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わたしと婚約破棄? では、一族の力を使って復讐させていただきますね
「カスミ・リンドバーグ! やはりお前とは結婚できない! なのでこの場において、この僕――ガルディア王国の第二王太子であるシグマ・ガルディアによって婚約を破棄する!」
大ホールにシグマ様の大声が響き渡る。
時刻は夜――。
場所はシグマ様の別邸にある大ホールの中だ。
大ホールにはわたしやシグマ様と同じ十代の貴族令嬢や貴族令息たちの他に、貴族諸侯たちが結婚お披露目パーティーの名目で集まっていた。
そう、わたしとシグマ様の結婚お披露目パーティーである。
ところがパーティーも終盤に差し掛かったとき、大ホールの中央に歩いてきたシグマ様が高らかに言い放った。
わたしとの婚約を破棄する、と。
一方のわたし――カスミ・リンドバーグは上手く状況が飲み込めなかった。
一体、シグマ様は何を言っておられるのだろう?
わたしとの婚約を破棄する?
「お待ちください。おっしゃっている意味がわかりません」
シグマ様は「ふん」と鼻を鳴らした。
「この僕の言っていることがわからない? はっ、しょせんは東方の蛮族の血を引く卑しい女だ。もしかして動物の血が混じっているんじゃないか?」
シグマ様の嘲笑に対して、取り巻きの貴族令息たちが釣られて含み笑いをする。
「まあそんなことはどうでもいい。あらためて言うが、お前とは結婚できない。そもそも僕は最初からお前との結婚には反対だった。なぜ僕のような高貴な身分の者が、黒髪黒目の蛮族の血を引く女なんかと結婚しないといけないんだ」
わたしは返事に困ってしまった。
「は、反対と申されても……互いの家同士が決めたことです」
わたしは何とか自分を奮い立たせて言葉を吐き出す。
正直なところ、婚約破棄を告げられたときに頭痛と耳鳴りが始まった。
シグマ様の燃えるような赤髪も徐々に白く見えるようになってきて、視界がぐらぐらと揺れている。
あまりの緊張状態で神経系統に異常がきたしている証拠だ。
(ダメよ、カスミ! 忍びの一族として気をしっかり持つのよ!)
自分自身に強く言い聞かせ、わたしは何とか元の状態に戻った。
長年の修行の賜物である。
……それはさておき。
わたしは現在の状況を整理する。
わたしは今回の婚約にあたり、伯爵であるリンドバーグ家の養女となった。
すべてはわたしの一族の長年における王族への影働きが認められた結果だ。
もともとは王族と結婚できる身分ではなかったが、先の隣国との戦争で多大な貢献をしたわたしの一族に対する褒美が今回のシグマ様との結婚だった。
そして、これはシグマ様の父君であるガルディア国王からの提案だった。
わたしたち影の一族は文字通り王国の影として働いてきたが、わたしとシグマ様の結婚によって光の当たる場所に出てきても良いという意味を込めて。
それなのに、シグマ様はご自身の身勝手でその契約――婚約を破棄しようとしている。
こんなことは決して許されないことなのに。
わたしは怒りのあまり両拳をわなわなと震わせると、シグマ様もといシグマは一か所に固まっていた貴族令嬢たちに顔を向けた。
「皆の者、何と言われようが僕は蛮族女との婚約は破棄する。そして、代わりに別の女性と結婚する。もちろん、その女性はこの場にいるぞ」
シグマはこれみよがしに人差し指をクイクイッと折り曲げる。
大半の貴族令嬢たちは頭に疑問符を浮かべていたが、一人だけ淡々とこちらに歩み寄ってきた貴族令嬢がいた。
他の貴族令嬢たちよりも身長が低く、亜麻色の長髪と童顔が印象的だった。
見知った顔である。
確かあれでもわたしと同じ十七歳だったはず。
名前はそう――。
「紹介しよう! 彼女の名前は侯爵令嬢のシルビア・カーマインだ!」
ざわざわざわざわざわ…………。
静寂に支配されていた大ホールにどよめきが走る。
まったくの予期していなかった展開に、大抵の貴族諸侯たちは度肝を抜かれたようだ。
もちろん、それはわたしも同じである。
一方、シグマに抱き着いたシルビアは得意げな顔を浮かべた。
当然ながらわたしに向かって、だ。
「カスミ・リンドバーグ様……いえ、汚らしい蛮族女さん。そういうわけでして、あなたとシグマ様の関係は今日で終わりです。まあ、少しの間だけでも王族と婚姻関係を結んでいたという事実だけを糧として残りの人生を寂しく謳歌してくださいませ。おほほほほほほほ」
シルビアの高笑いが大ホールに響くと、シグマとシグマの取り巻き連中も大声で笑い出す。
やがてシグマは呆然としていた貴族諸侯たちを睨みつける。
「おい、お前たち! 何を馬鹿みたいに呆けているんだ! お前たちも黒髪の蛮族女の哀れな姿を笑え! これは第二王太子であるシグマ・ガルディアの命令だぞ!」
あは……あは……あはは……
この場の最高権力者であるシグマに言われては、貴族諸侯たちも従わずにはいられない。
貴族諸侯たちは明らかに引きつった顔で、仕方なく「あははははは」と笑い始めた。
「わははははは! いや~、最高の気分だ!」
シグマ様はわたしにビシッと人差し指を突きつける。
「さあ、今日の最大の催しはこれで終了だ。あとは僕とシルビアの新たな婚約披露パーティーに切り替えるから、お前はもう用無しだ。さっさと失せろ、蛮族女が」
その言葉を聞いて、わたしの中にあった何かがフッと消えた。
もしかすると、それはシグマを信じる良心の炎だったのかもしれない。
「…………承知しました」
一呼吸置いたあと、わたしは無表情で言い放った。
「それではただいまより伯爵令嬢カスミ・リンドバーグではなく、ガルディア王国お庭番衆の統領の娘――カスミ・クレナイとして応対させていただきます」
わたしはシグマたちに向けてパチンと指を鳴らす。
直後、大ホールの中に忍ばせていたわたしの隠密護衛衆たちが一斉に動いた。
そして隠密護衛衆たちの首筋への手刀打ちによって、シグマたちは夢幻の世界へと誘われたのだった。
♥♥♥♥♥
気がつくと、僕は見知らぬ場所にいた。
(…………ここはどこだ?)
僕は目を開けて周囲を見渡す。
薄暗い闇が広がり、灯りは近くの壁に取りつけられた燭台の蝋燭の炎のみ。
ゆえに最初はどこかわからなかったが、目が慣れてきたせいもあってようやく場所が判明できた。
地下牢だ。
しかし、パーティーを行っていた僕の別邸に地下牢はない。
あるのは王城ぐらいだ。
などと考えている場合ではなかった。
「ど、どうして僕が地下牢にいるんだ?」
耳を澄ますと「ぴちょん……ぴちょん……」と水滴の落ちる音がどこかから聞こえてくる。
鼻をひくつかせれば鉄臭い匂いと悪臭が漂っていた。
その鉄臭い匂いと悪臭は僕がいる牢屋の片隅から漂ってくる。
モゾモゾモゾ。
しかも何だか微妙に動いている。
「何だ……」
と謎の物体の正体を見極めるために身体を動かそうとした。
そこではたと気づく。
「――――ッ!」
僕は頑丈な椅子に座らされ、後ろ手にされて両手首をロープで縛られていたのだ。
それだけではない。
椅子の背と自分の胴体も丈夫なロープでぐるぐる巻きにされていたのである。
僕が疑問に首をかしげていると、遠くからこちらに歩いてくる複数の足音が聞こえてきた。
「これはこれは、シグマ様。お目覚めになられましたか?」
鉄格子を通して通路に現れたのは、カスミ・リンドバーグだった。
そんなカスミは喜怒哀楽の感情がない、生気の抜けた人形のような無表情をしている。
まあ、そんなことはどうでもいい。
「このクソ蛮族女が! ここはどこだ! いや、それよりも僕にこんな真似をしてタダで済むと思っているのか! 第二王太子であるシグマ・ガルディアを敵に回すということは、このガルディア王国を敵に回すということだぞ!」
「それは違うな」
地下牢に凛然とした否定の声が響く。
声を発したのはカスミではない。
カスミの後ろにいた背の高い男だった。
「ま、まさか……」
自分の置かれた状況とカスミに意識が集中していたことで、カスミ以外の人間たちの存在を上手く認知できなかったが、今はもう完全にわかった。
通路にはカスミ以外の人間たちもいた。
一人は僕に対して否定の声を上げた男。
「クズだクズだとは思っていたが、お前がここまでクズだったとはな……兄として恥ずかしい限りだ」
キース・ガルディア。
第一王位継承権を持ち、第一王太子である僕の実兄である。
癖毛で短髪の僕とは違って、毛先まで整えているキースの金髪は地下牢でも金糸のように煌めていた。
顔立ちも四角形の僕とは異なり、中性的な整った顔立ちをしている。
「どうして兄上がこんなところに……いや、それよりも」
僕はキースに懇願した。
「お願いです、兄上。僕をここから出してください。僕はこんなことをされる覚えはありません」
ムカつくクソ兄貴に頭を下げるのは癪だったが、まずは自由の身になってここから出るのが先決だ。
その後どうするかは決まっている。
復讐だ。
キースの隣にいる蛮族女を僕と同じ目に遭わせてやる。
いや、同じ目に遭わせるだけでは僕の腹の虫は治まらない。
手足のすべての爪を剥ぎ取り、女の命だという髪の毛をすべて燃やす。
そして目玉を二つともくり抜いて視覚を奪い、手足も切り取って自由に動けないようにする。
あとは貧困街から精力のあり余った浮浪者たちを連れて来て、カスミの自我を崩壊させるぐらい凌辱させるのだ。
最後は豚小屋に放り込み、完全に命が消えるまで放置しておく。
(くひひひひ、四肢をもがれた蛮族女を豚小屋に放置か……それではまるで人豚だな。そうだ、目玉と四肢を切り取った罪人を豚小屋に放置する人豚罪というものを作ろう)
などという僕の考えは一瞬で消え去った。
「お前をここから出すだと? ふざけるな、どうして罪人を牢から出す必要がある?」
「な……」
これには僕も驚きを隠せなかった。
「一体、何を言っておられるのですか? 冗談はそれぐらいにして早く僕をこの牢から――」
「この大たわけが!」
ビクッと僕の身体が震え上がった。
この声はまさか……
おそるおそる僕は声がしたほうに顔を向ける。
暗闇から一人の男が現れた。
誰を隠そう僕とキースの父である、国王のバラモン・ガルディアだった。
「王族の恥さらしにもほどがあるわ。この国を先代の頃から守ってくれたクレナイ一族の姫を侮辱し、あまつさえ一方的に婚約破棄するとは……」
父は凄まじく怒っていた。
風もないのに銀髪と見間違う白髪が揺れている。
「父上、このような恥さらしは王族ではありません。俺もこいつを弟として見るのはやめました」
うむ、と父はうなずいた。
「ワシもじゃ。先の隣国との大戦でその抜群の諜報力でこの国を勝利に導いてくれたクレナイ一族。そのクレナイ一族の姫をよもやこんなクズに嫁がせようとしたのはワシの失態じゃ。カスミ殿」
父はカスミに対して小さく頭を下げる。
「本当にそなたには悪いことをした。これで許してくださらんか?」
「頭をお上げください、陛下。誰のせいでもありません。すべてはあのシグマが悪いのです」
「では、カスミ殿。このままクレナイ一族はこの国を影から守っていただけるのですか?」
訊いたのはキースである。
「ええ、今回のことはあくまでもシグマの独断専行ゆえの暴挙。でしたらクレナイ一族はこれまでと同じく王族に影ながら仕えさせていただきます」
ホッと父とキースは安堵していた。
一方の僕は何が何だかわからない。
そんな中でも三人でどんどん話は進んでいく。
「しかし、このままではカスミ殿とクレナイ一族に申し訳が立たん。そこでワシは考えた。カスミ殿、キースと結婚してこの国の王妃になってくださらんか?」
僕は目を見開いた。
東方の蛮族の女が王妃?
「キース、お前もそれでよいな?」
「もちろんです。むしろ感謝したいぐらいですよ。だって俺はカスミ殿のことを……」
「え?」と驚いた顔をするカスミ。
「俺は密かにカスミ殿のことを想っておりました。ですから、カスミ殿との結婚はむしろ望むところです」
「だそうじゃが、カスミ殿はどうかの?」
「光栄です。こんなわたしでよろしければ」
「カスミ殿!」
キースは感極まったのか、カスミをガバッと抱きしめる。
「一生あなただけを愛すると誓います」
わたしもです、とカスミは頬を赤らめて返事をする。
「どうかわたしを末永く可愛がってください」
一体、僕は何を見せつけられているのだろう?
まるで芝居小屋の芝居を見せられているような気分だった。
「父上、考えをあらためてください! 高貴なガルディア王家の血筋にそんな蛮族の血を入れるなど――」
「黙れ!」
僕の言葉を父は問答無用で遮った。
「お前とは親子の縁は切った。ゆえにお前はもう王族ではない。下手をしたら内戦を起こしかけた大犯罪者だ。馴れ馴れしく話しかけてくるな」
二人とも、と父はカスミとキースを交互に見る。
「あやつの沙汰はそなたたちに任せる。この老体に地下牢は堪えるわい」
そう言い残して父は遠ざかっていく。
僕の顔から血の気がさっと引いていった。
見捨てられた。
僕は最大の後ろ盾だった父に見捨てられた。
「当然だ」
僕の心を読み取ったのか、キースがドブネズミを見るような目を向けてくる。
「お前のようなクズを庇うような人間などいない。その牢屋で死ぬまで自分が愛した女と過ごすがいい」
僕は大きく目を見開いた。
今キースは何と言った?
愛した女とこの牢屋で過ごせ?
「キース様の言う通りです。どうかこの牢屋でご自分が愛した女性と存分にお過ごしください」
僕が呆けていると、カスミが牢屋の片隅にあごをしゃくった。
釣られて僕は牢屋の片隅に視線を移す。
モゾモゾ……モゾ……モゾ……
闇に目が慣れてきたのだろう。
僕は牢屋の片隅でうごめいている何かの正体がわかった。
「ひいいいいいいいいい」
シルビアだった。
いや、元はシルビアだった異形の生物だ。
何せ髪の毛はすべて剃られ、目玉はくり抜かれ、四肢は切り落とされていたのだ。
そして喋られないように口は極太の糸が縫い付けられていた。
人豚。
まさに僕が思い描いた人豚罪そのものの姿がシルビアにされている。
「あれは人豚というそうです」
僕は慌ててカスミに視線を戻した。
「わたしたちクレナイ一族の故郷は東方の島国のヤマト国ですが、そのヤマト国の北西の大陸にカシン国という国があります。そのカシン国の後宮で似たような刑罰があったとのことなので、それを今回は実際に行ってみました」
いかれてる!
あの女は人間じゃない!
化け物だ!
「……あなたの考えていることなど手に取るようにわかりますよ。わたしのことを化け物とでも思っているのでしょう? ですが、わたしを化け物にしたのはあなたですよ、シグマ様。すべてはあなたが自ら招いたことだというのはお忘れなく」
カスミはニコリと笑うと、パチンと中指と親指の腹をこすって音を鳴らした。
すると巨大なノコギリや刃物を持った屈強な男たちが現れ、僕とシルビアがいる牢屋の中へと入ってきた。
僕はすぐに理解した。
シルビアと同じような目に遭わされる、と。
「く、来るな! 来るなあああああ!」
僕は全身全霊の力を振り絞って身体を揺らす。
しかし、ロープが千切れる様子は微塵もない。
「ダメですよ、シグマ様。王族の男子たるもの、しっかりとわたしに対する責任は果たしていただきます」
「カスミ殿、あいつはもう王族ではない。だから〝様〟づけなど不要だ」
「まあ、そうでしたわ。わたしったらつい……キース様、こんなわたしでも妻に娶って幸せにしてくださいますか?」
「もちろんだ。そなたには何の苦労も心配もさせん」
カスミとキースはギュッと抱きしめ合う。
一方の僕は気が気でなかった。
屈強な男たちは僕のことを屠殺場の豚を見るような目をして近づいてくるのだ。
きっとこいつらがシルビアを人豚にしたのだろう。
「カスミ様、キース様。もうこいつをやってしまってもええですかい?」
「ああ、ただし最後まで絶対に殺すなよ」とキース。
「目玉と耳を潰すのはやめてちょうだい。命が尽きる瞬間まで絶望を見るようにしておきたいの」とカスミ。
「へい、わかりやした!」
「お任せあれ!」
ノコギリと刃物を持った男たちは、舌なめずりをしながら近づいてくる。
「や、やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
僕の絶叫は口を縫い付けられるまで放たれたのは言うまでもない。
〈Fin〉
================
【あとがき】
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
主人公たちの人生はまだまだ続きますが、物語自体はここで幕引きとさせていただきます。
そして第19回恋愛小説大賞に新作を投稿しました。
【タイトル】
【連載】悪役毒妃の後宮心理術
目次ページです
https://www.alphapolis.co.jp/novel/269374665/401981361
よろしければ、ご一読くださいm(__)m
大ホールにシグマ様の大声が響き渡る。
時刻は夜――。
場所はシグマ様の別邸にある大ホールの中だ。
大ホールにはわたしやシグマ様と同じ十代の貴族令嬢や貴族令息たちの他に、貴族諸侯たちが結婚お披露目パーティーの名目で集まっていた。
そう、わたしとシグマ様の結婚お披露目パーティーである。
ところがパーティーも終盤に差し掛かったとき、大ホールの中央に歩いてきたシグマ様が高らかに言い放った。
わたしとの婚約を破棄する、と。
一方のわたし――カスミ・リンドバーグは上手く状況が飲み込めなかった。
一体、シグマ様は何を言っておられるのだろう?
わたしとの婚約を破棄する?
「お待ちください。おっしゃっている意味がわかりません」
シグマ様は「ふん」と鼻を鳴らした。
「この僕の言っていることがわからない? はっ、しょせんは東方の蛮族の血を引く卑しい女だ。もしかして動物の血が混じっているんじゃないか?」
シグマ様の嘲笑に対して、取り巻きの貴族令息たちが釣られて含み笑いをする。
「まあそんなことはどうでもいい。あらためて言うが、お前とは結婚できない。そもそも僕は最初からお前との結婚には反対だった。なぜ僕のような高貴な身分の者が、黒髪黒目の蛮族の血を引く女なんかと結婚しないといけないんだ」
わたしは返事に困ってしまった。
「は、反対と申されても……互いの家同士が決めたことです」
わたしは何とか自分を奮い立たせて言葉を吐き出す。
正直なところ、婚約破棄を告げられたときに頭痛と耳鳴りが始まった。
シグマ様の燃えるような赤髪も徐々に白く見えるようになってきて、視界がぐらぐらと揺れている。
あまりの緊張状態で神経系統に異常がきたしている証拠だ。
(ダメよ、カスミ! 忍びの一族として気をしっかり持つのよ!)
自分自身に強く言い聞かせ、わたしは何とか元の状態に戻った。
長年の修行の賜物である。
……それはさておき。
わたしは現在の状況を整理する。
わたしは今回の婚約にあたり、伯爵であるリンドバーグ家の養女となった。
すべてはわたしの一族の長年における王族への影働きが認められた結果だ。
もともとは王族と結婚できる身分ではなかったが、先の隣国との戦争で多大な貢献をしたわたしの一族に対する褒美が今回のシグマ様との結婚だった。
そして、これはシグマ様の父君であるガルディア国王からの提案だった。
わたしたち影の一族は文字通り王国の影として働いてきたが、わたしとシグマ様の結婚によって光の当たる場所に出てきても良いという意味を込めて。
それなのに、シグマ様はご自身の身勝手でその契約――婚約を破棄しようとしている。
こんなことは決して許されないことなのに。
わたしは怒りのあまり両拳をわなわなと震わせると、シグマ様もといシグマは一か所に固まっていた貴族令嬢たちに顔を向けた。
「皆の者、何と言われようが僕は蛮族女との婚約は破棄する。そして、代わりに別の女性と結婚する。もちろん、その女性はこの場にいるぞ」
シグマはこれみよがしに人差し指をクイクイッと折り曲げる。
大半の貴族令嬢たちは頭に疑問符を浮かべていたが、一人だけ淡々とこちらに歩み寄ってきた貴族令嬢がいた。
他の貴族令嬢たちよりも身長が低く、亜麻色の長髪と童顔が印象的だった。
見知った顔である。
確かあれでもわたしと同じ十七歳だったはず。
名前はそう――。
「紹介しよう! 彼女の名前は侯爵令嬢のシルビア・カーマインだ!」
ざわざわざわざわざわ…………。
静寂に支配されていた大ホールにどよめきが走る。
まったくの予期していなかった展開に、大抵の貴族諸侯たちは度肝を抜かれたようだ。
もちろん、それはわたしも同じである。
一方、シグマに抱き着いたシルビアは得意げな顔を浮かべた。
当然ながらわたしに向かって、だ。
「カスミ・リンドバーグ様……いえ、汚らしい蛮族女さん。そういうわけでして、あなたとシグマ様の関係は今日で終わりです。まあ、少しの間だけでも王族と婚姻関係を結んでいたという事実だけを糧として残りの人生を寂しく謳歌してくださいませ。おほほほほほほほ」
シルビアの高笑いが大ホールに響くと、シグマとシグマの取り巻き連中も大声で笑い出す。
やがてシグマは呆然としていた貴族諸侯たちを睨みつける。
「おい、お前たち! 何を馬鹿みたいに呆けているんだ! お前たちも黒髪の蛮族女の哀れな姿を笑え! これは第二王太子であるシグマ・ガルディアの命令だぞ!」
あは……あは……あはは……
この場の最高権力者であるシグマに言われては、貴族諸侯たちも従わずにはいられない。
貴族諸侯たちは明らかに引きつった顔で、仕方なく「あははははは」と笑い始めた。
「わははははは! いや~、最高の気分だ!」
シグマ様はわたしにビシッと人差し指を突きつける。
「さあ、今日の最大の催しはこれで終了だ。あとは僕とシルビアの新たな婚約披露パーティーに切り替えるから、お前はもう用無しだ。さっさと失せろ、蛮族女が」
その言葉を聞いて、わたしの中にあった何かがフッと消えた。
もしかすると、それはシグマを信じる良心の炎だったのかもしれない。
「…………承知しました」
一呼吸置いたあと、わたしは無表情で言い放った。
「それではただいまより伯爵令嬢カスミ・リンドバーグではなく、ガルディア王国お庭番衆の統領の娘――カスミ・クレナイとして応対させていただきます」
わたしはシグマたちに向けてパチンと指を鳴らす。
直後、大ホールの中に忍ばせていたわたしの隠密護衛衆たちが一斉に動いた。
そして隠密護衛衆たちの首筋への手刀打ちによって、シグマたちは夢幻の世界へと誘われたのだった。
♥♥♥♥♥
気がつくと、僕は見知らぬ場所にいた。
(…………ここはどこだ?)
僕は目を開けて周囲を見渡す。
薄暗い闇が広がり、灯りは近くの壁に取りつけられた燭台の蝋燭の炎のみ。
ゆえに最初はどこかわからなかったが、目が慣れてきたせいもあってようやく場所が判明できた。
地下牢だ。
しかし、パーティーを行っていた僕の別邸に地下牢はない。
あるのは王城ぐらいだ。
などと考えている場合ではなかった。
「ど、どうして僕が地下牢にいるんだ?」
耳を澄ますと「ぴちょん……ぴちょん……」と水滴の落ちる音がどこかから聞こえてくる。
鼻をひくつかせれば鉄臭い匂いと悪臭が漂っていた。
その鉄臭い匂いと悪臭は僕がいる牢屋の片隅から漂ってくる。
モゾモゾモゾ。
しかも何だか微妙に動いている。
「何だ……」
と謎の物体の正体を見極めるために身体を動かそうとした。
そこではたと気づく。
「――――ッ!」
僕は頑丈な椅子に座らされ、後ろ手にされて両手首をロープで縛られていたのだ。
それだけではない。
椅子の背と自分の胴体も丈夫なロープでぐるぐる巻きにされていたのである。
僕が疑問に首をかしげていると、遠くからこちらに歩いてくる複数の足音が聞こえてきた。
「これはこれは、シグマ様。お目覚めになられましたか?」
鉄格子を通して通路に現れたのは、カスミ・リンドバーグだった。
そんなカスミは喜怒哀楽の感情がない、生気の抜けた人形のような無表情をしている。
まあ、そんなことはどうでもいい。
「このクソ蛮族女が! ここはどこだ! いや、それよりも僕にこんな真似をしてタダで済むと思っているのか! 第二王太子であるシグマ・ガルディアを敵に回すということは、このガルディア王国を敵に回すということだぞ!」
「それは違うな」
地下牢に凛然とした否定の声が響く。
声を発したのはカスミではない。
カスミの後ろにいた背の高い男だった。
「ま、まさか……」
自分の置かれた状況とカスミに意識が集中していたことで、カスミ以外の人間たちの存在を上手く認知できなかったが、今はもう完全にわかった。
通路にはカスミ以外の人間たちもいた。
一人は僕に対して否定の声を上げた男。
「クズだクズだとは思っていたが、お前がここまでクズだったとはな……兄として恥ずかしい限りだ」
キース・ガルディア。
第一王位継承権を持ち、第一王太子である僕の実兄である。
癖毛で短髪の僕とは違って、毛先まで整えているキースの金髪は地下牢でも金糸のように煌めていた。
顔立ちも四角形の僕とは異なり、中性的な整った顔立ちをしている。
「どうして兄上がこんなところに……いや、それよりも」
僕はキースに懇願した。
「お願いです、兄上。僕をここから出してください。僕はこんなことをされる覚えはありません」
ムカつくクソ兄貴に頭を下げるのは癪だったが、まずは自由の身になってここから出るのが先決だ。
その後どうするかは決まっている。
復讐だ。
キースの隣にいる蛮族女を僕と同じ目に遭わせてやる。
いや、同じ目に遭わせるだけでは僕の腹の虫は治まらない。
手足のすべての爪を剥ぎ取り、女の命だという髪の毛をすべて燃やす。
そして目玉を二つともくり抜いて視覚を奪い、手足も切り取って自由に動けないようにする。
あとは貧困街から精力のあり余った浮浪者たちを連れて来て、カスミの自我を崩壊させるぐらい凌辱させるのだ。
最後は豚小屋に放り込み、完全に命が消えるまで放置しておく。
(くひひひひ、四肢をもがれた蛮族女を豚小屋に放置か……それではまるで人豚だな。そうだ、目玉と四肢を切り取った罪人を豚小屋に放置する人豚罪というものを作ろう)
などという僕の考えは一瞬で消え去った。
「お前をここから出すだと? ふざけるな、どうして罪人を牢から出す必要がある?」
「な……」
これには僕も驚きを隠せなかった。
「一体、何を言っておられるのですか? 冗談はそれぐらいにして早く僕をこの牢から――」
「この大たわけが!」
ビクッと僕の身体が震え上がった。
この声はまさか……
おそるおそる僕は声がしたほうに顔を向ける。
暗闇から一人の男が現れた。
誰を隠そう僕とキースの父である、国王のバラモン・ガルディアだった。
「王族の恥さらしにもほどがあるわ。この国を先代の頃から守ってくれたクレナイ一族の姫を侮辱し、あまつさえ一方的に婚約破棄するとは……」
父は凄まじく怒っていた。
風もないのに銀髪と見間違う白髪が揺れている。
「父上、このような恥さらしは王族ではありません。俺もこいつを弟として見るのはやめました」
うむ、と父はうなずいた。
「ワシもじゃ。先の隣国との大戦でその抜群の諜報力でこの国を勝利に導いてくれたクレナイ一族。そのクレナイ一族の姫をよもやこんなクズに嫁がせようとしたのはワシの失態じゃ。カスミ殿」
父はカスミに対して小さく頭を下げる。
「本当にそなたには悪いことをした。これで許してくださらんか?」
「頭をお上げください、陛下。誰のせいでもありません。すべてはあのシグマが悪いのです」
「では、カスミ殿。このままクレナイ一族はこの国を影から守っていただけるのですか?」
訊いたのはキースである。
「ええ、今回のことはあくまでもシグマの独断専行ゆえの暴挙。でしたらクレナイ一族はこれまでと同じく王族に影ながら仕えさせていただきます」
ホッと父とキースは安堵していた。
一方の僕は何が何だかわからない。
そんな中でも三人でどんどん話は進んでいく。
「しかし、このままではカスミ殿とクレナイ一族に申し訳が立たん。そこでワシは考えた。カスミ殿、キースと結婚してこの国の王妃になってくださらんか?」
僕は目を見開いた。
東方の蛮族の女が王妃?
「キース、お前もそれでよいな?」
「もちろんです。むしろ感謝したいぐらいですよ。だって俺はカスミ殿のことを……」
「え?」と驚いた顔をするカスミ。
「俺は密かにカスミ殿のことを想っておりました。ですから、カスミ殿との結婚はむしろ望むところです」
「だそうじゃが、カスミ殿はどうかの?」
「光栄です。こんなわたしでよろしければ」
「カスミ殿!」
キースは感極まったのか、カスミをガバッと抱きしめる。
「一生あなただけを愛すると誓います」
わたしもです、とカスミは頬を赤らめて返事をする。
「どうかわたしを末永く可愛がってください」
一体、僕は何を見せつけられているのだろう?
まるで芝居小屋の芝居を見せられているような気分だった。
「父上、考えをあらためてください! 高貴なガルディア王家の血筋にそんな蛮族の血を入れるなど――」
「黙れ!」
僕の言葉を父は問答無用で遮った。
「お前とは親子の縁は切った。ゆえにお前はもう王族ではない。下手をしたら内戦を起こしかけた大犯罪者だ。馴れ馴れしく話しかけてくるな」
二人とも、と父はカスミとキースを交互に見る。
「あやつの沙汰はそなたたちに任せる。この老体に地下牢は堪えるわい」
そう言い残して父は遠ざかっていく。
僕の顔から血の気がさっと引いていった。
見捨てられた。
僕は最大の後ろ盾だった父に見捨てられた。
「当然だ」
僕の心を読み取ったのか、キースがドブネズミを見るような目を向けてくる。
「お前のようなクズを庇うような人間などいない。その牢屋で死ぬまで自分が愛した女と過ごすがいい」
僕は大きく目を見開いた。
今キースは何と言った?
愛した女とこの牢屋で過ごせ?
「キース様の言う通りです。どうかこの牢屋でご自分が愛した女性と存分にお過ごしください」
僕が呆けていると、カスミが牢屋の片隅にあごをしゃくった。
釣られて僕は牢屋の片隅に視線を移す。
モゾモゾ……モゾ……モゾ……
闇に目が慣れてきたのだろう。
僕は牢屋の片隅でうごめいている何かの正体がわかった。
「ひいいいいいいいいい」
シルビアだった。
いや、元はシルビアだった異形の生物だ。
何せ髪の毛はすべて剃られ、目玉はくり抜かれ、四肢は切り落とされていたのだ。
そして喋られないように口は極太の糸が縫い付けられていた。
人豚。
まさに僕が思い描いた人豚罪そのものの姿がシルビアにされている。
「あれは人豚というそうです」
僕は慌ててカスミに視線を戻した。
「わたしたちクレナイ一族の故郷は東方の島国のヤマト国ですが、そのヤマト国の北西の大陸にカシン国という国があります。そのカシン国の後宮で似たような刑罰があったとのことなので、それを今回は実際に行ってみました」
いかれてる!
あの女は人間じゃない!
化け物だ!
「……あなたの考えていることなど手に取るようにわかりますよ。わたしのことを化け物とでも思っているのでしょう? ですが、わたしを化け物にしたのはあなたですよ、シグマ様。すべてはあなたが自ら招いたことだというのはお忘れなく」
カスミはニコリと笑うと、パチンと中指と親指の腹をこすって音を鳴らした。
すると巨大なノコギリや刃物を持った屈強な男たちが現れ、僕とシルビアがいる牢屋の中へと入ってきた。
僕はすぐに理解した。
シルビアと同じような目に遭わされる、と。
「く、来るな! 来るなあああああ!」
僕は全身全霊の力を振り絞って身体を揺らす。
しかし、ロープが千切れる様子は微塵もない。
「ダメですよ、シグマ様。王族の男子たるもの、しっかりとわたしに対する責任は果たしていただきます」
「カスミ殿、あいつはもう王族ではない。だから〝様〟づけなど不要だ」
「まあ、そうでしたわ。わたしったらつい……キース様、こんなわたしでも妻に娶って幸せにしてくださいますか?」
「もちろんだ。そなたには何の苦労も心配もさせん」
カスミとキースはギュッと抱きしめ合う。
一方の僕は気が気でなかった。
屈強な男たちは僕のことを屠殺場の豚を見るような目をして近づいてくるのだ。
きっとこいつらがシルビアを人豚にしたのだろう。
「カスミ様、キース様。もうこいつをやってしまってもええですかい?」
「ああ、ただし最後まで絶対に殺すなよ」とキース。
「目玉と耳を潰すのはやめてちょうだい。命が尽きる瞬間まで絶望を見るようにしておきたいの」とカスミ。
「へい、わかりやした!」
「お任せあれ!」
ノコギリと刃物を持った男たちは、舌なめずりをしながら近づいてくる。
「や、やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
僕の絶叫は口を縫い付けられるまで放たれたのは言うまでもない。
〈Fin〉
================
【あとがき】
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
主人公たちの人生はまだまだ続きますが、物語自体はここで幕引きとさせていただきます。
そして第19回恋愛小説大賞に新作を投稿しました。
【タイトル】
【連載】悪役毒妃の後宮心理術
目次ページです
https://www.alphapolis.co.jp/novel/269374665/401981361
よろしければ、ご一読くださいm(__)m
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&王家では「お血筋騒動を避ける」ため処分一択だろうに
感想ありがとうございます。
その通りですね
タイトルが軽い感じだったので、よくある婚約破棄物かと思っていたのですが…。
江戸時代の忍者から御庭番になった一族みたいな。
後、西太后っぽい。
ここ迄しなくてもなぁ〜。
感想ありがとうございます。
なぜかこんな感じになってしまいました。
今晩は。
返信まで頂き申し訳ありません。
コメントして直ぐに後悔したのですが、先ず自分がコメント誤字してました💦
作者様の世界観なのに、勝手に引っかかったとか言わなきゃ良かったと💦本当にすみません。༎ຶ‿༎ຶ💦
いえいえ、こちらこそ勉強させていただきました。
このような感想ならば大歓迎です。
本当にありがとうございましたm(__)m