異世界転移したら二人の獣人に出会って旅に同行することになりました

hina

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俺達は今、西大陸の東海岸沿いの街シゼアにいる。

「水竜は街には上がって来ないんですよね?」
「ああ。海岸付近に現れるだけらしい」
「だからと言って油断は禁物だけどね」
「とりあえず、聖緑の刃の皆さんが来るまでここで待機なんですよね」
この街シゼアでは、少し前から水竜が海岸付近に居着いてしまって困っているという。
ギルドでSランク指定の討伐依頼が出ていて、俺達はこの街まで来た。

今いるのはその海岸近くのカフェで、他のお客さんはいなかった。
店員さんも大変だなあと思いつつ、ナッツ風味のラテに口をつける。

「ライアン達と会うのは久し振りだよね」
「グレンはジルと顔を合わせると魔術談義が止まらないよな。フィーユがいつも呆れてそれを見てる」
「あはは。つい熱くなっちゃうんだ」
「聖緑の刃の皆さんとは仲良しなんですね」
「そうだねー」


外はそれなりに寒いけど、空調の効いた暖かい店内で冷たいミルクセーキを飲むグレンは、にっこりして頷いた。

他のパーティとの共闘はたまにある事らしい。
イーサンとグレンがSランクになった依頼も他のパーティと竜の群れを倒したのだとか……。

聖緑の刃みたいにパーティに名前がないのか二人に聞いたら、イーサンとグレンと名乗ってると聞いて、目を瞬かせてしまった。
俺が仲間に加わったことで何か変わるかとも尋ねたけど、イーサンとグレンとスバルになるだけだよとグレンが笑って言うので、俺はそれ以上何も言わなかった。

聖緑の刃の皆さんはなかなか来なくて、それぞれ二杯ほど追加注文して、小腹が空いてきたなんて話題が出たところでやっとお店の扉が開いたのだった。
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