異世界転移したら二人の獣人に出会って旅に同行することになりました

hina

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男同士もアリなんだという異世界事情にショックを受けつつも、俺達は服屋さんにたどり着いていた。

「うーん、これも似合うな」
「汚れを気にして濃い色ばかり選ぶ必要はないんだよ? 僕が浄化魔術で綺麗にするからね」
「いえ。季節もあるし、濃い色が良くて」

ウサギ獣人の服がサイズ的にちょうど良かったんだけど、淡い色合いの服が多くて、ちょっとメンタルが削られていた。
デザインも可愛い系が多い……。
出来るだけシンプルな服をお願いしながら、着せ替え人形になる俺は早くも疲れ始めていた。

店員さんは服を持ってきてくれるけど、イーサンとグレンの計らいによって試着室に入ることはなく、俺は安心してグレンから借りたマントを脱いでいる。

俺に合う新しいマントも試着を繰り返し、すでに選んでいて、今の俺の瞳と同じ紫の長いマントに決定していた。


「寝巻きは淡い色と俺達の色にしよう」
イーサンの一言で、デザイン違いの二枚の白いカットソーに水色と蒼色のズボンの二セットで決定してしまった。
「あとは、このカーディガンもどうかな」
グレンがあったかい白いロングカーディガンを俺に合わせてくれて、着てみると軽くて肌触りが良くて驚く。
「これ、高いんじゃ?」
「これから寒くなるからね。僕達からのプレゼントだから、受け取ってね」
「有難う、御座います……」

嬉しくて、感極まってしまう。
大切に着ようと決めて、下着もふくめ、大量になってしまった服の買い物は終わった。




「どれがいいかな」
「正直、一晩寝てみないと分からないよね」
「と言ってもここに泊まるわけにはいかないですからね」
俺は苦笑して、三人で寝られる大きなマットレスを次々と試す二人と一緒にマットレスに寝転がってみた。

起きる時にマントのフードに気をつけなければいけないのがちょっと億劫だ。


服屋さんでの買い物が終わり、家具屋さんに来ている。
この後は雑貨屋さんにも行く予定だ。

「さっきのやつの方がいいかな」
「一番身体を動かすのはイーサンだし、イーサンに合わせるよ」
「そうですね、俺もお二人に合わせます。とくにこれ! っていうのもないですし……」
「じゃあさっきのにしよう」

厚みのあるしっかりとしたマットレスに決まって、俺は一安心した。

ベッドフレームは選ばないの?と言ったら、テントだからマットレスだけで使用すると言われて、そんなものなのかなと思ったのだった。
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