七曜学園高等部

hina

文字の大きさ
13 / 27
1

13

しおりを挟む



俺は茂部。七曜学園高等部二年。金曜寮に住まうごく普通の生徒だ。

金曜寮には親衛隊はないものの、みんながその存在を気にしている生徒がいる。

一年の才葉瑠衣くん。

垂れ目がちの二重の瞳に、小ぶりな鼻、薄くも厚くもない形の良い唇。顎のラインはシュッとしていて、顔が小さい。

身体つきも華奢で、身長も低いけど、それは彼の魅力だと思う。

可憐で美しく、彼と仲の良い雨野泰雅と並ぶ姿はみんなの眼福だ。
雨野が怖くて手が出せないが、才葉くんに想いを寄せているのは俺だけじゃないことはよく知っている。

そんな彼はちょっと危ういところがあって、つい最近までは大浴場に入りに来ていたりした。
みんなが才葉くんに気が付かれないようにチラっと見たりしていて、早く出て! と内心焦ったりしていた。
でももう姿を見かけないので、おそらく雨野に何か言われたんだろう。
ちょっとホッとした。

残念だなんて思ってないんだからな。


雨野がいなかったら、俺は才葉くんにアプローチしていただろうか。
俺じゃ相手にされないかもしれない。
強力なライバルに怖気付いてる時点で負けてるかもしれない。

でもいいんだ。
この想いは告げることはないだろう。
たまに見かけるぐらいで満足だ。
だってもし仮に付き合えたりしても、ライバルが多すぎて俺だけを見ていてくれなんて俺には言えないだろうし、彼を引き付けておけるとも思わない。

雨野は俺から見ても凄く魅力的だ。でも才葉くんと雨野はまだ付き合っていないという。
もはやどんな人物なら才葉くんを夢中にさせられるのかわからない。
俺と同学年の秋山と親しくしているという噂もあったけど、どうやら委員会活動で一緒になっているだけらしかった。
月曜寮の生徒でもなければ、才葉くんには近付けないか。

金曜寮の俺が月曜寮に勝てるわけがない。

だけど心の中で思うくらいは許して欲しい。
もし何かのきっかけで才葉くんと接点が持てたら、俺は出来る限りのことを才葉くんにしてあげたいと思う。

それが俺なりの想いの遂げ方だ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

寂しいを分け与えた

こじらせた処女
BL
 いつものように家に帰ったら、母さんが居なかった。最初は何か厄介ごとに巻き込まれたのかと思ったが、部屋が荒れた形跡もないからそうではないらしい。米も、味噌も、指輪も着物も全部が綺麗になくなっていて、代わりに手紙が置いてあった。  昔の恋人が帰ってきた、だからその人の故郷に行く、と。いくらガキの俺でも分かる。俺は捨てられたってことだ。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男子寮のベットの軋む音

なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。 そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。 ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。 女子禁制の禁断の場所。

分厚いメガネ令息の非日常

餅粉
BL
「こいつは俺の女だ。手を出したらどうなるかわかるよな」 「シノ様……素敵!」 おかしい。おかしすぎる!恥ずかしくないのか?高位貴族が平民の女学生に俺の女ってしかもお前は婚約者いるだろうが!! その女学生の周りにはお慕いしているであろう貴族数名が立っていた。 「ジュリーが一番素敵だよ」 「そうだよ!ジュリーが一番可愛いし美人だし素敵だよ!!」 「……うん。ジュリーの方が…素敵」 ほんと何この状況、怖い!怖いすぎるぞ!あと妙にキモい 「先輩、私もおかしいと思います」 「だよな!」 これは真面目に学生生活を送ろうとする俺の日常のお話

灰かぶりの少年

うどん
BL
大きなお屋敷に仕える一人の少年。 とても美しい美貌の持ち主だが忌み嫌われ毎日被虐的な扱いをされるのであった・・・。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

乙女ゲームのサポートメガネキャラに転生しました

西楓
BL
乙女ゲームのサポートキャラとして転生した俺は、ヒロインと攻略対象を無事くっつけることが出来るだろうか。どうやらヒロインの様子が違うような。距離の近いヒロインに徐々に不信感を抱く攻略対象。何故か攻略対象が接近してきて… ほのほのです。 ※有難いことに別サイトでその後の話をご希望されました(嬉しい😆)ので追加いたしました。

処理中です...