腐男子友達と思ってたのは俺だけでした~親友からの溺愛に気付くのが遅すぎた

syouki

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22.快斗は・・・

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翌日、少し気まずさを感じながら快斗の部屋を訪ねる。

「おはよう樹。早いけどどうかした?」
「はよ。あ~、本返そうと思って・・・」
「ほんとは朝ごはん食べに来たんでしょ?どうぞ。今から作るから座ってて」
「あ、うん。お邪魔します・・・」

ほんとに本を返しに来ただけだったんだけど、何となく流されてしまった。

「フレンチトーストでいい?昨日から準備してたんだ」
「うん、ありがと」
「じゃ、焼くから待ってて」

快斗の後姿を見ながら、どこかソワソワしている自分に気が付く。

(快斗、興奮したことはあるって言ってたけど、あの本でオナニーしたことあるのかな?俺みたいにアナルに・・・って何考えてんだ?!どー見ても快斗は攻だろう!)

・・・と、わけのわからない着地点。快斗ごめん・・・。

「お待たせ。熱いうちに食べよ」
「うん、いつも悪いな」
「?おいしく食べてくれたらそれでいいよ。さ、食べて食べて」
「うん、いただきます」

快斗の作ってくれたフレンチトーストは、砂糖とメイプルシロップがたっぷりかかった俺好みの仕上がりだった。

「うっま~!」
「良かった」

ニコニコと笑顔の快斗に心が痛む。
親友ってどこまで踏み込んでいいんだろう?この間から俺、プライベート聞きすぎだよな~・・・。

「樹、何か考え事?」
「えっ、あっ、別に何でもないよ!」
「明日の入学式の事で緊張してる?」
「・・う、うん!実はそうなんだ!快斗にはバレバレだな!」
「やっぱり。大丈夫、明日は式だけだし。それより、ちゃんとネクタイ結べるの?」
「ちゃんと練習したから大丈夫だよ!」
「クスクス。冗談だよ」

快斗の勘違いで話が別にそれたが、やっぱり気になって仕方がない。タイミングを見計らって聞こうと俺は決意した。

ご飯も食べ終わり、食後のコーヒーでまったりする。

「あ、快斗。本・・ありがとな」
「ああ、うん。どういたしまして」

内容が内容だけにお互いぎこちない。借りる時も、半ば無理やり借りたしな・・・。

「・・・っ!快斗!あの!快斗はBLでオナニーしたことある?」
「ぶっ!」

意を決して尋ねると、快斗は顔を真っ赤にしてコーヒーを吹き出しかけた。

「・・っごほっ!ごほっ!いきなり何を・・・」
「頼む!答えてくれ!」

両手を床に着き、ずいっと顔を快斗の前に突き出す。快斗は座ったまま後ずさる。

「い、樹?急にどうしたの?」
「昨日、興奮したことはあるって言ってたろ?それってオナニーもしたのかなって!」

快斗が諦めたように溜息をついた。

「・・・あるって答えたら、樹は納得するの?俺に聞くだけで、樹はどうなの?」
「あっ・・その・・」

逆に聞かれて、うろたえて黙ってしまった。

「黙るってことは、あるんだ?・・・昨日、でしたの?」

快斗が足元の本を手に取り俺に見せる。その表情は、怒ってるいうよりどこか妖艶で色気を含んでいた。
これが切っ掛けで、俺は快斗の気持ちを知ることになった。



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