★淫・呪・秘・転★カテナ・コピディタス編

流転小石

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第四章 過去の真実と未来への希望

第75話 監視対象者との邂逅

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テネブリスは前回の一件から、フィドキアが入手した情報で重要度が高いと判断した場合は、即座に念話で報告するように指示していたのだった。

(我が神よ、宜しいでしょうか?)
(あらフィドキア、何か有ったのかしら?)
(はっ、お耳に入れた方が良い件が御座います)
(何かしら、話して頂戴)
(はっ、アルブマ様の眷族の末裔が”かの男”に求婚を迫っており、半ば承諾した様子でございます)
(なっ・・・)
テネブリスは憤怒の表情だった。

(ころせ・・・)
(は?)
(例の魔物を使って襲わせろ!!)
(しかし・・・畏まりました。魔物を向かわせます)

フィドキアが躊躇したのは、襲わせる場所に神が大事にしている男がいるからだ。
しかも宗教関係者はアルブマの眷族の末裔であることも知っているからだが、瞬時に否定し、神の言葉を最優先させた。
(あの者ならば、ある程度の魔物など造作も無いはずだ・・・)

念話を終え、大声で叫ぶテネブリスだった。

眷族達が先走った行動に出たが、姉の眷族と交配させると言う嬉しい計画を聞いて満面の笑みを浮かべていたアルブマに大声が聞こえた。

「アルブマァァァァ!! 外郭に行くわぁ!!」

その言葉に驚いたが、既に姉の姿は無かった。
「やっぱり怒ってたのねぇ・・・」

そして時間差で、ラソンからオルキス、ベルス経由でフィドキアからテネブリスに伝わった情報を聞いたアルプマだった。

(それは・・・不味いわ。只でさえ”お兄ちゃん”の浮気で激怒していたのに、私の末裔が求婚させるなんて・・・でもここを乗り切ればお姉様と混じり合う事が出来るわ・・・ウフッ)

姉の怒りを抑えるよりも自らの欲望を優先するアルブマだ。


※Dieznueveochosietecincocuatrotresdosunocero


テネブリスが外郭で暴れている一方で、下界では出会いが有った。

フィドキアとラソンが監視対象者を観察する為に作った地下施設は上部を迷宮にしていたため、何故か監視対象者が迷宮を突破して訪れていたのだった。

「ふむ、やはりあの程度の魔物では壁にもならんか」
「どうするの、フィドキア」
「良い機会だ、ここに通せばよかろう」
「ではわたくし達の事を教えても良いのね?」
「ふむ、いずれ話さなければならない事実だ。予定には無かったが、向こうからこの場所を探り当てたのなら誉めてやろうではないか」
「あら、随分と優しいのね」
「ふん」
「では扉を開けるわ」


フィドキアとラソンの前に監視対象者と、ラソンとインスティントの末裔を交配させた女性が現れた。

「ようこそ監視室へ。2人を待っていたわ、さぁこちらの椅子に掛けてください」
2人は驚き戸惑っている。

「初めまして、わたくしはラソンよ。貴方達の事は良く存じていますわ。」
「あのぉこの迷宮の底で、あなた達は何をされているのですか?」
「その質問には我が答えよう」
「フィドキア! 何故ここに居る」
「又会ったな。今は待て、戦いの時では無い」
「随分と勝手な事を言うな、フィドキア」
「わたくしからもお願いしますわ。今回は2人に私たちの事を説明したいのです」
「わたくしの事が解りますか?」

暫らく考える様に沈黙していたが女性が話し出した。

「聖魔法王国の最も神聖なる場所であり崇拝の対象物、”神の坐する場所”の壁に掛けてある絵に私達の神と使者の方達が描かれています。あのぉ・・・貴女はその中の1人と良く似ていますが・・・」

「ええ・・・そうね。あの絵は後世に掛かれた物だけど、わたくしが時の教祖に言って修正させたのよ。最初の絵は記憶を頼りに口頭で説明して絵師に描かせた物だったから・・・余り似ていなかったの。描かれている人物は全部で3人でしょ?」
「ハイ」
「わたくしは右端に居るわ」
「ハイ。では、貴女は龍人で・・・」
「フフフッそうよ。わたくしは我らが神、聖白龍アルブマ・クリスタ様のしもべ、龍人のラソンです」

「説明してもらおうかフィドキア」
「何をだ?」
「お前がエルフの国を襲った理由だ」
「・・・分かった。説明はするが、今は出来ん」
「それは、しないと同じことだぞ!」
「では、こうしよう。説明は、エルフの街を我に襲えと指示した者にしてもらおう」
「何ぃ? それは・・・お前よりも高位の存在か?」
「当然だ」
「何故今話せない」
「今はその時では無いからだ」
「・・・さっきラソンが言っていたような龍の存在がお前を動かしているのか?」

「ラソンの言葉を借りるなら、お前たちダークエルフの先祖は・・・我の種族だ」
「何ぃ!」
「驚いたか?」
「本当か?」
「勿論だ。信じるか信じないかはお前の自由だが・・・そうだな・・・後で魔法を教えてやろう」

「こんな所で何をしていたんだ?」
「監視だ」
「何の?」
「地上の監視だ」
「話しをもどすが、先日の魔物の大群の事は見ていたのか?」

自らの神の命令で”お前達を襲え”と指示が有った事は伏せた。

「当然、見知っている」
「では何故対処しなかった?」
「お前が居たからな。我らは監視する者だ。我らが直接手を出すのはよっぽどの事が起きなければ無い」
「エルフの街を襲ったのは、よっぽどの事か?」
「その通りだ」
「ラソンはどうも思わないのか?」
「何が?」
「自分の子孫が同じ龍人に襲われた事に対してだ」
こそは、間髪入れずにキッパリと言い切るラソンだ。

「無いわ。わたくし達にはエルフや王国の者よりも、大切な意思があるの。例えエルフや王国の者が滅びても、その意思の指示の元で私達は動いているのよ」

「「・・・・・」」

「まぁ、そんなにしょげるな。良い物を授けよう。魔法も後で教えるが、これをお前たちにやろう。我らはお前たちと敵対しない。むしろ友好関係を築きたいと思っている。その証しとして龍人の腕輪を与えよう。我らからはお前たちが何処に居ようとも居場所が解り、お前たちの呼び出しで転移して現れよう」

様々な魔法の伝授と自らを召喚できる魔法陣が付与された腕輪を与えた2人だった。








Epílogo
真実は伏せられたまま。
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