26 / 34
26 サウザー公爵家
私とアスラン様は馬車に乗せられてどこかに連行されている。
ロザリア様のお供のメイド達によって、私は手際良くドレスアップされた
着飾った私にアスラン様は「クレア凄く綺麗だ、このまま教会で式を挙げたいくらいだ」と言ってくれた。そして「お兄様、焦りすぎですわ!」と叱られていた。
ロザリア様が部屋に入って来た時は恐ろしく不機嫌だったアスラン様も今は平常心に戻り隣で私の手を握っている。
「どこに行くのかしら」
「心配ないよ。悪いようにはしないから」
彼はロザリア様から説明されているようなので黙って付いていくことにした。
到着したのは高級娼館だった────どういうこと?
案内された部屋の前には護衛騎士が数人ビシッ!と立っている。
極秘の会合場所、中には高位貴族がいるに違いない。
私はロザリア様とアスラン様にお任せして恥を欠かせないように黙っていようと決めた。
部屋に入ると男性が三人、見目麗しい男性達は男娼ではない、気品に溢れている。
「お待たせいたしました」
ロザリア様が見事なカーテシーを披露した。
一瞬で頭が混乱した。お一人は間違いなくエドガー王子殿下。
フワっと倒れそうになりアスラン様が支えてくれた。
ご無礼はなかっただろうか後で思い出しても定かではない。
「問題なかったよ」そうアスラン様は慰めてくれた。
部屋で話した内容は極秘だ。
殿下と従者のお二人はモートル伯爵令息とサウザー公爵令息だった。
「なるほど、これはお美しい。男たちが魅了されるのも理解できますね」
開口一番に失礼なセリフを吐いたのはをモートル卿。
殿下の許可なしで失礼だが殿下は気にしておられないようだった。
殿下は「無礼講だ自由に話していいよ」と仰せられた。
「ディーンが必死になるわけだな」
サウザー公爵令息様はマルク様、ディーンによく似ていた。
彼の言い分は私を襲った火事の事だった。
ディーンの屋敷にいたハリーとかいう執事が勝手にやったらしい。
公爵家は全く関係なくハリーは処分したと言ったが信用できない。
でも頷いておいた、ディーンに何かあったら嫌だもの。
つまりあの日は誰にも知られずに5人目がいたという事だ。
態とテーブルのランプを落とし素早く火を付けた犯人、それが執事から送られた刺客。
想像して、思い返しただけで背筋が凍る。
「執事は少し驚かせるだけだったと言ったが結果はクレア嬢を危険な目に合わせてしまった。それについては心からお詫びする」
「俺が駆けつけたから無事だったものの、大怪我か最悪命を落としたかもしれない。謝罪だけでは済まないぞ」
「お詫びに貴方が侯爵夫人になる手伝いをしよう」
平民の私に何を言ってるんだろうこの人は?
「公爵家はクレア嬢を養女とする。これで王太子妃のご実家とも縁続きになれる」
「二度とクレアを危険な目に合わせないと約束頂けますか」
私の腰に手を当ててアスラン様がマルク様に詰め寄った。
「当然だろう、クレア嬢は義妹となるのだから。ノエルよりも余程役に立ってくれる」
「失礼ですわ。クレアは私の義姉になるのですよ」
「そうでした。申し訳ない」
何が起こっているの? 公爵家の養女ですって!
マルク様の義妹って嫌だ。この人好きになれないわ。
「クレア嬢、マルクは意地悪そうに見えるが中身はそんなに悪いヤツじゃないんだ」
モートル卿がフォローしたけど好感度は上がらないわよ。
家に火をつけられたのよ。なんて恐ろしい!
「どうだろう、受けるよう私は薦めたいがクレア嬢の気持ちを優先しよう」
殿下に『薦めたい』と言われたわ、困った。
「お受けするわよねクレア、貴方たちの幸せの為に」
アスラン様に顔を向けるときゅっと手を握られた。
「は・・・はい」
そういう前提なんでしょう?断れるはずもない。
学園の寮にいる間はディーンに協力する事。
「公爵は妹に甘くてね。馬鹿なことを考えたものだ。バレたら家の恥だからねしっかり頼むよ」
「はい」とマルク様に頭を下げた。
週末は公爵家で淑女の教育を受け、卒業後は続けて1年間教育を受ける事。
「ちょっと待ってくれ。卒業したら直ぐに式を挙げるつもりだ」
「公爵家から出すんだ、しっかり教育しないとね」
「お兄様その方が良いわ。クレアにいきなり侯爵夫人は無理よ」
「し、しかし」
「気持ちは分かりますが、後でクレア嬢が苦労するんじゃないですか?」
モートル卿にも言われてアスラン様は折れた。
ちなみにここまで私は『はい』と2度答えただけだ。
「ではそういうことでいいかな」
殿下のお言葉で話し合いは終わってお茶も勧められたが味が分からなかった。
私はバーンズ商店のクレアよね?
こんな嘘みたいな状況───今の私は誰なの?
ああ、夢なんだ。いつか覚める夢なんだわ。
ロザリア様のお供のメイド達によって、私は手際良くドレスアップされた
着飾った私にアスラン様は「クレア凄く綺麗だ、このまま教会で式を挙げたいくらいだ」と言ってくれた。そして「お兄様、焦りすぎですわ!」と叱られていた。
ロザリア様が部屋に入って来た時は恐ろしく不機嫌だったアスラン様も今は平常心に戻り隣で私の手を握っている。
「どこに行くのかしら」
「心配ないよ。悪いようにはしないから」
彼はロザリア様から説明されているようなので黙って付いていくことにした。
到着したのは高級娼館だった────どういうこと?
案内された部屋の前には護衛騎士が数人ビシッ!と立っている。
極秘の会合場所、中には高位貴族がいるに違いない。
私はロザリア様とアスラン様にお任せして恥を欠かせないように黙っていようと決めた。
部屋に入ると男性が三人、見目麗しい男性達は男娼ではない、気品に溢れている。
「お待たせいたしました」
ロザリア様が見事なカーテシーを披露した。
一瞬で頭が混乱した。お一人は間違いなくエドガー王子殿下。
フワっと倒れそうになりアスラン様が支えてくれた。
ご無礼はなかっただろうか後で思い出しても定かではない。
「問題なかったよ」そうアスラン様は慰めてくれた。
部屋で話した内容は極秘だ。
殿下と従者のお二人はモートル伯爵令息とサウザー公爵令息だった。
「なるほど、これはお美しい。男たちが魅了されるのも理解できますね」
開口一番に失礼なセリフを吐いたのはをモートル卿。
殿下の許可なしで失礼だが殿下は気にしておられないようだった。
殿下は「無礼講だ自由に話していいよ」と仰せられた。
「ディーンが必死になるわけだな」
サウザー公爵令息様はマルク様、ディーンによく似ていた。
彼の言い分は私を襲った火事の事だった。
ディーンの屋敷にいたハリーとかいう執事が勝手にやったらしい。
公爵家は全く関係なくハリーは処分したと言ったが信用できない。
でも頷いておいた、ディーンに何かあったら嫌だもの。
つまりあの日は誰にも知られずに5人目がいたという事だ。
態とテーブルのランプを落とし素早く火を付けた犯人、それが執事から送られた刺客。
想像して、思い返しただけで背筋が凍る。
「執事は少し驚かせるだけだったと言ったが結果はクレア嬢を危険な目に合わせてしまった。それについては心からお詫びする」
「俺が駆けつけたから無事だったものの、大怪我か最悪命を落としたかもしれない。謝罪だけでは済まないぞ」
「お詫びに貴方が侯爵夫人になる手伝いをしよう」
平民の私に何を言ってるんだろうこの人は?
「公爵家はクレア嬢を養女とする。これで王太子妃のご実家とも縁続きになれる」
「二度とクレアを危険な目に合わせないと約束頂けますか」
私の腰に手を当ててアスラン様がマルク様に詰め寄った。
「当然だろう、クレア嬢は義妹となるのだから。ノエルよりも余程役に立ってくれる」
「失礼ですわ。クレアは私の義姉になるのですよ」
「そうでした。申し訳ない」
何が起こっているの? 公爵家の養女ですって!
マルク様の義妹って嫌だ。この人好きになれないわ。
「クレア嬢、マルクは意地悪そうに見えるが中身はそんなに悪いヤツじゃないんだ」
モートル卿がフォローしたけど好感度は上がらないわよ。
家に火をつけられたのよ。なんて恐ろしい!
「どうだろう、受けるよう私は薦めたいがクレア嬢の気持ちを優先しよう」
殿下に『薦めたい』と言われたわ、困った。
「お受けするわよねクレア、貴方たちの幸せの為に」
アスラン様に顔を向けるときゅっと手を握られた。
「は・・・はい」
そういう前提なんでしょう?断れるはずもない。
学園の寮にいる間はディーンに協力する事。
「公爵は妹に甘くてね。馬鹿なことを考えたものだ。バレたら家の恥だからねしっかり頼むよ」
「はい」とマルク様に頭を下げた。
週末は公爵家で淑女の教育を受け、卒業後は続けて1年間教育を受ける事。
「ちょっと待ってくれ。卒業したら直ぐに式を挙げるつもりだ」
「公爵家から出すんだ、しっかり教育しないとね」
「お兄様その方が良いわ。クレアにいきなり侯爵夫人は無理よ」
「し、しかし」
「気持ちは分かりますが、後でクレア嬢が苦労するんじゃないですか?」
モートル卿にも言われてアスラン様は折れた。
ちなみにここまで私は『はい』と2度答えただけだ。
「ではそういうことでいいかな」
殿下のお言葉で話し合いは終わってお茶も勧められたが味が分からなかった。
私はバーンズ商店のクレアよね?
こんな嘘みたいな状況───今の私は誰なの?
ああ、夢なんだ。いつか覚める夢なんだわ。
あなたにおすすめの小説
壊れていく音を聞きながら
夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。
妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪
何気ない日常のひと幕が、
思いもよらない“ひび”を生んでいく。
母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。
誰も気づきがないまま、
家族のかたちが静かに崩れていく――。
壊れていく音を聞きながら、
それでも誰かを思うことはできるのか。
こうして私は悪魔の誘惑に手を伸ばした
綴つづか
恋愛
何もかも病弱な妹に奪われる。両親の愛も、私がもらった宝物もーー婚約者ですらも。
伯爵家の嫡女であるルリアナは、婚約者の侯爵家次男ゼファーから婚約破棄を告げられる。病弱で天使のような妹のカリスタを抱き寄せながら、真実の愛を貫きたいというのだ。
ルリアナは、それを粛々と受け入れるほかなかった。
ゼファーとカリスタは、侯爵家より譲り受けた子爵領へと移り住み、幸せに暮らしていたらしいのだが。2年後、『病弱』な妹は、出産の際に命を落とす。
……その訃報にルリアナはひっそりと笑みを溢した。
妹に奪われてきた姉が巻き込まれた企みのお話。
他サイトにも掲載しています。※ジャンルに悩んで恋愛にしていますが、主人公に恋愛要素はありません。
嘘つきな貴方を捨てさせていただきます
梨丸
恋愛
断頭台に上がった公爵令嬢フレイアが最期に聞いた言葉は最愛の婚約者の残忍な言葉だった。
「さっさと死んでくれ」
フレイアを断頭台へと導いたのは最愛の婚約者だった。
愛していると言ってくれたのは嘘だったのね。
嘘つきな貴方なんて、要らない。
※投稿してから、誤字脱字などの修正やわかりにくい部分の補足をすることがあります。(話の筋は変わらないのでご安心ください。)
11/27HOTランキング5位ありがとうございます。
※短編と長編の狭間のような長さになりそうなので、短編にするかもしれません。
1/2累計ポイント100万突破、ありがとうございます。
完結小説ランキング恋愛部門8位ありがとうございます。
捨てられたなら 〜婚約破棄された私に出来ること〜
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
長年の婚約者だった王太子殿下から婚約破棄を言い渡されたクリスティン。
彼女は婚約破棄を受け入れ、周りも処理に動き出します。
さて、どうなりますでしょうか……
別作品のボツネタ救済です(ヒロインの名前と設定のみ)。
突然のポイント数増加に驚いています。HOTランキングですか?
自分には縁のないものだと思っていたのでびっくりしました。
私の拙い作品をたくさんの方に読んでいただけて嬉しいです。
それに伴い、たくさんの方から感想をいただくようになりました。
ありがとうございます。
様々なご意見、真摯に受け止めさせていただきたいと思います。
ただ、皆様に楽しんでいただけたらと思いますので、中にはいただいたコメントを非公開とさせていただく場合がございます。
申し訳ありませんが、どうかご了承くださいませ。
もちろん、私は全て読ませていただきますし、削除はいたしません。
7/16 最終部がわかりにくいとのご指摘をいただき、訂正しました。
※この作品は小説家になろうさんでも公開しています。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
[完結]貴方なんか、要りません
シマ
恋愛
私、ロゼッタ・チャールストン15歳には婚約者がいる。
バカで女にだらしなくて、ギャンブル好きのクズだ。公爵家当主に土下座する勢いで頼まれた婚約だったから断われなかった。
だから、条件を付けて学園を卒業するまでに、全てクリアする事を約束した筈なのに……
一つもクリア出来ない貴方なんか要りません。絶対に婚約破棄します。
公爵令嬢の辿る道
ヤマナ
恋愛
公爵令嬢エリーナ・ラナ・ユースクリフは、迎えた5度目の生に絶望した。
家族にも、付き合いのあるお友達にも、慕っていた使用人にも、思い人にも、誰からも愛されなかったエリーナは罪を犯して投獄されて凍死した。
それから生を繰り返して、その度に自業自得で凄惨な末路を迎え続けたエリーナは、やがて自分を取り巻いていたもの全てからの愛を諦めた。
これは、愛されず、しかし愛を求めて果てた少女の、その先の話。
※暇な時にちょこちょこ書いている程度なので、内容はともかく出来についてはご了承ください。
追記
六十五話以降、タイトルの頭に『※』が付いているお話は、流血表現やグロ表現がございますので、閲覧の際はお気を付けください。
地獄の業火に焚べるのは……
緑谷めい
恋愛
伯爵家令嬢アネットは、17歳の時に2つ年上のボルテール侯爵家の長男ジェルマンに嫁いだ。親の決めた政略結婚ではあったが、小さい頃から婚約者だった二人は仲の良い幼馴染だった。表面上は何の問題もなく穏やかな結婚生活が始まる――けれど、ジェルマンには秘密の愛人がいた。学生時代からの平民の恋人サラとの関係が続いていたのである。
やがてアネットは男女の双子を出産した。「ディオン」と名付けられた男児はジェルマンそっくりで、「マドレーヌ」と名付けられた女児はアネットによく似ていた。
※ 全5話完結予定