暗森

霜月緤鴉

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6人の少年少女

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「なぁ、"神様のいる森"へ行こうぜ。」

清安中学校・探検同好会。
たった6人の少年少女で成り立つ小さな同好会。その部長である少年・・筑城 翔也(ツギ ショウヤ)が突然机を叩き、他の5人に言う。
「俺ら探検同好会っていうのに、まだ一回も探検らしき事してないだろ?」
「まぁ、せやけどもさぁ...」
答えたのは関西訛りの副部長である少女・・神咲 せれな(カンザキ セレナ)。せれなは少し呆れた目をして翔也に言う。
「あそこは立ち入り禁止やろ。誰も入ったらあかんって小さい頃からおかんから言われてるんや。いくら探検同好会や言うてもそれはあかんやろ。」
せれなの言葉に3人は頷く。
「それに、あの森って入るのがバレたら通報されるんじゃなかったっけ。」
「運が良ければ懲役、悪けりゃ生贄。」
よく似た双子・・枚野 夜(ヒラノ ヨル)と枚野 朝(ヒラノ アサ)がお互い難しそうな本を読みながら言う。
「それに、あそこには毎日監視の目がありますよ。村長が見ていると聞きました。」
朝の隣で大人しく座っている少女・・奥田 茉代(オクダ マシロ)が首を傾げながら言う。

「まぁいいんじゃね?我らが部長が言うんだ、従ってやろうぜ。」
「東條!!」
椅子に座り、漫画を読んでいた少年・・東條 力斗(トウジョウ リキト)が翔也に向かっていう。それにせれなが声を上げる。
「翔也の言う通り俺らは一回も探検同好会らしい事をしていない。それが記念すべき第一回目があの"神様のいる森"だ。成功したら大儲けもんだぜ。」
「力斗....!」
翔也がキラキラした瞳で力斗を見る。
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