★淫・呪・秘・転★カテナ・コピディタス編

流転小石

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序章 転生から眷族創生

第2話 念話

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親龍と念話で話していると原初の龍、始祖龍である事が分かった。今の所、理性の有る子供は私だけで、いずれ増やと言っている。
(ん? じゃ理性の無い子供がいるわけ? 怖っ)

そして、洞窟の外は・・・意外な事に劣悪な環境だった。
洞窟の出入口から見える景色は、見渡す限り噴火する火山が垣間見え、流れ出す溶岩の川が赤く輝いていた。稀に噴火で燃える岩石が飛んでくるが、それはもう家と言うか洞窟でじっとしているのが一番安全だった。おまけに空は雷雲で覆われ激しい稲妻と強酸性豪雨で非常に危険だ。

それでも稀に雷雲も無く火山活動も落ち着いた時があるのだとか・・・
ただし、晴れているからと言って安全では無く、幼い龍の子には強烈な太陽光線で火傷するとか言っていた。一度コッソリ晴れた日の日射しに手を出したら見る見る鱗が盛り上がり、慌てて手を引っ込めた。(あのままだったら、どうなってたんだろぅ)

(お母さん、今はどんな時代なの?)

帰って来た返事は時代と言う概念は無く、この場所は龍の子の知識には無い場所で、前世の記憶に無い環境に凄き不安だったので更に親龍に聞いてみた。

(今はコノ大地が・・・コノ星が形成されて、そこそこ時間が経っているはず)

(うぅっ)て、参りました。
(星が形成だってぇ? なによそれ・・・)

龍の子が持つ前世の知識でも、どうしょうもない事が判明したのだ。
結局、外にも出られないから念話でお喋りするしかなく続けて親龍は念話する。

(まだ知性の有る生命は我らだけ。だが、お前がもう少し大きくなれは兄弟を創生しよう)

(成る程、創生ですか・・・)

ココで素朴な疑問が産まれた龍の子。

【親龍はどうやって誕生?創生?したのか】

だが、なぜか怖くなってそれ以上聞くのを止めた龍の子は、取り敢えず考えない事にした。

(忘れよう。過去より未来。未来よりも今よ)

※Dieznueveochosietecincocuatrotresdosunocero

それから色んな事を話していた。

龍の子の質問・お母さんは産まれてどの位で今の大きさになったのか?
親龍の答え・覚えて無い。
理由・今までずっと1匹で生きてきたので気にしなかった。

龍の子の質問・食べ物は?
親龍の答え・無い。
理由・コノ大地「星」から湧き出る力を身体に吸収する。
(前世では魔素と言ってたモノかなぁ・・・)

龍の子の質問・お母さんの角や爪は虹色だ。目は金色なのに私は何故違うのか?
親龍の答え・始祖龍として長い時をこの星と共に生きてきた過程でいろんな力が身体の中に蓄積された為・・・だと思う。
(思うって・・・)
理由・その蓄積された力から、始まりの暗黒を集めて創生したのがお前だ。
(私って暗黒なのぉ・・・確かに前世は・・・)

龍の子の質問・私が勝手にお母さんと言っているけど、お母さんだよね?
親龍の答え・お前を創生したのは我だ。そのお母さん以外に何か存在するのか?

龍の子の質問・あぁ、うぅんっと(お父さんの説明が面倒なので誤魔化す事にした)お母さんでいいや。それよりも言葉が乱暴だけど何とかならない?
親龍の答え・我はその言葉と言うものを知らない。念話で語りかけているだけだ。

龍の子の質問・じゃ私が教えてあげるから覚えてね。
親龍の答え・解かった。

龍の子が教えたかったのは発声や発音では無く、念話で話す母親らしい話し方だ。
現在はどちらかと言うとお父さんのような乱暴で素っ気ない会話なので、転生前の母親を思いだし指導する事にした。これからの生き方に前向きに切り替えた龍の子だった。

しかし、念話の途中で衝撃的な事が判明した。
親龍の瞳に映る小動物のような自分を思い出して・・・
(私って暗黒龍なの? あんな可愛いかったのにぃ?)

話し相手が居ると、小さな龍の子も今の自分が置かれた立場の気を紛らわせることが出来、動き回りながら念話をつづけた。一方の親龍もずっと一匹だったせいか、良く念話する龍の子を愛しく思い真剣に相手をしていた。

いろんな質問をしながら寝起きして、生活していると時が流れていった。
前世の時間で置き換えれば10年ほどか・・・
食事をする必要が無いので、話す事に飽きるとちょくちょく”うたた寝”していた龍の子だ。しかしこの”うたた寝”が思わぬ結果となった。

本人では無く本龍である龍の子は、前世と同様にお昼寝や惰眠をむさぼる行為で”大した時間”は寝て無いつもりで居たのだ。
だが実際は既に生後10,000年ほど経っていて、転生前の少女と現在の暗黒龍では精神と時の流れの感覚がかなりのズレとして生じていた。

またこの頃には雷雲は無くなり火山噴火もかなり少なくなっているので、朝や夕方は親子で散歩するようになっていた。
かなりの草や小さな木が生えてきて小さな生物が産まれて来た今日この頃。

そう言えば転生した頃は周りの環境、自分の立場に絶望と不安しか無く、この状況になる原因を作ったヤツの事を思い出して、怨み、憎しみ、愛しい者達に、夫と愛し合った記憶を思いだし幾度となく涙した夜を過ごしてきた。

今では稀に思い出す程度だけど、忘れないように定期的に思い出す努力をする。
それは生後間もなく親龍に隠れて魔法を使っての事だ。
夫や家族に教えてもらったり魔導書を読んで覚えた魔法が、この身体になっても使えるか実験したのだった。

龍の子はエスパシオ・ボルサ(空間バック)と念じた。
龍となった言葉では発動しないと思ったからだ。
だがそんな心配をよそに、前世と同様に前方に黒い空間が現れた。
だが、中には何も入っていなかった。

(おかしいなぁ、いろいろと入れてたはずだけどなぁ・・・転生すると中身が無くなるのかなぁ)

今度は頭を突っ込んで再度探して見た。すると
(なんだこれ)

真っ暗な空間の片隅にゴミが溜まっているように見えた。
ゴミと言うより・・・ホコリが溜まっているのだ。
それは良く探さないと見つけられないような小さな小さなホコリが幾つも集まって出来ていた。
瞬きしても吹き飛ばされそうなホコリたち。
だが、そんなホコリでも今の龍の子にはハッキリと何か解ったのだ。

それは魔法で記憶させる家族全員の肖像画だった。
転生前はそれなりの大きさだった肖像画も、今では注意して探さないと解らない程の小ささだ。
肖像画を見つけて溢れ出す涙と嗚咽。
そして、いかに自分が大きくなっているのか自覚したのだった。

その後、龍の子は親龍の目を盗んで肖像画を見る様になる。
今の自分を作りだした怨みを忘れないように・・・
いつの日か元に姿に戻り、家族に会う為にと叶わぬ願いを胸に秘めるようになる。
それからは、愛する夫と息子。家族の事は毎日欠かさず考えて思い出していた。

(愛する夫が怪我をしたと聞いていたのに・・・2度と会えない・・・息子にも・・・お父さんやお母さん、叔母様にも・・・)

たまに号泣する龍の子を心配して見る親龍だった。




Epílogo
成長日記
始祖龍(親)・・・体長は100km(頭から尻尾の先まで)始祖龍の年齢は不詳です。(自分でもわかりません)成長は止まっています。
暗黒龍(子)・・・生後10,000年、体長17km
転生前からすると太古の時代の出来事。
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