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第五章 ~邂逅、いずれ世界に知れ渡る将来の三拳姫~
道場訓 三十三 漢女からの決意ある誘い
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「ヤマトタウンに行くことになった」
俺は食事がそろそろ終わる頃合いになったとき、目の前でパンを食べているエミリアに唐突に切り出した。
エミリアは最後の一口分のパンを口に入れながら目を丸くさせる。
まあ、無理もないか。
いきなりヤマトタウンヘ行くと言われても訳が分からないだろう。
しかも飯を食べている途中となったら何も言えないか。
現在、俺たちは冒険者ギルド内で食事をしている。
昼時ということもあってか、周囲のテーブルでも昼食を取っている冒険者たちの姿は多い。
その中には〈魔の巣穴事件〉で仲間を失った冒険者もいて、食事があまり口に入らず憔悴している者もいたが、冒険者稼業には怪我や死は付き物だ。
なので大半の冒険者たちは仕事で死んだ仲間を弔うと、下手に悲しむことはせず大量の酒を飲んで豪気に騒ぎ出す。
朝だろうが昼だろうが夜だろうが関係ない。
そうして死んだ仲間の魂を天国へと陽気に送り出すのだ。
今もそうだった。
俺たち以外のテーブルではちょっとした宴会が開かれ、「あいつは良い奴だった」とか「あの野郎は女遊びに汚くてな」などと豪快に笑いながら死んだ仲間の昔話を肴に楽しんでいる。
「ヤマトタウン……先ほどギルド長と話していたのはそのことですか?」
ごくん、とパンを飲み込んだエミリアは真顔で訊いてくる。
俺は小さく頷いた。
「ああ、ヤマトタウンには武士団ギルドというものがあってな。そこのギルド長の護衛を……」
と、俺がギルド長と話した内容を伝えようとしたときだ。
「ケンシン・オオガミ!」
ベロベロに酔っぱらった数人の冒険者が俺たちのテーブルに現れる。
「お前、スゲエよ! 俺は……俺はお前の強さに感動したんだよ!」
「俺もだ! よし、俺は決めたぞ! 俺はケンシン・オオガミの弟子になる! 弟子になって娼館の女どもに空手を使ってやるんだ!」
「バンザイ! バンザイ! ケンシン・オオガミは英雄だ! バンザイ! バンザイ! バンザイ!」
はあっ、と俺は酔った冒険者たちを見てため息を吐いた。
もう、これで何人目だろうか。
さっきから代わる代わるこうした冒険者たちがやって来るので、おちおち食事も話も満足にできない。
やはり、外で食事をするべきだっただろうか。
ギルド長から無料で昼食を食べていいと言われたので甘やかせてもらったが、まさかこんな風に他の冒険者たちから絡まれるとは思ってもみなかった。
「悪いが今は取り込み中だ。話なら後にしてくれないか?」
そう言うと冒険者たちは「そうか、分かった!」と素直に受け入れ、また自分たちのテーブルに戻って宴会の続きを始める。
「さて、どこまで話したかな?」
「ヤマトタウンに行って、武士団ギルドのギルド長の護衛を……まで、でした」
そうだった。
まったく、話の途中で横から茶々を入れられると本当に困る。
それでも悪気はないのであまり強くも言えないのだがな。
まあ、それはさておき。
「ああ、そうだった。ここのギルド長から武士団ギルドのギルド長の護衛を頼まれてな。それでヤマトタウンに行くことになったんだが……エミリア、お前はどうする?」
「どうするとは……まさか、ケンシン師匠は私を置いていくつもりなのですか?」
「いや、そうじゃない。むしろ逆だ。お前は俺の一番弟子だからな。何があってもお前を強くするまで離れるつもりはない……大事なのはその先だ」
「その先?」
エミリアは疑問符を浮かべながら首を傾げる。
「ヤマトタウンでの仕事が終わってからどうするか、ってことだ。ヤマトタウンでの護衛の仕事はそんなに難しいことでもないだろう。ヤマトタウンのサムライは優秀だと聞いているし、何だったら部外者の俺らが雇われない可能性だってある。まあ、そのときは大人しく帰るだけなんだが……すまん、話が逸れたな」
要するに、と俺は話を元に戻す。
「ヤマトタウンの仕事云々のあと、俺は故郷であるヤマト国へ一旦帰ろうと思う。師匠である祖父の墓参りと武者修行を兼てな」
エミリアはまだ話の根本が掴めなかったのだろう。
だから俺は単刀直入にエミリアに尋ねた。
「エミリア、お前はどうする? 俺と一緒に来るか? この国を捨てて」
そうだ、これだけは本人の口から確かめておく必要がある。
エミリアという名前は冒険者として登録している偽名であり、本当の名前はクラリア・リザイアル――このリザイアル王国の王家に連なる人間だ。
色々と複雑な事情があってこうした冒険者をしているらしいが、それでも完全にこの国を捨てるとなると話は違ってくる。
さすがにエミリアの姿が完全に王宮からいなくなれば、王家の人間たちも捜索に乗り出すだろう。
もしかするとすべての事情を知った王家からは、俺に対してエミリアを連れ去った罪で刺客を差し向けられるかもしれない。
いや、下手すると俺ではなくエミリアに刺客が向かう可能性だって考えられる。
なぜならエミリアは魔法が使えない魔抜けとして、王家から半ば追放されているようなものなのだ。
たとえエミリアがこの国にいたとしても、将来的に幸せになれるかと問われれば首を傾げてしまう。
だったら、エミリアの人生は自分が決めるべきだ。
このままリザイアル王国に残って余生を過ごすのか、俺とともに外の世界へ飛び出して武の道を極めるのか。
俺はどちらでも構わない。
決めるのは、あくまでもエミリア本人だ。
無理やり国外へ連れて行くつもりなど毛ほどもなかった。
だが、エミリアが危険を承知で俺について来てくれるのなら、俺はたとえ相手が誰であろうと絶対に守ると決めている。
「ケンシン師匠……愚問ですよ」
エミリアは居住まいを正すと、真っ直ぐ俺の目を見てくる。
「私はこの国に未練などありません。私は王家の爪弾き者なのです。ただ王家の体面のために生かされていますが、それもどこまで続くか分かりません。もしかすると、明日には父上の気が変わって暗殺されることも十分に考えられます」
エミリアは落ち着いた声で話を続ける。
「そんな馬鹿な、と思われるかもしれません。ですが王家にとって魔法が使えない魔抜けとはそれほど何の価値もない存在なのです。生かすも殺すも王家の――いえ、国王である父上の機嫌次第。そんな生活にはもう耐えられません」
俺は緩く両腕を組んだ。
「じゃあ、もう決意は固いんだな?」
「はい……むしろ、私から強くお願い致します」
エミリアはテーブルに額が触れるほど頭を深く下げた。
「ケンシン師匠、どうか私を連れて行ってくださいませ。そして、私に空手を教えてください。私もケンシン師匠のように強くなりたいのです」
俺は「頭を上げろ」とエミリアに言った。
「言っておくが、俺の修行は厳しいぞ。それだけは覚悟しておくんだな」
頭を上げたエミリアは「もちろんです」と力強く返事をしてくる。
「よし、そうとなったらヤマトタウンへ行く前に少し稽古をつけてやる」
と、俺はエミリアを連れて席を立とうとした。
そのときだ。
「失礼、少しよろしいか?」
誰かが俺とエミリアに話しかけてきた。
また泥酔した冒険者かと思ったが、声をかけてきた人物は意外な人間だった。
「誰かと思えばお前か、キキョウ・フウゲツ」
俺たちの前に現れたキキョウは、何やら思いつめたような顔をしていた。
他の冒険者のように泥酔して浮かれている雰囲気は微塵もない。
「もうヤマトタウンヘ案内してくれるのか? 約束の時間にはまだ早いはずだが」
「いや、それとは別件だ。申し訳ないが、少しお時間をいただきたい」
俺はしばらく考えたあと、小さく首を縦に振った。
「……いいだろう。それで? 用があるのは俺だけか?」
「いいや、そちらの一番弟子殿にもご足労いただこうか」
俺はエミリアに目線で「いいか?」と問いかける。
エミリアは小さく首を縦に振った。
俺は再びキキョウへ視線を移し、「分かった。どこへでも行こう」と答える。
「かたじけない……では」
素っ気なく返事をしたキキョウは、俺たちに背中を向けて出入り口のほうへ歩いていく。
「ケンシン師匠、キキョウさんは私たちに何の用があるんでしょう?」
「さあな……まあ、行ってみれば分かるだろう」
そして俺たちはキキョウとともに冒険者ギルドを後にした。
だが、このときの俺たちは知らなかった。
俺たちが冒険者ギルドを出て行ったあと、すれ違うように冒険者ギルドを訪れた銀髪の少女がいたことに――。
俺は食事がそろそろ終わる頃合いになったとき、目の前でパンを食べているエミリアに唐突に切り出した。
エミリアは最後の一口分のパンを口に入れながら目を丸くさせる。
まあ、無理もないか。
いきなりヤマトタウンヘ行くと言われても訳が分からないだろう。
しかも飯を食べている途中となったら何も言えないか。
現在、俺たちは冒険者ギルド内で食事をしている。
昼時ということもあってか、周囲のテーブルでも昼食を取っている冒険者たちの姿は多い。
その中には〈魔の巣穴事件〉で仲間を失った冒険者もいて、食事があまり口に入らず憔悴している者もいたが、冒険者稼業には怪我や死は付き物だ。
なので大半の冒険者たちは仕事で死んだ仲間を弔うと、下手に悲しむことはせず大量の酒を飲んで豪気に騒ぎ出す。
朝だろうが昼だろうが夜だろうが関係ない。
そうして死んだ仲間の魂を天国へと陽気に送り出すのだ。
今もそうだった。
俺たち以外のテーブルではちょっとした宴会が開かれ、「あいつは良い奴だった」とか「あの野郎は女遊びに汚くてな」などと豪快に笑いながら死んだ仲間の昔話を肴に楽しんでいる。
「ヤマトタウン……先ほどギルド長と話していたのはそのことですか?」
ごくん、とパンを飲み込んだエミリアは真顔で訊いてくる。
俺は小さく頷いた。
「ああ、ヤマトタウンには武士団ギルドというものがあってな。そこのギルド長の護衛を……」
と、俺がギルド長と話した内容を伝えようとしたときだ。
「ケンシン・オオガミ!」
ベロベロに酔っぱらった数人の冒険者が俺たちのテーブルに現れる。
「お前、スゲエよ! 俺は……俺はお前の強さに感動したんだよ!」
「俺もだ! よし、俺は決めたぞ! 俺はケンシン・オオガミの弟子になる! 弟子になって娼館の女どもに空手を使ってやるんだ!」
「バンザイ! バンザイ! ケンシン・オオガミは英雄だ! バンザイ! バンザイ! バンザイ!」
はあっ、と俺は酔った冒険者たちを見てため息を吐いた。
もう、これで何人目だろうか。
さっきから代わる代わるこうした冒険者たちがやって来るので、おちおち食事も話も満足にできない。
やはり、外で食事をするべきだっただろうか。
ギルド長から無料で昼食を食べていいと言われたので甘やかせてもらったが、まさかこんな風に他の冒険者たちから絡まれるとは思ってもみなかった。
「悪いが今は取り込み中だ。話なら後にしてくれないか?」
そう言うと冒険者たちは「そうか、分かった!」と素直に受け入れ、また自分たちのテーブルに戻って宴会の続きを始める。
「さて、どこまで話したかな?」
「ヤマトタウンに行って、武士団ギルドのギルド長の護衛を……まで、でした」
そうだった。
まったく、話の途中で横から茶々を入れられると本当に困る。
それでも悪気はないのであまり強くも言えないのだがな。
まあ、それはさておき。
「ああ、そうだった。ここのギルド長から武士団ギルドのギルド長の護衛を頼まれてな。それでヤマトタウンに行くことになったんだが……エミリア、お前はどうする?」
「どうするとは……まさか、ケンシン師匠は私を置いていくつもりなのですか?」
「いや、そうじゃない。むしろ逆だ。お前は俺の一番弟子だからな。何があってもお前を強くするまで離れるつもりはない……大事なのはその先だ」
「その先?」
エミリアは疑問符を浮かべながら首を傾げる。
「ヤマトタウンでの仕事が終わってからどうするか、ってことだ。ヤマトタウンでの護衛の仕事はそんなに難しいことでもないだろう。ヤマトタウンのサムライは優秀だと聞いているし、何だったら部外者の俺らが雇われない可能性だってある。まあ、そのときは大人しく帰るだけなんだが……すまん、話が逸れたな」
要するに、と俺は話を元に戻す。
「ヤマトタウンの仕事云々のあと、俺は故郷であるヤマト国へ一旦帰ろうと思う。師匠である祖父の墓参りと武者修行を兼てな」
エミリアはまだ話の根本が掴めなかったのだろう。
だから俺は単刀直入にエミリアに尋ねた。
「エミリア、お前はどうする? 俺と一緒に来るか? この国を捨てて」
そうだ、これだけは本人の口から確かめておく必要がある。
エミリアという名前は冒険者として登録している偽名であり、本当の名前はクラリア・リザイアル――このリザイアル王国の王家に連なる人間だ。
色々と複雑な事情があってこうした冒険者をしているらしいが、それでも完全にこの国を捨てるとなると話は違ってくる。
さすがにエミリアの姿が完全に王宮からいなくなれば、王家の人間たちも捜索に乗り出すだろう。
もしかするとすべての事情を知った王家からは、俺に対してエミリアを連れ去った罪で刺客を差し向けられるかもしれない。
いや、下手すると俺ではなくエミリアに刺客が向かう可能性だって考えられる。
なぜならエミリアは魔法が使えない魔抜けとして、王家から半ば追放されているようなものなのだ。
たとえエミリアがこの国にいたとしても、将来的に幸せになれるかと問われれば首を傾げてしまう。
だったら、エミリアの人生は自分が決めるべきだ。
このままリザイアル王国に残って余生を過ごすのか、俺とともに外の世界へ飛び出して武の道を極めるのか。
俺はどちらでも構わない。
決めるのは、あくまでもエミリア本人だ。
無理やり国外へ連れて行くつもりなど毛ほどもなかった。
だが、エミリアが危険を承知で俺について来てくれるのなら、俺はたとえ相手が誰であろうと絶対に守ると決めている。
「ケンシン師匠……愚問ですよ」
エミリアは居住まいを正すと、真っ直ぐ俺の目を見てくる。
「私はこの国に未練などありません。私は王家の爪弾き者なのです。ただ王家の体面のために生かされていますが、それもどこまで続くか分かりません。もしかすると、明日には父上の気が変わって暗殺されることも十分に考えられます」
エミリアは落ち着いた声で話を続ける。
「そんな馬鹿な、と思われるかもしれません。ですが王家にとって魔法が使えない魔抜けとはそれほど何の価値もない存在なのです。生かすも殺すも王家の――いえ、国王である父上の機嫌次第。そんな生活にはもう耐えられません」
俺は緩く両腕を組んだ。
「じゃあ、もう決意は固いんだな?」
「はい……むしろ、私から強くお願い致します」
エミリアはテーブルに額が触れるほど頭を深く下げた。
「ケンシン師匠、どうか私を連れて行ってくださいませ。そして、私に空手を教えてください。私もケンシン師匠のように強くなりたいのです」
俺は「頭を上げろ」とエミリアに言った。
「言っておくが、俺の修行は厳しいぞ。それだけは覚悟しておくんだな」
頭を上げたエミリアは「もちろんです」と力強く返事をしてくる。
「よし、そうとなったらヤマトタウンへ行く前に少し稽古をつけてやる」
と、俺はエミリアを連れて席を立とうとした。
そのときだ。
「失礼、少しよろしいか?」
誰かが俺とエミリアに話しかけてきた。
また泥酔した冒険者かと思ったが、声をかけてきた人物は意外な人間だった。
「誰かと思えばお前か、キキョウ・フウゲツ」
俺たちの前に現れたキキョウは、何やら思いつめたような顔をしていた。
他の冒険者のように泥酔して浮かれている雰囲気は微塵もない。
「もうヤマトタウンヘ案内してくれるのか? 約束の時間にはまだ早いはずだが」
「いや、それとは別件だ。申し訳ないが、少しお時間をいただきたい」
俺はしばらく考えたあと、小さく首を縦に振った。
「……いいだろう。それで? 用があるのは俺だけか?」
「いいや、そちらの一番弟子殿にもご足労いただこうか」
俺はエミリアに目線で「いいか?」と問いかける。
エミリアは小さく首を縦に振った。
俺は再びキキョウへ視線を移し、「分かった。どこへでも行こう」と答える。
「かたじけない……では」
素っ気なく返事をしたキキョウは、俺たちに背中を向けて出入り口のほうへ歩いていく。
「ケンシン師匠、キキョウさんは私たちに何の用があるんでしょう?」
「さあな……まあ、行ってみれば分かるだろう」
そして俺たちはキキョウとともに冒険者ギルドを後にした。
だが、このときの俺たちは知らなかった。
俺たちが冒険者ギルドを出て行ったあと、すれ違うように冒険者ギルドを訪れた銀髪の少女がいたことに――。
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