからだ。だが何度黒が別れようとしても、迅は首を縦に振らない。
迅の弟である疾風は、兄は黒の事を特別扱いしてると言うが――。黒は果たして迅と別れることが出来るのか!?
契約書はよく読めとあれほど!
RNR
BL
異世界で目が覚めた、就職浪人中の美容系男子、優馬。
最初に出会った美しい貴族青年は、言葉が通じないが親切に手を差し伸べてくれた。
彼の屋敷に招かれた際、文字は読めないもののなにかの書類にサインをすると、その彼と結婚したことになっていて……。
この世界で何をする? また無職生活? 本当にそれでいい? 葛藤する日々と、それを惜しみない愛情で支える夫。
理想の自分と、理想の幸せを探す物語。
23話+続編2話+番外編2話
俺は夜、社長の猫になる
衣草 薫
BL
冤罪で職を追われた葵は、若き社長・鷹宮に拾われる。
ただし条件は――夜は“猫”として過ごすこと。
言葉を話さず、ただ撫でられるだけの奇妙な同居生活。
タワマン高層階の部屋で、葵は距離を崩さない鷹宮に少しずつ惹かれていく。
けれど葵はまだ知らない。自分が拾われた本当の理由を。
没落令息はクラスメイトの執着に救われる
夕月ねむ
BL
突然父親の爵位がはく奪され、帰る屋敷も家名も失ったローレンス。貴族が集まる学院の寮からも放り出されるところだった彼を、クラスメイトのユリシーズが引き留める。
「侯爵家の私であれば、従者をひとり授業に同席させることができる」と言って。
ユリシーズの従者となったローレンス。けれどその二年後、彼らの関係は再び大きく変わることとなった。
※FANBOXからの転載です。
※他サイトにも投稿しています。