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5 完結
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女性騎士二人を連れて酒場まで行くとナイジェルは部屋の隅にケインを見つけた。
「セーラ・・・」
ケインはセーラと酒を飲みながら、なにか真剣に話をして、時々二人が頭を寄せて笑い合う姿が、ナイジェルは落ち着かず不快になった。
セーラは別れた後、ナイジェルの私物を送り届けてくれた。
袋の中には衣服やセーラに送った可愛いアクセサリーなども・・・それがセーラの自分への決別の意思だとナイジェルは理解し、エメラルドの指輪もアクセサリーもナイジェルは全て処分した。
「乾杯しましょうよ!」
大きな声で話す陽気な女性騎士二人をナイジェルはなんだか鬱陶しく感じる。
『どこかで幸せに暮らすから』
セーラの言葉が蘇る、その場所はケインの腕の中だったのか。
「悪い、今日はちょっと体調が悪いみたいだ」
「え、大丈夫?一人で帰れる?」
「ああ」
女性騎士二人を残し、酒場を出てナイジェルはフラフラと寄宿舎に向かって歩いていた。
「やっぱ解毒剤飲まないとヤバイのか、体が重くて洒落にならねぇ」
大通りを外れて川沿いを歩いていると「ナイジェル」と声をかけられて振り向くと同時に──
──プシュッ!とナイジェルは顔に霧状の液体をかけられた。
息を吸い込むと「ぐわああぁあ」とナイジェルは叫んで倒れ、半狂乱になり地面を転げまわると川に飛び込んだ。
川を流されていくナイジェルを、飛び込んで助けたのはケインだった。
引き上げられたナイジェルはまだ混乱していてケインに殴りかかり「ああぁぁああ」と喚き続け、ケインがみぞおちに一撃を加えるとナイジェルは気を失った。
「今度はうまくやろうと思ったのよ。また記憶が戻ればいいと思って」
研究所から変異毒草のエキスを盗んでナイジェルに振り撒いたのはハンナだった。
香水瓶に入れて霧状にして吹きかけたが、煙と違ってまともに濃いエキスを摂取したナイジェルは全て失った廃人のように変わり果てた姿に変貌した。
「元に戻るのですか?」
尋ねるセーラに研究員たちは「さぁね」と生返事だ。特別危険物の管理不行き届きの責任問題で彼らは揉めていた。
それとナイジェルが解毒薬を拒否したのも良くなかった。飲んでいればもう少し症状は緩和されていたかもしれない。
解毒薬をナイジェルが飲まなかった事にセーラは衝撃を受けた。
(そんなに私との過去を思い出すのが嫌だったの?)
数回に分けて解毒薬が与えられるとナイジェルは回復の兆しを見せ「セーラ・・」と名を呼び、そうして一月後には生活に支障はない程度の状態になった。
消えた記憶も戻り、途惑うセーラを抱きしめるナイジェル。
「セーラごめん、俺を見捨てないで・・・」
ナイジェルは酷くネガティブになり、全て思い出した彼は小さな子どものようにセーラに縋っていた。
退院したものの、不安がるナイジェルを寄宿舎には戻せず、セーラは再び家賃を折半していた家を借りた。
「ごめん」と謝罪を繰り返して縋りつくナイジェルを見捨てることが出来なかったのだ。
ハンナの実家は子爵家で多額の慰謝料をナイジェルに支払っており、家賃も生活費の心配も当面は無い。
問題を起こしたハンナは然るべき罰を受けている。
──再び同じ家で二人の同棲生活が始まった。
「なぁ、なんでケインと酒場にいたの?」
「ケインに好きな人が出来て相談されていたのよ」
「それってセーラのこと?」
「違う。パン屋のローザさんよ」
「本当に?セーラは俺と結婚するんだよね。俺、体が重くて・・・王宮騎士を辞めていいよね」
「そんな約束したわね、ナイジェルはそれでいいの?」
「俺にはセーラだけだよ。愛してる」
(嘘つき、私を思い出したく無かったくせに)
ナイジェルに抱かれても、心のどこかでセーラは冷めていて、きっと何万回「愛してる」と言われても、以前のようにセーラの心には響かない。
ナイジェルがセーラと離れるのを嫌がって遠征にも参加できず、セーラは医療班に移って逮捕されたハンナの穴埋めに入った。
騎士を辞めたナイジェルは家でボ~と過ごしたり、気が向けば家事をして、セーラが仕事で遅くなると王宮の門前で座り込んでセーラを待っている。
門番の気の毒そうな視線が居たたまれない。
「セーラ・・・俺、戻って来るか心配で・・」
「戻るに決まってるでしょう。ほら、立って」
手をつないで家に戻ると、ナイジェルは子どものように縋り、夜になれば男になってセーラを求めた。
「セーラ、俺だけを見て・・・」
ナイジェルの中には記憶の葛藤があったはずだ。
愛するセーラと愛せないセーラ。
葛藤の末にナイジェルはセーラの中に戻ってきた。
そこに本当の愛情があるのかセーラには分からない。
──ナイジェルがハンナに襲われた日。
セーラは酒場でケインに結婚を前提に付き合って欲しいと申し込まれた。
二人は度々会って互いに相談し合い、仲を深めていたのだ。
『ローザに告白して断られたのね』
『告白してないよ。どうも俺はセーラに本気で惚れたみたいだ』
セーラの気持ちはケインに傾きつつあった。
そんな時『乾杯しましょうよ!』と美人騎士の声が聞こえ、目の端にナイジェルを映した。
『ケジメはつけないと。俺、話をしてくるよ』
『必要ないわよ。もうナイジェルとは終わったんだもの』
だがケインは店を出たナイジェルを追いかけて行き、騒動に出くわしたのだった。
あの時、ケインを強く引き留めていればまた違った人生だったかもしれない。
だがそれはナイジェルの死を望むことになる。
ナイジェルと再び同棲を始めたのがケインへの断りの返事となった。
彼には清純で素直な人が相応しい。
やはりこれで良かったのだとセーラは思う。
(一度は私を捨てたナイジェルが私に縋る姿に喜びを感じている。こんな私の愛はきっと歪んでいる)
「セーラ・・・どうしたの?何を考えてる?」
「大好きなナイジェルの傍にいられて幸せだなと思ってたの」
「ふーん、ねぇ、いつ結婚できる?式はどうするの?」
「そうね、今の職場に慣れたら、二人だけで式を挙げようか」
「楽しみだな、そうしたらセーラはもう俺だけのセーラだよね」
笑ったナイジェルの顔がどこか歪んでいてセーラの記憶の中の、どのナイジェルでもない気がした。
「そうよ、ナイジェルも私だけのナイジェルよ」
愛なのか、同情なのか、醜い独占欲なのか。
──私たちの愛は歪んでいる。
それでも一緒にいることを選んだ。
セーラはナイジェルを抱きしめると彼の美しい顔にキスを降らせた。
────終わり。
最後まで読んで頂いて有難うございました。
「セーラ・・・」
ケインはセーラと酒を飲みながら、なにか真剣に話をして、時々二人が頭を寄せて笑い合う姿が、ナイジェルは落ち着かず不快になった。
セーラは別れた後、ナイジェルの私物を送り届けてくれた。
袋の中には衣服やセーラに送った可愛いアクセサリーなども・・・それがセーラの自分への決別の意思だとナイジェルは理解し、エメラルドの指輪もアクセサリーもナイジェルは全て処分した。
「乾杯しましょうよ!」
大きな声で話す陽気な女性騎士二人をナイジェルはなんだか鬱陶しく感じる。
『どこかで幸せに暮らすから』
セーラの言葉が蘇る、その場所はケインの腕の中だったのか。
「悪い、今日はちょっと体調が悪いみたいだ」
「え、大丈夫?一人で帰れる?」
「ああ」
女性騎士二人を残し、酒場を出てナイジェルはフラフラと寄宿舎に向かって歩いていた。
「やっぱ解毒剤飲まないとヤバイのか、体が重くて洒落にならねぇ」
大通りを外れて川沿いを歩いていると「ナイジェル」と声をかけられて振り向くと同時に──
──プシュッ!とナイジェルは顔に霧状の液体をかけられた。
息を吸い込むと「ぐわああぁあ」とナイジェルは叫んで倒れ、半狂乱になり地面を転げまわると川に飛び込んだ。
川を流されていくナイジェルを、飛び込んで助けたのはケインだった。
引き上げられたナイジェルはまだ混乱していてケインに殴りかかり「ああぁぁああ」と喚き続け、ケインがみぞおちに一撃を加えるとナイジェルは気を失った。
「今度はうまくやろうと思ったのよ。また記憶が戻ればいいと思って」
研究所から変異毒草のエキスを盗んでナイジェルに振り撒いたのはハンナだった。
香水瓶に入れて霧状にして吹きかけたが、煙と違ってまともに濃いエキスを摂取したナイジェルは全て失った廃人のように変わり果てた姿に変貌した。
「元に戻るのですか?」
尋ねるセーラに研究員たちは「さぁね」と生返事だ。特別危険物の管理不行き届きの責任問題で彼らは揉めていた。
それとナイジェルが解毒薬を拒否したのも良くなかった。飲んでいればもう少し症状は緩和されていたかもしれない。
解毒薬をナイジェルが飲まなかった事にセーラは衝撃を受けた。
(そんなに私との過去を思い出すのが嫌だったの?)
数回に分けて解毒薬が与えられるとナイジェルは回復の兆しを見せ「セーラ・・」と名を呼び、そうして一月後には生活に支障はない程度の状態になった。
消えた記憶も戻り、途惑うセーラを抱きしめるナイジェル。
「セーラごめん、俺を見捨てないで・・・」
ナイジェルは酷くネガティブになり、全て思い出した彼は小さな子どものようにセーラに縋っていた。
退院したものの、不安がるナイジェルを寄宿舎には戻せず、セーラは再び家賃を折半していた家を借りた。
「ごめん」と謝罪を繰り返して縋りつくナイジェルを見捨てることが出来なかったのだ。
ハンナの実家は子爵家で多額の慰謝料をナイジェルに支払っており、家賃も生活費の心配も当面は無い。
問題を起こしたハンナは然るべき罰を受けている。
──再び同じ家で二人の同棲生活が始まった。
「なぁ、なんでケインと酒場にいたの?」
「ケインに好きな人が出来て相談されていたのよ」
「それってセーラのこと?」
「違う。パン屋のローザさんよ」
「本当に?セーラは俺と結婚するんだよね。俺、体が重くて・・・王宮騎士を辞めていいよね」
「そんな約束したわね、ナイジェルはそれでいいの?」
「俺にはセーラだけだよ。愛してる」
(嘘つき、私を思い出したく無かったくせに)
ナイジェルに抱かれても、心のどこかでセーラは冷めていて、きっと何万回「愛してる」と言われても、以前のようにセーラの心には響かない。
ナイジェルがセーラと離れるのを嫌がって遠征にも参加できず、セーラは医療班に移って逮捕されたハンナの穴埋めに入った。
騎士を辞めたナイジェルは家でボ~と過ごしたり、気が向けば家事をして、セーラが仕事で遅くなると王宮の門前で座り込んでセーラを待っている。
門番の気の毒そうな視線が居たたまれない。
「セーラ・・・俺、戻って来るか心配で・・」
「戻るに決まってるでしょう。ほら、立って」
手をつないで家に戻ると、ナイジェルは子どものように縋り、夜になれば男になってセーラを求めた。
「セーラ、俺だけを見て・・・」
ナイジェルの中には記憶の葛藤があったはずだ。
愛するセーラと愛せないセーラ。
葛藤の末にナイジェルはセーラの中に戻ってきた。
そこに本当の愛情があるのかセーラには分からない。
──ナイジェルがハンナに襲われた日。
セーラは酒場でケインに結婚を前提に付き合って欲しいと申し込まれた。
二人は度々会って互いに相談し合い、仲を深めていたのだ。
『ローザに告白して断られたのね』
『告白してないよ。どうも俺はセーラに本気で惚れたみたいだ』
セーラの気持ちはケインに傾きつつあった。
そんな時『乾杯しましょうよ!』と美人騎士の声が聞こえ、目の端にナイジェルを映した。
『ケジメはつけないと。俺、話をしてくるよ』
『必要ないわよ。もうナイジェルとは終わったんだもの』
だがケインは店を出たナイジェルを追いかけて行き、騒動に出くわしたのだった。
あの時、ケインを強く引き留めていればまた違った人生だったかもしれない。
だがそれはナイジェルの死を望むことになる。
ナイジェルと再び同棲を始めたのがケインへの断りの返事となった。
彼には清純で素直な人が相応しい。
やはりこれで良かったのだとセーラは思う。
(一度は私を捨てたナイジェルが私に縋る姿に喜びを感じている。こんな私の愛はきっと歪んでいる)
「セーラ・・・どうしたの?何を考えてる?」
「大好きなナイジェルの傍にいられて幸せだなと思ってたの」
「ふーん、ねぇ、いつ結婚できる?式はどうするの?」
「そうね、今の職場に慣れたら、二人だけで式を挙げようか」
「楽しみだな、そうしたらセーラはもう俺だけのセーラだよね」
笑ったナイジェルの顔がどこか歪んでいてセーラの記憶の中の、どのナイジェルでもない気がした。
「そうよ、ナイジェルも私だけのナイジェルよ」
愛なのか、同情なのか、醜い独占欲なのか。
──私たちの愛は歪んでいる。
それでも一緒にいることを選んだ。
セーラはナイジェルを抱きしめると彼の美しい顔にキスを降らせた。
────終わり。
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