異世界転移したら二人の獣人に出会って旅に同行することになりました

hina

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「きゅー……くるるるるる」
〈ヒトガキタ……マタコウゲキサレルノカナ〉

海岸の近くの海の中に巨大な首の長い竜みたいな生物がいる。あれが水竜なのかな?
言葉が聞こえたけど、俺の言葉も通じる……?

「な、なあ! ここにいても退治されるだけだぞ? どうしてこの場所にとどまっているんだ?」
「くるる? くるるるるる……」
〈ハナセル? ボク、ナカマトハグレテサビシクテ……〉

「スバル? 一体どうしたんだ」
「水竜と話してるんだ。大丈夫だよ。俺に任せて」

イーサンが前に出た俺を後ろに庇うように俺の前に立ったけど、俺はそれを制して再びイーサンの前に出た。

「そうか。仲間を探しに行かないのか?」
「きゅー……」
〈ドコヲサガセバイインダロウ……〉
「最初から諦めてたら見つかるものも見つからないぞ?」
「くるる」
〈ウン〉
「ここにいたら退治されて死んでしまうよ。早めに海に戻るんだ」
「くるるるる」
〈ワカッタヨ〉
「ここには戻ってきちゃダメだからな!」
「きゅーくるるるる!」
〈ボクガンバッテナカマヲミツケル!〉
「きっと見つかるよ! 頑張れ!」

なんで水竜と話せたのかはわからないけど、退治せずにすんで良かった。
俺達に背を向けて海原を進む背中を見送って、俺は振り返った。

「多分もうここには現れないと思う」
成り行きを見守っていたみんなは呆然としていたけど、グレンがいち早く反応した。
「そっか。また現れたら、今度は退治しなくちゃならないかも」
「そうなって欲しくはないけど……」
「とりあえず、ギルドに報告に行こう」
ライアンさんが微笑んで皆を促した。
「水竜は追い払ったとだけ言おう」
「それがいいですわね」
イーサンの提案にフィーユさんが頷いて、俺達はギルドに向かうことにした。
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