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第二章 テネブリスの回想
第47話 忌まわしい出来事10
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一体の龍に二つの龍格。
スプレムスとアルブマが出した結論だ。
そして解決策としてアルブマの眷族が作成した魂を肉体から分離させる魔法陣を使い、本来の姉では無い龍格を隔離する作戦だ。
問題だった魂の器として膨大な魔素を含む無機質な物体はあっさりと見つかった。
「アルブマ、それだったらこの床を使えば良いわ」
「え、床ですかお母様」
スプレムスは地上の魔素を龍国に集めて保存管理している。
その為に、ほぼ中心部で仮眠状態なのだ。
長い時を過ぎると体に接していた場所に魔素が移る場合が有る。
ましてや、龍国は元スプレムスの殻なのだから、本龍の魔素が移りやすく溜まりやすい。
お腹の部分に接していた”白い石”に何気に手を当てるスプレムス。
すると球状の白い塊が浮き上がった。
その球体に更に魔素を送り込むスプレムス。
「これで憑代は大丈夫のはずよ」
「ありがとうございます、お母様」
「後は異物をその中に封印するのよ」
「はい、お母様」
全て母娘の計画通りだった。
※Dieznueveochosietecincocuatrotresdosunocero
計画は順調だった。
”闇のテネブリス”が行なったのは唇を重ねる行為だ。
始祖龍スプレムスとその子らは繁殖を必要としない。
自らの魔素で子孫を創生できるからだ。
意図的に一部の龍種は性別に別れてはいるがテネブリス達は無性だ。
しかも、変身の魔法を使う際に”想像した”性別の形に変わっている。
アルブマとセプティモは”姉”を見習って、残りの二体は姉達の意向を元に弟になったのだ。
幼い頃は龍体でじゃれ合ってはいたが、成龍となり変身できるようになってからは、むしろ距離を取るようになっていた。長姉たちを除いては・・・
それぞれの眷族からは神とも呼ばれる存在に気安く呼びかけ、馴れ馴れしくも体に障り、頬ずりをしてくる者がいた。
最初は困惑していたが慣れて来ると嬉しい物で、いつの間にか”それが”当たり前のように許していた。
そんなある日、いつもの様にベッタリと抱き付き頬ずりしながら挨拶していると、両手で頭を抑えられ唇を押し付けられたセプティモ。
「なっ・・・むぐうぅぅ・・・」
「ぷはぁ」
「ふふふ可愛いセプティモ。大好きよ」
姉から突然の行動と告白に顔を赤らめて動揺する妹だ。
「な、ナニをするのお姉ちゃ・・・姉貴ぃ!!」
「あら、ただの挨拶じゃない。そんなに驚く事じゃないでしょ」
しかし当のセプティモは、慌てふためいて何処かへ逃げて行った。
(ふふふ可愛いわねぇ。この調子で弟達も・・・)
※Dieznueveochosietecincocuatrotresdosunocero
「はぁい、セプテムゥ」
弟のセプテムに対しても同じ行為を行なうと・・・
「姉上、我にそのような行為をしても宜しいのですか? 」
ほんのりと頬を染めているが態度は冷静なままのセプティモだ。
「うふふ、どうして?」
「この事を知ればアルブマ姉上が御怒りかと」
「あら、知ってたの?」
落ち着いて頷くが内心嬉しいセプテムだった。
「良いの良いの、”あの子”にはちゃんと言って置くから」
そのままの勢いで末弟の所に向かった。
「スペロォ、おはようの挨拶だよぉ」
一連の行為をいると。
「な、何をするんですか姉上ぇぇ!!」
一番激しく狼狽えて動揺しているようだった。
産まれた時から甘やかしていたせいか、スペロにベッタリの”闇のテネブリス”だった。
「や、やめてください姉上、皆の前でその様な事は・・・」
おはようの挨拶を済ませイチャイチャする姉弟は、大柄だが可愛いい弟に絡み付く小柄な姉だ。
スペロの眷族に見せつける様にして弄んだ姉は満足して違う場所に行った。
(はぁ、元気になったのは良いが、あんなに変わってしまうとは・・・しかも毎日のように来られると迷惑だよなぁ・・・他の姉弟の所には行って無いのかなぁ)
実はスペロと同じ事を他の姉弟も考えていた。
同族へ朝の挨拶を終わらせて国内を歩いていると見知っている者が遠くに見えた。
「ロサァァァァァ!!」
手を振って駆けて行く”闇のテネブリス”の声を聴き、立ち止まり礼をとるロサだった。
(ああ、我が神よ。そんなに走られては”いろんな所が揺れて”目のやり場に困りますなぁ)
内心では嬉しい悲鳴を上げるロサだ。
Epílogo
ロサに降りかかる毒牙かな
スプレムスとアルブマが出した結論だ。
そして解決策としてアルブマの眷族が作成した魂を肉体から分離させる魔法陣を使い、本来の姉では無い龍格を隔離する作戦だ。
問題だった魂の器として膨大な魔素を含む無機質な物体はあっさりと見つかった。
「アルブマ、それだったらこの床を使えば良いわ」
「え、床ですかお母様」
スプレムスは地上の魔素を龍国に集めて保存管理している。
その為に、ほぼ中心部で仮眠状態なのだ。
長い時を過ぎると体に接していた場所に魔素が移る場合が有る。
ましてや、龍国は元スプレムスの殻なのだから、本龍の魔素が移りやすく溜まりやすい。
お腹の部分に接していた”白い石”に何気に手を当てるスプレムス。
すると球状の白い塊が浮き上がった。
その球体に更に魔素を送り込むスプレムス。
「これで憑代は大丈夫のはずよ」
「ありがとうございます、お母様」
「後は異物をその中に封印するのよ」
「はい、お母様」
全て母娘の計画通りだった。
※Dieznueveochosietecincocuatrotresdosunocero
計画は順調だった。
”闇のテネブリス”が行なったのは唇を重ねる行為だ。
始祖龍スプレムスとその子らは繁殖を必要としない。
自らの魔素で子孫を創生できるからだ。
意図的に一部の龍種は性別に別れてはいるがテネブリス達は無性だ。
しかも、変身の魔法を使う際に”想像した”性別の形に変わっている。
アルブマとセプティモは”姉”を見習って、残りの二体は姉達の意向を元に弟になったのだ。
幼い頃は龍体でじゃれ合ってはいたが、成龍となり変身できるようになってからは、むしろ距離を取るようになっていた。長姉たちを除いては・・・
それぞれの眷族からは神とも呼ばれる存在に気安く呼びかけ、馴れ馴れしくも体に障り、頬ずりをしてくる者がいた。
最初は困惑していたが慣れて来ると嬉しい物で、いつの間にか”それが”当たり前のように許していた。
そんなある日、いつもの様にベッタリと抱き付き頬ずりしながら挨拶していると、両手で頭を抑えられ唇を押し付けられたセプティモ。
「なっ・・・むぐうぅぅ・・・」
「ぷはぁ」
「ふふふ可愛いセプティモ。大好きよ」
姉から突然の行動と告白に顔を赤らめて動揺する妹だ。
「な、ナニをするのお姉ちゃ・・・姉貴ぃ!!」
「あら、ただの挨拶じゃない。そんなに驚く事じゃないでしょ」
しかし当のセプティモは、慌てふためいて何処かへ逃げて行った。
(ふふふ可愛いわねぇ。この調子で弟達も・・・)
※Dieznueveochosietecincocuatrotresdosunocero
「はぁい、セプテムゥ」
弟のセプテムに対しても同じ行為を行なうと・・・
「姉上、我にそのような行為をしても宜しいのですか? 」
ほんのりと頬を染めているが態度は冷静なままのセプティモだ。
「うふふ、どうして?」
「この事を知ればアルブマ姉上が御怒りかと」
「あら、知ってたの?」
落ち着いて頷くが内心嬉しいセプテムだった。
「良いの良いの、”あの子”にはちゃんと言って置くから」
そのままの勢いで末弟の所に向かった。
「スペロォ、おはようの挨拶だよぉ」
一連の行為をいると。
「な、何をするんですか姉上ぇぇ!!」
一番激しく狼狽えて動揺しているようだった。
産まれた時から甘やかしていたせいか、スペロにベッタリの”闇のテネブリス”だった。
「や、やめてください姉上、皆の前でその様な事は・・・」
おはようの挨拶を済ませイチャイチャする姉弟は、大柄だが可愛いい弟に絡み付く小柄な姉だ。
スペロの眷族に見せつける様にして弄んだ姉は満足して違う場所に行った。
(はぁ、元気になったのは良いが、あんなに変わってしまうとは・・・しかも毎日のように来られると迷惑だよなぁ・・・他の姉弟の所には行って無いのかなぁ)
実はスペロと同じ事を他の姉弟も考えていた。
同族へ朝の挨拶を終わらせて国内を歩いていると見知っている者が遠くに見えた。
「ロサァァァァァ!!」
手を振って駆けて行く”闇のテネブリス”の声を聴き、立ち止まり礼をとるロサだった。
(ああ、我が神よ。そんなに走られては”いろんな所が揺れて”目のやり場に困りますなぁ)
内心では嬉しい悲鳴を上げるロサだ。
Epílogo
ロサに降りかかる毒牙かな
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