★淫・呪・秘・転★カテナ・コピディタス編

流転小石

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第四章 過去の真実と未来への希望

第98話 城の設計

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「さてと・・・予定通りだね。龍人達に連絡して、我が神にも・・・」

テネブリスがメルヴィとして生還したと同時にダークエルフの建国準備に拍車がかかり、城の設計図を見ながら具体的な打ち合わせをする為に関係者を集める事にしたロサだった。
龍人達に念話した後、種族神へ事態を説明するロサの元へ、いち早く駆けつけたのはフィドキアだった。

「父上、よいよ我らが神の住まう城の着手でしょうか?」
「ああ、そうだよフィドキア。だけど解っているな・・・」
「はっ、決して悟られる事の無い様に致します」
「我らは神の望むまま助力するだけなのだからな」
「はっ、全ては御心のままに」
「じゃ場所は決まっているし土台となる図面を見ようか」

“それ”は水面下5階層だが各階層の天井はかなり高い。
そして湖上の城となる城壁も聳え立つ高さで3階層に別れている。
肝心の居城だが図面は無い。
これから意見を聞いて作るらしい。
また、城下街に港町も場所の選定はしてあるが未定のままだ。

「どの様な城になるか楽しみだなフィドキア」
「は、全ては神の望まれるまま・・・」
「まぁ確かにそうだけど・・・こっちの図面も見て欲しい」
「これは・・・」

ロサが出したもう一枚の図面は島の断面図だった。
島の中腹にある湖に浮かぶ城が小さく記され、その下に続く島全体が空洞の様に巨大な空間があった。

「これは・・・」
「神々の集う場所さ」
「何故・・・」
「多分だが、どの神々も見たいのではないか? 我らが神の城を・・・」
「なるほど・・・島全体を城とするお考えとは流石です父上」
「いやいや私では無いよ。全ては我らが神の御心のままだ」

そして重要事項の説明だ。

「フィドキアよ、この島自体は大地と切り離す予定だ」
「それは・・・?」
「ふむ、まだ先だがいずれ地殻変動で、”また”陸地が変わるからな」
「流石は父上。そこまで見越しての設計とは」
「ふむ。流石に島の切り離しと、島の底辺に可動式ゴーレムを装備させるのはバレンティアの属性神であるスペロ・テラ・ビルトス様にお願いするがな」
「父上、底辺に可動式ゴーレムを装備させるとは一体・・・」
「今考えているのは、島の底辺をゴーレム化して全体に10本ほどの巨大な足を作りムカデの様に歩いて移動させる方法だ」
「・・・ですが父上、海底も起伏が有り一定の深さでは無いはずですが」
「そこなんだ。ゴーレム自体を伸び縮みできるようにするか、海流を魔法で操作して浮かせて移動させる方法も良いかと悩んでいるのだ」
「それであれば二つの方法を採用し、目的地の海底を魔法で底上げすれば今と変わらない島の環境水位が維持できるかと」
「ふむ、それで行こう。フィドキアよ、カマラダとバレンティアに説明し眷属神の協力を仰ぐように頼んでくれ」
「はっ」

ロサが中心となり進む新しい国の”土台作り”だ。
無論、地上に住む者達が知る由は無い。


そして、眷属神の発言は絶対だった。
それは当事者の意見を聞く場での事だった。

「それでは皆さん、モンドリアンさんが新しく建国される城と城下街の建築にあたり、我らが協力する事となったので、モンドリアンさんとメルヴィさんの意見を取り入れていきたいと思います。皆さん、意見や質問が有ればどうぞ」

「俺からは、以前コラソンに話した通り普通の城にして欲しい。只でさえ湖に浮かぶ城なんて珍しいからさ、カスティリオ・エスピナみたいに大きくしないで欲しいなぁ」

「解かりました、モンドリアンさんの意見も考慮しましょう。ではメルヴィさんから何か有りますか?」


「そうねぇ・・・この世界で最も美しい城にしてくれたら嬉しいわ」


コラソンとフィドキアの目が輝き、バレンティアを凝視すると頷いた。
「カマラダ、湖の水は綺麗なのか?」
フィドキアが問いかけた。
「とても綺麗とは言い難いね」
「ならば湖も作り直した方が良いのではないか」
「勿論だとも。深さ、透明度、生息する生物含めて厳選しよう」
「ふむ、任せたぞ」

湖に浮かぶ城には陸地に石橋を作る予定だ。
そして城から船に乗る事も可能だ。
コラソンが広げた設計図には土台しか無い。
広さはカスティリオ・エスピナの3分の2程度だ。
実質半分ほどの大きさになるだろう。

目の前で意見が出ているが、城の高さは一般的な高さで10階から15階程度になると思われる。
15階と言っても塔の高さだ。
しかし設計上の1階から3階までは非常に天井が高い。
実質3階までで通常の建物であれば10階相当有りそうだ。
1階は天井まで5階分は有る。
2階は天井まで3階分は有る。
3階は天井まで2階分は有る。
それ以降も天井は高い。
地下も同様ですべての階層が2階分は有る。


机の上には城の断面図があった。
「あのさぁ。これが水面かぁ?」
「そうです」
バレンティアが答えた。
コラソンは嬉しそうに見ている。
「ちょっと聞きたいけど」
「はい何でも聞いてください」
「城は10階なのは良いよ。それよりも・・・」
その断面図には今までに無い驚きの内容が記されていた。

「水面から地下深く50階ほど階層があるけどコレは何?」

水面から城の基礎たる土台まで。
そうでは無くて更に地下を掘り下げて階層が連なっている。
カスティリオ・エスピナの地下の様な逆円錐では無くて円柱だ。
各階層は均一の大きさで地下深くまで伸びている。
ご丁寧に階層ごとの見取り図まで用意されている始末だ。

“はあぁ”と溜息をついて質問する。
「それで、コラソンはここで何をしたいのかな?」
「それはモンドリアンさんと”奥様”に、一族の方々と決めてください」
「そんな事言ったって、今の俺達じゃ使いようが無いぜ?」
「ええ、今はでしょう?」

意味深なコラソンの返事に、無駄な問いかけは止めたエルヴィーノだ。
それは一介のダークエルフが”エンシェントドラゴン”の考えなど理解できるはずも無く、深い意味が有るのだろうと察したからだ。
ここは有り難く礼を告げて話を進める事にした。


その後、ロサと龍人達だけになって打ち合わせが始まった。
島の周りで海中の壁面に龍人の彫像を彫る事でペンタガラマと同じ役割を成すのだ。
それは防御魔法陣だ。
物理攻撃に魔法攻撃と自然現象も防御する万能型の魔法陣だ。
自然現象とは水害を含む雨、風、暑さ、寒さだ。

彫像の下には島全体をぐるりと囲む屋根の様な巨大な出っ張りが飛び出す加工を施す予定だ。
これは、魔法で海流を下から押し上げて島を浮かせる仕様なのだ。
そして浮いている状態で彫像の上に方向性を持たせた海流で前進させるのだ。
足のゴーレムは補助になるが、移動後には海底に楔を打つ形で固定する役目となる。




Epílogo
着々と進む居城の島を作り替える計画
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