40 / 98
第二章 テネブリスの回想
第40話 忌まわしい出来事3
しおりを挟む
眷族の視線はテネブリスに集中していた。
「テネブリス、受け入れ方法と封印を皆に説明してくれるかしら」
母からの問いかけに頷き説明を始める。
「お母様と私、アルブマ、セプティモ、セプテムにスペロが協力して減速の巨大魔法陣を作成するの。これを第一陣とします。そして回転減速停止の巨大魔法陣を第二魔法陣として五体の使徒達で作成。次に速度停止の第三の巨大魔法陣を五体の第1ビダで作成。これらの三つの巨大魔法陣を一組として、多重魔法陣を大量に作成し巨大隕石の速度を殺し大地に着地させ封印させる考えよ」
「「「・・・・・・・」」」
全てが沈黙し思考し始めた。
更にたたみかけるテネブリス。
「五体の龍人達は巨大隕石の周りある小隕石を撃破し殲滅せよ」
「「「はっ」」」
勢いの良い返事が伝わるとセプテムが立ち上がる。
「姉上の考えを大至急計算する。我が眷族よ、全てついて来い」
付き従う眷族の後ろには初期の僕達も連なった。
問題は龍族が作る三重結界を"いくつ"作れば巨大隕石が停止するかだ。
巨大隕石の大きさに質量、回転速度に推進速度と、龍族の個々の魔力を使った魔法陣の効果を数値化して何度も計算された。
「セプテム様・・・」
「!!・・・・」
眷族から受け取った内容を見て驚愕するセプテム。
「皆の者、我が母の元へ行くぞ」
それは連なって歩くのでは無い。駆け足でも無い。全力疾走だ。
セプテム達を待っていたのは不安と期待が入り混じる眷族達だ。
息を切らしスプレムスの前に近づき報告する。
「姉上の提案を計算した結果・・・」
全員が硬直している。
「巨大隕石が地表に到達する前に停止する可能性は・・・四割です」
「「「おおおおおおぉぉぉっ!!!」」」
今までの草案が一割の可能性であれば、四割となると期待が高まる一同だ。
「静かに!!・・・ただし、三重結界を一組として、二千七万組の魔法陣を即座に行動を開始して作り上げなければならない。遅くなればそれだけ可能性が低くなる・・・母上、ご決断を」
全員の視線がスプレムスに集まる。
「皆の期待に沿えるよう可能性を信じましょう」
スプレムスが立ち上がると全員が立ち上がった。
そして即座に行動だ。
スプレムスの隣にはセプテムがはべり今後の説明をしながらの移動だ。
後ろにはテネブリスが続き、横にはアルブマとスペロが敬意の眼差しでテネブリスを見ていた。
セプティモには念話で戻る様に指示し、使徒のフォルティスから対策の説明が有り指示に従ったのだが、一点だけ不満? というか疑問があった。それは我らの大地に到達する地点がセプティモの管轄だからだ。厳密に言うとセプティモの眷族、インスティントの管轄だ。
(なんで、どうして? 他に沢山場所は有るのに何故あたいの管轄なんだよぉ)
文句は有るが総意なので、まずは行動有りきだ。
龍種は既に自分達が守護する惑星が自転している事を知っている。
しかも、燃える星を中心に周回している事も知っている。
更に、より大きな渦の中に存在する事も知っている。
更に更にその渦はより大きな渦の中に存在する事も感覚で認識している。
全ての龍族が”空を越えて”算出された場所に移動する。
“全ての回転”を計算に入れて、その時に惑星が接触する場所に魔法陣を作り始める。
始祖龍スプレムスを筆頭に五体の龍の子、合わせて六体で第一陣。減速の魔法陣。
五体の使徒達で第二陣。回転減速停止の魔法陣。
五体の第1ビダで第三陣。速度停止の魔法陣。
五体の龍人達は先行し小隕石を破壊していく。
最初に減速魔法にしたのは、想像を絶する超高速飛行で回転しながら進む物体に即時停止を使っては効果を得られないと判断した為だ。
指定の組数を作り終えたら、魔法陣を強化する魔法陣を展開しながら逆戻りだ。
これはセプテムが更に可能性を上げる為に考え出した策だった。
龍族達は果てしない距離を無数の魔法陣を作りながら上へ上へと重ねて構築していった。
巨大隕石は物凄い速さで龍族達に向っている。
無尽蔵にある魔素を使い幾つもの魔法陣を構築していく龍達。
魔法陣は巨大隕石を受け止めるだけの大きさを有している。
魔法陣は大きくなればなるほど使用魔素量が多くなる。
龍国がすっぽり入るほど大きな魔法陣が柱のように惑星から伸びて行く。
それは惑星から離れるほど糸のように見えた。
魔法陣を作りながら、敵対する巨大隕石が目視できる程近づく。
「さぁ、もうひと踏ん張りよ」
アルブマの念話で龍族が追い込みをかける。
それは、分かってはいたが隕石は巨大な大きさだ。
第1ビダの中には気おくれする者も居た。
「あと100組だぞぉぉ!!」
数えていたのか、セプテムの怒号が念話された。
そして最後の一組が終わり、全員が輪になった。
始祖龍、龍の子、使徒、第1ビダと眷族の順で回り円を成す。
そして今まで作って来た魔法陣よりも一回り大きな魔法陣を作成している。
「良ぉし、では強化魔法陣を維持したまま一気に戻るぞぉぉ」
テネブリスの案を強化する為に、完成した魔法陣を強化する魔法陣を付与する作戦だ。
直ぐそこまで来ている巨大隕石を背にして、魔法陣を発動しながらの飛行だ。
すると暫らくして最初の魔法陣に巨大隕石が接触した。
Epílogo
どうなるどうなる
「テネブリス、受け入れ方法と封印を皆に説明してくれるかしら」
母からの問いかけに頷き説明を始める。
「お母様と私、アルブマ、セプティモ、セプテムにスペロが協力して減速の巨大魔法陣を作成するの。これを第一陣とします。そして回転減速停止の巨大魔法陣を第二魔法陣として五体の使徒達で作成。次に速度停止の第三の巨大魔法陣を五体の第1ビダで作成。これらの三つの巨大魔法陣を一組として、多重魔法陣を大量に作成し巨大隕石の速度を殺し大地に着地させ封印させる考えよ」
「「「・・・・・・・」」」
全てが沈黙し思考し始めた。
更にたたみかけるテネブリス。
「五体の龍人達は巨大隕石の周りある小隕石を撃破し殲滅せよ」
「「「はっ」」」
勢いの良い返事が伝わるとセプテムが立ち上がる。
「姉上の考えを大至急計算する。我が眷族よ、全てついて来い」
付き従う眷族の後ろには初期の僕達も連なった。
問題は龍族が作る三重結界を"いくつ"作れば巨大隕石が停止するかだ。
巨大隕石の大きさに質量、回転速度に推進速度と、龍族の個々の魔力を使った魔法陣の効果を数値化して何度も計算された。
「セプテム様・・・」
「!!・・・・」
眷族から受け取った内容を見て驚愕するセプテム。
「皆の者、我が母の元へ行くぞ」
それは連なって歩くのでは無い。駆け足でも無い。全力疾走だ。
セプテム達を待っていたのは不安と期待が入り混じる眷族達だ。
息を切らしスプレムスの前に近づき報告する。
「姉上の提案を計算した結果・・・」
全員が硬直している。
「巨大隕石が地表に到達する前に停止する可能性は・・・四割です」
「「「おおおおおおぉぉぉっ!!!」」」
今までの草案が一割の可能性であれば、四割となると期待が高まる一同だ。
「静かに!!・・・ただし、三重結界を一組として、二千七万組の魔法陣を即座に行動を開始して作り上げなければならない。遅くなればそれだけ可能性が低くなる・・・母上、ご決断を」
全員の視線がスプレムスに集まる。
「皆の期待に沿えるよう可能性を信じましょう」
スプレムスが立ち上がると全員が立ち上がった。
そして即座に行動だ。
スプレムスの隣にはセプテムがはべり今後の説明をしながらの移動だ。
後ろにはテネブリスが続き、横にはアルブマとスペロが敬意の眼差しでテネブリスを見ていた。
セプティモには念話で戻る様に指示し、使徒のフォルティスから対策の説明が有り指示に従ったのだが、一点だけ不満? というか疑問があった。それは我らの大地に到達する地点がセプティモの管轄だからだ。厳密に言うとセプティモの眷族、インスティントの管轄だ。
(なんで、どうして? 他に沢山場所は有るのに何故あたいの管轄なんだよぉ)
文句は有るが総意なので、まずは行動有りきだ。
龍種は既に自分達が守護する惑星が自転している事を知っている。
しかも、燃える星を中心に周回している事も知っている。
更に、より大きな渦の中に存在する事も知っている。
更に更にその渦はより大きな渦の中に存在する事も感覚で認識している。
全ての龍族が”空を越えて”算出された場所に移動する。
“全ての回転”を計算に入れて、その時に惑星が接触する場所に魔法陣を作り始める。
始祖龍スプレムスを筆頭に五体の龍の子、合わせて六体で第一陣。減速の魔法陣。
五体の使徒達で第二陣。回転減速停止の魔法陣。
五体の第1ビダで第三陣。速度停止の魔法陣。
五体の龍人達は先行し小隕石を破壊していく。
最初に減速魔法にしたのは、想像を絶する超高速飛行で回転しながら進む物体に即時停止を使っては効果を得られないと判断した為だ。
指定の組数を作り終えたら、魔法陣を強化する魔法陣を展開しながら逆戻りだ。
これはセプテムが更に可能性を上げる為に考え出した策だった。
龍族達は果てしない距離を無数の魔法陣を作りながら上へ上へと重ねて構築していった。
巨大隕石は物凄い速さで龍族達に向っている。
無尽蔵にある魔素を使い幾つもの魔法陣を構築していく龍達。
魔法陣は巨大隕石を受け止めるだけの大きさを有している。
魔法陣は大きくなればなるほど使用魔素量が多くなる。
龍国がすっぽり入るほど大きな魔法陣が柱のように惑星から伸びて行く。
それは惑星から離れるほど糸のように見えた。
魔法陣を作りながら、敵対する巨大隕石が目視できる程近づく。
「さぁ、もうひと踏ん張りよ」
アルブマの念話で龍族が追い込みをかける。
それは、分かってはいたが隕石は巨大な大きさだ。
第1ビダの中には気おくれする者も居た。
「あと100組だぞぉぉ!!」
数えていたのか、セプテムの怒号が念話された。
そして最後の一組が終わり、全員が輪になった。
始祖龍、龍の子、使徒、第1ビダと眷族の順で回り円を成す。
そして今まで作って来た魔法陣よりも一回り大きな魔法陣を作成している。
「良ぉし、では強化魔法陣を維持したまま一気に戻るぞぉぉ」
テネブリスの案を強化する為に、完成した魔法陣を強化する魔法陣を付与する作戦だ。
直ぐそこまで来ている巨大隕石を背にして、魔法陣を発動しながらの飛行だ。
すると暫らくして最初の魔法陣に巨大隕石が接触した。
Epílogo
どうなるどうなる
0
あなたにおすすめの小説
王様の恥かきっ娘
青の雀
恋愛
恥かきっ子とは、親が年老いてから子供ができること。
本当は、元気でおめでたいことだけど、照れ隠しで、その年齢まで夫婦の営みがあったことを物語り世間様に向けての恥をいう。
孫と同い年の王女殿下が生まれたことで巻き起こる騒動を書きます
物語は、卒業記念パーティで婚約者から婚約破棄されたところから始まります
これもショートショートで書く予定です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
転生後はゆっくりと
衣更月
ファンタジー
貧しい集落で生まれたリリは、生まれた瞬間から前世の記憶があった。
日本人特有の”配慮”に徹した赤ん坊を演じていたことで、両親から距離を置かれた挙句、村人からも「不気味な子」として敬遠されることに…。
そして、5才の誕生日に遠くの町に捨てられた。
でも、リリは悲観しない。
前世の知識チートは出来ないけど、大人メンタルで堅実に。
目指すは憧れのスローライフが出来るほど、ほどほどの守銭奴としてリリは異世界人として順応していく。
全25話(予定)
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
【完結】番としか子供が産まれない世界で
さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。
何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。
そんなニーナが番に出会うまで
4話完結
出会えたところで話は終わってます。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる